このミームも混ざったカスみたいな多重クロス世界でTS転生して銀髪ロリ美少女になったオレは冒険する羽目になる   作:味音ショユ

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実はこっそり作品名とあらすじを修正しちゃいました!
……まるで八丸くんみたい


「間違いない……奴は、暗黒の騎士ザガーン!」

 ブロリーとパラガスの二人と別れたオレ達は、いよいよ紅魔の里へと向かうべく出発する。

 バスで。

 

「バスで……!?」

「他に乗り物ないし、徒歩なんて私嫌よ」

 

 なんだかファンタジー感のない話だが、そもそも電車とか乗っている時点で今更だし、ほむらの言う通り徒歩移動は正直ダルいので、オレ達は大人しくバスに乗るべく停留所へ。

 どうやらバスで行くと言っても紅魔の里に直接乗り込めるわけでは無く、近くにある別の施設に停留所があるらしく、そこから歩かなければならないらしい。山の中にある旅館か何かか?

 

「えっと、オレ達が乗るのは……」

「これよモノマキア。この『なぞの研究所』行き」

 

 ダークポケモンでも研究してんの? とツッコミを入れようかと思ったけど、よく考えると紅魔族好きそうだよな、こういうの。

 いや、でもバス停にするのは違くね?

 

「何ボーっとしてるの、行くわよ」

「置いてくなよ!」

 

 ほむらが先にバスに乗ったのでオレが慌てて追い掛けると、乗ったと同時にバスが出発する。

 とりあえずほむらが二人席に座ってたので横に座り、しばらくは何事もなく適当にお互い過ごしていたが、ふと気づくとどうにもバスが進んでいない。

 

「渋滞か?」

「面倒なことになったわ……」

 

 そうオレとほむらがぼやいた直後

 

ズガアアアアアアアアアアアン!!

 

 近くで巨大な爆音が辺りに響き渡った。

 

「な……なんだあっ」

 

 オレ達が慌てて音のした方を見ると、視線のはるか先に巨大な土煙が立ち上っているのが映る。

 

「何が起こっているの……!?」

『やっぱり戦ってしまうのね、美緒』

 

 ほむらが外の風景に驚愕する中、オレは突如横に現れた黒髪で半透明な老婆に驚いてしまった。

 

「何だこの婆さん!?(驚愕)」

『私の事なんていいじゃない。私はあそこで戦っている美緒の母の幽霊で、サイヤ人よ』

「サイヤ人!?」

 

 流せない! その情報軽く流していいそれじゃない!!

 

「つーか何が起きてんだよ!!」

「モノマキア。双眼鏡よ」

 

 オレが叫ぶとほむらがどこからか双眼鏡を取り出し、オレに手渡す。ちなみにほむらはほむらで別に双眼鏡を持っている。双眼鏡二台持ち……!?

 あの、一応聞きたいんだけどさ。

 

「ほむほむ、何で双眼鏡なんか持ってんの?」

「……まどかのストーキングだけど?」

 

 何その「わざわざ聞くまでもないことを何で聞くの?」みたいな顔!? 腹立つんだけど!!

 腹立つけど今はそれより土煙が起きた場所で何が起きたかだ。オレが双眼鏡を覗き込むと見える人影は二つ。

 一つはパジャマのような服を着ている、正直太目としか言えない金髪の中年女性が倒れ伏していた。こいつが婆さん幽霊の言う美緒、だろうか。

 

『そうよ。あの子が美緒』

「モノローグを読むな!!」

 

 そしてもう一つは軽装の美緒とは対照的に、石でできた肉体に同じく石造りの剣を携えた四本足の騎士のような悪魔が構えていた。

 

「間違いない……奴は、暗黒の騎士ザガーン! 無茶だ、美緒がサイヤ人の血を引いているからってザガーン相手じゃ……!」

「そんなに強いの?」

 

 驚愕するオレに対し、ザガーンを知らないのかほむらが聞いてきた。

 

「ああ。パワー7000、W・ブレイカーの能力を持つクリーチャーだ。奴は覇王ブラックモナーク曰く『やつを戦場に出したら一方的に勝つに決まっている』と豪語しているほどだぞ」

「よく分からないわ」

 

 うん、そりゃ分かんないよな。ノリノリで解説しておいてなんだけど、オレデュエマそんなに知らないし。

 すると婆さんも補足してきた。

 

『そうね。あれはあなたの言う通り暗黒の騎士ザガーン。そして、私を殺した男』

「どういう因縁で……?」

 

 美緒 48歳

 配偶者 なし

 子供 なし

 生活能力 なし

 援軍なし

 逃げ場なし

 失うものなし

 

「いやこのモノローグなんだよ!? オレのじゃないんだけど!?」

『私よ』

「あんたなの!?」

 

 人の脳内に割り込むなよ! 何の能力者だよ!!

 

『あの子をあんな風にしてしまったのは、私なのよ』

 

 


 

 あれは私が若く、美緒が生まれたばかりの頃の話よ。

 あの日、知り合いのバーダックというサイヤ人が血相を変えてこう言ったわ。フリーザが惑星ベジータを滅ぼすとかなんとか。

 その話を聞いて周りのみんなは笑っていたけど、私は何か鬼気迫るものを感じて娘を連れて惑星ベジータを脱出し、この星に流れ着いたの。

 私はフリーザに目を付けられない為、この星に合う名前に改名し、同時にサイヤ人の名前を持った娘の名前も美緒に変えたの。

 もっとも、フリーザはサイヤ人に倒されたなんて話を風のうわさで聞いたから、ひょっとしたら必要なかったかもしれないけどね。

 まあそれはさておき、美緒はとてもサイヤ人とは思えないほど穏やかな子に育ったわ。自らの力の強大さに怯えてしまうほどに。

おかげで私もこの星の男と再婚して、美緒に妹と弟も作れたからよしとするけど。

 だけど美緒が十五歳の時、あの子は受験に失敗してしまうの。

 学力不足じゃないわ。あの子は受験会場で他の生徒に絡まれて、咄嗟にサイヤ人として力を発揮してその生徒に全治一年の大けがを負わせてしまったの。

 それが理由で受験失敗。美緒もそのショックと、自分の強さは世間で生きていくには無理と思って引きこもってしまったわ。

 私はせめて美緒を甲斐甲斐しく世話したけど、やはり私もよる年波とサイヤ人の食欲が繰り出す食費には勝てないわ。

 そこで冒険者として登録し、高額の報酬だった依頼『野生の暗黒の騎士ザガーン討伐』を受けたけど、結果は御覧の有様。

 私は死んで、今ここに居るわ。

 

 


 

 

『だけど美緒ったら、部屋から出る決意をしてくれたのね……! 私の死をきっかけに……!!』

「そんないい話かしら、これ?」

「まあ、引きこもりが社会復帰しようとしてると思えば」

 

 一度レールを外れると、戻るのは大変だからな。何事も。

 

『頭に来るわね……! 戦いが大好きで優しいサイヤ人なんて……!!』

 

 何で急にブウ編のラストになるの!? しかもお前の仇を討とうとしてるのに頭に来るの理不尽すぎない!?

 

「というか別に戦いが好きなわけじゃないと思うけど」

『頑張って美緒……あなたがナンバー1よ!!』

「婆さんベジータポジ!?」

 

 母親だからギネじゃんアンタ! どう頑張ってもバーダックでしょ!?

 

ドガアアアアアアアアアアアン!!

 

 オレ達が婆さんにツッコミを入れ続けていると、またも轟音が響く。

 音の先を見るとそこには、ザガーンの腹に拳を叩き込む美緒の姿があった。

 

「お母さあああん!」

 

 双眼鏡が無ければ見えないほど離れた距離にいる筈の美緒の叫びが此処まで聞こえる中、彼女は飛び上がり、ザガーンに右手を向ける。

 

「美緒、戦いの中で生きていくよおおおお!!」

 

 そしてまたも美緒が叫ぶと、ザガーンの周りに気で出来た大量の出刃包丁が現れ、一斉にザガーンの体を突き刺した。

 

「…………」

 

 するとザガーンの動きが止まり、やがて崩れ人型の形が取れなくなっていく。

 誰がどう見ても、美緒の完全勝利だ。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 ザガーンを倒した美緒は、右拳を握り締め高らかに掲げ勝鬨を上げる。

 

 美緒 48歳

 配偶者 なし

 子供 なし

 生活能力 なし

 呪力ゼロ

 拳のみ

 勝者あり

 

「またこれかよ!? しかもエネルギー吸収アリーナ関係ねえし!!」

『今度は私じゃないわ』

「いっそあんたであってくれ! 怖いから!!」

 

 なんかの伏線か!?

 

『これで、思い残すことなく成仏できるわ……! さようなら美緒、あなたならどんな敵もCHA-LA HEAD-CHA-LAよ』

「普通に言え!! てか直接言え!!」

 

 オレのツッコミを背に、婆さんは消滅していく。

 それと同時に渋滞も少しはマシになったのか、バスがわずかながら進み始めた。

 怒涛の展開に疲れたのか息を小さく吐きながら、ほむらはオレに問う。

 

「何だったのさっきまでの展開は……」

「こっちが聞きてえよ」

 

 最近そのツッコミ頻発し過ぎなんだよ。

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