日南葵と心の隙間を埋める   作:gun78

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HCは最後は鈴木さんに託す戦術を作戦ボードに書く

 

ベンチから立ちコートに戻る際に鈴木さんから

 

「残り5秒で攻めれなかったら託すからな」

 

「!? いいんですか」

 

「後半のお前のシュートタッチ見てたら任せたくもなるしそのまとってるオーラにかけたいんだよ」

 

と肩に手を置かれて託される

 

俺はベンチにいる木田の方を見た

 

すぐ近くに友姉と葵もいて三人がこっちに気づいて腕を伸ばしてグーパンチを俺に向ける

 

俺もグーパンチをベンチに返すように差し出す

 

 

 

 

 

 

ハーフコートからのボール出し

 

俺がボールをコートに入れてすぐさまコートサイドの方に移動する

 

刻々と時間が過ぎる

 

残り5.4秒で俺は瞬時に動く

 

近くに早田がいる

 

すっと動き出してその動きに早田がこっちに気づく

 

その間1秒もないぐらいだったが俺には長く感じた

 

「(なんか全員がゆっくり見える・・・あ、これいける)」

 

と早田のスクリーンプレイから一気に速度を上げて相手ディフェンスを剥がす

 

一気にトップの位置までかけあがる

 

するとドライブ仕掛けてた鈴木さんがこっちに気づいてパスをくれた

 

残り2.2秒

 

フェイントかける暇はない

 

3Pラインのさらに後ろのいわゆるNBAラインぐらいの位置でパスをもらいシュートに行く

 

「(なんだろうこれ、今の今までが一分近くに感じる)」

 

ディフェンス二枚が飛んでくる

 

それを気づいてるがもう目線はゴールしか見てない

 

届くのかこれ

 

「(ばーか、いつも練習してただろ? そんなん決めて来いよ)」

 

と脳内で木田の声が流れる

 

「(お兄ちゃんなら決めてくれるよね)」

 

涼香、そうだよ

 

「(私に神ゲー見せてくれんでしょ。だったら決めてきなさい)」

 

そうだよな葵、決めなきゃな

 

と手からボールが放たれて放物線を描く

 

着地して後ろに下がりつつボールの行方を見る

 

物凄くスローモーションだった

 

ベンチ含め観客や皆がボールの行方を追う

 

ショットクロックのブザーが鳴ったと同時にスパッとリングに吸い込まれたボール

 

入った瞬間ベンチの方を向いて思いっきり拳を前に出して吠える

 

ベンチから真っ先に飛び出してきた木田とコートにいた鈴木さんが俺に抱き着いてコートに転ばせる

 

他の選手も同じように乗っかってきて大喜びする

 

その輪も解けて最後に木田と鈴木さんが俺を引っ張り上げる

 

「こんやろう。どんな強心臓だよ」

 

「マーサ、やったな!」

 

と二人にハイタッチする

 

ベンチを見ると友姉と葵が抱き合っていた

 

友姉がめっちゃ泣いていた

 

葵も目を涙目になりながらこっちを見ていた

 

相手チームとの試合後の挨拶を終えてベンチに戻る

 

HCやコーチたちから熱い抱擁やハイタッチを受けてからトレーナーさんが泣きじゃくりながら抱き着いてきた

 

「あのケガから4年間本当に頑張ったな」

 

「ありがとうございます」

 

と答えて離れると友姉がめっちゃ涙流しながら抱き着いてきた

 

「あーかわいい顔が台無しだよ友姉」

 

「あんなん決められたらなくしかないじゃんかー」

 

といってニコッと笑う友姉

 

なんかホッとした

 

そして葵の方を見る

 

なんだろう今まで以上に力が抜ける感じがした

 

一歩近づいて

 

「やったじゃん! すご・・・え?」

 

と言葉を遮って俺の方から抱き着く

 

体を震わせる

 

内心では怖かった

 

それを察するように葵が肩に手を回して

 

「すごかった。神ゲーみせてくれてありがとう」

 

と聞いてから抱擁を解いて二人で指を立てる

 

「おにただ!」

 

と二人でニッコリとする

 

 

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