つるはしと斧を作った俺は再び素材集めを再開する。とは言っても武器を作った分の素材だけだが。
携帯たいまつも作れているので最悪夜になっても小屋を作って引きこもりたいまつを持ってれば余程死ぬ事は無いだろう。
まぁそもそも序盤にそんな強いパルはグランモスぐらいしか出てこないのだが最序盤の今はニャンバットやアロアリューといったメンツですら即死にだ。
アロアリューやグランモスなんかは自分から攻撃しない限りよっぽど大丈夫なので現状気をつけるのは夜のニャンバットぐらいだろう。
俺は持っている武器を棍棒に持ち替えていよいよ人生初のパルとのリアルファイトの用意をする。
序盤のパルは食物連鎖の底辺三銃士のタマコッコ、モコロン、ツッパニャンの3匹だがその中でも念には念を入れて自分と比べてレベルがあまり変わらなくて孤立している個体、あとは趣味の問題で♀を狙いたい。
なんの自慢でも無いが俺は♂より♀派だ。というか大半の男子高生はそうだろう。俺の友達には♀個体縛りをしているやつもいたが俺はそこまでハードな方では無い。
とはいえ♀を基本的にゲットするのは俺の信条みたいなものなので♀を狙っていきたいところだ。
俺はそのまま素材を回収しながら探し回る事10分。目の前にレベル3のタマコッコを発見する。
「おあつらえ向きだな。」
俺は目の前のタマコッコが後ろを向いた瞬間に木の棍棒でタマコッコの頭に全力で振り下ろす。
アバターの力なのかは分からないが特に振り下ろした際に痛み等は感じない。流石に殴った感触はあるがそれだけだ。
目の前のタマコッコは何が起こったかを把握する為にこちらを向こうとしているので向く前に俺は上に出ているHPゲージが2割程度になるまで棍棒で頭を殴り続けた。
俺はタマコッコのHPがある程度減ったのを確認すると、後ろにローリング回転をしてそのままタマコッコにパルスフィアをぶん投げた。
捕獲率は最初から100%だったので逃げられる心配は無いだろう。俺の投げたパルスフィアは2、3度揺れて捕獲のアナウンスが出る。
「意外とチョロイな。やっぱこれは俺TUEEEEモノか?」
人生初のパル捕獲だが喜びよりも安堵感のが多く感じた気がする。それにしても捕獲率が100%って事は少なくともハードでは無いな。ノーマルかイージーかは分からないが恐らく難易度は高くないだろう。
要するに俺TUEEEEって事だ。異世界に来たんだからこうじゃないとな。
『初めて捕獲に成功した!タマコッコ♀Lv3 パッシブスキル火遊び好き』
どうやら俺が捕まえたタマコッコは火遊び好きらしい。無属性のタマコッコにとっては火遊び好きは何も価値が無いので実質スキル無しみたいなものだ。
「名前は……コケ1号でいっか。」
この世界での捕まったパルはいわば奴隷みたいなもんだ。主な使い道は自分の代わりにパルと戦わせたり、労働力として拠点で働かせたり、要らなくなったら商人に売り飛ばしたり濃縮素材に使ったり、まぁ文字通り生殺与奪の権を握られた哀れな奴隷である。
パルの世界観はよくわからんが弱肉強食なのかそれともパルスフィアに洗脳する力でもあるのか、まぁとにかく捕まったパルは俺の所要物、奴隷になるのは変わりない。どうせこれからも乱獲するだろうし識別しやすいように番号を振っといた方がいいだろう。
ちなみに今現在いるスタート地点付近には4種類のパルがいる。
まずは今捕まえたニワトリのタマコッコ、それにネコみたいなツッパニャンと羊みたいなモコロン。コイツらは3匹とも最序盤のチュートリアルみたいな奴らだ。要するに無茶苦茶弱い。
問題はラストの1種類、マンモスみたいなグランモスである。コイツは序盤にいる癖にレベルが30代の化け物だ。中盤以降になるまで触らぬ神に祟りなしのスタイルで居るべきだろう。
という訳で残った手持ちのパルスフィアでモコロンかツッパニャンか、まぁどっちでもいいから捕まえやすい方を捕まえるべきだろう。
さっきの感じだと群れを狙ってもまぁ凡そ勝てるだろう。俺は自分の手持ちからタマコッコを出して目の前のツッパニャンに攻撃を仕掛ける。
幸いにも目の前のツッパニャンのレベルは1と3、よっぽど勝てるだろう。俺はレベル1のツッパニャンに棍棒を何度も振り下ろす。捕まえるのはレベル3のツッパニャンでいいしこいつは倒してしまっていいだろう。
それにしても弱いな。難易度はイージーとノーマルの間ぐらいだろうか?俺は棍棒をタマコッコの時のように何度も振り下ろしツッパニャンを倒す。そしてもう一体のツッパニャンを見ると……なんとタマコッコが倒していた。しかもHPは大して減っていない。
「いやお前強くね?」
俺がタマコッコの方を見るとタマコッコは不思議そうに首を傾げていた。まぁそりゃ人間の言葉なんか分からんよな。別に絆とかも特に無いしそんなものか。
『レベルが上がりました』
どうやらレベルが4に上がったらしい。それにしてもこの音声はどこから聞こえているのだろうか。謎だらけだなこの世界。
俺は自分のレベルが上がったのを確認してステータスポイントを所持重量に振り分ける。
そしてテクノロジーポイントを使ってエサ箱、布の服、ノーマルシールドを解放する。ハードのようなダメージ感覚で無ければ布の服もシールドも自分が生き延びるために序盤では必須だろうしエサ箱は無いと拠点建築のとき終わるからな。
俺がレベルアップのポイントを振り分けいる間俺のタマコッコはツッパニャンと戦っていた。大方さっきツッパニャンを倒していた最中に敵判定を受けたんだろう。
「いやこのパルスフィアが無い状態でこられても困るんだけど……まぁいいや」
俺は今パルスフィアが無いのでツッパニャンを捕まえられない。早い所作業台を作り直してパルスフィアを作らないとな……。
相手のツッパニャンは残り2匹。1匹はタマコッコが倒してくれたらしいので俺は残りのツッパニャン目掛けて棍棒を振り回す。そしていつもの通り何度も振り回すうちにツッパニャン達は倒れていった。
「さて、早いとこパルスフィアを作らねぇとな。」
俺はツルハシで掘った大量のパルジウムの欠片をパルスフィアに加工する。生憎と手持ちがタマコッコ1匹なので俺が一人で作業するしかない……捕まえる順番ミスったかな?まぁ今更か。
そのまま作業すること5分ぐらい。俺はパルスフィア10個の生産を完了させた。
目の前にちょうどいいレベル1のタマコッコもいるのでそのままパルスフィアを試し投げする。捕獲率は…41%
「まぁ行けるやろ。」
俺は目の前にいる後ろを向いているタマコッコに向けてパルスフィアをぶん投げる。背面ボーナスも乗ってか、タマコッコは一発で捕まった。
捕まえたタマコッコ♀のレベルは1、パッシブスキルはうぬぼれやの様だ。
「なんかあっさり捕まったな……。名前はコケ2号にしとこ。」
人間だったら不名誉極まりない名前だがパルだし大丈夫でしょ。多分。
パルスフィアの性能も試した事だひ次は最初の夜を乗切るために拠点の場所を探すことにしよう。
俺はそのまま素材を回収しながらいい拠点を探しに向かうのだった。
山内
ステータス
HP→600
スタミナ→100
攻撃→100
防御→100
作業速度→100
所持重量→400
手記
Day.2
所持パル
タマコッコ2体
クルリス像1