わんわんヘルメット団   作:魚の名前はイノシシ

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あらすじ!

オ『こいつら、地下でコソコソやってるし怪しすぎるから何とかしてちょ。』

あらすじ終わり!

そのうちレイナたそとリクたそ側の視点も書くます。
頑張るます。


「仕事の時間だ。」(2)

 

時が経ち、良い子のみんなは寝静まるころ。

 

「あー、こちらキャップ618、現場に到着した。…夜になるまで待つ必要があったのか?」

 

『こちらオールマインド。…ええ、目立つ時間帯では情報を傍受してから直ぐにC&Cやミレニアム機動隊が向かってくるでしょう。その衝突を避けるため夜になるまで待っていただいたのです。』

 

「それほどの練度を持っているのか?ミレニアムはそうそう動けない印象があったんだが。」

 

「ロイさん、ミレニアムのバケモノを侮っては行けませんよ!私の知るバケモノその1!どんなに傷つきふらふらしていても、それが模擬戦であったとしても!不気味な程に不敵な笑みを浮かべながら相手に突貫して近距離に持ち込んだら瞬殺するヤバいやつ美甘ネル!その2!うおでっか…色気やば…あれでまだ学生なの詐欺でしょ…という外見に違わないというか違って欲しくもあった頭脳とか知識とか技術面も突出しすぎた天然のイレギュラー!調月リオ!その3は…」

 

「もういい!わかった、もうわかったから大丈夫だ。そうだろう?618。」

「あ、あぁ!もう大丈夫だ。…こういうタイプが2人もいるのか、ここには…」

 

621としてはもうちょっと聞きたい心があったがこの勢いで話されると作戦前にダウンしてしまいそうと思い続く前に618に同意を求める。それに種類にもよるが肉体的な人間に頭脳だのの話はこうかはばつぐんだ。

 

『あまり騒いでは夜に行動する意味が無くなります。ここからはなるべく静かにお願いします。』

 

キャラが変わった連邦生徒会長もといオールマインド。ちら、と顔を見れば声色とは反対にすごくキラキラした瞳で楽しそうに弧を描く唇が映されていた。

 

「…はぁ。作戦開始前15分だ。オールマインド、敵戦力の詳細を再確認させてくれ。」

 

『はい。敵はネイキッド・サークルの特殊兵装を装備し運用する戦闘用オートマタです。目的はミレニアムの廃墟に眠るお宝探しのようですが真相は不明です。』

 

「お宝?そんなものがこのミレニアムのどこかにあるのか…!見つけ出したら喜んで貰えるかな。」

「喜ぶだろうな。だが今は話に集中しろ。」

 

『彼らの主な武装はオートマタだからできると思われる、身体と武器を繋いで運用するエネルギー兵装になります。といってもレーザーが撃てる訳ではなくただ銃弾に属性を付与して威力を高めているだけのようですが。』

 

「ほう!エネルギーとは!」

「話に集中しろ620。」

「そうだぞ620」

「!?」

 

『…そして、特に注目すべきはカイザーコーポレーションとネイキッド社が協同して作り上げたこのMTと呼ばれる兵器でしょう。本来の用途は砂を掻き分け掘りあげたり、土木作業の時の万能重機としてらしいですがここにあるのは戦闘用に改造されたMTです。元が作業用重機ですから戦闘用に改造してありますが装甲は分厚いため背部のブースター部分を狙えば沈めることができるでしょう。そして、今回の任務の目的は最奥にあるミレニアムで調査したデータのファイルをコピー、アクセスすることです。アクセスポイントは道中にも2つほどあるので出来ればそちらにも寄っていただけるとありがたいです。アクセスについてはこの端末に、準備して持ってきていただいたケーブルを繋げて貰えば後はわたしがやって置くので特別な操作は必要ないです。…こんなところでしょうか。』

 

楽しそうで少し羨ましくなったオールマインドだが、それを振り払い敵のオートマタとMTを映し出す。会社員ロボットの頭にゴリゴリのボディ。ミスマッチの組み合わせだがこのパーツの組み合わせはネイキッド社特有のものであるため多少嫌でもこうしなければならないのだとか。見る限り銃は四角い形を取っており、グリップや引鉄から連射する武器なのが伺える。MTの方はその形に合わせて武器の形が変わっているためよく分からないが恐らくマシンガンだろう。それを前と後ろに2つずつある腕の全てに取り付けられている。

 

「MTか…聞いたことがないな。621、何か知っているか?」

「知っいるぞ?あれは私が一羽の渡り鴉だったころ…」

「その話長くなるなら戻ってからお願いしますよ。」

 

「ム!ならば手短に話してやろう!昔受けた依頼でネイキッドの連中がコソコソ話しているのを鴉イヤーの地獄耳で傍受したのだ!内容はさっき言っていたことと改造したら火炎放射器を2丁持ちさせることだ!」

 

「よく覚えていたな。ならここのMTも火炎放射が付けられている可能性があるか?奴らの身は機械だから空気も最低限で良いだろう。」

 

『その問いにはこのオールマインドがお答えします。いくら機械の身であっても彼らは何故か人と同じような構造をしているため必要な量が少ないとはいえ酸素は必要ですし食事もまた必要になります。ですのでここのMTには火炎放射器は着いていないと考えても良いでしょう。安心して暴れてきてください。』

 

「なるほどな。そういう生態をしているか。」

「そうだったのか。今まで生きてきて知らないことっていっぱいあるんだなぁ。」

「つまり肥満体型のロボットは食べ過ぎて太っているということですか?でも鉄ですよね?どういうことですか…?」

 

『このキヴォトスに生きるものには全て神秘というものが宿っていますので、それらは全て神秘が関わっているからとしか言えないでしょう。そもそもロボットが感情をもって働いていて人間同然の精神と作りになっている時点で考えるべきでは無い深淵です。』

 

「なるほど…あ!作戦開始時間です!」

「よし、行こうか。」

「行動開始だな。」

 

『アクセスポイントを端末に写しました。内部構造とポイントまでのルートの解析も会話の中で終わらせているので辿り着くのも簡単でしょう。褒めてください。』

 

 


 

 

地下拠点は2階層構造となっており、中はACが不自由なく通れそうなほど大きく、そして広かった。アクセスポイントは、1階にふたつ、2階の一番奥に1つある。

 

「うわ〜!凄いですね!こんなの見てるだけでワクワクします!」

「あぁ、こういう施設はカーラのところでも見たことがない…オールマインドが事前にシステムを1部書き換えてくれなかったら楽しむ余裕もなかったから感謝だな。」

「そうだな。侵入者を検知しアナウンスとサイレンを鳴らす機能を停止させたんだったか。完全停止させると敵側が逆に勘づいてくるから一時的なものと言っていたが十分すぎるな!」

 

道中、見回りをしているオートマタや仲間と喋っているオートマタを背後から襲いかかり、発声器を抑えて地面にたたきつけ意識を刈り取ることで無力化しているため弾薬や体力に余裕がありシステムが復旧しても余裕がある3人。順調に第1のアクセスポイントに進んでいる。

 

『そういえば、あなた達はどうしてわんわんヘルメット団に入ったのですか?』

 

「入った理由ですか?私はミレニアムについていけなくなって出てったところをウォルターさんに拾われましたね。あの時はちょっと荒れてたので黒歴史的なアレなので話すのはちょっと恥ずかしいです//」

 

「私は【憧れ】だな。よくある学園からのはぐれ者として過ごしていたら任務中のメンバー、レイナを見つけてな。こっそり後をつけて戦いっぷりを見て、ウォルターとの信頼関係も見ていたら気づいたら物陰から出て入団希望をしていた。当時はレイナとウォルターだけのところに入ったからレイナからちょっかいをかけられたが…いつの間にか無くなっていた。こんなところだ。」

 

「最後は私か。私はよくいる一般独立傭兵だったんだがある日嵌められてな。依頼主、報酬金、内容、時期、文面など色々なところを調べてから受けるのがスタンスだったからまたそうしてやって問題無しと受けたら…今までぶちのめしてきた奴らが逆恨みで張り出した巧妙な罠でな?総勢…いくらだったか。まあ袋叩きさ。それでも確か7割くらいは削ったはずだ。それで、まぁ殺される直前にウォルター率いるわんわんヘルメット団が加勢に来てくれてな。助けられた恩を返すため入団した。今はもう家族だと思っているから恩を返したあとも離れる気も離す気もないぞ。」

 

「えぇ、えぇ!ロニーが来た頃のことはよく覚えていますとも…無口で表情が変わらなくて何を考えているのか最初は分かりませんでしたが、ご飯を食べる時はキラキラした顔で、お風呂に入っている時は幸せそうな顔で、寝る時は誰かと一緒に寝るために廊下をさまよってはトイレのために起きていた私と遭遇し一緒に寝ていたものです!」

 

「ああ、懐かしいな。最初にバンの布団に入り込んだ次の日、お前は自分のことを『お姉ちゃんだぞ!!』と叫んでロニーを抱き締めて離さなかったんだからな。」

 

「む。そんな昔のことは良いだろう!?やめてくれ!恥ずかしい…」

 

『そんな経緯があったんですね!感動しました!それにすごく可愛いお話も聞けて満足です!ロニーさんは昔は無口で感情が分かりやすいお姉ちゃんっ子…妹にしたい女の子ナンバーワンじゃないですか!キャー!』

 

「あ!そうだ、オールマインドの成り立ちも教えてくださいよ!ここら一帯の制圧は完了してますしアクセスポイントまでまだかかりそうですから!」

 

『…確かに!では私の出身校からお話しますね!私は昔ゲヘナで…』

 

4人はそれぞれの生い立ちを話していき仲を深めていく。ウォルターが望んだ光景がここにある。背景はちょっと屍(死んでない)が写っているけど誤差だ。

 

そうこうして、おしゃべりを楽しみながらも偶に襲いかかってくるちょっとした強敵や数だけの戦闘用オートマタを始末しながら進んで居るうちにアクセスポイントに到着。

 

「ケーブルとこの端末を…よし!オマちゃん!お願いします!」

 

道中であだ名をつけるほどに仲良くなったようだ。この子達にも新しい友人が出来た!

 

『任せてください!こうして…メインシステムの干渉は難しそうですね。なら構造のデータをより詳しく取得して…あっ。』

 

ホログラムのオールマインドは構造データを見て「しまった…」というような声をあげた。

 

「オマちゃん?どうした?」

「なにか不都合でもあったのかオマ?」

 

『えぇと、最奥に行くには中級以上の社員証が必要なようで…まあハッキングできない様なものではなさそうなので安心してください。何とかします。』

 

「そうか。」

「私はてっきりもう一階層あったのを見つけてしまったのかと思ったぞ?」

「いやいや、それは流石にないでしょう!」

 

『えぇ、私はスーパー頭脳を持ったオールマインドちゃんですよ!そ、そんなことあるわけないじゃないですか!』

 

「そうだな。疑って悪かったオマ。じゃあ3階層のデータを加えておいてくれ。」

 

『わかりました。…あっ』

 

「やっぱりそうなんじゃないか!」

「ふふ、本当にあったとはな。」

「もう一階層有るんですか!?大きすぎる…」

 

さらりとデータ追加のお願いをされてそれを了承してしまったオールマインド。墓穴を掘ったのを自覚した時にはもう手遅れだった。

 

『あぁぁ…やってしまいました…完璧超人な私のイメージが…』

 

この先頼りになる面白いお姉ちゃんポジションに着くことが出来なくなったことが確定したオマちゃんは嘆いている様子だがどこか頬をあかくして嬉しそうな顔を浮かべている。きっとM。

 

「さて、そろそろ次のポイントに行くか。この装置2つでこの基地を隠しているジャミング装置なんだろう?さっきまで繋がっていた私のスマホが圏外になったからな。」

 

『くっ…ええ、ここで使える社員証の複製もマップデータの取得も出来ましたので先を進みましょう!さあ次のポイントはこっちです!』

 

 

 

621達は踵を返し2つ目のアクセスポイントへ向かった。

しばらく進んでも、あるのは倒れ伏して行動不能になっているオートマタ達だけで面白味も危険も何も無く到着。

 

「なんにもないじゃないですか!本当に防衛する意識あるんですか!?それとも粉バナナというんですか!?」

 

「620…うるさいぞ。こんなところで叫ぶんじゃない!声が響くだろう!」

 

「ム!621だって大きい声出してるじゃないですか!人のこと言えませんよ!」

 

「ム!先に大きい声出したのは620だ。だから言ってやるんだ!」

 

「ム!」

「ム!」

「「ム!!」」

 

「やかましい!人がアクセスポイントに接続しているそばでわちゃわちゃと…!その可愛らしい口にマガジンをぶち込むぞ!?」

 

「「ム…ごめんなさい…」」

 

通信機とアクセスポイントを繋ぐケーブルを接続していた618が怒る。落ちない場所に通信機を置いたらマガジンを両手に持って2人を追いかけ始める。皆楽しそうだ。

 

『あははは!本当に仲がいいのですね。貴女方を協力者に選んで良かったと思います!』

 

コントをしているようなやり取りを行う3人。それを傍から見て笑うオールマインド。微笑ましく笑っていながらもデータを抜き取ったりジャミング装置を一時的に停止させる操作をしたり、研究データや拠点内の武装情報をも抜き取っている。

 

…ネイキッド社は、普通のハッカーでは手も足も出ない様なセキュリティコードを組み込んでいるし、ファイアウォールも強いものを使っているから片手間にできるコイツがヤバいということは覚えておいて欲しい。

 

 

『終わりましたよ!抜き取ったデータの中にここの防衛の策が書いてあるものと、2つほど興味深いものがありました。この2つは帰ったら見ましょうか。…ぷふっ!あはははは!何してるんですか3人とも!どうしてそうなったんですか!』

 

618が中腰になり、右に621、左に620を配置して担いでいる。621と620の口にはデコレーションされたマガジンがぶち込まれており、落ちないように片手は手を繋いで、もう片手は618の肩を掴んでいる。

 

そう、まるで組体操のような形を作っていたのだ。621と620の2人は目をキラキラとさせて繋いだ手を振りながらなにやらもごもごと喋っていて、618は苦しそうに呻いている。手を振るものだから中腰になっている体勢が辛いのだろう。

 

「ふ…ふたり、とも…終わったよう、だぞ…降りてくれ…」

 

「むむー?もーむむぁむまぁ…もっ…ぺっ!楽しかったですね!今度はみんなでやりましょう!」

「もむぇもむぇ…もっ…ぺっ。ありがとう618。たのしかった!」

「そうか…いつつ…それなら良かった…んーっ!ぐ、はぁ。よし、じゃあここの防衛の仕方とやらを聞こうじゃないか。」

 

『あはーっはっははは!はーー…ふふっ…はぃ…ちょっと待ってくださぃ〜…!』

 

5分後!

 

『ここの防衛システムは、1階で油断させて2階以降から戦闘用MTも用いて本気で守るタイプです。油断させた所を狩りとる…まるでエイのような印象がありますね。2階からは主に四脚四腕のマシンガン装備戦闘用MTが4体、3階からは6体配置されています。1体を処理するのなら背部のブースターを攻撃して、直結しているジェネレータを破壊すれば敵機の行動不能が見込めるでしょう。』

 

「了解。」

「じゃあ、オートマタの装備はどうだ?」

「確かに…2階層から本気出すのならそいつらの装備も変わっているはず!」

 

『その通りですね。防護服が一階層の彼らのものより硬いものになっていて、武器も連射型エネルギー武器と貫通に特化させている連射型の銃を使用しています。』

 

「え?」

 

『それ以外は2階層以降のオートマタの武装に、変化は見られません。貫通型の方の銃、ニードルガンというそうですが』

 

「びっくりしたー!なーんだ、MT頼りなのか〜!楽勝ですね!」

「そうだな。多少強いのが増えただけだ、そこそこの敵を倒して帰投しよう。」

「……」

 

618は何かが引っかかっているようだが一体何がおかしいのかが分からないようだ。ひとり顎に手を当てて唸っていると、

 

「?どうしたんです?618。…618?なにかありましたか?」

 

「……いや、なんでもない。すまんな、多分気のせいだ。」

 

「なら良いんですけど…何か気づいたら教えてくださいね!」

 

620が心配して声をかけてくる。恐らく自分の気のせいだと、そう思い引っ掛かりがあることを言わずにはぐらかしてしまった。

 

『さあ、次へ向かいましょう。第二階層へ向けて出発です。』

 

わんわんヘルメット団は、2つ目のアクセスポイントだった場所に背を向け歩き出す。ひとつの違和感を見逃して。

 

To Be Continued…

 





次回─「仕事の時間だ。」(3)

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