日南葵
俺の中では相まみえることのない存在だと思っていたが
どこかで同じように心の芯に穴が開いてるんじゃないかと思っていた
俺の心の穴は大きくないとは思っていたがその穴を埋めるためにバスケに邁進している
沖縄U18との試合でチームトップの得点とリバウンドを出してコーチたちからも期待の念が込められる
そんな折に
「正大! ちょっといいか?」
とコーチに呼ばれていくと
「喜べ。トップチームから指定選手に内定しかたら来週からリーグ1に行ってチームに合流しろ」
まさかの報告に俺は心の中で隙間を埋める感じがして喜んでコーチに深く礼をする
埼玉に戻ってアタファミで友崎と通話しながらその話をする
「すごいな河合は」
「まだまだだよ」
「どこがだよ。プロだろ?相手」
「うーん、じゃあ友崎さ、レートランキング一位のお前とプロがやって勝てると思う?」
そう言われて友崎は悩む
勝てるかと言われると多分勝てるであろう
だが全部ではないし負けることもある
「今の俺はさいわゆるアタファミの上位ランキング者がプロの世界にやっと入り込んだところなんだよ」
そう言われてなんとなく感覚的にわかる
「ここから人生かけた大勝負の下地ができたにすぎないんだよ」
とふーんと友崎はある意味感心していた
そこそこにプライベートルームでの戦闘を楽しんだ後
「河合ってプレイスタイル少し変えた?」
と聞かれて
「やっぱりバレたか。実は今までの読みの部分をもう少し強めて見ようかなって思ってちょっと試行錯誤してる」
「何か原因あるのか?」
と聞かれて俺は探ってみる
「なあ、友崎さ、NONAMEってもしかして日南か?」
そう言われて間が少し開く
「そういう意味では友崎ってわかりやすいな」
「どうしてそう思った?」
最近少しだけ日南と会う回数増えてる友崎にNONAMEが台頭し始めてから変わった友崎
これを繋げたらそうなったと答える俺
「それだけ?」
「陰キャってそうそう変わらんだろ?何か変革することが起きない限り」
と言われて正直に白状する友崎
「NONAMEは日南だよ」
「そうか、じゃあ心置きなく胸糞悪いプレイングできる」
「どういう事?」
「この前の紺野の一件やり方はあれだけどあの死体撃ちは俺は許せん」
友崎もその件に関してはあのまま行けば死体撃ち間違いない状態で河合が止めたので事なきを得たが
さすがに胸糞悪くて腹が立ったと俺は答える
「友崎、済まんけどNONAMEログインしてるか確認できるか?」
「まってよ・・・っていまチャット来た」
「ほほう?」
「対戦大丈夫かって」
「今LEB23とプラべで遊んでるって言ったれ」
さすがにまずいのではと友崎は思ったが
上位ランク者でプラべで遊ぶこと自体不思議じゃないしすでにランキング4位にいる俺とプラべで戦闘してても不審にはおもわないだろう
「うーんわかった送るよ」
「多分俺との戦闘望むだろうし」
「どういう事?」
「先々週3回やって3回とも俺が勝ち越した」
「まじ?」
「まじよ。しかも一回はお前と同じファウンドで同キャラ対決で5勝4敗でギリ勝ったからな」
と言ってると日南がなんでそいつと?とチャットがくる
友崎が今日オンラインで対戦して河合からプラべで少しやりませんかって来たからと答えておく
しかも友崎はこの後少し離席すると言って席を離れてもらいNONAMEをプライベートルームに引き込んだ
「友崎。画面共有出しとくから俺の新しいプレイスタイル見ててくれ」
と言って日南との戦いに挑む
友崎が見ていたのは高度な読みあいによる遅延した試合展開
相手がこう来るそう動くという読みあいで両方の動きが機敏に動くが決定打がない
友崎は自分ならこう動くと頭の中で色々とめぐってるんだろうなと俺は思いつつも読みあいでこいつに勝つと決めていた
そして読みあいを制して試合に勝つ
スコアは5勝3敗
「ふう、どうだった?」
「うん、河合の動き自体よかったし日南も悪くなかったけどどうにも決定力がね」
「むしろそれ狙ってたんだけどね」
「日南のプレイスタイル真似てたと?」
「そこに自分なりの読みやカウンター入れてたんだけど中々うまくいかないね」
とリベンジお願いしますとNONAMEからチャットがくる
「さてと、これが本番ね・・・友崎、これから俺は相当ゲスイ戦い方するから」
「声がこえーよ河合・・・」
とリベンジマッチ
キャラも先ほどのとは変えてどちらかと言うと鈍足だが火力と連打重視のキャラに変更する
だがNONAMEの戦い方は脳内でシュミレート済み
圧勝だった
5勝1敗
こっちはHPがっつり削られても火力と連打押し&NONAMEの動き読みで力任せに押し倒した
「河合・・・これはキャラ相性あっても」
「捕まえたらこっちのもんよ。それに読みやすいからな」
と思ってると友崎の携帯に日南から連絡がくる
どうやらどういうプレイヤーなのか聞きに来てるようだった
「友崎さ、日南ってボイチャやってる?」
「どうだろう。携帯からのボイチャなら」
「なら呼んで」
といって日南に聞いてみる友崎
無論俺の正体は隠してある
ゲーム用ボイチャのアプリに入れてあるアカウント K-masayan
このアカウントを見て気づくかもしれんし声聞けば気づくだろう
友崎もそのボイチャに日南を招待する
「レブさんですね」
「どうもNONAMEさんはじめまして」
「・・・・河合くんね」
「察しが良くて助かります」
「どうしてアタファミやってるの?」
「楽しいからに決まってるじゃんか」
「そうじゃなくてなんで私にこんなに勝てるの!レートも下なのに」
「レートがすべてか?」
と言われて言葉に詰まる日南
「調子の良しあしあるだろう?」
「それはそうだけど、あなた意外と悪い事考えるわね」
と言われたが先ほど友崎に言ったNONAMEは日南だろう考察も伝える
「河合くんはまあまあ頭が切れるようね」
「成績は中の上だけどな」
「それでアタファミで私を蹴散らしてどうしたいわけ?」
「どうもないさ、ただ楽しみたい仲間が増えたことはいい事だと思う」
キョトンとした反応を見せる日南
「普通にそういうこと言うと逆に勘繰るわね」
「どう思おうと勝手さ、日南、お前もそういう意味ではここでは言葉遣いゆるいだろ?」
「まあ、そうね、じゃあアタファミ仲間ってことでいいかしら」
「そうだな」
と言って通話を終わる
「日南どうだった?」
「どうもないさ、ただ俺と知って言葉遣いはお前に話すみたいにゆるかったみたい」
そうかと頷く友崎
「友崎もこれからもアタファミでよろしくな」
と通話を切ってからアタファミのオンライン対戦に戻っていった