私は人間が嫌いだ。人間というか愚かな人間。決めつけて思考をしない人間。陰謀だの何だのを本気で信じ込む人間。周りに自分の思想を押し付ける人間。優しくあろうとする人間。自分は仕事をしているだけだと言い聞かせる人間。人のことを人だと思っていない人間。正義感に溢れているように見えて承認欲求を満たしたいだけの人間。家族のことをなんとも思っていない人間。共助をしようとしない人間。あたかも自分が世界の中心だと勘違いしている人間。子供を守ろうとしない親。
とにかく、私は人間が嫌い。今となっては人間として生まれたことを後悔するくらいには人間で在りたくない。私の憤怒と憎悪の炎は簡単には消せない。消えないから今でもこうして燻らせている。私は、星眼様のようにはなれない。なれなかった。そんな私でも星眼様は赦してくれた。認めてくれた。愛してくれている。そんなお方だからこそすべてを捧げることにしたの。でも受け取ってくれなかった。
『そんなものはいらない。
たまに私の研究を手伝うだけでいい。
お前の要求も聞こう。ギブアンドテイクというやつだ。
魔女とは自由だ。
だから気にするな。
たとえそれが自分の我儘で妹を呪った者だとしてもだ。
お前が人を殺めようが何をしようが私は許容する。
だから、お前も魔女になれ。』
そう。魔女は自由。自分のやりたいようにできるわ。
新しい異空間を見つけては人をそこへ放り込んで経過観察し考察する。
その人間が何か悪いことをしたか?
いいえ、していないわ。あえて言うならば、人間だから悪いのよ。
最近では平行世界のような世界も見つかることが多くなってきた。それを星眼様に報告したところ興味をお持ちになっていた。近い内にそういう異世界へ案内することがあるかもしれない。
そういえば自己紹介をしていなかったわね。
私は空間の魔女。名前は空。妹は蒼。得意な魔法は空間操作系。好きなものは青と星眼様。嫌いなものは人間。こんなところかしら。
私は星眼様の次に魔女になった。先天的にそういう才能があったとは聞いているけれど、星眼様に力を貰った時雨のことが少し羨ましいの。力を授かるのって特別って感じがするでしょ?
あとは昔のことを事細かに語るだけ、だけれども正直腸が煮えくり返りそうになるから星眼様には膝枕をお願いした。癒やしっていうのは誰にでも必要なのよ。星眼様にとっては魔法が癒やしだろうし、時雨にとってはスイーツだろうし、人形の魔女にとっては人形が癒やしでしょうね。私の場合は星眼様に加えて蒼が癒やしだし。
覚悟を決めましょうか。流石に気が触れて暴れ出すとかはないでしょうけど絶対にないとは言い切れないのが我ながら恥ずかしいのだけれどね。
それじゃあ、心して聞きなさい。
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私は、とある村に生まれた。魔法を使う存在を忌み者とする村よ。魔法といっても当時はおとぎ話とか物語に出てくる空を飛んだり、火球を投げつけたりする人というようなイメージだったと思う。今にして思えば星眼様の影響でしょうね。星眼様が遠い昔に成した隕石落とし。きっとそのことのせいで才能が花開く前に殺すか、自覚させないかと言うような感じで言い伝えられていたのかもしれない。その結果、私が該当した。
両親はすぐに気づいて赤ん坊だった私を殺そうとしたことを今でも覚えてる。でも、良心が勝ったのか泣きながらうずくまっていたわね…
そういうものあってずっと両親が嫌いだった。魔法は常日頃使っていた。父親でも母親でも暴力を振るおうとしてくるからいつも結界に閉じこもった。誰も侵入できない結界に。殺せないくせに暴力はしてくるから好きになることは一度もなかった。
私は早々に家出したの。結界を使えばどこででも生活できると思ったから。それに、両親のところになんていたくなかったから。そして数年間色々な場所を旅した。
海が近い国では魚や貝が安く食べられた。でも、どうにも好きにはなれそうになかった。海を見るのは良い。潮風もたまに浴びたくなる。
戦争をしてる国に行った。市民が疲弊し物価も高かった。闇市もあった。一度襲われたが魔法で殺した。そうしたらそいつの仲間や憲兵に追われるようになった。その国を急いで脱出した。
山に囲まれた国に行った。そこでは野菜が主食だった。おそらく他国との国交がなく閉鎖的だからかよそ者の私に対してのあたりが強かった。すぐに出た。
この頃に転移魔法を作った。家に帰ると妹がいた。可愛かった。なんの偏見も持たず、お姉ちゃんと接してくれたあの時のことを今でも鮮明に覚えてる。両親は必死に私と関わらないようにしようとしていたが子どもの無邪気さの前には無意味だった。ああ、本当に可愛い。
そして、私は捕まりそうになった。両親が私のことを指名手配していたらしい。忌み者だから殺すようにと。なんだかんだ親が子を殺せないことはよくあるとかで最低限これをすれば自分たちは殺されずに済むとかそんな話だったはず。だから、妹以外が、蒼以外が敵になった。
最初は妹も連れて行こうとした。でも、妹は忌み者じゃない。魔法が使えないのだ。普通の人間だった。だからなにもないだろうと思って再び去った。当時の私はそれが最善だと思い、間違いだということに気づかなかった。
5年後、また村に戻った。単純に妹がどれほど成長したか気になったから。今度は姿を隠した。二の舞いを起こすほど馬鹿ではないわ。もちろん、魔法でね。
妹は大きくなってた。当たり前だけれどね。たしかこのとき蒼は10歳だったかしら。
色々と調べてみると、いじめを受けていた。私が原因だった。たしかに理屈としては難しくない。忌み者の妹という時点でかなりアウト。それでも友達はいたみたい。だけどその友達が先に音を上げて自殺した。それでも気丈に振る舞ってはいたらしい。でも、限界だった。
結果から言えば、蒼は自殺することさえ許されず、精神だけが死んだ。両親による監禁と虐待。昔はあれほどかわいがっていたのに、村での立場が悪くなればすぐさま手のひらを返す。
そして私は怒った。そんなに忌み者が嫌いなのかと。魔法を使う者を忌避するのかと。なんで、蒼がいじめられなくちゃいけないのか。
我ながらあの時の自分は見たくないわ。怒りに任せて何もかもを圧縮して潰していたから。
まず、両親。十字架に磔にするように空間に固定して拘束して色々と仕返しをした。私の分と、勝手だけれど蒼の分を。
「久しぶり、父さん、母さん。」
「な!?何故お前がここにいる!?」
「何よこれ離しなさい!」
「いや、蒼くらいは頑張って育ててるのかなって思っていたのだけれどね、どうやらそうじゃないみたいで。」
「アンタのせいで全部めちゃくちゃよ!あのガキも結局忌み者になったのよ!」
「蒼が?でも、それって私と関係ないじゃん。」
手を母さんの腹に当てて中を探る。
「実際に試したことないんだけどさ。卵巣潰したらどうなるんだろうね?」
「何をいって…?」
「はい。」
体内を空間魔法で探って卵巣を見つけて魔法でプチって。あーあ。気絶しちゃった。やっぱり痛覚あるのかしら?
「お父さんはさ。母さんに隠れて私に性的なことしてきたよね。幼い頃から。多分バレても忌み者だからっていうので誤魔化せるんだろうけど。そんなに小さい子犯したかったの?蒼は大丈夫だったみたいだけど。でも、村の他の子達も何人か犯したでしょ?」
「お、おい。ミリアに何をした…」
「さっき言ったんだけど?話聞いてた?…まあ、いいや。お父さんは棒を切ってあげるね。」
「や、やめろ!」
空間を面でずらすだとかそもそも空間を断絶させるとか色々方法はあるけれどね。たしかこの時はずらす方だったかしら。
「ぎゃあああああああああ!」
「見たくないからズボンはかせたままでよかったわ。それにしてもふたりとも気絶してしまっては面白みがないわ。」
母さんの顔を殴って目を覚まさせる。
「うぅ゛…、痛いいたいいたいたいたい。」
「はーいこっち見て。お父さんだよ。」
お父さんをお母さんの前に移動させてやることは1つ。
「これが、人間の頭部破裂だよ。」
手で握りつぶす動作をしながら空間を圧縮することで破裂させる。破裂する瞬間に空間を解放して肉片をまき散らす。もちろん私は防御して母さんにはビシャビシャと降り注ぐ。
「現実を受け止めきれていない?それとも認識していない?人間の脳は難しいから私も理解しがたいもの。だって、自分の子供を守ろうとさえしなかった人間が身近にいるんだから。ね?母さん?」
この時に精神関連の魔法があればよかったのかもしれないけれど、あいにくと私は空間系の魔法しか使えなかったしそういう他の種類の魔法を作るという発想さえなかったの。今は星眼様に色々と教えてもらって使えるようになったわ。
「い、いや…やめて」
「やめないわよ。そうね、次は子宮かしら?ほら。」
忌み者が嫌いなんでしょう?だったらもう子供を作れないようにしてあげる。そもそもなんで私に懲りずに子供を作ったのかしら?次なら大丈夫だと思ったのかしら?
「な…んで…」
「まだわからないの?復讐よ。それと、当てつけかしら。なんで蒼までも虐待したの?蒼は可愛がっていたのに。」
「......」
「なんとか言いなさいよ。私がいじめてるみたいじゃない。」
私が悪いの?そんなわけないでしょう?産んだ母さんに責任があるのよ。もっと言えば...魔女を許さないこの世界が悪いのよ。
「楽にしてあげる。さようなら母さん。」
「まっ...!」
私もね。本当は、本当の本当の根っこの部分は母さんのことが好きなんだと思う。だって嫌な思い出ばかりじゃないから。母さんの温かさは今でもたまに思い出す。だけど、これまでね。蒼をいじめていたのは何よりも許せない。
「ああもう最悪な気分ね。」
「何があった!...忌み者がなぜこの場所にいる!?」
「うるさいわね。感傷に浸りたいのに。」
そうだよね。人間が悪い。私と蒼以外の全員が悪い。だってそうでしょう?
「忌み者忌み者うるさいのよ。私は空。名前があるの。人を名前で呼ぶなんて当たり前でしょ?」
「ハッ、何を言う。」
「アンタ、確か村長の息子だったわね。死になさい。」
誰にも止められないの。あのおとぎ話だって復讐を成したじゃない。だったら私だってできるはず。
「蒼、お願いだから死なないで。」
精神のみが死んでいるような状況。私に精神を癒す術はない。私は空間を操ることしかできない。それでも私は蒼を連れていく。この世界を滅ぼして。どこか知らない世界でもいい。二人きりで静かに暮らせる世界へ行ってやる。
「何?」
家から蒼を抱えて外に出ると人だかりができていた。手に農具や武器を持っている。そしてその目は、敵を殺さんとする目だ。
「私の息子はどうした。」
「殺したわ。」
「チッ、バカ息子が。あれだけ先走るなと言ったのに。だが、今は後回しだ。囲め!なんとしてでも殺すぞ。これ以上、災厄を広めるわけにはいかん。」
憎悪が憎悪を呼ぶとはこのことかしら?私から彼らに向ける憎悪なんて1ミリも無かったのだけれど村の仲間を殺したのが原因かしらね。私も、この村の生まれなのに。
「1つ、聞いておきたいのだけれど。」
「いいだろう。冥土の土産に聞いてやる。」
「どうして、そんなにも
「それは災厄をもたらすからだ。古い伝承、先祖代々受け継がれた口伝、国の定めたルール、そして唯神教までも警告し排除せよとしている。それ以上でもそれ以下でもない。」
そう。そうなのね。誰も自分の意思なんて持ち合わせていない。持ち合わせていなかった。
私がおかしいの?生きるために足掻くということがそんなにおかしいの?両親に復讐して何が悪いの?妹を、蒼を助けようとすることの何がおかしいの?
魔法を使うことってそんなにも罪なの?
「囲め。一斉に仕掛けるぞ。絶対にここで殺すんだ。」
わからない。もう分からないわ。ああ、きっと、あのおとぎ話の魔女もこう思ったのでしょうね。
『こんな世界など必要ない。私だけの世界があればいい。』
わからない。わからないけれど、魔女にはそれだけのことをする力がある。
「やれ!」
人間というのは誰しも愚かだけれど、ここにいるのは生きる価値のないゴミだということはよく理解したわ。
「私に!触れるなぁああああ!!!」
身に纏っている物理を通さない空間を瞬間的に拡大させる。そのまま突っ立っていたところで刃は通りはしなかったけど私の怒りが頂点に達しただけの話。
「どいつもこいつも、せっかく私がそこそこ下手に出て危害を加えずに身の潔白を証明しようとしていたのに何もかもを忌み子というだけで無視してくれちゃって…死ねよ。」
「怯むな!ここで殺さないとこの村の存続ができなくなる!」
「鬱陶しいわね。まずは声を奪おうかしら。」
おとぎ話は至極単純。人間が悪いことをしたから魔女が怒ったという話。私の場合は…自分、ましてや妹までもが村の人間に、両親に傷つけられたから怒っているという話。
「応援を呼べ!決して振り返るな!命を神に捧げよ!」
神、ね。
もしも神がいるのなら。
どうしてこんなことになっているの?
私は平穏に暮らしたかった。
妹と普通の人生を送りたかった。
好きな人と結婚して幸せな家庭を築くこともできたはずなのに!
どうして力を与えるなんていうことをするのかしら。
ああ、すべてが憎い。
「少し時間がかかったけれどこれで会話することはできなくなった。空気を奪わないだけ感謝しなさい。もっとも、私がいたぶって殺したいからだけど。」
ざっと50人ってところかしら。女子供もいるって凄いわ。普通は戦いから遠ざけるものだと思っていたのに。
「ほら、腕をねじってあげる。声を上げたところで誰も聞こえないわ。もちろん、私にも。」
別に、悲鳴を楽しみたいわけじゃないもの。
「左腕、右足、左足、右目、左目、目は取れちゃうのね。すでに半数以上が脱落。どう?これでも諦めないの?村長。」
「……諦めん。たとえ目が見えなくなろうと、お前は、お前だけは絶対に生かしておけない。神よ!我が命を代償にしてもいい。ここにいる全員を代償にしてもいい!私に…あの魔女を殺す力を!」
「嘘でしょ!?」
天から降り注ぐ光が強すぎて直視できない。チッ…神なんて忌々しい。空間操作しかできないけれど、あれは…自己強化?いえ、もっと強い…まさか神降ろし?
「フハハハ!私の勝ちだ!魔女!」
「クソッタレ!」
空間断絶を何層重ねても上から砕いてくる。まずいまずいまずい。防御手段もないし、アイツあの力の出力だと私の空間操作能力じゃ切れないし捻れない!
「こんのぉ!【空間圧縮】!」
「…ええい鬱陶しい!フンッ!」
「ちょっ!?」
土壇場で魔法の精度も速度も上がってきて瞬間的に10層重ねたのに貫通してきたのだけれど。ほんっとふざけてる。もしかして防ぐのが間違っている?ならば避ける?私にそこまでの身体能力はない…いえ、転移がある。短い距離ならば、発動に時間がかからないはず。
「ああもう腹立たしい!なんでクソみたいな人間なんかに!」
「カフッ…人間の身に余るということか…だが!」
吐血しているけれど目の光は消えていない。
「ぬううん!」
「あたってたまるものか!」
反撃手段がない。攻撃なんて…攻撃なんてしようと思ったことないから簡単なやつしか考えてない自分が腹立たしい。圧縮と断絶だけ。それだけで日常生活十分だったから仕方ないわよね!
「っと。ほんっと、どこからその力が湧いているのかしら。」
「これは神が与えたもうた奇跡。故に、魔女などに遅れはとらん。」
「その割には体はボロボロみたいだけれど?」
表面がひび割れている。けれどそこから漏れているのは血ではなく光。
「今の私に痛覚はない。崩壊が進もうと関係ない。」
特大の一発を考えなくちゃ。
圧縮。圧縮。圧縮。さらに圧縮。形成するは槍。だけれど、それは相手を絶対に射殺す必中の槍。また、圧縮。
「何をしている?」
私の恨み、怒り、苦しみを槍に込めよう。禍々しく彩れ。
「即席で作ってみたの。これでも私は魔法使いなの。自分の魔法を自由に使いこなせなくて何が魔法使いなのかしらね。」
「ドス黒いな。」
「もちろん。私は人間に対して向ける感情そのものを具現化したのだから。」
禍槍レーヴァテイン。もっとも、私の知ってる槍の名前がこれだけなのだけれど、ね!
「ぬっ!?」
「これでも私は槍なんて触れたことないのよ!」
「そのスピード…どういうからくりだ?」
「魔法使いよ?自身の身体能力を強化しても良いじゃない。ほら!ほら!逃げてばかりじゃない!」
相手は拳。油断はできないけれど、こっちは一発でも振れれば勝ち。
ああ!そうね!そうよ!魔法って素晴らしいわ!
「空間操作を舐めないでよね?」
相手の移動先に結界で作った壁を置いてあげれば良いじゃない。もちろん相手には見えない、けれど私にだけ見える。大小なんでもいい。躓かせるでもそもそも進行の妨害でも!
「んなっ!?」
「獲ったぁアアアアアア!」
心臓を貫く。だけれど私は慢心しない。
「フルバースト!」
圧縮した空間の全開放。これで肉片も残らず吹き飛んだと思うのだけれど。
「嘘でしょ?」
「は…La…クヒッ」
「ガッ!?」
胸に風穴開けているのだけれど?というかなんで風穴空いただけなのよ!人間ってそんなに頑丈?なわけないでしょ。それにしても重すぎる一発を食らってしまった。思考はまだ回せるけど体が動かない。魔法も上手く使えない。
「クソッ…タレ…ホンっとに憎いわ。」
こんな突然変異の人間に負けてだなんて、あのおとぎ話の魔女様に叱られてしまう。魔法を使えるってだけで、密かに仲間意識を持っていたのだけれど、やっぱりおとぎ話はおとぎ話なのね…
「一応、間に合ったようだな。神…ではないな。これもこいつが起こした奇跡というだけだな。種類は…おそらく魔女殺し。大方、そこの魔女見習いを殺したいとでも願ったのだろう。」
黒いとんがり帽子に輝くような銀髪、足まで覆う大きめの黒いローブ。まさか生きていたの?
「人々の願いに反応する力…か?何人かは先天的に持っているようだが…サンプルが少なすぎるな…私の場合は魔力と呼んで久しいが、私以前の時代の文献など存在しないからなぁ。」
「にげ、て。」
「ん?ああ、あの男か?こっちに歩いてきてはいるが脅威になどならん。だがまぁ、さっさと終わらせるか。」
そう言った魔女は、杖を一振しただけで数十もの魔法陣を宙に描き、光線の集中砲火で跡形もなく焼き殺した。
「ふむ。では、聞こうか。いや、選択の余地はないか。もともと勧誘するつもりでいたからな。それが早まったというだけのこと。」
小柄な少女…だけれど私よりも圧倒的に強い存在は無機質な目で私を見る。
「魔女になれ。お前の妹も下に戻してやるし、なんならお前の好きなように設定してやれる。お姉ちゃんお姉ちゃんと呼びかけてくる、という感じでな。」
「なる。」
「ふふっ…即答か。だが、問題ない。魔女とは自由なのだ。わがままで自分のやりたいことを成し、好き勝手に生きる。まぁ、ある程度制約は設けさせてもらうがほとんど無いようなものだ。」
断る理由なんてなかった。あるはずがない。私の一生をかけて壊れた精神をなおそうだなんて考えていたところなのよ。こんないい話に縋らないわけがない。
「ん?代償か?なるほど。警戒するのはいい心がけだが、私が欲しいのはただ1つ。お前の魔法だ。お前に魔法を教えてもらえればそれでいい。」
「いいの?」
「もちろんだ。私は…魔法に目がない魔女だからな。」
ちょっとだけ見た目相応の笑顔が見えた気がした。
「そう言えば名乗ってなかったな。私は星眼の魔女。ようこそ、魔女の世界へ。」
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「こんな感じね。」
「へぇー。大昔ってすごく大変だったんだ。」
「そりゃそうでしょ?そもそも電気も水道もガスもないんだから。」
「うわ。一生サバイバルとか嫌だなぁ。」
「でも、こうして皆さんのお話を聞けるのは大変面白いことでしてよ。」
「あ、聞いてたんだ。人形の魔女。」
ちなみにここは星眼様の家のリビング。星眼様本人は相変わらず地下の研究施設にこもっているけれどね。人形の魔女は、人形を介してものを見たり聞いたりすることができて、それ以外にもやれることが多い。あとは私みたいに人間きらいじゃなくて、むしろ人間が好きななのよ彼女。
「もちろんですわ。私も滅多に顔見せないとはいえ、人形はおいてあるでしょう?会話に参加する程度は可能ですわ。」
「じゃあ今度はアンタの話でも聞かせてもらおうかしら?」
「そうですわね。でも、あまり面白くないと思いますわよ?私だけ一人勝ちした中世貴族の世界など。」
「いいから話しなさい。あとはアンタだけ。」
「わかりましたから空間で押しつぶそうとしないでくださいまし。」
聞いたところで感はあるけれどね。所詮は過去の話。そこから読み取れる人となりなんてわずかでしかない。それに、生きるならば今を見るか、未来を見るかしかない。
だけど私の人間に対する憎悪だけは一生消えることはない。
書き出しが数ヶ月前とかざらなんで本文中の雰囲気が変わっていたかもしれませんがご了承ください。あと書きたいこと書いてたら本来の予定から外れたし、馬鹿みたいに文字数多くなっちゃったぜ☆
もうちょっとだけ空間の魔女は地獄に叩き落とす予定というか設定だったんですけど星眼さまが頑張って見つけたので到着しちゃいました。
その叩き落とす話である蒼ちゃん関連はどこかで書けるかなー?書けるといいなー?もしかしたらこの第3話に追加で書くかも?わからない。そんな壮大な話でもないんだけどね。
あと人形の魔女…こいつ書けるかなー?書くんだけど…そもそも作者が貴族社会…?って感じ。まぁ人形の魔女自身は貴族じゃないからギリセーフかな?あと普段マジで顔出さない。忘れてるまである。
ので、次回更新未定です。投稿はしますよ?頑張って。ね?
そんで忘れてた人物紹介的なやつ
空間の魔女
今回の主人公。それなりに人間嫌いの理由は描けたはず。妹大好き。星眼様も好き。
蒼
空間の魔女の妹。軽く炎を灯せる程度だけれど魔法を使える子。その結果忌み者認定されてしまったかわいそうな子。両親に溺愛されていたのに手のひら返されたことが一番堪えたようです。
空間の魔女及び蒼の両親
割とえぐい復讐というか殺され方をした人たち。うんまぁ、作者的にはそういう役目の配置なので。
村人たち
空間の魔女に殺されたり村長の祈り(というか魔法というかなんというか)で生贄にされたりで結局は全滅。一番の被害者。
村長
息子を殺された怒りやらなんやらで限界突破しまくちゃったひと。作者的には普通に村人と同じく空間の魔女に殺される予定だったのにハッスル(物理)しちゃった。
星眼の魔女
何でも出来すぎて、私の辞書に不可能はないを地で行く魔女。それでも今回に関しては運が良かったらしい。