幼馴染は今日も曲を作る   作:弾正

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前の投稿から1週間以上! 不定期更新です。


※時系列
捏造を多く含むが、全ユニットのメインストーリーより前なのは確実


同じ人間でも夜行性と昼行性がいるのはなぜ

 奏が所属するサークル、『25時、ナイトコードで。』、通称『ニーゴ』。このサークルには、奏以外に3人のメンバーがいる。

 

 

 

 

 

 

 「結論だけ言おう。Kは寝落ちした。連日の無理が祟ったのだろう」

 『いや、なんでNがKのボイスチャットで答えてるのよ』

 

 

 彼女ら4人はお互いをそれぞれのハンドルネームで呼び合っている。ネットで知り合った人だから簡単に本名明かすわけにもいかないからね。『K』というのは奏のハンドルネームである。普通に名前の頭文字取っただけ。センスないとか以前に考えてすらもいない。

 俺のハンドルネームの『N』も頭文字だけど、これは奏が名付けただけだ。俺は悪くない。サークルのメンバーと奏がナイトコード上で話しているところに俺が声をかけてしまい、「誰よその男!」となったことに奏が奏が慌てて頭文字で呼んだのだ。言うなれば不慮の事故。

 

 

 「俺、K、家、入る。K、寝落ち、発見。俺、ナイトコード、気づく、声かける」

 『なんで片言なのよ……こんな時間に人の家行ってるのもツッコみたいけど……』

 「夕方も来たんだけどその時に忘れ物してったことについさっき気づいてねー」

 

 

 俺の発言に一々ツッこんでくるこの少女は『えななん』。ニーゴのイラスト担当。古き良きツンデレ。ツッこんでくれる人物がいないとボケは成り立たないのでありがたい存在ではある。あとけっこう奏に甘い。

 

 

 『今日もNは元気そうだね〜。ボクなんてまだこんな時間なのにもう眠いよ……』

 「昨日何時寝?」

 『最後に時計見たのは……たしか4時だったかなぁ』

 「相変わらず不健康だな……いっそのこと25時じゃなくて21時くらいに集まればいいのに」

 『でもそうなると、ボクたちのサークル名、ニーイチ?になっちゃうよ?』

 「語呂悪ぅ」

 

 

 眠いと言いながらなんだかんだ元気だと思われるこの人物は『Amia』。ニーゴのMV担当。ニーゴの中で一番ノリがいいので話しやすい。また、可愛いものが大好きらしい。

 

 

 『ふふっ、Nとは久しぶりに話した気がするけど、相変わらずだね』

 「そんな簡単に人が変わってたまるかって。雪も、相変わらずだな」

 『……そうかな?』

 「もちのろん」

 

 

 このニーゴ随一の優しさを持っていそうな少女は『雪』。ニーゴの歌詞担当。部活や委員会にも所属してるらしく、また、彼女の口調などから、絵に描いた優等生みたいな印象を受ける。

 ……でも、非の打ち所がない優等生すぎて怖い。完璧な人間なんてこの世に存在しないと考えてる俺からしたら理解し難い人物。仮に雪がマジモンの完璧超人だったら俺は土下座しなければならないが、そんなわけはないと思っている。定期的にカマをかけてみているのに、ここまでボロが出ない人間がいるなんて信じられない。何か隠しているのではないか? 俺は怪しんだ。

 

 

 「んじゃ、Kはこっちでなんとかしとくから、3人とも無理しない程度には休めよー。特に雪とAmiaは明日も朝から学校なんだし」

 『そうするね。心配してくれてありがとう』

 『ボクは最悪明日サボっちゃえばいいから大丈夫~』

 「Amiaって高校一年生じゃなかったっけ? 入学して早々サボりはあかんよ。先輩からのアドバイスだ」

 『え~。Nは学校サボったことないの?』

 「はっはっはっ。俺みたいな優等生がサボるわけが……あ」

 『サボったことあるのね……』

 

 

 あれは「平日の方が人が少ないからゆっくり見れますよ!」とか言って初音ミクのイベントに平日に連れて行ったミク廃が悪い。穂波と仲が良い……いや、()()()()んだから、そのまともな感性を見習ってほしいものである。

 

 

 「……まあ、細かいことはいいんだよ。それじゃ、落ちるぞ」

 

 

 言い終わるとすぐに奏のボイスチャットの電源を落とす。そして、椅子に座りながら寝落ちしている奏をベッドまで運ぶ。

 

 

 「相変わらず軽いな……」

 

 

 奏は、他の女性と比べると、かなり痩せている。というか痩せすぎ。家から出ない生活なんて太りそうなものだが、全く太らない。もはや怖い。

 

 

 「全く飯を食べてないってわけじゃないはずなんだけど……もっと肉食えってことか?」

 

 

 穂波に肉料理を作るように提案してみるか。最悪俺が作ってしまえばいい。

 

 

 しかし、肉料理か……生姜焼きとかかな。たしか、奏が一人暮らしを始めた後、初めて作ってやった料理は生姜焼きだったな。「タレ作って肉焼くだけならできるんじゃね?」と思った中学時代の俺よ、生姜を多く入れ過ぎて奏に顔を顰められることになるぞ。

 

 

 「……懐かしいことを思い出したな」

 

 

 夜という時間は、たまにセンチメンタルになってしまう。特に、奏を見てると、その痛々しい過去が鮮明に思い出される。

 幼くして母を亡くし、中学時代には父が倒れる。しかも、奏の才能が父を苦しめていたと。それを知った奏の荒れっぷりは見るに堪えなかったよ。まさか、奏に本気で叩かれる日が来るなんてねぇ……あれは効いた。

 

 

 「……っと、そろそろ戻らんと。俺も明日学校だし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆

 

 

 「直斗よ、今日も素晴らしい天気だな!!」

 「よしわかったから一旦声のボリューム落とせその声量で耳元で喋るな鼓膜が死ぬ」

 

 

 昨日(正確には25時=日付が変わっていたので今日)ニーゴのメンバーと話していた時に、俺が学校をサボったことがあるとバレたが、普段はしっかり学校に通っている。今だって教室で騒音被害に悩まされているところである。

 

 

 「む、すまない。これくらいでいいか?」

 「あーうん、それくらいでいいよ」

 

 

 俺の目の前でデカい声で喋っているこの男は、天馬 司。奏とは別ルートの幼馴染だ。というより、奏以外の幼馴染は基本司経由での知り合いである。例えば穂波とか。

 

 

 「てかお前、朝から元気過ぎないか? いつもよりうるさいし」

 「それは昨日いつもより早く寝れたからだな!」

 「ほーん。具体的にはどれくらいに?」

 「22時だ!!」

 「小学生かな?」

 

 

 健康優良児。ニーゴの皆さんはぜひとも彼を見習うべきではなかろうか。

 

 

 「そういうお前は何時に寝たんだ?」

 「えーっと……奏の家行って、寝落ちしてたからベッドまで運んで、その後帰って課題の存在に気づいて……」

 「……課題? 課題なんてあったか?」

 「数学の」

 「……」

 

 

 あ、司の顔が青くなってる。絶対忘れたやーつ。

 

 

 「新学期早々に忘れるなんて哀れな子羊よ……」

 「頼む直斗! 助けてくれ!!」

 「いいだろう」

 「ありがとう!!」

 「ふっ。崇め奉れ。天馬家で末代まで信仰しろ」

 「申し訳ないが、大事な家族に怪しい宗教を勧めることはできん」

 「えー。咲希ならノリノリでやってくれそうなんだけどな」

 

 

 入院中の妹君とは最近会えてないが……名前出した後に司が一切暗い顔をしないあたり、最近は調子いいのかもな。良き良き。

 

 

 「ノリノリでやりかねないからこそ俺が止めるんだ」

 「つまんねーの。まあいいや。んじゃ、数学のプリント出せー。多分そんなに時間はかからん」

 

 

 こんな性格だが、俺は勉強はそこそこできる方ではある。普通にやれば赤点は心配ないレベルには。逆に司はあまり頭はよろしくない。興味さえ持てば強いんだけどね……

 ……意外と司が自力で解けてるし、クラスメイトの雑談に耳を傾けてもバレへんやろ! 盗み聞きって楽しいし。

 

 

 「おいおい。お前、聞いたか?」

 「何を?」

 

 

 お、なんか話してるやついるじゃん。

 

 

 「今年うちに転入してきたやるいるじゃん?」

 「あー……神代だっけ?」

 「そうそう。神代 類。あいつ、昨日、学校で爆発を起こしたらしいぜ」

 「は? いやいや、何言ってるんだお前」

 「嘘だと思うだろ? でも、目撃情報がたくさん出てるんだ」

 「ちくわ大明神」

 「マジか……なんというか、すげえな」

 「誰だ今の」

 

 

 え、何それ初耳なんだけど。そんな面白そうなことがあったのか。昨日はバイトがあったから早く帰っちゃったんだよなぁ。それとちくわ大明神ってなんだよ。

 

 

 「おーい直斗ー。この問題なのだが……」

 「んー? あー、それはこの公式を上手く当てはめればいけるぞ」

 「む? 言われてみればたしかに……」

 

 

 ドカーン!!

 

 

 「な、なんだ今の音は!?」

 「なるほど、盗み聞きした通りか」

 

 

 外から爆発音が聞こえた。昨日爆発事故を起こしたらしいのに、今日もやるのか……おもしれー男。機会があれば話してみたいものだ。

 

 

 あ、風紀委員が走ってる。現場に向かうのかな。お、知り合い発見。聞いてみるか。

 

 

 「おーい、杏ー」

 「直斗先輩。どうしたんですか?」

 「爆発の現場向かうつもり?」

 

 

 彼女は白石 杏。後輩。陽キャ。風紀委員。陽キャ。俺のバイト先の店長の一人娘。陽キャ。

 後輩とは言ったものの、昔馴染みに近い。俺の父と杏のお父さんが知り合いで、その縁も合って昔から交流がある。

 

 

 「はい! 昨日、風紀委員のグループチャットに通達があって、神代先輩には注意するようにって」

 「まあもう爆発したけどな」

 「ちょっと、それは言わないでくださいよ」

 「風紀委員の監視下にあってもなお爆破を成功させるとは……天晴れだ神代類。生涯貴様を忘れることはないだろう」

 「……なんかの漫画の影響でも受けてます?」

 「そうだ。だからそんな冷たい目でこっちを見るんじゃない。女子のそういう視線は効く」

 

 

 この子、俺に対する尊敬の念がない。我先輩ぞ?

 

 

 「……って、こんなところで止まってる場合じゃなかった! 私、行きますね!」

 「おう。頑張れ」

 

 

 そう言って走り出す杏。廊下は走っちゃダメだぞー、と言おうと思ったけどやめとこう。俺が引き留めたんだし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さーて司。数学の続きをやろうか」

 「お前切り替え早いな」




〇長尾直斗
奏の悲劇を目の当たりにした幼馴染。神山高校に通っており、司と同じクラス。WEEKEnD GARAGEでバイト中。怒涛の設定開示。

〇宵崎奏
寝落ちしたはずなのに気が付いたらベッドにいたので、直斗が運んでくれたと瞬時に理解。過去に一度直斗を本気で叩いたことに関しては申し訳なく思っている。過去編は多分いつかやる。

〇雪、えななん、Amia
ニーゴメインストーリー編が始まったら対面することもあるだろう。

〇天馬司
直斗の幼馴染。直斗の交友関係は、彼と仲良くなったことで広がった。司経由で知り合ったレオ二とか雫さんとかもそのうち出てくる。

〇神代類
安全に配慮して爆破しているので負傷者はゼロ。

〇白石杏
話し方がわからなくて書くのが大変だった。杏推しの方には申し訳ない。
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