金曜日の夜八時
俺と葵はアタファミのプラベ対戦の用意をしてあいつを待っていた
「勝てる勝算は?」
「ないとは言えないけど・・・」
「でも超えないとな」
プレイヤーログインの表示が出る
nanashiが入ってきた
対戦相手がNONAME
戦闘準備完了ボタンはこっちは押してある
後はnanashiが押すだけだ
すると俺のスマホが鳴る
文也からだ
「もしもし」
「相手は正大じゃないんだな・・・」
葵の方を見て頷く
「予定はそうだったんだけどラスボス挑戦権かけてNONAMEさんとやったら負けましたので」
「そうなのか、じゃあ一個壁超えたってことか」
「そういう事、文也・・・全力でないと食われるぞ」
と力の入った声で文也に言った
「LEB23に勝ったんだ・・・全力で相手するさ」
と言ってから通話を切る文也
「葵準備は・・・」
と言い切る前にすでに顔つきをみて察した
倒す気満々だな
nanashiの戦闘準備完了の表示が出て画面が切り替わる
戦闘開始だ
1-2でnanashiが勝ち越している
三戦目が終わった後に軽く肩の力抜くように息を吐く葵
「いける・・・」
四戦目に入るとnanashi攻撃を読み始める
それに対応するように二手三手と予測不能の攻撃を仕掛けるが俺と同じ思考ならこう動く
俺とnanashiがやればその瞬時の感性や判断で今頃nanashiが勝っているだろう
だが今の状況は葵が押している
まるでNONAMEの手のひらで踊っている感じだった
これだ・・・
この圧倒的オーラ
俺の時に出したあの時の感じだ
だが通用するのかと画面に注視する
四戦目の最後は昨日の俺と同じ状況で肉を切らせて骨を断つ勝ち方をした
これでイーブン
次で決まる
スタート同時にnanashiが仕掛けてくる
今までの読みあいスタートから一気に短期決戦を挑んでくるnanashi
それに動じることになく対応するNONAME
一気に膠着状態になり大きな一撃を決めればお互いが落ちるほど細かいHPの削りあいをする
「やっぱり昨日、LEB23とやって正解だった」
と一言喋った葵
その瞬間、一瞬の隙をついてここぞというときにやってくるnanashiの得意コマンド
そうだ俺でもそうする
だからこそNONAMEはそれを読み切ってカウンターをあてがう
一気に形勢が変わり立て直しが聞かなくなりnanashiのファウンドがフィールド外に飛んで行った
WIN NONAME
ファウンドがポーズを取り勝利を祝う
コントローラーを床に置いて思いっきり両腕をあげる
「勝利おめでとう」
と俺がハイタッチの構えをすると
こっちを向いて思いっきり叩いてくる
「痛ってーの」
「やっぱりアタファミ神ゲー」
という葵
「おにただ」
と指で刺しながら葵に言う俺
その指した指を返すように指す葵
「私はやりきったわ。明日は私に神ゲー見せてくれるんでしょうね」
と俺に聞いてくる
「・・・みせてやるよ・・・絶対にな」