このミームも混ざったカスみたいな多重クロス世界でTS転生して銀髪ロリ美少女になったオレは冒険する羽目になる 作:味音ショユ
「異世界転生の初手がダンジョンってのは、何ゲー思考なんだよ」
上から何かが落ちてくる。
天井がある筈なのに、それじゃ支えられないようなものが落ちてくる。
それはそうだろう。だって、落ちてきているのは天井だ。
オレが最期に見たものは、視界全てを覆う巨大なコンクリート――
『私はこの魂をドロー!!』
のはずだったが、どうやらそうではないらしい。
鼓膜などない筈のオレに、なぜか誰かの声が聞こえる。
その声の主が男か女かすら分からないのは、今のオレは脳味噌が潰れているからだろうか。
なら聞こえすらしないだろ、というツッコミが入りそうだが、オレとしては聞こえてくる言葉の内容にツッコミたい。
『選ばれし勇者よ! 我らが試練を受けよ!』
ナニダの伝説だよ。
「ん……っ! あれ、オレ……?」
二度と開かない筈の瞼が開き、最初にオレの視界に映ったものは、土色の壁だった。
辺りを見回すとその壁がまるで迷路のように続いているのが見える。
どうやら、オレは今迷路の中にいるらしい。とてもここが現代日本とは思えない。
いや、どっかのテーマパークならあるかもしれないけど、少なくとも崩落事故の後で来る場所ではない。
多分異世界転生だと思うんですけど(名推理)
「異世界転生の初手がダンジョンってのは、何ゲー思考なんだよ」
ぼやきながらとりあえず立ち上がるが、ここでオレは違和感に気付く。
あれ? なんつーか……
「オレの背、低くね?」
目線が明らかに低い。鏡でもあれば一発で分かるんだが、近くには見当たらない。
だが声の調子も違う。
「あ~あ~あ~! アメンボ赤いなあいうえお!!」
軽く発声練習してみると、声が高くなってる気がする。とりあえず若返ってるのは確定でいいだろうが、もう一つの可能性を考えてオレは股間へと手を伸ばす。
……オレの手は、そこにかつてあった筈のものに触れない。
「……ワ、ワイのワイルドワイバーン(隠語)がなくなっとる!!」
バカな……オレのエクスカリバー(隠語)が影も形も見つからないとは……おのれベディヴィエール卿、勝手に妖精の泉に返還しやがったな。千五百年彷徨ったとて許さねえぞ。
「……TS転生か」
いい加減アホな考えはやめて、オレは現実に向き合う。
推定死んだと思ったらTSして若返った挙句多分ダンジョンにいます。説明が無さ過ぎて当面の目標がダンジョン脱出しかないぞこちとら。ゲーム内で説明しないこの感じはファミコンを思い出す。説明書寄越せ。
しかもTSって。ハーメルンだとウケるからって安易に取り込んだのか? ふざけんな!(声だけ迫真)そんなんでウケ取れたら苦労しないんだよ書き手って奴は。
「まあ服着てるだけマシか」
全裸放逐じゃなくてよかった。そこまでいったらハーメルンじゃなくてDLsiteかFANZAになっちまう。
まあ服着てるとはいっても前世で死に際に着てたTシャツ一枚なんだけどな、初見さん。残りの服はサイズが合わないから動けないので一旦脱ぎました。
しかしロリ(推定)にブカブカTシャツ一枚か……これは癖に来るな! オレじゃなかったらな!!
ふざけるなよオレを転生した神! 二次元ドリームノベルスみたいな展開になったら殺してやる……
「殺してやるぞ陸八魔アル……!!」
オレが未だ見ぬ神に対しとりあえず殺意を向けていると、どこからか何かの鳴き声が聞こえた。
「モンスターか……?」
ダンジョンといったらモンスター。これらは切っても切り離せない関係だろう、多分。
いや、本当にそうか……? モンスターのいないダンジョンだって探せばあるんじゃないか……? ともすればさっき聴こえたのも鳴き声じゃなくて人の話し声の可能性も――
「GOB」
あ、違ったわ。モンスターおったわ。ゴブリンおるわ。
緑色の肌を持つオレと同じくらいの大きさの人型の怪物、ゴブリンがオレの眼前に立っている。
どうする? やるか? 今なら初手でゴブリンの喉笛をへし折れる気がする。
「GOB」「GOB」「GOB」「GOB」「GOB」「GOB」「GOB」「GOB」「GOB」「GOB」「GOB」「GOB」「GOB」「GOB」「GOB」「GOB」「GOB」「GOB」「GOB」「GOB」「GOB」「GOB」
とか思ってたら奥からゾロゾロといっぱいゴブリンが追加で現れた。
「あうっ、い……いきなり襲撃が始まるのかあっ」
逃げろげろげろ! 逃げるは恥だが役に立つ!
「GOOOOOB!!」
しかしゴブリンはオレを逃がすつもりがないのか、雄叫びを上げながら追いかけてくる。
「クソッ! 今のオレの体でどこまで逃げられるんだ……!?」
思わずぼやくオレだが、迷宮を右へ左へ曲がりながらしばらく走っても追いつかれない。気になって後ろを振り返ってみると、そこにゴブリンの群れは存在していなかった。
もっとも、声は聞こえるのでただ単に追いつかれていないだけだが。
「いや遅っ!?」
こっちロリ体格だぞ!? むこうもそこまで体格変わらないとはいえモンスターだろ、恥ずかしくないのかよ? いや助かるけどさ。
とはいっても状況は好転していない。確かに自分を追いかけてくるゴブリンを振り切れはするが、それ以外のゴブリンがいない、なんてことはない。
現にオレが逃げた先には、別のゴブリンの群れがいた。
……別だよね? さっきの群れが回り込んで来たとかじゃないよね?
とにかくこの群れは避けよう。群れに飛び込んでゴブリンGルートクリアを目指すのは最終手段だ。
迷路を乗り越えようかと思ったけど、上には闇としか言いようのない暗黒が迷路を覆っているようだ。触れたらロクなことにならない気がする。
それ以前によく考えると迷路の壁登れない。反りたつ壁より反り立ってる。
まあ仕方ないのでゴブリンを避けながら進んでいくと、地下への入口を見つける。正直入るのは愚策にしか思えないんだけど――
「なんか、誘導されてる感あるな」
まるで誰かがオレに地下に降りろと言っているような、そんな気がする。
「だから気に入った」
そんなエサにオレが釣られクマー。
どっちみちゴブリンの群れを対処する方法が無いんだし、あからさまに何かありそうな場所に飛び込んでやろうじゃねえか。
ペタ……ペタ……
上のゴブリンの群れの鳴き声が聞こえないせいか、地下へと続く階段を歩く足音が反響する。いやここカツンカツンじゃねえのかよってオレも思うけど、だって裸足だもんオレ。靴もサイズあわねえんだよぶっ殺すぞ転生クソ邪神が。
「カンピオーネ目指すルート入ったなコレ……プロメテウス秘笈でも探すか」
別にロリコンじゃないけど個人的にはアテナが好きでした。
そうこう考えながら歩いていると、階段が終わり地下へとたどり着く。
「なんだここ……? なんか見覚えあるような……」
そこには明かりなんて地上に続く入口しかないにも関わらず不思議と夜目が必要ないくらいには明るく、上の方の壁には黄金で出来た、何やら古代文字っぽいものが刻まれている。
だが奥へ進むと正面の壁には何やら巨大な目玉がさっきの文字と同じもので刻まれ、その前には変な穴ぼこが七つある石板がある。
しかし、オレが一番注目しているのは石板ではなく、さらにその前に置かれているあるアイテムだった。
「これって、遊戯王の
そう、石板の前にはデッキ付きで遊戯王の決闘盤がただ一つ置いてあった。ちなみに形はDMの奴。個人的には一番格好いいと思う。
いや何で……? 何で迷路の地下部屋にデュエルディスクがデッキ付きで放置されてんの……?
オレの心が疑問一色に染まりきろうとしたその時
『そのディスクを手に取れ』
どこからか渋い男の声が聞こえた。多分CV若本。
「だ、誰だ!? どこにいる!? まさか目の前のデッキにいるデュエルモンスターズの精霊とかか!?」
『そうだ』
「そうなの!?」
遊戯王にCV若本のモンスターなんていたっけ!?
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