正大は小学生六年生の時から怪童の片鱗を見せていた
それを見ていた私立中学のコーチがうちに来ないかと誘ってきた
親たちは通学は電車になるがいいのかと俺に聞いてきた
上手い奴らとやるのは楽しいから行くと決めて進学する
だが一年生の6月に上級生が俺が上手いことが気に入らないことにハードな辺りをわざと練習中にしてきた
何度か跳ね返していたがあるとき悲劇が起きた
またハードに来てリバウンドを取り良しと思ったところに体の中に聞こえたブチッと切れた音
左ひざ付近だ
脚を抱えてコートに倒れこむ
冷汗が止まらない
なんだこれと救急車で病院に運ばれて当時の俺には受け入れづらいけがの名前を聞く
「前十字靭帯断裂ですね・・・手術リハビリ含めてそうですね、約一年ってとこですかね・・・」
なんだよそれ
俺から大好きなバスケ奪うのかよ
「正大、大丈夫だから、プロでも復帰して戦ってる人もいるから大丈夫」
と母親が言う
そうだよ
頑張れば復帰してまたバスケできるんだ
「お兄ちゃんなら大丈夫だよね?」
二つ年の離れた妹の涼香がいう
「ああ、大丈夫」
そう、涼香が俺は日本一のバスケットボールプレイヤーになるって信じてやまない妹
バスケ大好きだし
妹の為にも
そうこの時までは良かった
手術して4か月の10月頃に悲劇が襲った
リハビリで病院に来ていて終わったころに母親と妹が迎えに来てくれていた
妹が車から降りてくる際に停車していた母親の車に車が突っ込んできた
俺の目の前で吹き飛んだ妹
頭から地べたにぶつかり
俺は呆然としてしまった
妹の名前を呼びながら寄り添うが返事が無い
母親も車で意識を失っている
すぐさま看護婦や医者が来るが
妹は助からなかった
俺は自分を恨んだ
この怪我さえなければあの場にもいないし妹も生きてる
俺が悪いんだ
一か月ほど家で引きこもった
なんもしなかった
俺の左足なんていらない
そう考えていた
両親は俺を復帰させるにはバスケしかないと思ってた
そして小学校の時の恩師である木村友香を探して呼んだ
真っ暗な部屋に両親とともに入ってくる木村さん
「正大、私の足を見て」
と素本を膝上まで捲り上げる
「同じ手術痕あるでしょ?両足やったんだー」
「友姉も?」
「うん、医者にはプロは無理だねって言われたけど大学三年生までは諦めなかった」
「うん・・・」
「でね、もう追いつけないってなって私の夢をかなえてくれる人を育てようって思ってコーチ始めたの」
両親はその話から
「正大、バスケやろう・・・私たち正大がバスケで生き生きしてるところまた見たいの」
「・・・涼香ならなんていうかな・・・・」
バスケをやらないお兄ちゃんはお兄ちゃんじゃない
日本一に絶対になるんだから
「・・・天国で怒ってるんだろうな・・・」
「正大これを」
レッドライオンズのU15メンバー募集要項
「私ね、今年からここのサポートコーチに入るの。一緒にやらない?」
そういう友姉
「やるよ、日本一のプレイヤーになる」