翌日、俺は探索を進めることにした。理由はエクストラポイントにある。どうやらエクストラポイントは自分のレベル上昇、パルの捕獲、クルリス像と日記のゲットで増えるらしい。
つまるところ現状探索をするのがエクストラポイントを増やす1番の方法というわけだ。という訳で探索をしてる。
現状探索での成果は双騎士の大橋のファストトラベルの解放とDay.10の日記のゲット、あとはミスって捕まえたかったレベル1のチョロゾウを倒してしまった事とモコ2号と命名したモコロン♀レベル2(パッシブスキルは竜の血族)をゲットした事ぐらいか。
「やっぱモコロンは肉壁にするに限るな。…ん?」
俺がお遊びでモコロン片手にモコロンシールドをしていると1匹のペンタマと目が合った。他のパルはだいたい目が合ったら逃げるか襲いかかってくるのに可愛く首を傾げている。
「なんでこいつ逃げないんだ?」
当たらない位置でバットをブンブンしてみたが特に逃げたりもせずに不思議そうに見てるだけだ。
「もしかしてパルスフィア投げたら捕まったりしてな。」
俺は軽い気持ちでそのペンタマにパルスフィアをぶん投げるとペンタマはなんの反応もせずにスフィアの中に入っていき、そのまま捕まってしまった。
「一体なんだったんだ……。」
全く分からないが結果オーライだ。こうしてペンタマ♀レベル3(脳筋)をゲットした。コイツはペン1号だな。それに脳筋は攻撃特化のパッシブスキルの中では最強格だ。その代償として拠点には死ぬほど向いてないが。
なんにせよ探索において最強なのは間違い無い。俺はペン1号を取りに拠点に1度帰ることにした。
したのだが……
「なにこれ」
拠点に帰ってきたらガウルフが2匹こちらに向かっていた。レベルは9と10、要するに俺より高い。
「まぁ数の暴力で押し切れるか。まずいのは俺が死ぬ時だけだな。」
という訳で俺はモコ1号をいつも通り肉壁にして構えながらガウルフ目掛けて突進して行った。
ガウルフは目が合ったら攻撃してくるので先手必勝である。
「オラ!オラ!オラ!最後にパルスフィア!」
俺は手前のレベル9の方のガウルフを殴りまくってスフィアを最後にぶん投げる。結果は…成功。ガウルフ♀レベル9(職人気質ワーカーホリック)をゲットした。
「全力待避!」
そしてそのまま拠点の中にローリングで滑り込む。レベル10の方のガウルフはそれを見てこちらを追いかけて拠点の中に入ってくるがパル達の一斉攻撃でそのまま倒れて行った。
「あいつの名前はガウ1号にするか。にしてもそろそろパルボックスの中のことも考えないといけないな。」
今の拠点に置けるパルの数は6体。手持ちと合わせて今の数がそのまんまちょうど俺の持ってるパル数だ。そろそろパルボックスの中を整備して捕まえたパル用に色々開拓すべきだろう。
「にしてもほんとに色々あるな。なんか拠点用にも存在しないのもあるしさ」
パルボックス内の建築物はかなりバリエーションが広い。農園や伐採場など拠点建築で使えるものなら牢屋や砂利の道まで様々だ。
「なんだこれ?気になって仕方ないな。」
俺がその中でも特に気になったのは「トラウマの牢屋」という牢屋だ。なんでもこの中に閉じ込められたパル一定期間俺の命令に逆らう度にトラウマを発症してしまうらしい。結果従順になるんだとかなんとか。
理由は謎だがパルスフィアの中に入ってるパルは俺に従って労働をするようだ。俺らが社会で働くのと同じようなもんだな。ただしその中には不満を持って働いたりサボったりする奴もいるとか何とか。まぁ命令は強制的に聞かせられるからいいのだがあんまり不満タラタラな奴にはお仕置が必要だろう。
被虐心がそそられた俺はトラウマの牢屋を解放してしまった。後は普通に地面用のならされた土の床や砂利道の道路など拠点建築で下地を作るのに必要なものを解放していく。
「残りのエクストラポイントは……4ポイントか。」
取り敢えず俺は解放したものである程度の広さまで拠点の地面を作った。パルに必要なのかは知らないがこれからは家なんかを建てることになるかもしれんな。
現にエクストラポイントには「パルの家」シリーズなるものもある。まぁ資材が必要なようでそれを稼ぐための施設とパルが必要なので先のことになりそうではあるが。
という訳で現状この世界はトラウマの牢屋と数個の牢屋、それと伐採場と採石場があるだけのやべぇ世界になっている。軽くホラーだな。
「さて、そろそろ本命に移ろうか。」
俺が特に気になっていたのがこの「パル言語」のシリーズだ。パル言語というのは文字通りパルの言葉を話したり聞けたりする。ただしパル事に別れており、聞くのも話すのも別らしい。
俺は試しにモコロン言語の聞くを解放する。これでモコロンの言葉を聞く事ができるようになったはずだ。
「試してみるか…モコ1号!!」
俺は手持ちからモコ1号を出してみる。
「ここは…外?」
驚いた、本当に聞こえるようになってる。まるで人間が話してるみたいだ。
「マジで聞こえるじゃん?」
「どうされました?ご主人様。」
あまりの事態に俺がびっくりしていると何かしらの要件があると思ったのかモコ1号は俺の方に来て首を傾げている。
「いや、ただの実験。」
モコ1号は俺の返答に不思議そうに首を傾げる。そう言えばコイツ言葉聞こえないんだったな。俺はモコロン語の話すも解放する。
「これで本当に行けるのか??」
「ご主人様!?私達の言語が話せるのですか!?」
俺の発した言葉に今度はモコ1号がびっくりする。
「実験は成功だな。後はツッパニャン語でも解放するか。」
これ便利だな。どうせ人間の話し相手なんざ居ないし俺が鬱病になったりとかはしなくていいな。
「ご主人様、実験とは一体?」
「まぁとりあえずはこんなものか。アンダーワールドの中はおいおいのんびり建築だな。捕まえたパルはこっちの世界で取り出さない限りは出てこない仕組みになってるらしいしまたそん時に残りの事はおいおい考えよう。」
「ご主人様は何を言ってらっしゃるのですか?」
俺は困惑してるモコ1号をパルスフィアに戻しそのまま元の拠点に戻る事にした。
「この世界に来て初めて楽しみが出来たな。当分の目標はパルの捕獲とパル語の解放にしよう。」
俺が理解出来る言語を話し始めたからなのか拠点のツッパ1号達がびっくりした顔でこっちを見ていた。まぁそりゃそうか。
「ちょうどいいや。パルを捕まえるのに装備を整えたいから三連弓と布の服作ってくれ。」
「わかりました、ご主人様!」
ツッパ1号達は元気よくそのまま三連弓と布の服をあっという間に作ってしまった。こいつら優秀だな。
「やぁ、ここは君の拠点かい?君はパルテイマーなんだね。」
俺がツッパニャン達の働きぶりに感心していると後ろからいきなり話しかけられた。
「うわびっくりした。誰アンタ?」
後ろから話しかけてきた男は白い紙に緑の服のキザな男だ。上には放浪商人レベル1と書いてある。
「僕はただのしがない放浪商人さ。主にアイテムの売り買いをしてるんだ。」
「あんま今欲しいものとかは無いな。」
そもそも金貨もそんな無いしな。
「それは残念だ。それじゃあ別の所を当たるとしよう。」
そう言い商人は拠点を去っていこうとするが俺はふと閃いた。あの商人パルスフィアで捕まえたらいいんじゃないか、と。
アイツはレベル1だからまず殺されることは無いだろう。ワンチャン自警団が来るかもだがそんときはファストトラベルで頑張って撒けばいい。
強いて言うなら非人道的行為だがコイツら多分クローン人間かなにかだから人権もあるか怪しいしな。それに何よりこの世界は弱肉強食だ。
「喰らえ!パルスフィア!」
俺はそう思いながら後ろからパルスフィアをぶん投げた。ちょうどいい人間の話し相手にもなる。完璧だうん。しかし俺の夢もつかの間、スフィアは1度も揺れず商人は出てきてしまった。
「なんて事をするんだ!パルスフィアに人を入れるのは非人道的k……グハァッ!!」
スフィアに入れられた商人がブチギレてる最中に商人は拠点のパルたちにフルボッコにされてそのまま帰らぬ人となってしまった。
これは別に俺が殺した訳では無いからノーカンだろう。そもそも密猟団から正当防衛とかしてる世界だし人殺しも別に罪には問われないだろうし。人を殺した罪悪感なんて俺が感じる必要は無いはずだ。
勿論そうわかっていても前世の常識が染み付いてる以上罪悪感を多少感じてしまう。俺は気晴らしに探索に出掛けることにした。
ちなみに商人を殺した拠点のパル達は笑顔で手を振って俺の見送りをしてた。忘れてたけどコイツらは獣だと思い出した瞬間だった。
正直今回の件はどこか肝が冷える。パルスフィアがあるから問題無いとは思うがもしかしたら俺も拠点のパル達に殺されるんじゃないかと感じて怖くて怖くて仕方ない。
有名な学者が「人間は恐怖を感じた相手に対して恐怖を与え支配しようとする性質がある。そうする事で安心する。」みたいな話を何処かでしていたが俺も安心する為には奴らを恐怖で縛り上げるしかないのかもしれない。
俺は途端に目の前に見える可愛いパル達が怖くなるのだった。
山内 レベル8
ステータス
HP→800
スタミナ→110
攻撃→102
防御→100
作業速度→100
所持重量→400
手記
Day.2
Day.3
Day.10
Day.xx
所持パル
タマコッコ2体
モコロン2体
ツッパニャン3体
ナエモチ1体
ペンタマ1体
キツネビ1体
ガウルフ1体
ラヴィ1体
エクストラポイント0
使用言語
モコロン語
ツッパニャン語
クルリス像3