一林高校ってどこだよ   作:むすっとしたハムスター

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書き溜めがないうえプロットもろくに練らずにその場のノリで書いているので更新が激遅れしました。


1幕 オリ主、マネージャーやるってよ
ここだよ。ここ。


Q.一林高校ってどこですか?

 

A.ここです。

 

 

 ……どうも、一林高校1年3組24番比川です。うん、なんで俺は今名前も知らん高校にいるんだよ。なんで烏野じゃないんだよ。俺はご都合系主人公じゃなかったのか?

 もしや、今までのご都合展開のツケが今になって回ってきたとか?んな馬鹿な。

 

 にしても一林なんて名前、原作……というかアニメでは聞きもしなかったぞ。そりゃあまぁ、作品に名前の出ていた高校なんてほんの一握りで、名前の出ていない高校のほうが圧倒的に多いのは当たり前なんだけど。父さん曰く一林は相当な強豪校らしいけども、俺自身は名前も聞いたことのない高校なんだよな。いやもうどこ!?

 

 まぁしかし、既に決まり切ってしまっていることを後からグダグダ考えたところで時間の無駄だ。さしあたっては今週の金曜日に配布される入部届の用紙にバレー部と書いて、担任に提出するとしよう。

 

 

 

 

『ライトォ!』『レフト!』

 

 相手コートの両翼が、同時にトスを呼び助走に入る。

 

『……』

 

 セッターは頭上でボールを捉え、一瞬、ライト側へと視線をやった。───ブラフだな。

 

 視線を使った誘導、ある程度上手いセッターならたまに使う技術だ。俺もセッター時代には時々やってた。相手のことをよく見てる人……ある程度バレーボールが上手いやつには結構刺さる。まぁ、読み合いにおいての手札の一つ、程度の技術だ。レベルが上がっていくと、例えばトスを上げる前に左をチラ見して、それを相手がブラフだと読み切ってくるのをさらに読んでそのままレフトに上げる……みたいな心理戦が繰り広げられることもある。

 

「レフト!!!」

 

 今回はライト上げますよフェイクのレフト読み。クソでけぇ声でコールをすると、前衛にいるブロッカーたちがレフトのコースを締めに少し寄ったポジショニングをする。

 

 セッターがレフトにトスを上げる。いいね、読み通りだ。

 

「「「せーのっ」」」

 

 ブロック三枚、クロスのコースは完全にシャットダウン出来ている。となれば、俺が入るべきなのはストレートのコース。

 

 ブロックは完璧、スパイカーとレシーバーのプライドバトルだ。

 

───パァン!

 

「んぬっ!」

「ナイスレシーブ!!」

 

 はい!!俺の!!!勝ち!!!!

 

 スパイクを正面で受け止め、ボールを上げる。うん、我ながら綺麗なAパスだ。

 

 ここまで綺麗に上がってしまうとはいやはや気分がいい。気分が良すぎてこれはもう……俺が打っちゃおっかなー!?

 

 爆速で助走距離を取って、右腕を大きく振りかざす。

 

「バック!!」

「!?」

 

 味方のセッターがまじかこいつみたいな顔してるけど知るかよ!俺は気分がいいんだ!打たせろ!一回も合わせたことないけど!

 

「っ、ほい!」

 

 お!トス来たぁ!しかも土壇場なのに距離感完璧!最高だぜあんた!

 

「ナイス、トスっ!」

 

───パァン!!!

 

 体育館に響く乾いた音。手のひらに伝わる、少しヒリっとした衝撃が心地良い。

 

 強烈な前回転の掛かったボールは、相手コート目掛けて鋭く駆ける。そして、普通にブロックされた。

 

 ……いやブロックされとるやないかーい!

 

「んあああああああ!!!今のは、決まる流れだった、じゃん!」

「はは、調子乗ったなー」

「う、さーせん……」

 

  チーム内での紅白戦、最後の最後で決め切れず地団駄を踏んでいたら、顔が怖くて背が高い部長の司馬さんから耳が痛くなるお言葉を貰った。ほんっと、調子に乗りやすい人間なんです……。前世からの改善点ではあるんですけど、こればっかりはどうしても治せなくて……。

 

 一林高校に入学してからはや一か月、ここのバレー部にもだいぶ馴染めてきた。

 

 野生児が多い九州地方*1の部活動ということで、最初の方はかなりビビりつつ取り組んでいたのだが、それは案外杞憂に終わってくれた。

 

「まぁ練習だし、チャレンジするのは良いことだ」

「本番でやったら?」

「法に触れない程度に引き摺り回す」

「こっわ」

「はは、冗談冗談」

「司馬さんが言うと冗談に聞こえねぇっす……」

 

 ……こんな感じでいかつい部長相手にも軽口を叩きあえるくらいには部に馴染めている。

 

「っと、てか砧、お前やべー。ナイストス過ぎるんだが」

「ん、自分で言うのもあれだけど、土壇場でドンピシャに上げれたの普通にヤバい」

 

 調子に乗った俺の無茶なトスを要求を完璧にこなして見せたこの男は砧と言う。俺と同じ1年3組の生徒だ。

 

 こいつは影山タイプの才気溢れる系セッターで、その実力は、さっきのトスを見れば十二分に分かることだろう。

 

「ま、お前は無茶振りして、その上俺の完璧なトスをブロックに捕まるヘボスパイクに変えたんだけどな」

「ごめんって……てかあれはブロックした平田が悪いだろ。気持ちよく決めさせてくれよー」

 

 そう言ってさっき俺のスパイクをブロックした男、平田に視線をやる。こいつは1年2組の生徒で、部内で一番背が高い。201cmあるらしい。デカすぎんだろ……。

 

「ボ、ボクのせい?そんな理不尽な……余りにも止めやすいスパイクが来たから普通にブロックしただけなのに……」

「止めやすいとか言うな!傷付くわ!つーかお前の身長なら大体のスパイクが止めやすい圏内だろ!」

「まぁね」

「ムカつくー!」

 

 弱気なふうに見えてかなりいい性格してやがるぞこいつ。腹立つなぁ。

 

「はい、じゃれ合いそろそろやめようか。まだゲームの途中だぞ」

「あ、すんません」

「大会も近づいて来てんだ。真面目に取り組んでくれよ」

「うす!」

 

 司馬さんの言う通り、インハイ予選がもうすぐそこまで迫って来ている。

 

 二度目の人生、高校初のインターハイ予選。楽しみでしょうがないという気持ちの裏腹に実は、結構な不安と緊張がある。

 

 卒業式のあの日、変人コンビに全国で会おうぜ的な啖呵を切ったのはいいが、もしこれであっさり予選負けでもしようものならもう情けなさすぎて俺は首を吊って死ぬ。間違いなく。ウソ、死にはしない。けどマジでバレー引退を考えるレベル。

 

 兎にも角にも負けられない。大会までの期間はすでに一週間を切っている。それまでにこのチームでのパフォーマンス仕上げなければいけない。

 

「砧!平田!お前らふざけてる場合じゃねーべや真面目にやれ!」

「絡んできたのお前な」

 

 

 

 

 

 時は流れ、約一週間。俺達一林高校バレー部は、試合会場である市の総合体育館へと訪れていた。

 

 とうとうやってきたインハイ予選一日目……なのだが、以前父に言われた通り、一林は結構な強豪校だった……それも何度か全国経験があるほどだったらしく、俺たちは予選においての3回戦からのシード権を有していた。つまり今日、俺たちの出場する試合は無いってことだ。

 

「はぁ、帰りたい……」

 

 憂いに満ちたような表情で砧がボヤいた。なるほどこいつは、試合ないなら態々会場来る必要無くない?もう帰っていい?な自分のこと以外にはあまり興味を持たないタイプの人間だな。

 

「そんなこと言うなよ砧。敵情視察は大事だぜー?」

「敵情視察ぅ……?」

「比川の言うとおりだな。何事も抜かりなく、試合前から勝負は始まっているんだ」

「ぶぇー」

 

 司馬さんにまで言われてしまうと、流石の砧でもどうしようもないみたいで、大人しく観客席に腰を下ろした。

 

「試合前から勝負は始まっている……カッコいいですね!意識高い系みたいで!」

「お前それ褒めてんのか?」

 

 平田が司馬さんの言葉を反芻して、目を輝かせるが、ワードチョイスが抜群に悪い。意識高い系て、相手取ったらだるい奴ランキング上位に位置するであろう人種だぞ。それを褒め言葉のボキャブラリーとしてストックしている平田はなんというか、少し抜けている?というか、世間知らずというか……。

 

「はは、まぁ褒め言葉して受け取っておこう」

「つか、俺たちと当たる高校ってどこなんすか」

「はい!私達と次に当たる可能性があるのはえーっと……庄西、津野沢、和堂、咲原の4校ですね」

 

 待ってましたと言わんばかりの勢いで返事をした、女子マネージャーで2年の桐原さんが、様々な要項がまとめられているであろうボードを見つめながら3回戦で俺達と当たるかもしれない高校の名前を挙げてくれる。

 

「ふむ、この中で一番可能性が高いのは間違いなく……」

「庄西……ッスね」

「あぁ」

 

 庄西高校というと、毎年県内ベスト8には食い込んでくる強豪校だ。チームとしての印象は、基礎が固まっている上手なバレーボールって感じだ。

 

「知っての通り庄西は強豪校だ。無論、俺達の方が強いがな。庄西が勝ち上がってくると決まっている訳じゃないが、他の3校よりも特に注意するべきチームであることは確かだ」

 

 ……なんというか、司馬さんの言葉は凄いな。喋るだけで空気が引き締まるんだよな。リーダーシップとはこういう事を言うのか。通算三十年以上生きてきた上で俺にはないモノなので、素直に感心だ。

 

 

 その後まもなく、1回戦が開始し、庄西が危なげもなく二回戦を勝ち抜いたところまでをしかとこの目で確認し、庄西対策について少しミーティングしてから、その日は解散となった。

 

 

 

 

 

 インターハイ予選二日目の朝、俺は前世を含めての人生の中で一番焦りを感じているかもしれない。緊急事態だ。

 

 

 

─────横断歩道歩いてたら轢かれた。どうしよう。

*1
偏見が過ぎる




オリキャラ紹介

・オリ主
地方かっ飛ばされ系主人公。最近、精神年齢が肉体に引っ張られつつある。なんか轢かれたらしい。大丈夫?

・砧
オリ主の同級生。天才。ポジションはセッター。勉強ができるマイルドな影山みたいな奴。バレーが上手い。

・平田
オリ主の同級生。巨人。ポジションはミドルブロッカー。性格が良いのか悪いのかよく分からないとしょっちゅう言われる。多分性格は良い。バレーが上手い。

・司馬さん
部長。ポジションはレフト。顔怖いし体ゴツいけどめっちゃいい人。バレーが上手い。

・桐原ちゃん
2年生のマネージャー。顔面偏差値高い系JK。

ネームドオリキャラはもう何人か出ると思います。


 3回戦からのシードっておかしくね?って思った方いるかもしれないんですけど、言い訳しますね。私都民なんですけど、東京の大会予選ってシード権のあるチームの中でも2回戦からと3回戦からの二段階で分かれてて、他の地域も同じ仕様だとばっかり思い込んでいたんですよ。そしたら全然ちがくて、ほとんどの県がシードは2回戦からのみだったんですよ。でも、それを知ったのがこの話を書き終えてからだったんです。だから一林高校は3回戦からのシード権を持っているっていうことになってしまったんです。まぁ、あくまで自己満二次創作なのでそのへんは大目に見て頂けると幸いです。

次回更新日は未定!感想評価お気に入りが多いと執筆速度が上がります!!!ください!!!!!!!!
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