パルワールドに転生した件   作:あもう

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前回の後書き忘れてましたすいません。


第3話

俺は気が付いたら最初いたところから少し離れた風立ちの丘付近で横になっていた。夢でも見ていたんだろうか。

 

 

「んな訳ねぇか……」

 

頭にこびりついた痛みの記憶が即座にそれを否定する。俺はダンジョンでカモノスケのボスに攻撃されて、負けたんだ。

 

むしろなんで生きているのか不思議なぐらいだ。既に1回死んでるのかもしれないがそれを知る術はない。

 

まぁ1回死んだと仮定しよう。そのうえで今回当たり前の事を一つ思い出せた。

 

これは現実だ。痛みは本物だし、なんでかは分からないが生き返ったが本来なら死んでいた。これからは軽率な行動は気をつけなきゃいけないだろう。まぁ気を付けてで調子に乗るのが人間と言えばそうだが。

 

あくまでもこれは生存競争だ。その意識が俺には足りてなかったな。俺は別に支配者でも捕食者でも無い。一言で言うなら舐めプは良くないってことだ。にしても一言で言うって頭痛が痛いみたいで嫌だな。

 

俺は心の中で自分に喝を入れ直し起き上がる。近くにいた俺の様子を不思議そうに眺めていたツッパニャンはビックリしたのか驚いて俺から逃げようとする。

 

「おいおい逃げんなよ。せっかく俺に興味持ってくれたんだから死ぬまで飼ってやるよ。」

 

我ながらキモイ発言でしかないが、こうでもしないと自尊心を保てそうにない。それほどまでにさっきのサイコロステーキ先輩みたいなイキリムーブからの即死は俺の心を深く傷付けたのだ。俺は悪くない。悪くないぞ。

 

俺は自分で自分を悲しい気分にさせながらパルスフィアを逃げてるツッパニャンにぶん投げる。運良くなのか本人(?)の意思なのかツッパニャンは一発で捕まった。

 

ちなみにツッパニャンは♀のレベル2でパッシブスキルはビビりと防草効果だ。ツッパニャンは野良だとビビりが確か確定で着くので実は野良のツッパニャンでは戦闘には向いてなかったりする。

 

「そういえばパルボックスが無いとパルの入れ替えは出来なかったっけ。」

 

確かパルの手持ち上限は5体のはずだ。今捕まえたツッパニャン、もといツッパ2号はパルボックスを設置しないと入れ替えが出来ない。

 

「とはいえいい平地をまだ見つけられてないし後でいいか。」

 

まぁ今すぐツッパ2号を取り出したい用事も無いのでそんな急ぐ必要も無いが夜は辛いから避けたいところだしなんとも言い難いラインだ。

 

「お前何笑ってんだよ。ぶっ潰されてねぇのか?」

 

そんな怠けた事を考えているとふと1匹のタマコッコと目が合った。勿論そんな訳ないのだが俺には何故かタマコッコにバカにされてるような気がした。

 

「クソが!なんかむしゃくしゃしてきたぜ!」

 

俺は手に持ってた木の棍棒でそのまま目の前のレベル2のタマコッコをフルボッコにした。勿論体のいい八つ当たりでしか無い。

 

だが別になんの問題も無いだろう。さっきのツッパニャンにしても、このタマコッコにしても、そしてさっきの俺にしても弱いのが悪いのだから。そう、今まで俺がいた世界のルールが違いすぎただけでこの世界では強さ=正義なのだろう。まさに弱肉強食というわけだ。

 

 

その後も俺は自分を正当化しながら八つ当たりでさらに2匹のパルを捕獲した。

 

1匹目はツッパ3号♀レベル4でパッシブスキルがビビりと水遊び好きだ。コイツは俺の方をじっと見てきたので捕まえた。

 

2匹目はキツネビというキツネの尻尾に火がついたパルだ。名前はキツネ1号にした。性能的には♀でレベル5だが破滅願望というSAN値が減りやすいパッシブスキルを持っている。つまりメンタルクソカスって事だ。

 

コイツは目の前を通りかかったのでそのまま棍棒で滅多打ちにして捕まえた。昔の日本では生麦事件という外国の方が日本の大名の前を通って殺されかけた事件もあったし似たようなものだろう。いつの時代も人は力に溺れるのだ。

 

他には暗黒のたまごというパルが孵化するタマゴを拾ったり、クルリス像という沢山集めると捕獲率が上がる謎のリスの像を回収したりした。

 

特にクルリス像は見つけた瞬間まるで失われてた自分の体の一部が戻るかのように自分の中に入り込むので奇妙な感覚だった。

 

あとはDay.3と書かれた日記を拾ったり、その近くにあった砦跡地のファストトラベルを解放したり、近くの宝箱を開けたりした。

 

 

この島はまるで自然に文明が敗北したようにも見える。パルという特殊な生命体にさしずめ人間は勝てなかったと言った所だろうか。だとすると古代テクノロジーがあまりにも不気味すぎる気もするが。

 

もしかしたらあれは人間のテクノロジーでは無いのかもしれない。

 

 

「まぁそんなことは落ち着いてから考えればいっか。1回頭をスッキリさせた方が良さそうだな。」

 

 

俺は頭の中をスッキリさせるために木の棍棒で目の前にいるレベル3のモコロンをぶん殴った。運動をするとかえって頭がスッキリするタイプの人間がいるらしいが俺もそのタイプなのかもしれない。

 

モコロンが目を回して倒れていくのを確認した視線の気に俺は煙のようなものを発見した。遠いが空には特に何も無いのでよく見える。

 

「人かな?」

 

煙が上がってるということは密猟団のアジト、もしくは第三村人だろう。俺はダッシュで様子を見に行くことにした。

 

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結論から言うと密猟団のアジトの方だった。密猟団のレベルは5だが5人もいてめんどくさい。

 

という訳で前回死にかけた時に盾にしたモコ1号君を密猟団のアジトにぶん投げておいた。

 

「なんだこいつは!お前ら!コイツも売り飛ばすぞ!」

 

案の定密猟団はモコ1号目掛けて銃を構えている。ちなみにモコ1号は泣きそうな顔をしていた。知ったことか。

 

密猟団のアジトにはよく珍しいパルが捕まっている。たまにハズレもあるが恐らくは有能なパルだろう。少なくともモコ1号よりは。

 

俺は密猟団の隙をついて岩陰から密猟団のアジトに潜入した。ちなみにモコ1号は必死に密猟団と戦ってた。

 

「やっぱ捕まってるか。」

 

密猟団の檻の中にはマグマのようなラヴィというパルが捕まってた。それにしても何故密猟団の鍵はこんな力を込めて捻ったら誰でもとけるような鍵しかつけてないのだろうか。もっとなんかあっただろ。いい感じのやつ。

 

「よし、後は勝手に脱出しろ。」

 

俺は檻の扉を開けてやった。それと同時に最初は絶望した顔だったラヴィの表情に必死さが戻った…気がする。

 

俺はモコ1号をパルスフィアに戻してそのまま密猟団がいる方と逆にダッシュした。ちなみにラヴィは俺の真後ろをダッシュしてた。

 

ゲームでは密猟団から解放したらすぐ仲間になってたがここら辺はさすがに現実か。

 

「ここまで逃げれば大丈夫だろ。あとは上手くやれよ。」

 

「ラヴィ…ラヴィヴィ!!」

 

俺はラヴィの事は諦めようと思ってた。勿論理由は優しさなんかじゃない。ラヴィが大したことないからだ。

 

まずこのラヴィ、♂でレベルは7、固い皮膚とラヴィの中では大して強くない。ついでに♂だ。

 

そしてラヴィはそもそも作業適正も対して強くない。確か数個レベル1があるぐらいだ。唯一の長所は拠点に置くと発火機関が無限製造出来るぐらいだがまぁ序盤でそんなに発火機関不足で困ることはない。要するに別に居なくても何とかなる。何より♂なんて要らん。

 

 

しかし俺の行った方にラヴィは後ろをテトテトと着いてくる。

 

「なんだよ。檻から出られただけ運が良いと思え。文句なんか言いにくんじゃねぇぞ。」

 

「ラヴィ!ラヴィラヴィ!!」

 

俺が面倒くさそうに追い払おうとするとラヴィは是が非でも俺について来たいのか俺の足に抱き着いてきた。てかこいつの体多分マグマなのになんで俺は燃えてないんだ?

 

「なんだよ。一人で生きていけないなら他の奴に養ってもらえ。」

 

「ラヴィヴィ〜!!」

 

面倒臭いので首根っこを掴んで追い払おうとしたが媚びた瞳と諂ったような声でこちらを見てくる。

 

「まぁ最悪邪魔になったら解体すればいいか。」

 

レベルは忘れたが解体包丁を作るまでの辛抱だと自分に言い聞かせて俺は古代テクノロジーからパルスフィアを取り出す。

 

「入りたきゃ勝手に入れ。ただし入るって事は命も尊厳も俺のものってことだぞ?」

 

現にモコ1号は肉壁にしたり囮にしたり危険な事ばっかさせてるしな。あれで不満が出ないとかパルスフィアって何者なんだろうな。人間なら今頃殺されても文句言えないレベルだぞ。

 

伝わってるのかどうか知らないが俺の脅しにも一切怯えずラヴィはそのままパルスフィアの中に入って行き、そのまま古代テクノロジーの中へとパルスフィアは入っていった。

 

捕まえる予定じゃなかったんだけどな……♂個体。まぁいいや。

 

俺は古代端末を片手にそのまま平地の探索を続けようとそのまま開けた道を行こうとして、すぐに左に高速で逃げた。理由は単純。このまま突っ込んだら殺されるからだ。

 

 

猫のような顔、コウモリのような羽。俺を殺したボスのカモノスケよりもレベルの高いレベル12のニャンバットと目が合った。

 

今の俺で勝ち目は無いだろう。俺はパルスフィアから出したモコ1号を右手に掴み、何時でも盾代わりに出来るようにしながらダッシュで逃げた。モコ1号は泣きそうな顔をしていたが泣きたいのはこっちである。

 

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「はぁ……はぁ……ここまで来れば大丈夫だろ。」

 

俺はニャンバットから全速力で逃げた。川を泳いで崖を登って死ぬ気で逃げた。結果逃げ切れはしたがマップ上でも元いた所からかなり遠いところに来てしまったようだ。

 

ちなみにモコ1号は泣きそうな顔でこっちを見ている。そう言えば肉壁か囮にしか使ってねぇな。まぁ人権…いやパル権無いしいっか。

 

「にしてもここ金属もあって石もある平地だな……もうめんどくさいしパルボックスはここに置くか。」

 

既に俺の所持重量はかなりカツカツでどっちみちそう遠くまでは探索も出来ないだろう。何か不備があったら最悪作り変えればいいしな。

 

「けど作るにしても昼にしてからだな。夜だと暗すぎてわからんし。」

 

俺はそのままモコ1号を枕替わりにして俺が立てた木の土台の上に寝転んだ。空には前世でも見れなかった満点の星空が浮かんでいる。モコ1号は地面に顔面を潰される形になり少し息苦しそうだ。

 

「にしてもやっぱここって別世界なんだな……日本とはまるで星空が違う。」

 

同じ星どころか同じ時空、同じ世界かすら怪しいがそれでも綺麗なものは綺麗だ。

 

「今更だけど木の壁ぐらい立てれば良かったかもな。」

 

そんな事をぶつくさ呟きながら、俺は目をつぶり精神的な疲れを取ることにしたのだった。




山内
ステータス
HP→700
スタミナ→100
攻撃→102
防御→100
作業速度→100
所持重量→400

手記
‪Day.2
Day.3
Day.xx



所持パル
タマコッコ2体
モコロン1体
ツッパニャン3体
ナエモチ1体
キツネビ1体
ラヴィ1体


クルリス像3


次回ついに拠点編ですがこの作品の目指してる性質上本来のパルワールドとは多少違う形にしていきます。ご了承ください。
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