三階層。
ここは、今までと雰囲気が異なる。
目の前にあるのは大きな扉。
逆に言ってしまえば大きな扉しかないのだ。
「なんか、この扉の先にボスがいそうな感じがすごくする。」
俺は、[天叢雲剣]を抜いて扉を開けようと触れた瞬間、扉がゆっくりと開き出した。
「すごい雰囲気出てるな。さて、鬼が出るか蛇がでるか。」
俺は、周りを警戒しながらゆっくり扉の奥に入っていった。
「何かいるな。鎧か?」
[アーマーナイト]
鎧の騎士のモンスターか。今までのモンスターより強そうだ。
【挑戦者よ。自らの武、存分に示せ。】
[アーマーナイト]の顔の部分の鎧の中に、目の様な赤紫の光が灯り、立ち上がった。
「今のがボス戦開始の合図っぽいな。悪いが、先手必勝だぜ。」
俺は、真っ直ぐ突っ込んだ。
[アーマーナイト]が剣を構える。
俺は、そのまま斬りかかるフリをしてスライディング。
[アーマーナイト]の背後に回り一太刀。
[アーマーナイト]は上半身を半回転させ、剣で防いできた。
「何!これを防ぐのか。」
俺は、すぐに距離をとった。
「手応えがない。HPは吸い取れなかったか。」
おそらく、相手に直接攻撃が当たらなければ吸い取れない様だ。
しかし、今の攻撃を防がれたとなるとキツイな。
俺は、[天叢雲剣]を今まで以上に強く握った。
[アーマーナイト]は、地面を強くけり約一歩でこちらまで来て、強烈な突きをしてきた。
俺は、体を左側にずらしながら[天叢雲剣]で防ぎ、相手の剣の勢いを右側に逃がし回転の力を利用して[アーマーナイト]に蹴りを入れた。
「なるほどね。」
俺は、すぐに相手との距離をとった。
そこからは一進一退の戦いだった。
だが、俺は気付いていた。
俺の剣技では[アーマーナイト]に勝てないことを。
俺の決めての攻撃がことごとく躱される。かわって相手の攻撃はどんどん俺に近づいてくる。
俺も、HP吸収のおかげでなんとか持ち堪えているが状況は悪くなる一方だ。
「賭けに出るしかないか。」
俺は、[アーマーナイト]と向かい合った。
ここで決める。
[アーマーナイト]が突きをしてきた。
そして、その剣が俺の右側肩を貫いた。
右肩からは血が流れいる。
「これを、待ってたぜ。」
俺は、あまり力の入らない右手で[天叢雲剣]を[アーマーナイト]に刺した。
そして[アーマーナイト]に刺さっている[天叢雲剣]を左手で引き抜き、[アーマーナイト]の剣を持っていると右腕を切り裂いた。
そして、蹴りを入れて[アーマーナイト]を吹っ飛ばした。
俺は、すぐに右肩に刺さっている剣をぬいた。
「痛え。これは、痛いなんてもんじゃねーな。」
【見事。相打ちとはな。面白い戦いだった。】
「誰だか知らねーけど、勘違いされちゃ困る。俺の右肩を良く見ろ。」
右肩の傷が治っている。
「俺の、天叢雲剣のスキルであるHP吸収で回復したんだ。さらに、この刀を持っていれば蹴りや殴りでもHPが吸収できる。回復には最後の蹴りまでかかっちまったが、俺の作戦勝ちだ。」
【そうか。見事。盟約に従いソナタの力解き放とう。】
目の前が真っ白になった。
気が付くと俺は外にいた。
しかもあの塔の近くでもない。
日も高い。塔に入った時とそう変わらない時間の気がする。
どういうことなんだ。全くわからん。
だが一ついい事がある。
「街があるーっ。」
俺は、疑問など考えず街まで走り出していた。