このミームも混ざったカスみたいな多重クロス世界でTS転生して銀髪ロリ美少女になったオレは冒険する羽目になる   作:味音ショユ

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「ゴブリン爆☆殺!」

 CV若本のデュエルモンスターズの精霊とは一体何者なのか。

 その謎を解く為、オレは早速インタビューを試みようとする――

 

「サイクロ――――――――!!」

 

 前に三メートルほどの緑色の巨人、遊戯王のサイクロプスが雄叫びをあげて現れた。海馬が作中初決闘(デュエル)で最初に召喚した奴ね。

 ……いやサイクロプスの鳴き声はサイクロではないと思う。じゃあなんだよって言われたら凄い困るけど。

 

「チュートリアルイベントってところかな」

 

 オレは目の前の決闘盤(デュエルディスク)を左腕に装着する。デュエルモンスターズの精霊がいるなら、カードを実体化させて戦うことが出来る筈。多分、その力を得るためにオレはここに誘導された。

 誰の物かは知らないが、この状況だし持ち主には事後承諾で貸してもらうとしよう。

 オレはサイクロプスに相対し決闘盤を起動させ、カードを五枚ドローする。

 その五枚のうち一枚を見たとき、オレはさっきまで抱いていた疑問に対する答えと、とびきりの衝撃を同時に味わうこととなった。

 オレは衝撃を受けたカード名はこれだ。

 

 管理局の白い悪魔(ホワイトデビルマジシャンガール)

 

 いや、遊戯王なのはMADシリーズかよ!? 古いんだよ何年前の動画だと思ってんだ!! あれビリビリで中国人が製作しているリメイク版ってどうなったんだ!? 終わったのか!? もう数年単位でチェックしてない!!

 

「つーかお前の声が若本だったの初期だけだったような気が……」

『何の話だ、虫ケラが……』

 

 オレの言葉にホワイトデビルが不機嫌そうに返答する。

 いやそんなことはどうでもいいんだ、重要なことじゃない。

 今は目の前のサイクロプスに対処しなきゃな。オレは決闘盤にホワイトデビルのカードを叩きつけた。

 

「オレはホワイトデビルマジシャンガールを召喚! 今だけは頼むぜ!!」

 

 しかしホワイトデビルの姿が現れることはない。なぜ? バグか……

 そんなオレ達の隙を突いてサイクロプスが攻撃を仕掛けてくる。

 

「サ――――――――イ!!」

「気の抜けるような声出すんじゃねえ!!」

 

 必死に攻撃を避けながら逃げつつ、オレはWDに抗議を始めた。

 

「はい! 俺の命がゲームのカードのせいで落としてしまいそうなのですが!!」

 

 (死の闇に)溺れる! 溺れる! キャスター助けて!!

 

『雑魚が。俺のレベルは六だ。召喚には生贄が一体必要だぞ。そんなことも知らないのか?』

「知ってるけども! え、デュエルじゃない今もそのルール適用されるの!?」

 

 だってアニメで遊戯や十代はブラマジやネオスを素出ししてたじゃん!? オレだけ駄目な理由を教えてくれよ。

 

『貴様は決闘者(デュエリスト)レベルが足りてない』

「何それ!?」

 

 そんなバトルシティの参加条件みたいな隠しステータス知らねーよ!!

 ってこんなこと言ってる場合じゃねえ!!

 

「俺のターン、ドロー!!」

 

 素出しできないなら仕方ねえ。適当にモンスター出して正規召喚してやるよ。やってやろうじゃねえかこの野郎!!

 よし、レベル四以下のモンスターはと……

 

「手札にいねえ!!」

 

 ホワイトデビル以外全部魔法か罠カード! 泣きたくなるような手札事故。だが手はまだある。

 

「オレは手札から強欲な壺*1を発動!!」

 

 一縷の望みをかけ、オレはカードを二枚引く。そういえばオレ最近の遊戯王知らないんだけど、こいつまだ禁止カードなのかな。

 それはそれとしてドローカードを確認しなきゃ。

 

「よし繋がった! オレはワタポン*2を特殊召喚!!」

 

 オレは手札からフワフワした綿毛みたいなモンスターを召喚する。

 つぶらな目をしている所悪いがワタポン、一方的にお前は生贄にされるんだ。悔しいだろうが仕方ないんだ。

 

「オレはワタポンを生贄に、来い! ホワイトデビルマジシャンガール!!」

 

 今度こそホワイトデビルを召喚するオレ。勝ったなガハハ!

 さあ、目の前の雑魚モンスターに死と敗北の恐怖を刻みつけろ!! ってあれ?

 

「ホワイトデビルの攻撃力が100しかない……」

 

 あ、そうか。相手がドローしたときにレベル上がるモンスターだったなこいつ。じゃあここは適当にリバースカードをセットしてターン終了するか。

 

「オレはリバースカードを二枚セットして、ターンエンド」

 

 これで相手がドローすればホワイトデビルのレベルが上がって攻撃力2000。一気に決めるぜ。

 ……ん?

 

「サイクロプスってまずデッキなくない?」

『そうだな』

「じゃあドローできなくない?」

『当たり前だ』

「じゃあお前雑魚モンスターじゃねえか!? 攻撃力クリボー以下だぞ!? 千眼の邪教神よりはマシだけど

 

 さっきまでの楽勝ムードが嘘のように、オレの心が絶望一色に染まる。

 しかしその時、信じられないことが起こった。

 なんと、サイクロプスの手元に虚空からカードが現れたのだ。

 しかもそれがドローとしてカウントされたのか、ホワイトデビルのレベルが上がり攻撃力が2000に上がる。

 

「どういう……ことだ……!?」

『知らん。そんなことは俺の管轄外だ。なにせ我々はこの世界の存在ではないからな』

「お前も知らないの!?」

 

 これが異常現象なのかこの世界なら起こりうることなのか分からないの、大分怖いんだけど!?

 一方、サイクロプスは目の前の敵モンスターの攻撃力が自分を上回ったのを理解してか、即座に踵を返し逃げ出す。

 判断力は悪くないが――

 

決闘者(デュエリスト)失格だな! 俺のターン!!」

 

 オレはカードをドローし、即座にホワイトデビルへ向けて攻撃宣言をする。

 

「ホワイトデビル、サイクロプスに攻撃だ!!」

『男に後退の二文字はねえ!!』

 

 ホワイトデビルが持つレイジングハート……レイジングハートでいいんだよね? そこから放たれたピンク色の閃光がサイクロプスを包み、奴は一気に消滅した。

 だが戦いはまだ終わらない。サイクロプスが消滅したと同時に、オレが入ってきた階段からゴブリンの群れがゾロゾロ入ってきた。

 それだけなら問題はないが、中には厄介なモンスターも混ざっていた。

 

「ゴブリン突撃部隊か……」

 

 皮でできた軍帽と鎧を身に着け、手に棍棒を持つゴブリンの群体モンスター。攻撃力は2300と、今のホワイトデビルよりは高いが――

 

「バトルフェイズ終了。メインフェイズ2でオレは天よりの宝札(原作版)*3を発動!」

 

 やっぱ原作版天よりの宝札チートすぎるわ。まあオレのドロー枚数は三枚だけど、今回はそっちがメインじゃない。

 相手の手札はサイクロプスに虚空からもたらされた一枚。これに五枚追加されることになる。

 この時、ホワイトデビルの効果で相手がドローした枚数だけレベルが上がり、今はレベル六。攻撃力は――

 

「17000!!」

『アッハッハッハ! 遊んであげるわ。おいで、ゴブリン……』

 

 レベルが四以上になったことでホワイトデビルの姿が成長し、CVも若本から田村ゆかりに代わる。

 一方、相手のゴブリン達は力の差が一部を除いて分からないのか、大人になったホワイトデビルに舌なめずりをしながら突貫してきた。

 

「反撃しろホワイトデビル! 哀れなゴブリンに、レクイエムを聞かせてやれ!!」

『みいー。怖い怖いなのですよ』

 

 言葉こそ怖いと言いつつも、その実一切怯えることなくホワイトデビルはゴブリンの一匹を蹴り飛ば、そのまま追撃の様にレイジングハートから放たれるディバインバスターで残りの群れを殲滅した。

 後にはもう、奴らが生きていた痕跡など何一つ残りはしなかった。

 

「ゴブリン爆☆殺!」

『あんた、ゴミね』

「それ田村ゆかりだったっけ!?」

 

 明らかに違う声優の台詞を言うホワイトデビルにツッコミを入れつつ彼女の方を見る。

 すると彼女は、天井に向けてレイジングハートを構えていた。

 

「何やってんだお前ェっ!?」

『ディバインバスター!!』

「やめろおおおおおおおおおおおお!!」

 

 オレの制止も虚しく、ホワイトデビルは天井を吹き飛ばした。

 天井が崩落したらどうすんだよオイ!?

*1
デッキから二枚カードを引く魔法カード

*2
通常ドロー以外のカード効果で手札に加わった際特殊召喚できるモンスターカード

*3
互いのプレイヤーが六枚になるようにカードをドローする魔法カード

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