【悲報】宇宙人ワイ、小学生屋根ゴミに拾われた模様【助けて】   作:鳩胸な鴨

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ないよ!スレないよ!!


10スレ目 気絶してる間にやべーことになったんだが

「バルル、何か来る」

『わかっている』

 

空中都市…第三のキルルへと羽ばたくバルルの頭部に立った蓮が言うや否や、突如として二つの影が飛来する。

片や、西遊記の孫悟空を彷彿とさせる赤いケロン人…シヴァヴァ。

片や、耳までもが銃火器に覆われている青いケロン人…ドルル。

彼らは問答するよりも先にそれぞれエネルギー弾、銃弾を雨霰と降らせる。

それを前に、蓮は怪盗服へと姿を変え、仮面を剥がした。

 

「アルセーヌ!!」

「んなっ…!?」

「驚愕…っ!?」

 

叫ぶとともに顕現したアルセーヌが、迫り来る弾丸やエネルギー弾を弾き飛ばす。

どうやらペルソナのことは知らなかったらしい。

バルルの背に待機していたラビリスは斧を背中に接続し、心臓部に意識を集中する。

 

「次はウチの番や!アリアドネ!!」

 

ラビリスが叫び、飛び立つ。

それと同時にアリアドネが幾重にも展開した猛牛が、弾丸の如くシヴァヴァとドルルを襲った。

 

「うぉおおっ!?ちっ…、ナメてたぜ…!

流石は『無欠無敗のバルル』!ペコポンでもその牙を研いでやがったか!!」

『何が無欠だ。私は欠けてる分を友人に補ってもらってるだけだ』

「……シーヴァシヴァシヴァシヴァ!!

まさかそんな情けねぇセリフがお前の口から聞けるとはな!!」

「恥晒し」

 

嘲笑を浮かべる二人に、バルルは嘲を込めて鼻を鳴らす。

 

『恥を晒してるつもりはない。

貴様らのように、つまらんプライドで可能性を狭めんだけだ』

「ウタルッゾヌッシャァアアアアッ!!

タママインパクトォオオオッ!!」

「壊せ!!アステリオォーーースッ!!」

 

切り替わったシャドウラビリスの放つ炎の柱と、タママが放つ光線が二人を襲う。

我が強いとはいえ、流石はキルルが選んだ人材というべきか。

二人は危うげながらもその攻撃を避け、バルルの翼目掛けてエネルギー弾と銃弾を放つ。

 

「そんなもん通用するかウルトラギャラクティカシヴァヴァスペシャル!!」

「反撃」

『退け、三下。通り道だ』

 

言って、がぱっ、と口を開けるバルル。

と。口腔に溜めていた呪怨属性の光線が、彼らが放った弾幕を一部打ち消し、ルートを作った。

 

『今だ!一気に上がるぞ!!』

「指図するな!!」

「逃すか…っで!?」

「追跡…ぐっ!?」

 

言い合いながらも二人を追い越し、空中都市の上へと向かうバルル。

二人は同時にそれを追おうとし、ごちんっ、とぶつかった。

 

「大佐殿ーーーっ!

ラビリス殿ーーーーっ!!」

「みんなーーーーっ!!」

 

バルルたちが声の方を向くと、フライングボードに乗ったケロロたちが手を振っているのが見える。

これで二人の救助はクリアしたも同然。

バルルはここで一気に手を打つべく、彼らに叫んだ。

 

『冬樹、ケロロ軍曹!今より我々は、キルルの排除へと向かう!

冬樹には悪いが、帰るのはそれが終わってからだ!』

「ゲロっ!?キルルですと!?」

「お前が起動スイッチを押したから、お前と似たようなのが生まれたんだよ!!」

「…………ごみんっ、どれだっけ?」

 

やらかした記憶が多すぎる。

ケロロが苦笑するのを前に、全員がバルルの背中でずっこける。

と。いち早く復活した双葉が、ずり落ちたメガネを直しながら叫んだ。

 

「マチュピチュのアレ!!

ほら、地下にあったカギっぽいの!!」

「………アレェーーーッ!?!?」

「やはり貴様かバカヤローーーッ!!」

『最早お家芸の域だな…。責任を持って止めるぞ、ケロロ軍曹!!』

「りょ、了解であります!!」

 

羽ばたくバルルに続き、ケロロがフライングボードで空中都市へと向かう。

と。双葉は不思議そうに、シヴァヴァとドルルの方を見やった。

 

「あれ?アイツら追っかけてこない…?」

「オラっちの邪魔してんじゃねぇ!!」

「邪魔」

「……………えぇー…?」

「チームワークの『ち』の字もないな…」

 

そこには、再び彼らを追うよりも、ケンカの方を優先している二人がいた。

そういえば弾幕の配置も全く相手のことを考えてなかったな、と思いつつ、双葉は空中都市上空を飛ぶバルルに問いかける。

 

「バルル、こっからどーすんの?」

『着地準備をしろ。まもなく撃ち落とされる』

「へ?」

 

聞き捨てならない言葉が聞こえた。

皆がそれを問うより先に、バルルの翼が爆炎に包まれる。

どうやら要塞に備わった対空砲が直撃したらしい。

バルルは苦悶の声を漏らすも、彼らを庇うように翼を折りたたんだ。

 

『ぐ、ぅううっ…!!』

「バルル、無理するな!!」

『安心しろ…!

お前の一撃よりはマシだ…!!』

 

絶対に痩せ我慢だ。

そう思わせるような声音でバルルは言うと、そのままコロシアムらしき施設の方へと高度を落とす。

本当ならば、そのまま落下したいだろう。

しかし、バルルは爆撃を受けながらも根性で勢いを殺し、リングへと降り立つ。

と。彼はそのままケロン人としての姿へと戻り、その場に膝をついた。

 

「バルル!大丈夫か、バルル!!」

「少し、痛むだけだ…。

それより…、相手が来たみたいだぞ…」

 

バルルが視線を向けると、コロシアムの特等席から迫り出すようにしてもう一人のケロロ…ダークケロロが姿を現す。

初めて彼の顔を見る面々は目を見開き、ケロロとダークケロロを見比べた。

 

「見分けはつくな…」

「フェザーマンダークとかとおんなじようなカラーリングだな…」

 

フェザーマンは女児にも大人気らしい。

皆が警戒を露わにしていると、ダークケロロが困惑を吐き出す。

 

「コイツらもヒレフセヨオーラが効いていないだと…?」

「………洗脳電波の名前、まんますぎね?」

「双葉、今そこツッコんでる場合じゃない」

 

双葉のズレたツッコミを蓮が諌めるも、空気が少しばかり緩む。

しかし、ここが敵地ということは変わらず。

ダークケロロは困惑を即座に打ち払い、ケロロと同じ声帯とは思えないほどに尊大な声を張り上げた。

 

「…まあいい。喜べ!吾が貴様らも楽しめる余興を用意してやったぞ!」

「余興……?」

 

ギロロが言うや否や、コロシアムが突如として爆発的な歓声に包まれる。

周囲を見やると、ワープ技術なのか、それともホログラムなのか、先ほどまでは誰もいなかったはずの観客席が隙間なく埋め尽くされていた。

が、驚愕すべきはそこではない。

コロシアムに備え付けられたシャッターの二つが開き、二人の少女が姿を見せる。

 

「やーーーっ!」

「とりゃーーーっ!」

「小雪殿!?」

「姉ちゃん!?」

 

そこに居たのは、剣闘士のような服装に身を包んだ夏美と小雪だった。

洗脳電波が効いてる証か、彼女らの瞳から正気を感じることはできない。

皆が困惑を露わにするのもよそに、彼女らはその手に持ったハンマーとバトルアックスをぶつけ合う。

二人の技量が拮抗しているのだろうか。

それとも、ダークケロロが遊んでいるだけなのだろうか。

なんにせよ、このままいけばどちらもタダでは済まない。

蓮は仮面を剥がすと、巨大な人型の異形を顕現する。

 

「ナラトース、アムリタシャワー!!」

 

アムリタシャワー。全ての状態異常を癒す回復魔法である。

が、しかし。電波を絶え間なく浴びせられているせいか、彼女らの洗脳は解けず。

彼女らはお構いなしに互いの得物をぶつけ合った。

 

「ダメか…」

「無駄だ!貴様の持つ異形の力をもってしても、我がヒレフセヨオーラは破れん!」

「やめろ、夏美!!」

「小雪殿!これ以上はもう…!!」

 

何度となく武器を交わす夏美たちに、ドロロとギロロが割って入る。

と。夏美たちの視線は互いから彼らに変わり、手に持った得物をその脳天へと振り下ろした。

 

「なっ、うぉおっ!?」

「くっ…」

「大佐殿!大佐殿ならなにか…」

「あかん!さっきの傷で気絶しとる!!」

「そんな…っ」

 

先ほどまでの無理が祟ったのだろう。

気を失ったバルルを抱え、シャドウから切り替わったラビリスが叫ぶ。

洗脳電波をどうにかしなければ、夏美と小雪は共倒れになってしまう。

冬樹が思考を巡らせる中、蓮が問いかけた。

 

「…双葉と冬樹はなんで平気なんだ?

俺は…ペルソナ使いだからってそれっぽい理由はあるけど…」

「そういえば、お母さんも平気だった…」

「それを言うなら、ケロン人じゃない私もです…」

「くそっ、法則が見えない…!」

 

バルルが気を失っていなければ、即座に解決策を伝えてくれたことだろう。

ギロロたちを襲う夏美と小雪を前に焦りを感じながら、冬樹は思考を巡らせる。

と。彼が右往左往させていた視線が、モアのリストバンドを捉えた。

 

「これって、軍曹からの…」

「はい、いただきものです…」

「…もしかして……、軍曹!」

「ゲロっ?」

 

もしかすると違うかもしれない。

しかし、出てきた可能性を試さないわけにもいかない。

冬樹は焦りからか碌に説明も出来ず、預かっていたケロロの財布を取り出し、彼に投げ渡す。

 

「ははーーーっ!ケロロ様ーーーっ!!」

「ふ、冬樹殿!?」

 

瞬間。冬樹はダークケロロに向かい、無様が一周回って清々しいまでの崇拝を捧げた。

ケロロは困惑しながら、その頭に財布を置く。

と、滑稽な姿を晒していた先ほどまでとは違い、冬樹は正気を保った瞳で辺りを見渡した。

 

「あれ、僕は……」

「よっと」

「ははーーーっ!ケロロ様ーーーっ!!」

「ほいっ」

「あれ、僕は…」

「よっと」

「ははーーーっ!!」

「ほいっ」

「あれ…」

「よっと」

「ははーーーーーっ!!」

「遊ぶなァ!!!!」

「ぶげっ!?」

 

アルセーヌのかかと落としがケロロの脳天に炸裂する。

なんにせよ、これで洗脳電波の攻略法はわかった。

 

「ギロロ、ドロロ!

夏美殿と小雪殿に、なんでもいいからケロン製グッズを持たせるであります!!」

「ケロン製グッズだと…?」

「そうは言っても、一体何を!?」

「伍長はベルトを!ドロロはその剣を!!」

 

冬樹たちが二人に指示を飛ばし、それぞれケロン製の物を彼女らの体に触れさせる。

と。彼女らは途端に正気に戻り、武器を持つ力を弱めた。

そんな中、双葉が訝しげに眉を顰める。

 

「ゲロっ?双葉殿、どうかした?」

「……私、ケロン製のものなんて持ってないのに、なんで…?」

「ゲロっ…?」

「えっ…?それってどういう…」

 

双葉が疑問を吐いた、まさにその時。

彼女らと太陽を何かが遮った。

 

「カストォオーーールッ!!!」

 

もしもバルルがその姿を見たら、事態のややこしさに天を仰いでいたことだろう。

そんなことなどつゆ知らず、ここまで己のペルソナひとつで登ってきた男…荒垣真次郎の一撃が、ダークケロロを襲った。




荒垣真次郎…SEESの中で唯一常時ペルソナが出せるため、偵察のために空中都市に乗り込んだ。途中で20回くらい死にかけたが、かき集めた宝玉と魔石でなんとか凌いだ。

ケロン地球同盟軍…突如として現れたペルソナ使いにびっくり。事態のややこしさを理解した面々は天を仰いだ。
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