【悲報】宇宙人ワイ、小学生屋根ゴミに拾われた模様【助けて】 作:鳩胸な鴨
『ゲェロォオオオ〜〜〜〜ッ!?!?』
「ケロロさん、テララが!!」
『ゲロっ、そ、そうでありました…!
喰らえ、ケロロファイヤー!!』
阿鼻叫喚とはまさにこのことか。
やかましい宇宙人筆頭であるケロロの叫び声を聞き流しつつ、迫り来る弾幕をブレスで打ち消す。
が、しかし。いくら撃ち落としても弾幕の勢いは緩まず、絶えず絶死の光弾が放たれる。
これではキリがない。
バルルは減った気力を回復すべく、影時間を駆けずり回って蓄えた御卵を噛み砕く。
「バルル、御卵が半分を切った!」
『ジリ貧か…。蓮!新しいペルソナは!?』
「この弾幕全部をかき消せるパワーがない!
アザトホースとウボ=サスラのミックスレイドでトントンだ!」
『くっ…。防衛戦まで絡むと厄介極まりないな…!』
避けに回ることができればもう少し楽だったのだろうが、今の状況でそれはできない。
目の前に立ちはだかるものとは違う、背後に立つ「チューブが繋がれたもう一体の地球竜」を見やり、舌打ちするバルル。
「地球竜の心」を具現化したのがチューブが繋がる地球竜こと「テララ」。
そして、そこからほとんどの力を吸い取って顕現したのが、「本能のみが残った地球竜」。
恐らくはシオンとの接触により、普遍的無意識にアクセスしてしまったのだろう。
それがどう作用したかはわからないが、結果として本能と心の部分が分たれてしまった。
テララは地球にエネルギーを返そうとしているが、その肝心のエネルギーはほとんどが本能へと奪われ。
一方の本能はテララに残った分のエネルギーを奪おうとしている。
詰みである。
テララに地球竜の攻撃を受け止め切れる耐久性はなく、バルルたちも迫る弾を撃ち落とすので精一杯。
無限に近い体力を持つ地球竜相手では、持久戦になった時点で負けが見えている。
アザトホースとウボ=サスラのミックスレイド…「外なる神の到来」を叩き込めれば話は別かもしれないが、それで削りきれなかったら負けは確実。
せめて気力の消費だけで、デメリットなく打てるものであれば。
そんなことを思いつつ、蓮は新たに習得したペルソナ…イー・ト・ラーとグロースを駆使し、弾幕を打ち消していく。
『蓮、新しいペルソナがもう一つ目覚めたはずだろう!それはどうだ!?』
「無理だ!合体に必要なペルソナがあと一つ判明してない!」
残された可能性は一つ。先ほど解禁されたペルソナ…「真・ルシファー」のみ。
本能のみで動く地球竜に匹敵する力はある。
ただ、あと一つだけピースが足りない。
既に全書はほぼ満たしたはず。
それでも足りないとすれば、絆を満たすことで合体が解放されるペルソナ以外に考えられない。
思考を巡らせるバルルたちに、夏美が叫ぶ。
「ラヴェンツァちゃんに聞けないの!?」
「ダメだ!合体が解禁されてないペルソナは、ラヴェンツァどころかフィレモンも名前を知らない!!」
「フィレモンって誰!?」
「ラヴェンツァのお祖父さんみたいな人!!」
本来であればそんなことはないはずだが、普遍的無意識が世界を超えた今、話は別。
ベルベットルームの住人ですら、目覚めるペルソナたちの全容を知らない。
今ここで奇跡的にコープを一つ満たしたとして、それが正解という確率は限りなく低いのだ。
歯噛みする蓮に、バルルが口を開く。
『………蓮。ベルベットルームに行け』
「バルル…?」
『ラヴェンツァ殿との絆は、彼女が出す課題を乗り越えることで満たされてきた。
そして、残る課題はあと一つと言っていたな』
「あ、ああ…」
ラヴェンツァとのコープは、彼女が出す課題をクリアすることで進む。
その課題はどれも、指定のペルソナを作り、ラヴェンツァに見せること。
これまでに9の課題を乗り越えてきた蓮であれば、最後の課題も乗り越えられる。
今はただ、絆を満たすことで解禁される『剛毅』のペルソナが最後の鍵である可能性に賭けるほかない。
『蓮。もはや、あと一つのピースがラヴェンツァ殿である可能性に賭けるほかない』
「でも、俺が抜けたら…」
『私がお前の分まで働けばいいだけだ』
言って、弾を打ち消すバルル。
この場で蓮が抜ける穴は途轍もなく大きい。
それこそ、バルル1人どころか、皆が補えるような大きさではないことは確かだ。
が、そうでしかこの状況を切り抜けることはできない。
バルルはきっと、それを理解した上で賭けに出たのだろう。
周到な彼がそんな博打に出るしかないほどに、現状は逼迫しているのだ。
ならば、それに乗らない手はない。
全てを悟った蓮は意を決し、深く頷いた。
「わかった。すぐに戻る」
『ああ。頼んだぞ』
その一言を聞き終えるより先、蓮の意識は群青へと潜った。
♦︎♦︎♦︎♦︎
「ようこそ、ベルベットルームへ…」
厳かな雰囲気が漂う監獄にて。
牢屋越しに頭を下げるラヴェンツァを前に、ベッドから身を起こす。
戦闘中の今ばかりは、囚人服も怪盗服へと様変わりしている。
柵に手をかけた蓮に、ラヴェンツァは笑みを消し、神妙な面持ちで問うた。
「状況は理解しております。最後の試練に挑まれるのですね?」
「ああ。何を作ればいい?」
「作る必要はありません」
ふっ、と扉が消え、蓮の身が解放される。
初めて踏み込む牢屋の外。
その感覚に違和感を覚えながら、蓮はラヴェンツァへと歩み寄る。
と。ラヴェンツァは彼に向け、チェンソーの鋒を向けた。
「なっ…!?」
「端的に言いましょう、マイトリックスター。
私に勝ちなさい。それが最後の試練です」
「ラヴェンツァに…?」
この場にバルルが居たならば、素っ頓狂な声を上げていたことだろう。
本来であれば「エンドコンテンツ」として立ちはだかる、「ベルベットルームの住人」。
それが何故、このタイミングで脅威として牙を剥くのか。
その真意を測りかねる蓮に、ラヴェンツァが続ける。
「心が世界を、宇宙を超えた繋がりを見せた今、もはや運命の流れは我が主人にすら読めません。
その荒波を乗り越える力があるかどうか、この手で見極めさせてもらいます」
「だ、だからって、今…!?」
どう考えても今やるべきことではない。
驚愕に顔を歪める蓮に、ラヴェンツァもまた不本意を顔に滲ませる。
「……斯くいう私も疑問なのです。フィレモン様はどうして今、危機に瀕するあなたを試せと申したのか…。
ですが、それが主人の命である以上、私に逆らうことはできません。
マイトリックスター…。あなたが乗り越えられることを、信じています」
言って、全書を開くラヴェンツァ。
顕現するペルソナは、ピクシー。
蓮が最初に手に入れたそれとは明らかに違う、威圧感がビリビリと肌を撫でる。
なにか、まずい。
そう悟った蓮は、鍛え上げたアルセーヌへと仮面を変えた。
「まずは、耐えてくださいね」
─────メギドラオン
身が光に包まれる前、蝶が舞い散るのが見えた。
ラヴェンツァ…コープMAXの難易度が跳ね上がった幼女。初手先制蝶舞メギドラオンで殺しにくる鬼畜っぷりを見せた。HPは3万。クソゲーに鬼畜が重なる鬼畜をけしかけたクソ蝶仮面を許すな。
クソ蝶仮面…人の強さすごいなぁ(感激)。せや、もっとすごいとこ見たいから試練に試練重ねたろ(ド畜生)。