「飲み物の準備が完了したところで早速聞かせてくれ。」
「神秘についての話から説明する。長くなる話だ、辛くならない姿勢をとれ。」
──キヴォトスには神秘というものがある。それは''ここ''に普遍的に存在する目には見えないエネルギー。俺やカーラは…機会があってそれらの存在を知りお前たちに使い方を教えることが出来たが普通は何も知らずに無意識下で使い生きていく者が多い。
──その神秘は個人によって性質や攻撃属性、防御属性が異なることが判明している。神秘を持つ器が大きいほど量が増え…そして、無意識下で使うことが多いほど純度が高くなっていく。ここでいう純度は神秘の質だ。質が良ければ良いほど少量の供給で十分な結果を得られる。つまり、たとえ器がそれほどでも純度が良ければ同じくらいの効率性で戦闘が可能になるということだ。
「…俺の神秘はこのキヴォトスでは珍しいタイプのものだ。身体に使えば無償での一時的な強化ではなく、肉体そのものを強化し後に代償を受ける。今のこの状態も、強化時よりかは落ち着いている。時が経てば元の杖付きに戻り、強化による代償を受けることになるだろう。」
「…不安になる必要はない。代償とは言ったが重いものでは無い。精々が筋肉痛になり時々俺の神秘の弾ける音がするだけだ。」
「ここまでで質問はあるか。聞き直したいこともあれば言ってくれ。」
「はい!ウォルターの神秘の性質はなんとなくは分かりましたけど、私たちと違う使われ方ならどういう感じで消費されてるんですか!」
ACの新たなジェネレータの発想のためにどういった消費体系をしているのかを誰よりも早く質問した。
「…消費体系か、ジェネレータで例えるなら内部燃焼型だ。神秘を燃焼する時に出るエネルギーを強化したい場所へ分配している、と言ったところだ。これの利点は神秘がそのまま使われず、1の神秘で2のエネルギーが生み出され容量が少なくとも高い出力や継続した持続力が得られるものだ。」
「納得は出来たか?」
「はい!それはもう!今あるジェネレータは還流型ですから内燃型のインスピレーションが欲しかったところなんです!あえて燃焼時に生じるエネルギーが高いものを材料に、この場合は圧縮した神秘を原料にして別のもので神秘の濃さを軽減しパーツ、武器へ配分する!そうすれば実質的な最大容量は実際の容量よりも遥かに大きくなると!再供給する時は圧縮前の神秘でもできるようにすれば、復元されるエネルギーは少ないですがそれを上手く使って攻撃を回避か引き撃ちかしながらジェネレータが吸い上げる神秘を圧縮、再供給のループで行ける…!圧縮する手前元々神秘の総量が多くて質もそれなりでは無いとしんどいかもしれないからパイロットアシストもACに組み込むべき…?」
呪文のようにブツブツと言葉を垂れ流すバンを置いておいて…
「他に聞きたいことはあるか。時間ならある、いくらでも答えよう。」
レイナがゆるっと手を挙げる。
「ん。神秘の回復のされ方はどういう感じ?」
ジェネレータの消費体系と聞いてACに乗ったレイナがエネルギー…神秘の補給性能はどう言ったものなのかをバンに続いて質問する。
「補給性能か。…神秘を残して使い切らなければお前たちより長い時間で回復する。だが、使い切ればお前たちよりも早く回復することが出来る。それは神秘の再供給時間と神秘の供給復元性能の違いだ。この2つを知るにあたって必要な前提は…そうだな、神秘の再供給時間はポンプが水を吐くまでにかかる時間、供給復元は…神秘の総量の何割かを戻し供給経路の門を開くイメージだ。」
「この2つを例えるなら蛇口をひねりホースの先を圧迫し塞いだ後、圧迫から解放すれば1度だけ大量の水が出たあと継続した放水がされるだろう。放水先の器の…水槽の大きさによって直ぐに溜まるか溜まるまでに時間がかかるか、ホースの先をどれだけ塞いでおくかによって再供給時間も変わると考えている。」
「この例えで言うと俺の場合はホースの口を限界まで塞ぎ一気に供給を開始するタイプだ。だから、それなりに再供給まで時間がかかる。」
「長くなったな。理解は出来たか?」
「ん、出来た。」
その後も質問は続いていき気がつけば時計の針は昼食の時間をオーバーした頃を指していた。
無い頭を捻って何とか出した例え、気に入って頂けたら幸いです!
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次回─機体(きみ)の名は。
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