わんわんヘルメット団   作:魚の名前はイノシシ

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──ブリーフィングを始める。かの有名な、失踪疑惑のある連邦生徒会長直々の依頼だ。ボイスメッセージで内容が送られている、再生するぞ。

──初めまして、わんわんヘルメット団の皆様…そしてそのハンドラー。ご存知かも知れませんが挨拶を。私の名前は──。今回は隠れた凄腕の傭兵たるあなた方に、とある''大人''を護衛して頂きたい。その方はこの混沌に満ちたキヴォトス、並びに生徒たちを正しく導ける…いわば''正真正銘の先生''。現場はD.Uシラトリ区、連邦生徒会のタワーからとあるビルまで。分かっているとは思いますがあの空を舞う人型機械に搭乗しての戦闘はお控えください。あれは、敵性生徒を殺めうる性能ですので悪しからず。…あなた達の腕を見込んで安全確保と護衛のふたつ、確実な遂行を期待しています。

──俺たちのような表向きは木っ端な傭兵団に何のようなのかは知らないが、あの【超人】がハメるとは考えられないだろう。だが警戒は怠るな 何が起きてもおかしくは無い。気を引き締めてかかれ。



「仕事の時間だ」

 

 

依頼を確認したわんわんヘルメット団はしばしの沈黙の後それぞれが了解の意を示した。

 

「連邦生徒会長…只者では無いと思っていたが我々を察知しているとは…」

「え、ACのこともなんで知って…!?!?」

「…ん。この依頼は受けるべき。こんなことが出来る人物と縁ができるのは私達にとっても、私達の今後の生活のためにも必要になる。」

「キッショ。なんで(ACとか構成員とか)分かるんだよ」

 

「今は敵では無い。それがわかっているだけでも目をつけられた不運のなかでも確かに掴めた幸運だろう。恐らくはこちらをどうこうするつもりはないだろうが気を引き締めろ。もう一度言うが、何があってもおかしくない。かの生徒会長からの依頼だ。危なくなれば、合流し複数人で問題の対処に当たれ。」

 

俺からは以上だ。

 

そうして締めくくったウォルターは、話をしっかりと聞いて皆が頷き出ていったのを確認したら、それまで背を向けていたスクリーンやデスク、マイクなどを調整しオペレーションシステムの調整を行った。

 

調節が終わり、ふとレコーダーを見る。依頼内容の他にもうワンセット送られてきていたものだ。1枚の紙と、ウォルターが1人の時に再生してくれと書いてある張り紙の貼られている物が同封された包から取りだしたものだ。

何気なくそれを見つめるウォルター。

 

「……」

 

そうしている間にも気にかかることは連邦生徒会長のこと。失踪したのでは無いのか、どうして今なのか。それが知れるのかと思い、再生ボタンを押した。

 

カチッ

 

 

──改めましてご挨拶を。私は連邦生徒会長にして、急遽発足した【キヴォトス解放戦線】の███。

 

音声が流れると同時に、宙に連邦生徒会長と思われる人物の姿と周囲の景色が映し出される。血を流し、白い制服を痛々しく赤く染める姿は心配せざるを得ない。

流れる景色には、季節外れの植物や出店が小さく写っている。見覚えのあるものから無い建物、施設などが混ざっていてキヴォトスのどこかを走る電車の中のようだ。

 

──…レコーダーと映像投影機越し、更には車内からという礼節に欠くこのような手段を選択することをお許しください。私にもあまり残された時間が無いのです。まずはこのキヴォトスの状態を軽く説明致します。

 

──学園都市キヴォトスは。ゆっくりと、しかし速やかに破滅へと向かっています。いえ、向かってきていると言った方が正しいでしょうか?この度私が外からお呼びした''先生''であれば青春を阻むあくどい大人たちの伸ばす邪悪で卑劣な提案や生徒の本意でない悲しみと後悔に飲まれた別れ、それ故に起きる学園の崩壊、キヴォトスの滅亡…それらから生徒を守り、手助けし、あるいは崩壊を防ぎ、滅亡を阻止することが出来たでしょう。

 

──しかし、異なる世界の異なる星から流れ着いた貴方やシンダー・カーラをきっかけに、その世界の傭兵部隊レッドガンや強化人間で構成されたヴェスパー部隊などがこのキヴォトスに組み込まれてしまったのです。イレギュラーによる影響はキヴォトスの運命に干渉するほど大きくなりました。既に生じた歪みや辻褄合わせに起こる事象はきっと、数年前に知っていることでしょう。

 

──ゲヘナの温泉開発部が手がけられる範囲で修復した超長距離移動可能巨大発掘機となった''ストライダー''を例にあなた方の世界のものが流れ着いているのです。…それも、ストライダー同様に少しの修復で利用可能な形で。幸いなことに''コーラル''は流れ着いていないようですがそれも時間の問題でしょう。

 

──もはや''先生''と''先生''に協力する生徒たちだけでは止められない破綻。いずれ来る紅く染まった破滅と青ざめた破綻に、キヴォトスの生徒達並びに''先生''と共に対抗して頂けるのなら…キヴォトスの平和は保たれ、あなた方の日常は確かに守られるでしょう。

 

──……わんわんヘルメット団のウォルターさん。図々しいことを承知でお願いします。断れないことも、貴方の良心を苦しめていることも、抱くべきでは無い罪悪感を抱かせ、利用することも。そして、背負うべきでは無い責任を…押し付けてしまうことも。ですがどうか、【キヴォトス解放戦線】として、力を貸していただけないでしょうか?

 

──どうか、''先生''と未来ある生徒たちを…貴方のいるわんわんヘルメット団の未来と、キヴォトスを、よろしくお願いします…!

 

再生が終わりプツッ─と通話が切れる音が鳴ったあと、再生ボタンをいくら押しても言葉を再び紡ぐことは無かった。

 

「…そうか。火種は俺達だったか。…すっかり燃えて無くなった灰殻と思っていたが…」

 

録音機ではなく通話だったこと、それにしては見えた季節がズレていたこと。

不思議な神秘性を纏わせる生徒会長の姿勢か、自分たちの存在というキヴォトスのイレギュラーに対してか、重いため息をひとつ吐く。

 

「''先生''護衛任務が終わったら俺は生徒会長の意志を継ごう。この数年で俺のACの開発は完了した。あとは、然るべき時、然るべき責任を持って俺が破綻を食い止めるだけだ。」

 

この先どうなるのかは誰も知らない、誰にも予想できない。致命的ミスを犯してしまうのか、奇跡的なクリティカルを引き出すのか。それは【超人】たる今は見えない生徒会長にも、忘れられた神々にも、大人にも誰にも知ることは出来ない。

 

「まずは【キヴォトス解放戦線】の申請だな…申請書は連邦生徒会の外ポストに投函すればいいのか」

 

この先のストーリーは、果たしてどうなるのか───

 

to be continued……




ブルアカアプリに新しくストーリー増えましたね。あてくしは怖くて見れてません…見たいのに怖くて見れない!助けて!

さて、アニメの足舐めはナーフしないで欲しいですがどうなるんですかね?それはそれとして先生のジョーク肯定ノノミと虚勢張る先生、自己犠牲の精神バリカタのホシノ…一体どうなるって言うんです!?

次回のわんわんヘルメット団─「''先生''?あなた''先生''っていうのね!」

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