最早開き直ろう。琴音ちゃんに会ってから幾ばくか。自分はどう行動すべきかを悩んでいた。このまま関わると本筋が大きく変わる道へとまっしぐらな気がする。だって将来ではキーパーソン中のキーパーソンだからな、琴音ちゃんは。助けたいなーとは思っているが、具体案は未だ無し。そんな状態で琴音ちゃんに深く関わっていいものか。ここ数日悩みに悩みぬいた。そうして出た結論が開き直りである。
「琴音ちゃんは感情が知りたい?」
「………どうでも……いいかな…」
(揺らいだ)
何時も通り琴音ちゃんを膝の上に乗せながら月を見る。顔を上げたまま、無造作に問いを投げ掛けた。琴音ちゃんは少し体を震わせた後、何かを言いたいような雰囲気を出したけど、最後には無表情、無感情な状態へと戻った。恐らくは彼女も知りたいのだろう。泣き、笑い、怒り、他の人々がする当たり前の行動。どうしてそんな顔をするのだろうか。どうしてそんなに楽しそうなのか。どうして、どうして、自分にはその感情が無いのか。それを知りたい筈なのだ。
(多分今、食ったな)
強い感情への欲求。それはMAGを生み出すには充分だ。故に彼女の中に居るデスはそれを食らった。その行動を咎める気はない。生きる為に、己の存在を維持する為に、無意識的に行っている事だろうから。ともすれば未来で人の形を取ったデスがあんなにも感情豊かだったのは、彼女の本来育まれる感情を食らったが故なのかもしれない。話が逸れたが、デスは無意識的に感情を食らう。だから琴音ちゃんは感情を育めない。実感する事が出来ない。
「琴音ちゃん、感情が知りたいなら家に来ない?」
「………」
手を差し出す。琴音ちゃんは珍しく月から目を離して、自分の手をじーっと見つめた。彼女に感情を早く教えれば、どのような変化が起きるのかは分からない。だが別に良いではないか。自分というイレギュラー、異分子が居るのだから今更未来等保証されていない。此処で彼女と関わらなくても未来に大きな変化を与えるかもしれない。小さな蝶の羽ばたきが、遥か遠い場所に災いを起こすように。
「行こうか、琴音ちゃん」
「………うん」
手を握り返す。どうせなら後悔無きように。自分はこれからそう生きよう。自重は辞めた。思うままに、やりたいと思った事をしようじゃないか。それが自分らしい。影時間の中に浮かぶ月に照らされながら、自分と琴音ちゃんは歩み始めた。
「という訳で、今から──をやるね!だから見ててね琴音ちゃん!」
「……?」
「…マジ?このサマナー本当に…」
「悪魔が言うのもどうかと思うけどね…サマナー…やるの?ホントに?」
「勿論!」
MAGの事は詳しく分からない。けど要するに、デスが一気に食いきれない程の感情を発生させてやればいいのだ。喜怒哀楽。色々と感情の種類はあるが、強い感情が発生するのは死や生が絡んだ時が一番だろう。現に未来では死を意識する事でペルソナを発現させた。補助機である召喚器が無いのは残念だが、自分の推測が正しいのならば、余り召喚器には頼らない方が良い。とと、また話がずれそうになったな。
「先ずはマンドレイクからだな。身長は近いし」
「いきなり見せつけるの…?」
「その方がインパクトあるからね」
ピクシーにはこれから行う行為の説明を担って貰う。可愛らしい琴音ちゃんの肩にピクシーが乗っている様はとても似合う。影時間内では機械が使えないのが悔やまれるな。使えたら撮ってるのに。それで感情を強く揺さぶる方法だが、勿論命の危機を味わせる等論外である。こんな可愛い子にそんな事出来るか!という訳で他に大きく感情揺さぶる行為って何かなーと考えた末に出たのがこの結論だ。
自分が初めてエッチな本や動画を見た時の興奮は今でも覚えている。あの衝動は自我を失くす程に強烈的で甘美であった…。生と死は表裏一体。死を思う事が命の危機ならば、生を思う事はエッチな事を体験する時なのだ。命の危機とエッチな事。何方が良いか等論ずる余地もなし。決まれば直ぐに準備だーと仲魔達には予め説明済みである。案の定ドン引かれたが、自分が思いつく案などこれしかないので仕方ない。こんな自分を許してくれ。まあエロい事をしたいだけなのも否定しないけどさ。
「じゃあ始めるね、琴音ちゃん」
「……う、うん…」
「今見えてるのが──で、あれを入れるとね」
一番は本人に快感を与えるのが良いのだろうが、流石に子供に手を出すのはNGだ。マンドレイクとピクシーは悪魔だからセーフ。なので無修正生◯ルノを見せつける事にした。この年齢ならば最低限の知識はあるだろうが、感覚を実感しやすいように解説は止めない。成功率を上げるのは基本だからな。
「わ…わぁ…」
「今やってるのが──。これをされると気持ち良いんだよね。多分貴女もされたら気持ち良いよ」
「き…気持ち良い…?」
マンドレイクとやっている行為を事細かにピクシーは説明する。ハァハァと息が荒いのは良い証だ。感情が少しずつ外に出始めている。気持ち良いという感覚が分からないのか、琴音ちゃんはピクシーに問い返す。ピクシーに視線を向けた。一応女同士ならばギリギリ?セーフだろう。なので気持ち良いという感覚を感じる為の行為をピクシーにやってもらう。
「ピ、ピクシー…?」
「大丈夫…私に任せて…ね?」
「おー凄い凄い」
ピクシーも結構乗り気なのか、琴音ちゃんの体に気持ち良いを教え込んでいった。初めて体験する感覚に琴音ちゃんは戸惑っている様子。今が畳み掛け時だな。マンドレイクと一緒に琴音ちゃんの前でおっ始める。体で理解したせいか、琴音ちゃんの目付きは先程よりも食い入るようだ。自分とマンドレイクがしている行為。その一挙手一投足を見逃さないように、ひたすらにひたすらに見つめている。
「す…凄い…!」
初めて琴音ちゃんの感情的な声を聞いた。どうやら溢れ出すエロへの探求心から来るマグネタイトの量は、デスでも食い切れなかったらしい。自分で琴音ちゃんに対して説明した。今抱いている感情は、喜びという感情の一つだと。
「これが……喜ぶ…」
頬を染めながらも噛みしめるように琴音ちゃんは呟いた。同時に恥ずかしいという感情も教えてあげる。今日だけで2つの感情を一気に味わえたね。と言うと、琴音ちゃんは恥ずかしさと喜びが混ざった複雑な感覚を覚えたようだ。初めての激しい感情にかなり戸惑っているのが分かる。
さて。話は変わるが、ペルソナがMAGから形成されたのではという仮説を覚えているだろうか。今、自分の部屋にはそういう行為をしている為かかなりのMAGが渦巻いている。影時間という異界なのも後押ししてるか。そしてペルソナとは大体激しい感情の揺れが発生すると発現する。勿論素質が無いとそんなポンポンとは出ないが、琴音ちゃんはデスを体の中に入れている為か普通の素質とは別の特別な素質がある。まあ何が言いたいかというとだ。
「あ」
琴音ちゃんの体から、人型の物体がスーッと出て来たのだ。長い髪は未来の彼女の姿を暗示しているのだろうか、服装は露出が高いハイレグカット。背中からは大きな羽根が生えている。
(あれ?オルフェウスじゃないの?)
何処からどう見ても違う。初めて覚醒したペルソナはサキュバスであった。完全に自分達のせいだと分かるチョイスだ。色欲に頭を支配されたせいで、本来最初に出る筈のペルソナとは変わったようだ。……やってしまった気がする。今更ではあるのだが。まあそれはそれとして、最後まで行為は続ける愛希であった。
性欲に忠実に書きました。サキュバスのレベルは1です。