【悲報】宇宙人ワイ、小学生屋根ゴミに拾われた模様【助けて】 作:鳩胸な鴨
「癒やせ、ナラトース…っ!」
削られた体力を癒し、かすむ目を擦る蓮。
まさしく即死攻撃。
食いしばりを残してなかったら危なかった、と安堵する反面、ラヴェンツァとの実力差に冷や汗を垂らす。
だがしかし、確実にわかることが一つ。
「強い…!けど、あの竜ほどじゃない…!」
「……正解です、マイトリックスター」
聳える理不尽よりかはまだマシだ。
バフをかけた上でペルソナを切り替え、チューインソウルを噛み砕く。
アイテムの消費は現実でも反映される。
出し惜しみはしたくないが、地球竜が控えている以上は使用を控えるべきだ。
幸い、御卵には劣るものの気力を回復するアイテムはまだある。
蓮はペルソナを切り替えたラヴェンツァを見据え、仮面を付け替えた。
「私は力を司る者。故に、最初から力を有して生まれました。
…が。あれもまた生まれながらの強者。
星一つを喰らい尽くし生まれる命と比べれば、私の力など羽虫も同然でしょう」
「随分と卑下するんだな…!
今までで一番痛かったぞ、今の…!」
バルルの力もここまでではない。
食いしばりがなければ死んでいた一撃を前に、賛辞を送る蓮。
それにラヴェンツァは微笑み、切り替えたペルソナ…トールを召喚してみせた。
「……ふふっ。姉様のメギドラオンは、もっと痛いんですよ?」
「そうか…!それは、喰らう奴が可哀想になってくるな!!」
雷…エル・ジハードをすんでのところで避け、仮面を燃やす。
顕現するペルソナは、絆を満たしたことで生まれた「シュブ=ニグラス」。
悍ましい姿をした其れが放つ一撃に、ラヴェンツァは小さく悲鳴を漏らした。
「これが、宇宙を超えた絆の力…。
確かに強大ですが、この程度…」
「アルセーヌ!!」
シュブ=ニグラスの固有スキル、「女神の黒魔術」。
相手の耐性をどれか一つ、「弱点」へと上書きする無法の術。
現在、蓮の持っているペルソナはほとんどが万能属性特化。
バルルのように、一属性のみを極めたものは少ない。
それこそ、バルルの影響によりスキルを呪怨特化で固めたアルセーヌ以外。
蓮は躊躇いなく呪怨の光線を放ち、ラヴェンツァへと命中させる。
上書きされた耐性は、呪怨。
運命は蓮に微笑んだ。
「きゃああああっ!?!?」
「よしっ、当てた…!」
「な、なかなかに、効きました…!」
ピクシーを顕現し、メディアラハンで傷を治癒するラヴェンツァ。
マジかコイツ、と言いたげな顔を晒す蓮に、ラヴェンツァは続けてペルソナを切り替える。
「では、こちらはどうでしょう」
「こいつもか…!」
かつて愛用していたペルソナの一つ…ジャアクフロストが冷気を走らせる。
大氷河期。
咲き乱れる氷の薔薇をなんとか受け止め、蓮はペルソナを切り替えた。
「潰せッ、ヨグ=ソトース!」
八度の衝撃が氷を砕く。
続く九度目の衝撃が、ジャアクフロストの体を弾き飛ばした。
「素晴らしい判断力です…!何度も困難を乗り越えただけのことはありますね…!」
「俺1人で得た力じゃない」
「………そうでしたね」
続けてラヴェンツァが顕現したのは、ヨシツネ。
全てのペルソナの中でも飛び抜けた物理攻撃力を誇るソレが飛び上がり、瞬時に斬撃を展開する。
八艘飛び。本来であればヨグ=ソトースが繰り出した衝撃よりも少しばかり弱い威力だが、力を司る者という生まれがその差を容易く埋める。
衝撃にヨグ=ソトースが仮面へと戻り、蓮が膝をついた。
「ぐっ…」
「畳みかけます!ベルゼブブ!!」
「ミックスレイド…!」
トルネンブラ、ダオロスが情報の洪水とも言える音を奏でる。
赤黒い光芒を音が弾き、両者が吹き飛ぶ。
が。それでも力の差があったのだろう。
ラヴェンツァが受け身を取るのに対し、蓮は数回のバウンドを経て、床を転がった。
「ゔっ…」
「ピクシー…!」
呻く蓮を前に、ラヴェンツァの体が光に包まれる。
回復された。同時に、『アレ』が来る。
確信と共に、蓮は仮面を二つ構え、青の炎で包み込む。
「これでフィナーレです!!
メギドラオン!!」
「ミックスレイド…」
イー・ト・ラー、グロースが顕現し、手と触手を絡め合う。
瞬間。蓮の体を何かが覆い隠し、迫る光を退けた。
「なっ……!?」
「『正体不明の造物主』…!」
イー・ト・ラーの「欺く」権能を、グロースの「目覚めの力」により強化するミックスレイド。
これにより、蓮は存在を欺いた。
目を見開くラヴェンツァを前に、蓮は顔中から血を噴き出しながらも仮面を構える。
「『真・ルシファー』…!」
顕現するは、システムへと成り下がり、それでも変革をもたらそうと足掻いた反逆者。
蓮は自力で精神を集中させ、ゾーンに至る。
「『明けの明星』…!!」
メギドラオンとは比べ物にならない一撃が、ベルベットルームを焦がす。
ラヴェンツァはそれに膝をつくも、焼かれたままピクシーを顕現した。
「まだ、まだです…!」
まだ、負けられない。負けたくない。
世界の危機だというのに湧き上がる歓喜を呑み込み、メディアラハンを発動させる。
が。あまりに長く続く万能属性の炎を前に回復が追いつかず、みるみるうちに体力が削られていく。
残り半分ほどまで削られた段階で、ラヴェンツァは回復を断念し、叫んだ。
「メギドラオーーーーン!!」
ごっ、と、蓮の体を蝶と光が焼き焦がす。
どちらが倒れるのが先か。
魂すら焼け爛れていく感覚を耐えながら、互いに力を振り絞る。
「ぐっ…、ぅ、うう…っ!!」
「う、ゔ、ぉお゛おおおっ!!」
あと一回。それだけでいい。
脳みそが焼き切れそうなほどの頭痛が走る中、蓮は更に二つの仮面を燃やした。
「ミックス…レイ、ド…ォオッ!!」
─────『外なる神の到来』
瞬間。絶死の光がラヴェンツァに降り注いだ。
ラヴェンツァ…気づいたらエリザベスもびっくりな頻度でメディアラハンとメギドラオン使ってた。誰がクリアできんだよこの無理ゲー。
雨宮蓮…クトゥルフペルソナがなかったら秒で負けてた。