もしウマ娘の世界があべこべだったら   作:hanekio

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第1話 プロローグ

 3柱の女神さまは困り果てていました。

 

 管理する世界が緩やかに滅びを迎えようとしているのです。

 

 ある時から人間に男の子が生まれることが少なくなり、しかも、年々男の子が生まれる確率が低くなっているようです。

 

 今では男女の比が1:30ほどになってしまいました。

 

 原因は分かっています。男の子の魂が弱っているのです。

 

 そこで女神さま達は一計を案じました。健全な男子の魂を別の世界から譲ってもらい、世界の希望とすることを。

 

 

 

 異世界の神さまと交渉の末、女神さまは一つの魂を迎えることが出来ました。

 

 健全で、純粋で、信仰深く、強い魂です。

 

 女神さまは魂に語り掛けます。

 

「あなたに魂の輝きを視る眼を与えましょう」「心の声を聞く耳を与えましょう」「病に負けぬ強い身体を与えましょう。」

 

「その眼で我が子らの魂を見定め、その耳で我が子らの嘆きを聞き、その強い身体で我が子らに希望をもたらしてください」

 

 最後に女神さまは、魂に使命を与えて現世に送りました。

 

「―――産めよ、増えよ、地に満ちよ」

 

 そうして、運命の子が現世に産声をあげました。

 

 

 

 

 

 それから16年後。

 

「それでは今日のトレーニングはここまで、まずはフォームに気を付けて挑戦してみてください!

 ご視聴ありがとうございました!

 良かったらチャンネル登録、高評価をお願いします!」

 

 運命の子は、世界で唯一の男性筋トレ系ウマチューバ―になっていました。

 

 

 

_____________

 

 

 

 

 ウマ娘の世界に転生しました。いや、まさか自分の身にこんなファンタジーな事が起こるなんてね。人生何があるか分かんないもんだ。

 女神さま達から使命を授かった時のこともハッキリ覚えている。もう、ホントに衝撃だった。

 

 美しすぎる! 

 

 人間、圧倒的な美を前にしたときは何も言葉が出ないものなんだね。魂の状態だったから喋れたかは分かんないけど。

 とにかく光栄なことに僕は使命を持ってこの世界に産まれた。それは、この男女比の狂ったあべこべな世界をもとに戻すこと。傾いた天秤を水平に戻すことだ。

 

 正直、個人でどうこう出来る問題では無いのではと最初は思った。

 だが女神さまの言葉を思い出す。

 

「男の子の魂が弱っている」

 

 つまり、男が強くなれば解決するってことだ!

 

 それからは必死に考えた。どうすれば世界中の男が強くなれるのか。あの麗しの女神さまが何の考えも無く不可能なことを個人に押し付けたとは思えない。きっと僕が選ばれたのには何か理由があるはずだ。

自分の前世の知識を総動員して考える。

 

 ……まさか、ひたすら子供を作れというわけでは無いよな?種馬として選ばれた?

 

 いやいや! あのアルティメットビューティー女神さまが、そんなことを考えるはずはない!

 さすがに焼け石に水というか、男そのものが強くならないと種馬が一人いたところで一時的なものにすらならないだろう。

 

 それに、きっと僕のすることは女神さまもご覧になられるだろう。

 せっせと()()()()に励む姿を見られたらどう思うだろうか。

「うわぁ、人間じゃなくておサルさんの魂だったかな」とか思われたらツラすぎる! 死後顔を合わせることがあったらどうするんだ!

 だから、短絡的な思考をしてはいけない……、考えろ、別の方法を。

 

 個人で出来て、世界中に影響を与えられるもの……配信者じゃない?

 

 うん、世界中の男に、強くなるための有益な情報を与える。いや、率先して強くなる姿を見せることで、意識から変えていく。

 

 これだ!

 

 もちろん勝算もある。この男女比の偏った世界では、男に出会うことなく一生を終える人すらいる。

 男がウマチューバ―を始めるというだけで、そこそこの注目を集めることが出来るだろう。

 活動内容は当然、筋トレだろう。肉体もタフになるし、メンタルも鍛えられるからな。筋肉はすべてを解決する!

 ククク……方針は決まった! さあ、活動を始めよう!

 

 

 待っていてください、我が美の女神よ! あなたの使徒が! 必ずや! 世界を救済して見せます!

 

 

 

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