【完結】ブラック★ロックシューターな魔物の子 作:烏何故なくの
△月♫日
(追記)
襲ってきた魔物のコンビ、ロデュウとザルチムだったっけか。
正直ロックとオレだけで撃退するのはかなり厳しかったが、キャンチョメが覚醒してくれたおかげでどうにかなった。
キャンチョメが覚えたのは、ミリアラル・ポルクという相手の呪文をコピーする術だった。
ヤバすぎ。相手のディオガ級術すらコピーできるのヤバすぎ。
絶対原作じゃこんな呪文使ってなかったと思うんだけどな。
放つ呪文が変わるくらい、ロックの存在はキャンチョメの中で大きい存在になっていたのだろうか?
まぁとりあえず、今はキャンチョメに感謝だ。
戦いが終わった後はモモンが迎えにきてくれた。
魔物の力を探知できる力、かなり便利だな。
清麿とガッシュはパティとウルルと同じ場所に落ち、キースとブザライという魔物と戦ったらしい。
ガッシュの電気の力を蓄積させ、連鎖誘導を起こすザグルゼムという術。
パティの電気の力を吸収する特性を持った、水の鞭を出現させるオルダ・アクロンという術。
これらは非常に相性が良かったらしい。
オルダ・アクロンを使い無理矢理連鎖のラインを整えることができたそうだ。
ブザライの本は燃やせたが、キースは倒しきれなかったそうだ。
そして恵さんとティオ、サンビームさんとウマゴンは落ちた先でウォンレイに会ったと言っていた。
ウォンレイは敵の魔物を助け、そのまま去っていったらしい。
清麿の予測だと、清麿達がブザライを倒したことによりファウードの鍵を壊す力が足りなくなってしまったらしい。
つまり、これからは一時的にでも敵側に協力しないとファウードの呪いは解けず、リィエンを助けられないわけだ。
話していると、アリシエとリーヤという一組が話しかけてきた。
アリシエはガッシュに、「リィエンという友の死」か「全世界の人々の死」かを迫ってきた。
ガッシュは苦悩しながらも、その問いに「残り二日でファウードを魔界に返す装置を探し、リィエンも世界の人々も助ける」という答えを出した。
アリシエはガッシュを認め、ガッシュと共にファウードの体内を散策することにした。
ファウードの体内の詳しい情報は……書かなくていいかな。
ウンコティンティン、酷い名前だぜ。文字起こしするともう本当に酷いぜ。
とりあえず結論だけ書こう。
オレ達はファウードの肝臓で捕まり、ファウードの鍵を壊すために捕らえられている。
清麿コンビ、サンビームさんコンビ、モモンとそのパートナーであるシスター・エルのコンビはなんとか逃げきれた。
ロックはカノンランズの術があるからブザライの代わりになるだろうと思い、抵抗せす捕まっておいた。
ファウードを魔界に返す装置の探索は清麿に任せておけば大丈夫だろう。
今は檻の中でじっとしている。明日が正念場だ。
もうこのあたりは原作の記憶がない。後はゼオンがファウードを乗っ取るくらいしか覚えていない。
何が起こっても不思議じゃないな。気を引き締めていかないと。
△月‥日
呪いが発動する今日の朝方、リオウの号令でファウードの封印を壊すことになった。
ウォンレイ、リーヤ、ロックも封印を壊すためにリオウに協力した。
封印を壊すには少し力が足りないかと思われた瞬間、ウマゴンとガッシュ、そしてファウードに侵入していた魔物であるアースとカルディオが現れた。
二人の攻撃で封印は崩れ、ファウードはついに復活した。
とりあえず呪いが解けて一安心した後は、リオウの操るファウードの体表を全力で駆け回った。
どんな坂道でも問題なく登れるロックのディゴウ・トライクルクと、体から鎖を出すジャイロ・ロック・リグノオンはみんなを助けるのにかなり役に立ったと思う。
数分間ファウードから逃れていると、清麿が仕掛けたファウードの瞬間移動機能が発動。
ファウードをニュージーランドの北の海にあるケルマデック海溝に突き落とすことに成功した。
しかしファウードは平泳ぎをして水中から復活。
リオウは怒り狂い、日本を最終攻撃目標に設定した。
……ファウードが泳げるとかの情報は、意図的にオレが伏せていたことだ。
このあたりを狂わせると未来がどういう方向に向かっていくかわからない。
最善の未来のためにオレは故郷を危険に晒している。
これでもしもがあればオレの責任だぞ……。
(追記)
清麿が死にかけた。
ガッシュの呼びかけでなんとか心臓は動き出したが、今もまだ危険な状態だ。
こんな展開は間違いなくアニメにはなかった。
オレの存在が何かを狂わせたのか?
ゼオンにファウードが乗っ取られたのはアニメ通りだった。
オレ達は清麿を治すためにファウードの肝臓へと向かい、アースとカルディオはゼオンが放った体内魔物からファウードを魔界に帰す装置を守りに行った。
肝臓へと向かう最中、迫ってきたウンコティンティンを食い止めてウォンレイは魔界に帰ってしまった。
この展開も、アニメにはなかったはずだ。
オレ達はウォンレイのおかげでファウードの肝臓へ向かい、体を回復させることができた。
これからファウードのコントロールルームである脳みそに向かい、ゼオンを止めなくてはいけない。
……ウンコティンティン、単語を書いてるだけでなんか元気が出てきた。
とりあえず、今はできることを最大限やろう。
◾️◾️
ファウードの体内の通路を、僕はウマゴンに乗ったモモンの腕を掴む形で移動していた。
僕の後ろから迫るのは、ファウードの体内の異物を駆除する体内魔物だ。
「いくぞキャンチョメ! ミリアラル・ポルク!」
「ディオガ・ラギュウル!」
フォルゴレの呪文を聞いて、僕は腕を前に突き出す。
僕の手から放たれた太い光線が、ファウードの体内魔物の群れを飲み込んだ。
……だけど、ファウードの体内魔物には効いた様子がない。
ど、どうしたんだろう? ファウードの体内魔物は一体一体が強いけど、ディオガ級の呪文を喰らってノーダメージでいられるなんておかしいよ。
「……もしかして、キャンチョメの術は、幻で呪文を再現する術なんじゃないか?」
「でも、あの羽の生えた魔物には効いたよ?」
「あの魔物は、呪文を喰らったと脳みそが勘違いしたんじゃないか? だから、呪文の効果を知っている本人以外には効かないんだよ」
禄郎の言葉に納得する。
だからコピーした呪文は他の呪文にあっさり押し負けて、霧みたいに消えちゃったんだね。
確かに、本当に呪文をコピーできるんじゃ強すぎるよね。
でも、本人にだけ効くとしても呪文のコピーはだいぶ強力な力だ。
僕がいるだけで、相手は強い術を使いにくくなる筈さ。
今はウマゴン達に戦いを任せて、ゼオンに従っている魔物との戦いは僕が出よう。
十分以上戦っていると、開けた場所に出た。
目の前には鋼鉄で覆われたメカっぽい扉がある。
「この部屋を登ってゆけば、ゼオンのいる脳へ着くのだな?」
「キキ!!」
ガッシュの言葉にモモンが言葉を返す。
ここは僕が前に出て敵の魔物がいないか警戒しよう。
水筒に入れたファウードの回復液もまだ余裕がある。
僕とリーヤが先に出て敵を探し、みんなをエレベーターまで行かせる。
「いいわ! フォルゴレさん達も早く!」
「いや、ちょうど二対二だ。お前たちにはここで消えてもらう」
シスターエルの言葉に反応したのは、僕らの中の誰でもなかった。
その言葉と共に、エレベーターが勝手に閉まる。
後ろから聞こえたその声に、僕は覚えがあった。
昨日戦った、目だらけの魔物の声だ。
「ザルチム!!? ファンゴ!!!」
アリシエの怒鳴り声に、目だらけの魔物であるザルチムは薄ら笑いを浮かべる。
ザルチムが言うには、力づくでエレベーターをこじ開けようとするとエレベーター自体が壊れるらしい。
上の階に行くにはザルチムとファンゴを倒してエレベーターの横の制御盤をいじらなくてはいけないのだと。
「フォルゴレ、キャンチョメ! こいつらで時間をくっている暇はないぞ!」
「大丈夫だ! あのザルチムとかいう魔物の呪文はキャンチョメがコピーしている!!」
アリシエの言葉にフォルゴレが言葉を返す。
そうだ、僕はあのザルチムの呪文を殆ど見ている! コピーした呪文がその術の持ち主にしか効果を発揮しなくても、ザルチム相手なら問題ない筈だ。
「頼むぜぇ、ファンゴ。ファウードの力を借りたんだろ?」
「言われなくともやってやるさ!! アドラー、やれぇっ!」
「カービング・ガデュウ!!」
ファンゴと呼ばれた魔物から、強力な火柱が放たれる。
「リーヤ、盾だぁ! ラージア・シルニオ!!」
リーヤの体が盾になって僕を守ってくれる。
これであの呪文はコピーできた……!
「オルダ・シドナ!!」
「オルディ・ガデュウ!!」
ザルチムの放つ影の矢印と、ファンゴの火球が絶え間なくリーヤの体を襲う。
さては、僕に呪文を使わせずに押し切る気だな。ザルチムは僕のコピーした術が簡単に撃ち合いに負けて霧散した所を見ていた。僕に防御力がないと思っているのだろう。
「キャンチョメ、まずはザルチムを狙ってくれ! ザルチムの攻撃呪文は見ているんだろう?!」
「そうだな、行くぞキャンチョメ! コポルク!!」
アリシエの言葉を聞き、フォルゴレが呪文を唱える。
呪文の力で僕の体は小さくなる。
この姿なら小さいし見つかりにくい。
至近距離でザルチムにザルチムの最大攻撃呪文をぶつけてやるんだ……!
僕はリーヤの後ろから飛び出て、ザルチムに狙いを定める。
「ミリアラル・ポルク!!」
「ジボルオウ・シードン!!!」
僕の手の平から、影でできた巨大な死神が広がった。
死神はザルチムの首を刈り取ろうと手を伸ばす。
「!? チッ、縮小化だと……?!」
ザルチムは素早く機敏に動いて死神の手から逃れる。
ザルチムの腕を死神の手が掠めた。僕の呪文がザルチムに与えたダメージは小さい。
「ッッ……! 惜しかったな、お前のことはずっと警戒してたんだよォ!!」
「オルダ・シドナ!!」
何本もの影の矢印が僕に向かって殺到する。
右肩の上を、脇腹を、左足を撃ち抜かれる。
「く、う……!」
普段なら避けられない攻撃だけど、縮んでる今ならなんとか避けられる……!!
「ハハ、今度は外さ……」
笑っていたザルチムの声が止まる。
僕の出したジボルオウ・シードンを突っ切って、アリシエがザルチムの首を掴んだのだ。
「な、ディオガ級の術を突っ切って……!?」
そうか、ザルチムは僕のコピーした呪文が術を使える本人にしかダメージがないことを知らないんだ。
「ゴウ・アムルク!!」
「う、おおぉおおぉっ!! 舐めてんじゃねぇよアリシエ!! オレはもう負けねぇんだよ!! やれぇぇラウシ———ン!!」
リーヤの拳に吹き飛ばされたザルチムが、怒気を発しながら叫ぶ。
大技を撃つ気だ。
「いいんだなザルチム! ジボルオウ・シードン!!」
僕が放ったのと同じ、影でできた巨大な死神がザルチムの手から広がった。
「クソ、ゴウ・ニオドルク!!」
呪文で巨大化したリーヤがザルチムに掴みかかるけど、ザルチムは全然引かないで巨大な死神を放ち続けている。
相打ち覚悟なんだ。
「フォルゴレ!」
「分かってるさ、ポルク!」
僕はフックがついたロープに変身する。
フォルゴレは正確に変身した僕をアリシエの服に引っ掛けてくれた。
僕は呪文を解く。
僕の体が戻るのと一緒に、アリシエとリーヤも僕に引きずられて死神の射程から離れていく。
「くっっ、そぉおおおぉおおおおっ!!!!」
ザルチムの悔しそうな声が聞こえる。
これでザルチムのパートナーにはもう大きい呪文を使えるだけの心の力が残ってない筈だ!!
「アルセム・ガデュウドン!!」
「な……!」
ザルチムの後ろから、アリシエめがけてファンゴの最大呪文が飛ぶ。
それはザルチムを飲み込み、リーヤとアリシエを呑み込もうとする。
「ハハハ! ファウードの力を借りてない足手まといだったが、最後くらいは役に立ったぜ!」
ファンゴの高笑いが響きわたる。
な、仲間ごと撃った……!!
「アリシエ!」
リーヤは咄嗟にアリシエと僕を突き飛ばした。
アリシエは炎に呑まれずに済んだけど、リーヤは炎に飲み込まれてしまった。
リーヤの本の端っこにも火がついてしまっている。
「ぐ、あぁああぁあぁぁあ!!!」
「リーヤぁ!!」
「クソ、厄介な奴が残った!」
リーヤとアリシエの声をかき消すように、ファンゴの声が僕の頭を支配する。
キッドが消えてしまった時のことが、僕の脳裏によぎった。
「クソ、狙いを定めろキャンチョメ! ミリアラル・ポルク!!」
「よくもリーヤを!! アルセム・ガデュウドン!!!」
憎しみを込めて撃った極大の火柱が、ファンゴに襲いかかる。
最大呪文を撃った後で隙ができていたファンゴは抵抗もできず、僕の炎に焼き尽くされた。
「ぐあぁぁあぁぁあぁああっっっ!!?」
「い、いくよアリシエ。最後の呪文だ。あいつらが体勢を立て直す前に、本を燃やすんだ」
「わかってる、バルド・ニオセン!」
アリシエが呪文を唱えると、リーヤのお腹から弾丸が発射される。
すでに大技を喰らって立てないザルチムとファンゴはその一撃を防げず、二人の本はあっけなく燃えた。
「へ、へへ……。事実上、二対一で戦ってたんじゃ勝てねぇな……。すまねぇ、ラウシン。こんなバカに付き合わせて……」
ザルチムは寂しそうな目でそういうと、魔界に帰っていった。
……僕はそれを見ても、腹の虫がおさまらなかった。
まだ、ファンゴは人間界に残っている。
「フォルゴレ! 呪文を唱えてよ!!」
「な、勝負は終わっただろう!?」
「アイツはリーヤの本を燃やしたんだよ! もっとケチョンケチョンに痛めつけてやらなきゃ!」
そうさ。
もう僕は弱くなんかないんだ。
僕の仲間を痛めつけた奴を、懲らしめてやることだって……!
「キャンチョメ———!!」
リーヤの声が聞こえて、僕はハッとする。
「お前はまだツノでつついてやれないな。だけど、お前はみんなを守らなきゃいけないんだ!! 強くなるんだ。アリシエを守れなかったら承知しないからな!!」
「……」
リーヤの言葉に、僕は言葉を返せなかった。
僕への言葉を最後にリーヤの姿が消える。魔界に帰ってしまったんだ。
ダメなのかい?
力を持てるようになったんだ。もう昔の弱い自分には戻りたくないんだ。
今の僕は、リーヤに認めてもらえないのかい?
「……ダメなんだ、キャンチョメ。ライオンになっては……」
フォルゴレの呟いた言葉が、なんだか胸に重くのしかかった。