【悲報】宇宙人ワイ、小学生屋根ゴミに拾われた模様【助けて】   作:鳩胸な鴨

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25スレ目 悲嘆の救世主

712.元ケロン軍人

とうとう来たわ、2月3日の夕方

 

713.名無しの転生者

正真正銘、ラストバトルかぁ…

 

714.名無しの転生者

なお、タクティカとスクランブル残ってる模様

 

715.元ケロン軍人

そこは参加できるかどうか怪しい

 

716.名無しの転生者

なんかあるん?

 

717.名無しの転生者

退職できてなくて仕事溜まってたとかけ?

 

718.元ケロン軍人

退職関連ではない。これ終わったらやりたいことがあってな。いつ帰れるかわからんのや

 

719.名無しの転生者

やりたいことってなんぞ?

 

720.元ケロン軍人

全部終わった後に話す

 

721.名無しの転生者

それはいいが、スレやってる余裕あるん?相手、あのカスども付きの丸喜やろ?

 

722.名無しの転生者

そもそもカスが丸喜を制御下に置いてるのか、それとも逆なのか…

 

723.元ケロン軍人

多分、丸喜が抑え込んでる。出してる触手の中に明らかにニャルのもんとフィレモンみてーな意匠があるもんが混じってた

 

724.名無しの転生者

ナメてちょっかいかけにいって取り込まれたか、それとも自ら紛れ込んでるかのどっちかだな、これ

 

725.名無しの転生者

なおさらスレやってる暇なくない?大丈夫?

 

726.元ケロン軍人

まだ着いてないからええで。早めに抜けるが

 

727.名無しの転生者

つくづく思うんやが、アザトースにアダムカドモン強すぎねえ?

 

728.名無しの転生者

明らかに規格外よな、丸喜ペルソナ。なんであんなアホ性能なんやろ

 

729.力を司る末妹

メメントスを介して自在に現実を塗り替えることができる事実。そこから来る超越した自信と反逆の意思が、彼のペルソナを大きく育てているのでしょう。神の座に意思を飲まれないほどに。フィレモン様たちを押し込めてしまえるほどに

 

730.名無しの転生者

…あのさ、フィレカスとニャルカスを同時に抑え込めてるのもあれやが、アダムカドモンになった瞬間に制御乗っ取られん?

 

731.元ケロン軍人

多分乗っ取られる。最悪の場合は各世界にちょっかいかけ始めると思う

 

732.名無しの転生者

ファーーーーーッ!?!?

 

733.名無しの転生者

ほんまアイツらさぁ…

 

734.名無しの転生者

徹頭徹尾余計なことしかしねぇなぁ…

 

735.元ケロン軍人

なんか影響出たらごめん。今日で終わらせるから

 

736.名無しの転生者

いいよ、慣れた

 

737.名無しの転生者

大佐が太鼓判押して今日で終わりって言ってくれるんやし、ワイらは信じて待つで

 

738.名無しの転生者

面倒押し付けてすまんな

 

739.元ケロン軍人

やりたくてやってるだけ。気にするな

 

♦︎♦︎♦︎♦︎

 

「眠れ、アザトース!!」

「醒めろ、アザトホース!!」

 

衝撃がぶつかり合い、空気を揺らす。

眠れる創世白痴の王「アザトース」に、目覚めた破壊の権化「アザトホース」。

同じ神格でありながら、どこまでも相容れない二柱が激突を繰り返す。

ようやくここまで漕ぎ着けた。

そんなことを思いながら、ソルジャーは揺らめく触手へと目を向ける。

 

「…知ってて受け入れたのか?」

「彼らのことを言ってるのかい?」

「……なるほど。わかっていて、か。

悪いことは言わん。今すぐに手を引け。自我すらも食い潰されるぞ」

「そのつもりはないよ。彼らごと、『僕の現実』が世界を塗り潰す」

 

どうやら危険性も分かっていて取り込んだらしい。使われている2人の苦い顔が透けて見えるようだ。

そんなことを思っていると、ナビの声が響く。

 

「…あのペルソナ、一人歩きしてる。

丸喜センセーもほぼ無意識に動かしてるみたいだ」

「曲解を使うだけならまだしも、戦闘は初めてだろうしな。追い詰めるとまずいが…」

「そうも言ってられません!輝け、チェネレントラ!!」

 

かすみ…コードネーム『ミスト』が叫び、光の柱を触手に叩きつける。

触手の壁が薄くなった隙にすみれ…コードネーム『ヴァイオレット』がミストの手を叩き、仮面を燃やした。

 

「舞って、エラ!!」

 

二度の斬撃が触手を断ち切る。

周囲でも同じような連携が続き、軈て金色の十字架が触手の壁の庇護から離れる。

と。ジョーカーとソルジャーがガラ空きになった金色の十字架に迫り、その仮面を燃やした。

 

「奪え、アルセーヌ!!」

「謳え、ラヴクラフト!!」

 

二つの呪怨の光が白痴の王を穿つ。

ぐらり、と揺らぐそれに手応えを覚えるのも束の間、アザトースを支えるように数多の触手が絡みつく。

まるで大輪の花のようだ。そんな感想を抱くのも束の間、アザトースが落とす光芒が怪盗団の身を焦がす。

 

「ぐぅっ…!?」

「くっ…」

「明智先生…、いや、バルルさん!

理不尽に喘ぐ誰かのために、押し潰されてしまうような道ばかりを選ぶことはないんだ!

もっと、自分を許してあげてもいいんだよ!」

「私が生き抜いた人生を、生ぬるい言葉で済ませるな!!』

 

丸喜の叫びを跳ね除け、降り注ぐ光を翼で受け止めるソルジャー。

いつものようにジョーカーがそれに飛び乗ると、ソルジャーは一気に天へと駆け上った。

 

「おい、お前ら!!援護するぞ!!」

 

何をするか悟ったのだろう。モナが叫び、皆が伸びる触手の元へと駆けていく。

触手には必ず弱点属性がある。

それぞれに対応する面々が仮面を燃やし、触手の壁を切り開く。

 

『いい加減、夢から醒めろ!!!』

「アル…ッ、セーヌッ!!!」

 

ぶぉっ、と音を立て、アルセーヌがより色濃く顕現する。

それに呼応するようにバルルの折りたたんだ翼の中にある呪怨の光が煌めき、周囲を照らす。

その様はまるで、黒の太陽。

甘い夢を打ち砕く光を前に、丸喜は冷や汗を落とした。

 

「アザトース!!!」

「『SHOWTIME!!!』」

 

丸喜の叫びと2人の叫び。

そして、黒と白の光が激突し、周囲を砕く。

 

「ぅ、ぅゔぉおおおおおっ!!!!」

『ぬぐ、ぐぅう…っ!!』

「くっ…!!」

 

ぐ、ぐぐ、と黒が白に押される。

それほどまでに丸喜の決意が強いのだろう。

無き聖杯に向かうはずの力さえも掌握した丸喜の一撃が、黒を飲み込もうと膨れる。

と、その時。黒の背後に回った怪盗団の面々が、その仮面を燃やした。

 

『ペルソナッ!!!!』

 

何度も叫んだ、もう1人の自分を呼ぶ言葉。

その声が一つに重なると共に、黒の彗星が纏う光に色が混じっていく。

緑。黄。紅。青。水。桃。二つの白。黒。

その全てが一つに混ざり合い、黒はその色をより鮮やかに深めた。

 

「ど、うして、だ…ッ!どうして…ッ!!」

「俺たちがこの10年で示してきた答え…!

お前はその全てを踏み躙った!!」

「………っ!?」

 

第一のキルル、アンリ・マユ。

暴走した母、イヴ。

第三のキルル、アルコーン。

星の生命を吸い尽くした、地球竜。

数々の星を喰らった仮面、ウロボロス。

悪性の化身、アクアク。

死の母星、ニュクス。

死を望む者たちの集合体、エレボス。

人類の望みを見極める者、伊邪那美大神。

怠惰なる人類の統制者、ヤルダバオト。

蓮たちの脳裏にこの10年で出会い、打破してきた理不尽が浮かぶ。

バルルが更に勢いを増すと共に、蓮は丸喜に向けて叫んだ。

 

「大罪を背負う悲嘆の救世主、丸喜拓人!!

俺たちの『答え』、返してもらう!!」

 

金色の十字架を黒が穿つ。

触手より解かれた十字架がその場に転がり、それに合わせるように膝をつく丸喜。

その前にバルルが降り立ち、その背より蓮が問いかける。

 

「………聞いておく。諦めるつもりはあるか?」

「愚問だね」

「そうか」

 

葛藤なく返された一言に、蓮が淡白に返す。

と。丸喜の眼前にオタカラらしき聖火が落ち、その手に握られた。

 

「もうちょっと、付き合ってくれるかな?」

「カーテンコールはもう響いてる。次で終わりにしよう」

「…………みんなが君みたいに強くなれたら、よかったのかもね」

 

悲嘆を吐き出し、トーチを掲げる丸喜。

と。それに呼応してか、パレスを構築する触手が大きくゆらめく。

このままでは崩れてしまう。

危機を悟ったモナが車に変形し、全員が乗り込むと、ウォリアースタイルのままだったソルジャーがそれを抱えて飛び立った。

 

「うぉあああっ!?」

「死ぬ!!死ぬ死ぬ死ぬって!?」

「ちょっと甘かったんじゃない?」

「そうか?」

「お前ら余裕だな…」

「あだぁっ!?」

「もうちょっと優しく持ってよ!!超揺れるしぶつかるしで痛いんだけど!?」

『瓦礫で潰れたいならそうするが』

「ごめん!!!」

「素直だね…」

「わ、ワガハイ、毛玉じゃないの出そう…」

「我慢して!!」

 

ぎゃあぎゃあとしたやり取りを聞き流し、ソルジャーが危険のなさそうなビルの屋上にバスガナを下す。

まだ終わっていない。その緊張感からか、皆は途端にバスの外に出て、背後を見やる。

 

「な、んじゃ、ありゃあ…!?」

 

愕然とスカルが声を漏らし、皆もまたあまりのことに絶句する。

パレスそのものが変形している…否。パレスがペルソナに取り込まれている。

めぎぎぎ、と触手が絡み合う音が絶えず響き、構築されゆく体。

そこには蝶やのっぺらぼうのような仮面が浮き出ており、いやでもあの2人の存在が中にいることが伝わった。

 

『ふはははっ!自らが望んだ甘く永劫に続く夢に溺れ、終わるがいい、人間ども!』

『現実すらも支配する力…。

これもまた、人の可能性の極致。

さあ、見せてみろ。君たちの答えを』

 

2人の声が聞こえる。

丸喜のペルソナに力を根こそぎ吸われながらも、自我は保っているのだろう。

笑う2人を前にソルジャーが言葉を返すより先。

降り立った丸喜が口を開いた。

 

「全て、塗り潰そう。『僕の現実』で」

「全て、取り戻す。『俺たちの人生』を」

 

聳えるは、アダムカドモン・原初(オリジン)

原初の名を持つそれを前に、怪盗団は仮面を燃やした。




もはや、何も言うまい。
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