このミームも混ざったカスみたいな多重クロス世界でTS転生して銀髪ロリ美少女になったオレは冒険する羽目になる 作:味音ショユ
「仙豆だ、食え」
「おお~! 私生き返った~!! 助かったぜ人間風情が」
ブロリーに人違いで血祭りにあげられたゴクウブラックを、どこからともなくポコピーというBGMと共に生えてきた、全身緑色で頭に触手を生やしたどう見ても宇宙人な、男としか思えないけど設定的には無性の人間……人間? ピッコロが、傷を癒す効果を持つぱっと見枝豆にしか見えない豆、仙豆を食べさせることで治療した。
彼らの横では、ブロリーが申し訳なさそうに視線を彷徨わせていたが、やがて観念したのか二人に頭を下げた。
「ムシケラ、カカロットみたいなの。ごめんなさい」
「ふん、化物め」
ブロリーの謝罪に対しピッコロは鼻を鳴らして毒づくだけだが、ゴクウブラックは懐から何やら取り出しオレ達に見せつけつつ、こう言った。
「あんパン130円。メロンパン3000円。コッペパン1個125円です」
「お詫びの印に買えと言うのか。もしそうだとしたら、我々の懐具合が……」
「買えよ」
パラガスがパンの値段を聞き慄いている。
いや確かにメロンパンは高いけど、なんでパン一つ買うのにそんなに及び腰なんだよ。しょうがねえなあ(悟空)
「メロンパン三つ、オレにくっれええええええええ!!」
「ありがとうございます」
ゴクウブラックからメロンパンを受け取ったオレは、それぞれ一つずつブロリー達に手渡した。
「奢りですかぁ……? フフフ」
「我々は食費でいつも金欠なのだよ。これもサイヤ人の運命か……!」
「感謝しろよ。ロリーであるオレに奢られるなど、恥を知れ!!」
「オフコース!」
「ありがットオオオオオオオオオオオオ!!」
ブロリー達の感謝の声をBGMにオレはメロンパンを食べる。
ムシャリムシャリと音を立てて口の中で咀嚼すると、上のビスケットに塗された砂糖と中のふわふわな生地が絶妙なハーモニーを醸し出す。
うむ、美味い。
「ご堪能いただけたかな? では私はこれで。我がROZEパンをよろしく」
オレがメロンパンを味わっているのを見て満足したのか、ゴクウブラックは自分の店を宣伝して去っていく。
あいつの出番、もしかしてこれだけ……?
「おいムシケラ」
「何だ?」
オレがゴクウブラックの出番について懸念している横で、ブロリーがピッコロに話しかけていた。
「俺達カカロットを探しているんだけど、手がかりがなくなっちゃったよ。お前、手がかり持ってないかぁ……?」
「ない。あるわけないだろう。手がかりを見つけたら連絡してやる」
ブロリーの質問にピッコロは素っ気なく答え、飛び去って行ってしまう。
それを目で追いながらブロリーはしょんぼりした。
「はぁ……これからどうしようかな?」
「ブロリー。とりあえずお金を稼ぐため、まずは冒険者として依頼を受けようではありませんか」
途方に暮れたブロリーに対し、パラガスは目先の優先事項を告げて前を向かせようとする。パン買うのに躊躇する懐具合は改善した方がいいだろうし。
それにオレも久々に依頼を受けるのも悪くは……いや特に久々でもないか。
「それじゃ、依頼の為に冒険者ギルドへイクゾー! デッデッデデデデ!(カーン)デデデデ!」
「おや、ご存じないのですか!? 今時はギルドに行かずとも冒険者カードで依頼を検索し、受けることができるのだよ」
「アレそんな便利機能があったの!?」
タイミーかよ。
依頼の中から依頼人がここから近所に住んでいるかつ、受けても問題なさそうなものを見つけたので、オレ達は依頼人のもとへ向かっていた。
辿り着いた先は川越の町はずれにある小さな小屋。いかにも偏屈な研究者が住んでいそうな場所である。
こういう小屋の研究者って男なら白髭を生やした爺さんで、女ならダウナーお姉さんなイメージがあるな。
「私はダウナーな大人のお姉さんがいいぞぉ!」
「おう! オレもオレも!!」
「俺は天才系ロリーがいいなぁ……」
オレとパラガスは意見が一致したが、ブロリーだけは我が道を貫いていた。
まあ、どっちの願いも通じない可能性もあるんですけどね、初見さん。
「ごめんくださーい。依頼を引き受けてきた冒険者でーす」
オレは早速小屋のドアを叩く。この家インターホンないからこうやってノックするしかなさそうだ。いなかったらどうしよ?
しかしオレの不安は杞憂で終わり、ガチャリとドアを開けて中から住人が出てきた。
出てきた人はオレとパラガス、それにブロリーの望みとも異なり、推定絹の服を着た成人男性だった。
顔にも服にも特徴のない男である。モブかな?
「冒険者の方ですか。ようこそいらっしゃいました。私は依頼人のクビ・コキャラレータと申します」
「クビ・コキャラレータ!?」
「ゑぇ!?」
「何ィ!? なんなんだその名前はぁ……?」
だが名前はまるで普通じゃなかったので、オレ達は一斉に驚いてしまった。
何その死が約束されてる名前!?
しかしクビ・コキャラレータ……長いからクビでいいや、はオレ達の反応に大した反応を示すことなく、淡々と話を進める。
「ハハハ、名前に関しては気にしないでください。前世で東の牧場のマグニスに首コキャされただけなのですが。まあ、とりあえずこちらへ」
「君、何気に凄いこと言ってないか?」
「マグニスって誰だよ」
パラガスとブロリーがツッコミを入れているが、オレはこいつが何者なのか見当がついた。
クビ、お前シンフォニアのあいつかよ! 古いよネタが!! リマスターもちょっと前に出てたけどさあ!!
とはいえこれにツッコミ入れられるのオレだけだし、この辺のリアクションはやめよう。
オレ達はクビの誘いに応じ、小屋の中に招待される。
中はワンルームで、キッチンとリビングにできそうなテーブルと椅子が設置されており、テーブルの上にはノートパソコンが一台設置されていた。こういうのタイニーハウスって言うんだっけ?
そして壁際には何やら見たことのない植物、また動物や虫の死骸が棚に置かれていた。うーん、なんかの研究者っぽい。
「では、早速依頼の話をしましょうか」
クビの案内で椅子に腰かけたオレ達に対し、そのまま依頼についての話を始める。
とはいってもそんなに難しいことじゃない。
「あなたがたには、隣町のダンジョンに行って素材を採ってきてほしいのです。こちらがその素材です」
そう言ってクビは写真を二枚見せる。
「このあるくキノコとあるくめの死体を持ってきてください」
「MOTHER2!?」
「何に使うのぉ……?」
オレのツッコミを無視してブロリーが用途を尋ねると、クビはすんなり答えてくれた。
「私はVtuberの配信を見るのが趣味なのですが、マイ〇ラやA〇EXのような一人称視点のゲームの配信を見ると画面酔いしてしまうのですよ」
「あるあるでございます」
「Vの配信見るにはまあまあ辛い話だな」
体感だけど、一人称視点のゲーム配信結構あるだろ。
「今までは根性で堪えて配信を追っていたのですが」
無理すんなや。
「最近、この二つを使って作られたアクセサリーを装備すると、画面酔いにならないという話を聞きまして」
「状態異常扱いなんだ画面酔いって!?」
今明かされる衝撃の真実。とはいえ、別に変なことに使うわけではなさそうだし、ごねる必要はなさそうだ。
「しかし配信か……」
「一体、どうしたというんだ?」
オレが何気なく呟くと、パラガスが疑問を覚えたのか尋ねてくる。
なんだかんだと聞かれたら、答えてあげるが世の情け!(ロケット団)
「そうだ、ダンジョン配信しよう」
「ゑぇ!?」
「なななななななななななな何ィ!?」
そんな驚かなくてもいいじゃん。