【悲報】宇宙人ワイ、小学生屋根ゴミに拾われた模様【助けて】   作:鳩胸な鴨

33 / 113
ドララ登場+退場


12スレ目 迫る脅威

「もうすぐフランスかぁ」

「姉ちゃん…」

 

しばらく後、上空にて。

フランスへと向かうため、例に漏れずガンダムからのオマージュをふんだんに盛り込んだケロン製旅客機に乗り込んだケロロたち。

約数名の間に重苦しい空気が流れる中、夏美が声を弾ませる。

と。冬樹がそれを諌めるようにその肩を突き、指を蓮に向けた。

 

「…………」

「……なんか、ごめん」

 

あまりのストレスで制御ができなくなっているのか、怪盗服と普段着を切り替え続ける蓮に、おずおずと頭を下げる夏美。

しかし、蓮の耳には届いていないのか、そのリズムが崩れることはなかった。

 

「えっと…。蓮くん、どうかしたんですか?

いつもはこんなに取り乱さないような…」

 

問いかけたのは、落ち込む新ケロロを膝に抱えた灯。

蓮が目に見えて焦り散らしていることに疑問を覚えたのだろう。

新ケロロが思わぬ追撃に落ち込む中、冬樹が苦笑を浮かべながら説明する。

 

「あのアーチに大佐が捕まっちゃったんだ。

今、大佐がどうなってるかもわからないから、蓮くんも不安なんだと思う。

だから、そっとしといてあげて」

「…わかりました」

 

大人びた性格と聞き分けの良さ故に忘れがちだが、蓮は支えられて然るべき子供である。

その役目を担っていたバルルが居ないという事実が、想像以上に彼の精神に負荷をかけたのだろう。

チラチラと見えるペルソナ…アルセーヌも、どこか禍々しさを増しているような気がしてならない。

と。そんな中、ケロロが訝しげな声を漏らした。

 

「ゲロっ…?こんな時に入電…?

…もしもし、こちらケロロ小隊隊長ケロロ軍曹!そちらは!?」

『ドララ小隊隊長、ドララ特務兵です!

ケロン軍大本部救急要請により馳せ参じました!バルル大佐はご無事ですか!?』

「だ、大本部ゥ!?!?」

 

大本部という肩書きに目を白黒させるも、ケロロはモニターを操作し、カメラを起動させる。

映し出されたのは、目つきの鋭いケロン人の青年。

ドララと名乗った彼に、ケロロはおずおずと状況説明を始めた。

 

「え、えぇっと、それがですねぇ…。

大佐殿はケロロ新兵を庇い、あのアーチに取り込まれてしまいまして…」

『なっ…!?なにやってんだオメェら!!

オメェらが言うアーチってのは、竜の…』

 

途端に田舎訛りをあらわにしたドララに面食らう暇もなく、轟音と共に画面が揺れる。

旅客機が揺れているのかと思ったが、違う。

画面の向こうに居るドララの宇宙船が揺れているのだ。

唐突な衝撃にドララは姿勢を崩し、操作パネルにもたれかかるようにして体を支える。

 

『な、なんだ!?何が起きて…』

『元バルル小隊所属、ドララ特務兵だな?

手始めにちょうどいい』

『お、オメェ…、う、うわぁぁあああ!?』

 

ドララの叫びを最後に、ブッ、と映像が途切れ、画面に嵐が巻き起こる。

ノイズの中に見えたのは、黒い影。

それを視認した途端、新ケロロは慌てて灯の膝下に潜り込んだ。

 

「うわっ、ケロロ!?」

「来る…!アイツが来る…!!」

「あ、アイツって…」

 

灯が問いかけた、まさにその時。

旅客機を大きく揺らすほどの咆哮が響いた。

 

「もう!今度は何!?」

「タママや!タママがドラゴンなっとる!」

 

あまりに衝撃的な一言に、皆がラビリスの指差す方を見やる。

そこにいたのは、まさしく東洋の竜。

蛇のような体躯をくねらせ、悠々と漂うソレは、敵意を剥き出した瞳でこちらを睨め付けていた。

 

「確かに、反応はタママでありますが…」

「皆、伏せろ!!」

 

蓮が叫ぶと共に、間髪を容れず放たれたタママインパクトをアルセーヌで受け止める。

タママインパクトは呪怨属性。

今のアルセーヌならば十分に受け止められるはず…だったのだが。

ウォリアースタイルとなったことで威力が底上げされているのか、アルセーヌと連動する蓮の手のひらが赤く染まった。

 

「あッづ!?」

「呪怨無効か吸収のペルソナおらんの!?」

「今のアルセーヌ!ぁあづづづづッ!?」

「は!?耐性貫通しとるってこと!?」

「あの、貫通してたらまずい…?」

「ウチらじゃ攻撃止められん!!

ケロロくん、ウチと一緒に出撃や!!」

「む、無理っ、無理ぃい…!」

「何怖がっとん!男の子やろが!!」

 

皆がぎゃあぎゃあと揉めあっているうちに、受け止めきれなかったタママインパクトが旅客機を掠めた。

その衝撃からか、旅客機後部に積んでいたコンテナが外れ、中身が飛び出す。

空中にばら撒かれたのは、菓子類。

竜はそれを視認した途端、野太い声で「お菓子ーっ!」と叫びながらコンテナへと向かった。

 

「ほっ…、助かった…」

 

冬樹が胸を撫で下ろしたその時。

機内にけたたましい警報音が響いた。

 

「……軍曹。もしかしてこれ、墜落する?」

「しますね、ハイ」

 

散々な1日だ。

そう嘆く暇すらなく、機体が大きく傾いた。

 

♦︎♦︎♦︎♦︎

 

「若葉さーん!双葉ちゃーん!」

「えっ、秋さん!?」

「ぬぉうっ!?」

 

その頃、フランスのとある町外れにて。

観光地巡りを終え、ホテルへと向かっていた若葉たちをレンタカーに乗っていた秋が呼び止める。

まさかこんなところで出会うとは。

互いに驚きを露わにしながらも、若葉たちは窓から顔を見せる秋に駆け寄る。

 

「秋さん、こっち来てたのね!

ほら、双葉。ごあいさつ」

「ぼ、ぼんじゅーる…」

「ボンジュール、双葉ちゃん」

 

来る前に練習したフランス語の挨拶だが、口に出すたびに恥ずかしくて仕方ない。

双葉がそんな羞恥に顔を逸らすと、秋と若葉が温かい視線を向けた。

 

「旅行先ってフランスだったのね。

今は観光中?」

「ええ。だいたい回ったし、一回ホテルに帰ろっかって話してたとこなの。

そっちは?冬樹くんたちは一緒じゃないの?」

「こっちは仕事。少年アルファの海外取材レポートをまとめるって企画が出て、私が駆り出されたの。

よかったら乗ってく?ホテルまで送ってくわよ?」

「いいの?向かってる方と真逆だけど」

「いいのいいの。人を待たせてるわけじゃないし、レポートも大体出来上がってるから」

「じゃあ、お言葉に甘え…、双葉?」

 

二人して道端での会話に花を咲かせていたところ、若葉が双葉の様子を怪訝そうに窺う。

双葉はそれを気にすることなく、じーっ、とある一点を見つめていた。

 

「あっちに何かある?」

「何かあるってか…、来る?」

 

双葉の言葉に二人が首を傾げたその時。

 

「お嬢様ァァァアアーーーーーッ!!!」

 

ポールの絶叫がフランスの町外れに轟いた。




ドララ特務兵…ゲーム版に出てきたケロン人。ケロン星の片田舎出身。原作では古代ケロン軍の後始末担当である特務兵という職務に強い不満を抱いていたが、今作ではバルルの下で働いた経験により解消してる。バルルがピンチだと聞いてすっ飛んできたが、???の乱入により気絶。本部に回収された。

???…ケロンスターに宿るデータが意思と実体を持った存在。新ケロロを狙い、地球へ向かってる。アルカナは「欲望」

雨宮蓮…タママの暴走を目の当たりにして爆発寸前。気づいてなかったが、アルセーヌの翼が4枚に増えてた。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。