ベンチに座ったままの葵
その背中に寄り添うように背中お預けて座る
軽くため息をついた後
「みみみの為に過去に向き合えよ」
「そんなの私の勝手・・・」
「少なくとも俺の過去をしってて葵は自分の過去を話さないんだな」
ハッとなる葵
こいつの過去を聞いて本人からも聞いたのに私は何もしゃべってない
待ってくれている
みみみも正大も・・・
「文也が今日葵の妹に会ってきたってさ・・・」
ビクッと震える葵
「でもさみみみにも誰にも過去の事言ってなくてここに来たんだよ。そんな闇確かに簡単にしゃべれないよな」
淡々と話す俺の声を俯きながら聞く葵
「でさ、さっき文也がそれを喋ろうとしたときに俺は聞かないようにするために俺の過去を二人に打ち明けたよ」
「なんで・・・」
「・・・信頼できる友達だし、それに、俺は葵からちゃんと聞きたい。たぶんみみみも俺の話聞いた後そう思ったはずだよ」
数秒の沈黙が流れる
「俺には後回しでいいけどみみみにはちゃんと答えてやれよ。だって親友でライバルだろ」
そう言われてハッとなる
陸上でもそう
私に追いつこうと必死になって追っかけてきて私はそれを抜かせないために必死にやった
みみみはライバルであると同時に親友
「ありがとう・・・」
と一言言ってベンチを立つ葵
「ちゃんと言うから・・・」
清々しい顔をする葵を見る俺
やっと一歩進めたのかなと思った
ブィーンとスマホが鳴る
画面には友姉の表示
なんだろうと通話ボタンを押す
「どうした友姉」
「正大ごめん、日南ちゃんとまだ一緒?」
「一緒ですけど」
「よかった、明日一緒にクラブに連れてきて、あと明日全員インフルの検査するから」
その言葉を聞いたときにまずいと思った
もしかしたら試合すら危ないと
クラブハウスのロビーで検査結果を待つ俺と葵
友姉がトレーナー室から出てくると
「大丈夫、陰性だよ」
ホッと溜息をつく俺
「今の所感染者はスタッフだけだからいいけど念のため今日の練習は中止ね」
「わかりました。けど試合の時・・・」
「そうなの、ベンチスタッフが足りなくなるのよ」
椅子に座って天を仰ぐように頭を抱える友姉
だがその頭抱えるのも一瞬で終わってすぐに葵の方に顔を向ける
「日南ちゃん臨時ではいってもらっていいかな」
「私が?」
「バスケ経験者だし全くわからない人よりいいしそれに物覚えは早そうだし」
「でも・・・」
いつもより覇気がない
迷ってる
昨日のあの清々しいほどの切り替えはどこ行った
「やれよ」
と俺が後押しする
昨日の気持ちどこやったんだよと目線で語る
「・・・やります」
負けず嫌い発動だな
「ありがとー、それと明日の練習に誰かボール出しやらで手伝ってくれる子いたらもっとお姉さんうれしいかなー」
「そっちもかよ・・・」
少し考える
この場合呼ぶとしたら最適解はみみみだ
バスケ経験者で実力もそこそこある
だが呼ぶには・・・
「正大、みみみでいいよね」
正直驚いた
本当に向き合うといった昨日の今日でこれかよと
「ああ、ついでに文也と菊池さん呼ぶか、雑用だけでも一日二日ぐらい手伝ってくれるだろうし」
「本当に助かるー、いやー持つべきはできる義理の弟だよ」
「義理でも何でもないんだけど・・・」
と姉と弟で漫才をするような光景にくすっと笑う葵だった