【悲報】宇宙人ワイ、小学生屋根ゴミに拾われた模様【助けて】   作:鳩胸な鴨

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ディケイドしてるから仕方ないね


?スレ目 日常 〜タクティカ不参加編〜

その1.タクティカ幕間

 

「バルルってなんでモテないんだろ」

 

厄災への防衛本能が生み出した異世界にて。

最後の牙城へと攻め入る前、最後の休息に入った怪盗団に杏が問いかけた。

別世界へと旅立ち、この場にいない仲間の顔を皆が思い浮かべるも、いち早く意識を戻した竜司が問いを返す。

 

「どした、藪から棒に」

「あ、いやね。これまでの戦いを振り返って、ますますそう思えたっていうか…」

「トーシローが政略結婚且つあんなクソアマとはいえ奥さん貰ってるのに、バルルみたいな地位もあってしっかりした大人が結婚してねーのが不思議か?」

「く、クソアマって…、口汚いぞ、佐倉君」

「クソアマで十分だろ、あんなビッチ。

人の彼氏に首輪付けようとしやがったんだ」

「爆撃凄かったもんね、双葉」

「よほど腹に据えかねたんだな…」

「去年の地獄がフラッシュバックしたんだろ」

「ああ、あの地獄寝取られ」

「言゛う゛な゛ッ゛!!」

 

猿叫をかまし、髪を振り乱す双葉。

トラウマは癒えてないらしい。

荒れ狂う彼女を宥めつつ、蓮は咄嗟に話題を戻した。

 

「バルルがモテない理由だがな、『自分が一緒にいていいのか不安になるスペックしてる』って意見が大半らしい。プルルに聞いた」

「致命的だね、それ…」

「なんで?それだけのスペックあれば需要ありそうなもんだけど?」

「前世で揉め事があったみたいでな。バルルはそういう『玉の輿狙い』に聡い。

プラトニックでストレスフリーな付き合いがしたいって心から思ってるから、それが満たせなさそうな相手は無意識に避けるぞ」

「結婚できねーわそれは…」

「結婚に夢見すぎてない?」

「春が言うと重いわね…」

 

この場にバルルが居れば、「自覚はしてる」とでも言ったのだろうか。

本人が気づいているかは分からないが、異世界巡りを始めた今、結婚の可能性は限りなく暴落している。

多少なり譲歩して婚活に取り組むよう言うか、と蓮が1人頷いていると。

同行者の1人…新進気鋭の政治家である新米ペルソナ使い…春日部統志郎が口惜しさを感じさせる笑みを浮かべた。

 

「それを聞いて、なおさらここに居ないことを惜しく思うよ。

参考になる意見も聞けたかもしれない」

「やめとけ。様々な理由はあれど、優柔不断で保身的で流されがちなとこボロカス言われてしまいだ」

「ぅぐ」

「双葉、言ってる言ってる」

 

毒気の強い評価に打ちのめされ、思わず肩を落とす統志郎。

様々な事情があるとはいえ、国を導く立場に居る者としては致命的な弱点を抱えているのだ。

落ち込む彼を横目に、杏がふと蓮に問いかけた。

 

「バルルって政治も詳しいよね。

統志郎のことはなんて言ってたの?」

「態度、言動全てに『自信がないです』と自己紹介がついて回ってる。

次期総理だの言われてるが、周りにしゃぶられて碌に動けずに終わるのが目に見えてる」

「エミュがパーフェクトすぎて怖いぞ、蓮…」

「俺の所感をそのまま口にしただけだ。

バルルはもう少し辛口だぞ」

「は、はは…。高校生にも見抜かれるとは、政治家としては赤っ恥もいいところだな…」

 

経験豊富な大人のみならず、まだ社会に出てすらいない高校生にすら看破されていた。

落ち込むのを誤魔化すように苦笑する統志郎。

と。その隣に座っていた女性が彼の肩に手を置く。

 

「これから変えてくんでしょ。頑張れ」

「エル…」

 

自身のペルソナ、その仮初の姿である「エル」を前に、統志郎は小さく頷く。

革命の旗が停滞の天使を穿つまで、あと少し。

 

 

その2.東京に何の恨みが?

 

『私の知恵となる素養ある人間よ。

私を支配するに足る人間よ。

汝はその力を私に示して見せた。これより私は、汝の力となろう』

 

7つ頭の悪魔…敵対者として神に仕える者、サタンが告げ、体を解いて光となる。

その光は彼を打ち倒した者…、明智吾郎の体へと宿り、やがて消えた。

吾郎は湧き上がる力の感触を確かめると、深いため息を吐いた。

 

「…なんで僕が同行を決めた日に限って面倒な案件が待ち構えてんだろ…」

「サタンを引き寄せたのはお前だぞ」

「わかってるよ」

 

同じ存在をペルソナとして宿していたがために、元となったサタンがわざわざ召喚手順すっ飛ばして出張ってきたことは理解している。

しかし、それはそれとして文句は言いたい。

あの事件がやたら頻発する世界を始め、人類が一度滅んだ世界、広大な地下に文明が存在する世界、トレーディングカードやおもちゃで全てが決まる世界など、妙に過酷な世界が多い気がする。

 

この「東京が砂漠化した世界」もそうだ。

 

知恵を失い、悪魔となった神々が跋扈し、各地で幅を利かせる世界。

しかも、近々まとめて作り直すために滅ぶし、なんならそのためにドンパチが起きていると言うのだから手に負えない。

この世界のサタンを取り込んだ自分もその資格があると判断されたらどうしよう、などと心配していると。

同行していた長い青髪の転生者がふと、声を上げた。

 

「厄介ごと、今ので片付いた」

「む?サタンに付け狙われていたわけか?」

「唯一のナホビノ兼転生者なのがシステム的に地雷案件みたいでな。

『法則から外れる可能性の一つとして処理する』ってダアト突入初日に接触してきたかと思えば、あのクソ蛇クソ天使と共謀して排除にかかってきて…」

「奴らにとっては転生そのものがアウトというわけか」

「本当に面倒なんだね、そっちの立場。

僕は今世限りでいいかな」

 

転生者は揃って面倒な立場に置かれる呪いでもかかっているのだろうか。

力の大半を消されて大人しくしている2人を思い浮かべ、呆れを吐き出す。

と、その時だった。

 

「お、ナホビノくん、しばらくぶりー。

いい加減、呪術サイドに来てくんない?

ベテルにも居場所ないんでしょ?」

 

黒い目隠しをした白髪の男が、軽薄そうに声をかけたのは。

 

「面倒ごと増えた…」

「どういうことだ?」

「合一神だって言ってんのに荒神素戔嗚の受肉体扱いされて呪術上層部的にアウト判定くらった」

「強制ソロ専か…。辛いな…」

「よくコープ埋まったね」

「相手、大魔王クラスの悪魔揃いだぞ。

選択肢外したら即死のデスギャルゲーやらされてる気分だった」

「………ドンマイ」

「え、なになに?何話してんの?」

「帰れ疫病神」

 

 

その3.不老不死の3700年

 

「ただの話し相手として呼ばれるとは思わなかった」

「彼らがここに来るのを3700年もの間待っているだけなんだ。暇で暇でしょうがない。

孤独な長寿、不老不死というのはひどく退屈だよ」

 

全人類が石化した世界にて。

バルルの呆れに、世にいう『吸血鬼』のイメージ像がそのまま歩いているような容貌の男が肩をすくめた。

 

「動かないのか?」

「定期的に作動する『暗闇への恐怖』という理不尽を処理しないといけないからね。

自分から面倒を増やす気はないよ」

 

「それでも序列7位にまでなったがね」と付け足し、バルルが持ち寄った茶を啜る男。

全人類が石化している以上、奥底に眠る不安が暴走しているのだろう。

転生者の生きる世界はどうしてこうも地雷原と相性が悪いんだ。

そんなことを思いつつ、バルルは城の窓を見やった。

 

「で、今どのくらいなんだ?」

「もう石化は解けている頃だろう。

目前と言ったところか」

「よく今の今まで人を呼ばなかったな…」

「呼べると知ったのがつい100年ほど前だったものでね」

 

3600年もの間、たった1人で面倒ごとを対処するだけの日々。

それでよく気が狂わなかったものだ。

いや、もしかするととうに狂い果てているのだろうか。

しかし、彼もまたワイルドである以上、それはない。

凄まじい精神力に戦慄きを覚えるも、バルルはそれを隠すように話を逸らした。

 

「で、この悪趣味な城はなんだ?

冬眠しそうなくらい寒いんだが」

「私が暇にかまけて建てた自信作だ。

何せ時間だけは腐るほどある。役に立ちそうな書物を保管しておくための場所を作ろうと思ってね。

もっとも、ここに保管しているものは、いずれ来る彼らの役には立たないだろうが」

「ふむ…。専門…というより、基礎知識を収めた類がほとんどだな」

 

並ぶ書物の殆どは基礎知識ばかりで、学術書などは見当たらない。

この世界の若人たちならば、「あればちょっと助かるが、なくても別にイケる」程度のものだろう。

そんなことを思っていると、どん、どん、と戸を叩く音が聞こえた。

 

「おや。どうやら、3700年待ち侘びた客人が来たようだ」

「外そうか?」

「ああ、そうしてくれ。君との邂逅は彼らが宇宙へと飛び立った後の方がいい」

 

不死の怪物と科学者たちが邂逅するまで、あと少し。




呪術ナホビノ…呪術廻戦×真・女神転生ⅤV復讐の女神編の世界にナホビノとしてガワ転した転生者。「復活者でナホビノだと!?許さん殺す!!」とベテルから、「こいつ荒神素戔嗚の受肉体やろ絶対!!殺す!!」と呪術界全体(こいつおもしれーやスタンスの五条以外)から殺意を向けられている。大佐が助けに来るまでは「コイツ復活者の上に別世界でマンダラの法則壊してんな。殺そ」スタンスのサタンに命を狙われていた。序列6位。

Dr.不老不死…Dr.STONEの世界にガワ転した不老不死系転生者。光線で石化しなかったので、暇に殺されそうになってた。ガワはブレイブリーデフォルトより「レスター・ド・ロッソ」。序列7位。

バルル大佐…タクティカは不参加。帰ってきたら全てが終わってた
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