細かい状況は聞けない
聞いたら絶対にあいつを助けに行きたくなる
だがチームの状況的に動けない
どうしたら
「マサヒロ、バス出すから早く乗って」
木村さんが声をかけてくる
ふと思い
「友崎、詳細はLINEでくれ」
一先ずバスに乗り込み宿泊先のホテルに向かう
LINE送られてきた詳細だと家族の映像が流れた瞬間に何かにはじけたように止めてと言ってきた
あいつの家族で何があった
そこまでは予想がつかない
皆が連絡してLINEは既読にならないし電話してもすぐに切られる
今は一人の方がいい
そう思った俺は葵にラインをする
「詳細は友崎から聞いた 向こうに戻りたくないならこっち来るか?」
俺が遠征でこっちに来てることは知ってるはずだ
少なくとも当てもなく彷徨うよりはいい
そう思い既読がついた
「一人にして」
「でも泊まる先あるのか? 現金持ってるのか? 何も持たずに出て来たんじゃないか?」
既読がつく
数分後に俺は
「うちのチームのスタッフの女性さん迎えにあげるから。俺はチームの状況考えてお前と接触はできないから安心しろ」
と書くと既読がついて
「わかったわ」
と短く返信がくる
USJから少し離れた所にあるホテルのとこから3キロほど離れたコンビニの住所が送られてきて
ホテルにつくと俺は荷物下ろしする木村さんの所に行き
「木村さんこれ俺と木田がやるんで俺のお願い聞いてくれませんか?」
?と何かなと話を聞くと
そりゃ大変だと快く引き受けてくれた
コンビニでコーヒー片手に空を見上げて佇んでいる日南葵
「私ってなんだろう・・・」
今まで仮面を被って完璧なヒロインを演じて来た日南葵
自分の妹への何もできなかったことから心を閉ざして
現実から目をそらすように頑張ってきた
あの映像が流れた瞬間いるはずの渚が居ない
それを直視できなかった
苦しかった
そう思ってると一台の車が止まりレッドライオンズのジャージを着た女性が降りて来た
「日南葵さんだね? 私、正大のチームのチーフマネージャーやってる木村って言います」
とみみみみたいな天真爛漫な笑顔を出してきた
眩しいな
今の私には逆に苦しいけどともいつつ
「お迎えありがとうございます。」
「いいのいいの!あの正大が私にお願いなんて珍しいし、一先ず車に乗って」
とレンタカーに乗り込みホテルに向かう
車内では木村さんが一方的に話す
私はそれを受け流すように頷くだけ
今は喋る気が起きない
「って、日南さん聞いてる?」
「え?あっはい・・・」
「まあそういう気分じゃないよね・・・本当は私も喋りたくないのよ」
え?って顔になる葵
「今日チームが負けてね・・・次絶対に勝たないと降格なんだ・・・」
あいつがチームの状況的に接触できないって言ったことだ
チームの空気最悪な状態で葵に接触したらそれこそ悪化しかない
そんな時にあいつに迷惑かけて私は何してるんだって自問自答する
「でもね下向いてられないしさ・・・そしたらさ木田くんと正大がさ、まだゲームオーバーじゃない。最後まであがきましょう!」
ああ、あいつらしい
とふとあいつの顔が脳内に浮かぶ葵
「まさかの最年少二人組にそんなこと言われて黙ってる大人居ないでしょ」
泣きながら笑う木村さん
あがいてるんだ
あいつも
私は過去の自分に向き合うことなく仮面を被って生きてる
「もうすぐホテル着くから着いたら車置いて来るまでロビーでまっててね」
といってホテルについて木村さんを待つ間ロビーにいると
待合のテーブル席にあいつが居た
どうやらメディアの取材っぽい
それが終わりエレベーターの方に向かう際に一瞬目が合う
その後物凄く暗いオーラが彼の後ろに見えた
何か抱えてる
そう思えてた