【悲報】宇宙人ワイ、小学生屋根ゴミに拾われた模様【助けて】   作:鳩胸な鴨

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3話続けてあとがきが乗っ取られたのでここでご挨拶を。

ありがとうございました。


1スレ目 Our Beginning

『ふーん…。じゃあ、大佐殿はわざわざ理想の世界を捨てちゃったわけでありますか。

なーんか惜しいことした気がしなくも…』

「貴様のような怠惰の塊なら喜んで受け入れてただろうからな。ここまで言わなかった」

『ぎくっ』

 

2月13日。厄介ごとが少しずつ終息を見せ、日常が戻りつつある中。

本来の姿でルブランの席に腰掛けたバルルは、電話の向こうにいる相手…ケロロに「だろうな」とでも言いたげなため息を吐く。

事後報告にしたのは正解だったろう。

欲に正直すぎるコイツのことだ。

もし事前に言えば、あの手この手で邪魔しにきた可能性が高い。

そんなことを思っていると、今度は冬樹の声が響いた。

 

『もしその現実が叶ってたら、UMAもばんばん見つかったかもしれないね』

「宇宙人がいるんだ、もういいだろ」

『そうそう。宇宙人だけで十分よー。

あ、お土産、きちんと用意しといてよねー』

「わかっている。過度な期待はするなよ」

 

響く夏美の声に軽く返し、電話を切るバルル。

彼は座席から降りると、蓮へと目を向けた。

 

「…そういえば、蓮。明日はバレンタインだが、どうする気だ?」

「双葉と過ごすけど」

「ふむ。そうか。…他に恋人を作ったりしてないだろうな?」

「してないしてない。第一、保護観察中にそんなことする大馬鹿がいるか?」

「………ならいい」

 

お前だよ、とは言わなかった。

2月15日、血を見ることはなさそうだ。

徹底的に情操教育を施した甲斐があった。

 

「そっちは?浮いた話はないのか?」

「……………バリリ准尉にならあるぞ」

「実ったのか、あの斜めに行った恋心」

「いや、土下座で押し切って約束を取り付けただけだと」

「ああ……」

 

プルルが辟易する様が目に浮かぶ。

この年だ。あれくらい色恋を追い求めた方がいいのだろうが。

弱音が頭をよぎり、バルルは深く息を吐いた。

 

「結局、婚活に来たのにいい人には出会えずじまいか。…言っちゃなんだが、この10年で余計な肩書きばかりが増えた気がする」

「そこまで気にすることでもないだろ」

「それはそうなんだがな…」

 

ヒロインに告白されて終了、なんてこともなさそうだ。

バルルが諦めにため息を吐き、蓮はそれに苦笑した。

 

その2日後明朝。ルブラン屋根裏にて、ミイラのようになった蓮が発見された。

 

♦︎♦︎♦︎♦︎

 

103.元ケロン軍人

場の勢いでとかはダメだからなって釘刺してた惣治郎の気持ち考えたれよ、双葉…

 

104.名無しの転生者

何度も言うが、地獄を経たんだ、大目に見たれ

 

105.名無しの転生者

何度聞いてもひっでーオチやわ

 

106.名無しの転生者

ラスボス後にバレンタイン控えてるのが悪い

 

107.名無しの転生者

しかし、ようやく大佐も原作終了勢の仲間入りか

 

108.元ケロン軍人

タクティカとスクランブルがまだやがな。参加できるかわからんが

 

109.名無しの転生者

なんなん?宇宙に帰ってなんかするん?

 

110.名無しの転生者

退職できてたかどうかの確認とか?

 

111.名無しの転生者

>110 草

 

112.元ケロン軍人

蓮たちも大きくなったし、ちょっと旅でもしようかなと

 

113.名無しの転生者

旅か。ええね

 

114.名無しの転生者

西澤んとこで働きながらけ?

 

115.元ケロン軍人

いや、西澤グループには辞表出して辞めさせてもらった

 

116.名無しの転生者

え、何故に?

 

117.名無しの転生者

西澤グループ所属って肩書きある方がいろいろ楽なんでねーの?

 

117.元ケロン軍人

旅するのは他の世界やし、別に要らんかなって。いつ戻るかもわからんし

 

118.名無しの転生者

考え直せ

 

119.名無しの転生者

他の世界に迷惑引き連れてくんな

 

120.名無しの転生者

頼むから自分の世界で大人しくしてろ

 

121.元ケロン軍人

思った以上の総スカンやわ

 

122.名無しの転生者

基本的に不運の塊だからな、大佐

 

123.名無しの転生者

どっかに墜落してやらかす未来は見える

 

124.名無しの転生者

もうとっくに他の世界に出入りしてるやろ。これから出るみたいな言い方やめろ

 

125.名無しの転生者

>124 ソースどこ?

 

126.名無しの転生者

ワイ。大佐に面倒の処理を手伝ってもらった。変にパワーアップしたりも特になかったぞ

 

127.名無しの転生者

嘘やろ。大佐込みで敵がパワーアップしないわけがない

 

128.名無しの転生者

それがマジなんよな。カスどもの干渉がなくなったから、大佐の不幸ブーストもマシになった

 

129.名無しの転生者

結局、あのカスどもは消えたんかね?管理者がいなくなったここも残ってるし、ランキングも未だ更新中やし、あんま実感ないが

 

130.元ケロン軍人

存在を削られて、その補完に集中してるだけやと思う。ワイらが天寿をまっとうするまでは活動再開せんやろ

 

131.名無しの転生者

今思うと、ペルソナをそのままぶつけるってよく出来たな

 

132.元ケロン軍人

ホシに願ったら叶えてくれたぞ

 

133.名無しの転生者

願望機としてこれ以上ない性能してるよな、ホシ

 

134.名無しの転生者

猫をヘリにするくらいやもんな

 

135.名無しの転生者

エンディングで明智が見えたのもホシの効力だったりしてな

 

136.名無しの転生者

んで、大佐はなんで他の世界回ってるん?なんか欲しいもんでもあるんか?

 

137.元ケロン軍人

詰んでるスレ民を助けたいと思ってな。いろいろ試行錯誤してるとこ。

 

138.名無しの転生者

ああ、それで世界を渡り歩いてんのか

 

139.名無しの転生者

不幸ブーストに目を瞑れば、大佐は一大戦力やしな。助かるやつも多いわ

 

140.元ケロン軍人

今んとこはすぐに終わりそうなとこだけやがな。もうちょっとしたら、長丁場な現場も行くつもり

 

141.名無しの転生者

やからタクティカとスクランブルには参加できるかわからんって言ったんか

 

142.名無しの転生者

大丈夫なん?大佐抜きで駆け抜けられるんか?

 

143.元ケロン軍人

大丈夫。もう、小学生じゃないわけやし

 

144.名無しの転生者

そっか

 

145.名無しの転生者

そんじゃ早速で悪いが、ワイを助けてくれんか?バックルームなんやが

 

146.名無しの転生者

>145 お前、まだ出れてなかったんか…

 

147.元ケロン軍人

今から向かうわ。転生者パレスで待っててくれ

 

♦︎♦︎♦︎♦︎

 

「後ろにいるわね」

「盛大にメンツ潰したからなー。

下手すりゃ、地元にまで追っかけてきそうじゃね?」

 

蓮を乗せた大型車にて。

バックミラーに映る覆面パトカーを見て、辟易のため息を吐く運転手、真。

竜司もまたそれに呆れ、ため息混じりに軽口を叩く。

その隣では、吾郎がなんらかの資料を読み漁っている。

彼は項垂れる竜司から少し離れると、皆に問いかけた。

 

「僕も一緒で良かったのかな?

君らが嫌う、いけすかない生意気探偵なんだけど」

「仲間でしょ。別に嫌ってないし」

「明智くんも、今日で東京最後なんでしょ?

なら、一緒に行った方がいいかなって」

 

仕事で数日離れるだけなのだが。

大袈裟な別れを演出する彼らに、気恥ずかしそうに顔を逸らす吾郎。

そんな中、ふと疑問に思ったのだろう。

祐介が怪訝そうに眉を顰め、蓮に問いかけた。

 

「そういえば、バルルは?

一緒に帰るものと思っていたが」

「それなんだがな。少し長い旅に出るそうだ」

「旅?」

「数多の世界を巡る旅だと。他の転生者に助けられたから、同じように助けたいらしい」

「先生らしいですけど…、大丈夫なんですかね?

宇宙人が侵略しにきた、とか言われかねませんけど…」

「そこんとこはうまく言いくるめるでしょ。

ほら、丸喜先生を言いくるめて後釜に任命したくらいだし」

 

無責任に言い放つかすみに、すみれが「そういう問題かな?」と苦笑を返す。

きゃいきゃいと騒がしい車内。

これが別れとは思えないほどに賑やかな景色を前に、蓮は薄く笑った。

 

「……ありがとう。楽しかった」

 

困難は確かにあった。理不尽もあった。

だが、楽しい思い出も、星の数ほどあった。

蓮がしみじみと思っていると、窓を見ていた春が声を張り上げる。

 

「あ!見て、あれっ!!」

「ん?」

 

皆がそちらを見ると、そこには。

東京の空を引き裂き、穴の中へと向かう竜の影が見えた。

 

「…土産は期待しないでおくよ、クソ親父」

「素直に行ってらっしゃいとか言えんのか、お前は…」

 

吐き捨てる吾郎にツッコミを入れる双葉。

数多の世界を救うあの竜を、どれだけの人が見ているだろうか。

蓮は竜に向け、敬礼を送った。

 

「バルル大佐、汝の健闘を祈る…なんてな」

 

彼らは向かう。星の数ほど煌めく未来へと。




どうだっただろう、彼の旅路は。

彼の旅路が、君たちの可能性を開くものであったことを祈る。

見届けてくれて、ありがとう。
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