このミームも混ざったカスみたいな多重クロス世界でTS転生して銀髪ロリ美少女になったオレは冒険する羽目になる 作:味音ショユ
「お待ちしていましたわ」
巨大な岩で塞がれたトンネルの入り口前で待っていたのは、青髪でデカいかんざしを差し、頭の上で∞のような輪を付けた髪形をし、全体は水色を基調とした中華風な服を身に付けつつ、半透明な羽衣を身に着けた巨乳の美女が居た。
……いやこいつ、東方の青娥じゃん。確かに壁をすり抜けられる程度の能力持ってるけどさ、壁抜けのスペシャリストって形容することある?
「あなたが壁抜けのスペシャリスト?」
「はい。私のことは青娥、とお呼び下さい」
「じゃあ青娥さん、早速壁抜けをお願いします!」
オレが訝し気に青娥を見つめているのとは裏腹に、何も知らない――いや知ってる方が不自然な気もするけど――ほむらと研の二人は早速トンネルへと入ろうとする。
青娥はその声に応え、頭のかんざしを外しトンネルの入り口を塞ぐ岩に向けて空中で丸を描く。すると、岩に人間が一人通れる程度の穴が開く。これが壁抜けかあ……
「では皆さんお早めにどうぞ。この穴は一定時間経つと消えてしまいますので」
どういう仕組みなんだろ、と疑問に思いつつもオレ達四人はトンネルの中に突入した。
「暗っ……」
トンネルの中は天井にある僅かな電球の光のみが照らされ、正直すぐ前が精々見えるくらいの視界しか確保できない。
「あら怖い」
「どーだか」
青娥は怖がるような言動を見せるが、正直信用ならなかった。だってこいつ邪仙だもん……
まあ疑っても仕方ないので、ここは大人しく四人で進むとしよう。
すると7ばんどうろと同じく、オレ達の道を阻む敵モンスターが現れた。
内訳はポケモンのイシツブテ、イワーク、ズバット、ワンリキーの群れだ。
「イワヤマトンネルかよここは」
まあバトルドームやらツクダオリジナルオールスターやらに襲われるよりはまともか。
せっかくだし、ここはしばらく使ってなかったスキル
「オレは
デッキに入れていない戦士達のカードを
呼び出された戦士達はαは剣、βとγは拳で攻撃し各々敵をひんしへと追い込んでいく。
「さて、さっさと終わらせてこんな所出ようぜ」
「いえ、どうにもそうはいかないようですよ」
意気揚々とするオレに対し冷や水を浴びせる青娥。すると奥からズシン……という足音が聞こえる。こいつの発言はこういう意味か。
その足音はやがてオレ達の前まで現れると同時に、姿を晒す。
そいつは全体が土色で構成されつつも、目元だけは真っ黒な人型の二メートル程の大きさの人形、ドラクエのゴーレムだった。
そして
そのモンスターは身の丈数メートル程の大きさで、体が巨大な熱を持っているのかオレンジ色に輝き、人型に見えなくもない形状をしている。そして胸元と呼べそうな部分には、人が一人入れるほどの牢屋を、自らの首辺りと鎖で繋いでいた。
こいつは間違いない。遊戯王の溶岩魔人ラヴァ・ゴーレムだ。
「いや、お前は違うだろ!!」
お前はどう考えても炎タイプだろ!? 何でこんなところでゴーレムの仲間面して一緒にエンカウントするんだよ!?
「……あれ? 様子がおかしいな」
オレが内心でツッコミを入れていると、研が何かに気付いたのかラヴァ・ゴーレムを指差しながらオレ達に話しかけけてくる。
その指先を追ってみると、ラヴァ・ゴーレムの体の一部がゴーレムの頭に垂れていた。
「熱そうね」
「あれ1000ポイントダメージ入ってるんじゃね?」
ほむらとオレが呑気にコメントしていると、ゴーレムは味方な筈の存在に背中から撃たれたのが腹立ったのか、オレ達に背を向けてラヴァ・ゴーレムをタコ殴りにして、絶命させていた。
「こいつメルキドの町でも守ってたの?」
つ、強くないこのゴーレム……? とりあえず今の磁石の戦士じゃ勝てなさそうだ。ならば、合体だ。
「オレは磁石の戦士α、β、γを合体! 来い、
オレが叫ぶと磁石の戦士達が合体し、マグネット・バルキリオンがフィールドに顕現する。こいつにオレなんだかんだ言ったけど、やっぱ格好いいわ。
「マグネット・セイバー!!」
バルキリオンが出てきた瞬間、即座にオレは攻撃を指示する。すると未だ背を向けているゴーレムへと剣を振るい、ごくあっさりと破壊する。
初戦、背後からの不意討ちかあ……本当に申し訳ない(メタルマン)
とはいえ敵は全滅したのでそのままずんずんと進んでいく。まだ雑魚敵はいるものの、バルキリオンの強さを見て怯えたのか、オレ達に絡んでくる様子もなく、あっさりと目的の相手の元へたどり着いた。
そこでは――
「三咲泉、私ト結婚シテ子供ヲ産ンデクレ!!」
「えぇ……!?」
ミ=ゴが攫った女の子、三咲と呼ばれた高校生くらいの、どこかの学校の制服であろうブレザーの下にパーカーを着た、髪形がツーサイドアップの少女にプロポーズしていた。いや、何してんのお前!?
「えーっと……僕、どうしたらいいんでしょう?」
「そうね……どうしたらいいのかしら?」
目の前で起こる事態に困る研とほむら。そら(モンスターに攫われた女の子助けにきて、目の前でプロポーズが起きてたら)、そう(なる)よ。
「祝福しろ。結婚にはそれが必要だ」
「まだ相手がプロポーズを受け入れてませんよ」
オレはまあ愛が成立するならそれでいいと思うし、後はトンネルを開けてもらえば問題はない。
しかし、ここまで困惑しきりだった三咲は、少々怯えた態度を見せつつもミ=ゴにこう返答した。
「あの……僕、男なんですけど」
「「「えっ!?」」」
「クスクス」
なんと、三咲は男の娘だった。その事実に驚くオレ達三人。なお、青娥は特に驚かず笑っていた。こいつ、気づいてたな!?
一方、ミ=ゴも虚を突かれたのか一瞬言葉をなくすが、すぐにこう断言した。
「コノ世界ニハコンナ言葉ガアル。『かわいい上にちんちんついてるからお得』ト」
こいつ怯まねえな!! ミ=ゴの性癖は男の娘だった……!?
「ソシテ我々ノ技術ナラバ、男デアロウト孕マセルコトガデキル。ダカラ安心シテ、我等ノ子ヲ産メ!!」
「ひいっ!!」
ミ=ゴの鬼気迫る迫力に怯えを隠せない三咲。
異種姦のうえ背孕みだと……!? なんて業の深いジャンルなんだ……!!
「そこまでだジュラル星人め! その人を放せ!!」
ここで研はインターセプトに入る。合意があるならまだしも、無理矢理迫るのならそれは止める理由に十二分になりえる。
「えっ誰!?」
「キ、貴様ハチャージマン研!!」
ここでオレ達の存在に気付いたのか、三咲とミ=ゴの二人――いや一人と一匹はこちらを見て驚愕に包まれる。
「オノレチャージマン研メ……! ココデ始末シテクレル!!」
ミ=ゴが叫ぶとどこから同じミ=ゴが三匹ほど現れ、オレ達に敵意を向けている。どうやらどうあっても三咲を孕ませたいようだ。
そろそろなんか喋っとかないとハブられてるみたいでアレだし、口出しするか。
「人外が男の娘を輪姦して孕ませか。需要はまあまあありそうなシチュではあるな。だけど――」
「ダケド?」
「つい昨日催眠種付けレイプされそうになったオレとしては、見過ごすことはちょっとできないな!!」
「知ルカ!!」
オレの言葉を聞いたミ=ゴが、注意をオレに向ける。
「隙だらけよ」
「……えっ!?」
その隙にほむらは三咲を抱え、オレ達の後ろに移動していた。……この世界でオレと行動してから初めて見た気がするけど、ほむらには時間操作の魔法がある。そいつを使えばこうやって、敵の傍にいる人間一人くらい引っ張ってくるのも容易いことだ。
普段ならもしかしたら何をされたか理解できたかもしれないが、オレに注意を向けていた今はそうでもないようだ。ミ=ゴは突然移動した三咲に驚きを隠せていない。
そこでオレは宣言した。
「諦めろ。お前にとって三咲くんは攻略キャラじゃないぜ!!」
「黙レ!!」
オレにキレたミ=ゴの集団は一斉に、オレに向けて光線銃を発射してきた。
それを回避しながらオレはバルキリオンを向かわせようとする。
「チャージング、ゴー!!」
だがここで研がチャージマンに変装。頭に全然蒼くないブルーマスク、腰にはビジュームベルト、足にはカドロシューズが装着され、手にはアルファガンが装備された。
「それっ!」
「ギャアアアアアアアア!!」
研は変装と同時にアルファガンを一射。それだけでミ=ゴは一匹即死する。
負けじと残りのミ=ゴも光線銃を発射するが、研はそれをゴロゴロと地面を転がって回避。
そしてもう一射。
「えいっ」
「ヌオオオオオオオオオ!!」
それだけでまたも一匹始末され、ミ=ゴは残り一匹だ。
「ヒイイイイイイイ!!」
最後の一匹は研の強さに恐れをなしたのか、オレ達に背を向けて逃げ出す。
「逃がすもんか!!」
「オ、チャ、ア――ッ!!」
しかし研の迷うことない背中へと射撃を受け、ここのミ=ゴは全滅した。
「ハハハハハハ! アハハハハハハハハハハ!!」
戦いに勝利し、一人高笑いをする研。
トンネルの中で笑い続ける少年、かなり気味悪いな。