【悲報】宇宙人ワイ、小学生屋根ゴミに拾われた模様【助けて】 作:鳩胸な鴨
「うちのリーダーが世話になった礼だ!」
『私の最強国家に賊はいらぬ。
私と、私を敬うものが在ればそれでいい』
「それが本音か。つくづく元首の器とは思えないな」
ジョーカーが煽るのに反応してか、人柱でできた獅子の顎門が迫る。
これまでのシャドウとは比べ物にならないほどの一撃。それを前に、ジョーカーは仮面を炎へと変えた。
「ベルゼブブ」
びたっ、と蝿の王が錫杖を突き出し、獅子を止める。
二度もコープを埋めたが故だろうか。
より神格のソレへと近づき、力を増したソレが容易く獅子の顎門を押し除ける。
「セイテンタイセイ!!」
「カムスサノヲ!!」
『ぬぐぅっ!?』
ぐらついた獅子の両頬を衝撃が穿つ。
殺しきれない衝撃に揺らぎ、たたらを踏む獅子。
ソレを見かねてか、獅童がその足を近場の人型に振り落とした。
『何をやっている、愚民ども!!
私が選んでやったんだぞ!?さっさと立ち上がらんか!!』
獅童の声に呼応し、獅子がその背に翼を展開する。
その羽ばたきによって生じた風が、獅子を取り囲んでいた怪盗団を吹き飛ばした。
「自分が認めた人間の集まりだから強い。そう言う認知があるわけね」
「まとめて燃やせばモーマンタイ!
踊れ、ヘカーテ!!」
「意を示せ、ゾロ!!」
ヘカーテが放つ炎を風が煽り、空を舞う獅子へと向かう。
が。獅子の羽ばたきが影響してか、炎はその勢いを弱め始めた。
『そんなものが私に届くと…』
「惑わせ、アスタルテ!!」
『なっ…!?』
弱まった炎を切り裂き、距離を詰めたアスタルテのワンショットキルが突き刺さる。
土手っ腹を穿たれた獅子が怯むと同時、獅童の目に飛び上がったクイーンが映る。
「猛れ、アナト!!」
エンジンをふかし、極限にまで達した核熱を纏う連打が叩き込まれる。
ずがぁっ、と一際大きく揺らぐと、獅子はその形を崩し、ピラミッドのような要塞へと変貌した。
「ああもうしつこいっ!!」
「バトンタッチといこう、クイーン」
ぱぁん、と手を合わせ、クロウとクイーンが入れ替わる。
卑しくも隠れた父の顔を想起し、その怒りを仮面ごと燃やす。
「前々から思ってたんだけどさァ…、何から何まで人任せとかナメてんのか!!ブッ殺せ、ロキィイッ!!」
ずがががが、と音を立てて削られる要塞。
流石に危機を覚えたのだろう。
要塞が砲門を展開し、クロウへと向ける。
と。ソレを阻むかのように緑色の爆弾が雨霰と落とされた。
『ぬぐぉおおおっ!?!?』
「ひひひ…。ほれほれ耐えろー。
ゼビ○スのがまだ耐えるぞー」
「…トドメ用の虎の子だろ、あれ?なんであんなにあるんだ?」
「ヒント、世話になったおっさんが女装した挙句彼氏寝取ってる」
「答えじゃね?」
ぐさっ、と何本か槍が刺さった音が響いた。
削り切られた要塞。愕然と目を見開く獅童の目に、黒の竜に跨るジョーカーが映る。
竜が折り畳んだ翼に光芒を灯し、ジョーカーが仮面を燃やす。
顕現するは、極限まで鍛え上げ、翼が増えたアルセーヌ。
両者は呪怨の炎を纏い、叫ぶ。
「『吹き飛べッ!!!』」
赤黒い一筋の閃光が走る。
刹那。びしっ、と要塞に亀裂が走り、そこらに人型の破片が散乱した。
『ふんっ…、使えん愚民どもめ…!』
崩れた人型に文句を吐き捨て、無傷の獅童が土煙を割いて現れる。
どうやら咄嗟に人型を盾にしたらしい。
ソルジャーはその姿を人へと戻すと、声を張り上げた。
「責任転嫁だけは上手だな。
根っからの政治家というわけだ」
『賊とはいえ、数が揃えば侮れん…というわけか』
「ケッ、負けた時だけ愚民のせいってか!」
『ふんっ。こいつらを束ねているのが、貴様か』
獅童は罵声を受け取ることなく、ジョーカーを睥睨する。
見れば面影くらいは浮かぶと思っていたが、似たような訴訟を重ねていたのだろう。
裁判を起こした相手とは思えぬほど淡白な反応を見るに、覚えていないらしい。
そのことに気づいてか、仲間たちが次々と口を開く。
「感動の再会ね」
「敵を潰す時は、今度からもっと確実を期すんだな」
「ま、お前に今度はねーけどな」
『……貴様、怪盗団というだけではないな?』
「そういうわけだ。覚えてるかは知らんが」
言って、仮面を外すジョーカー。
ソレを見てなお、記憶を探るように眉を顰める獅童。
傲慢さもここまでいくと、呆れよりも同情が勝る。
「テメェがこいつを仕留め損ねたのは、一度目じゃねえってことだ!」
「裁判まで起こしたのに覚えてないなんて…、心底、人をなんとも思ってないのね」
『…………貴様、まさかあの時の…、女といたところに逆らいやがったクソガキ!?』
「…公式に認知してないとはいえ、実子の前で言うことか、それ」
父の女遊びが原因で人生を踏み躙られたクロウは露骨に顔を歪め、舌打ちする。
どうやら懲りてはいないらしい。
自分と同じような立場の子供も居るんじゃなかろうか、と邪推するクロウを嘲笑うように、獅童は喉を鳴らした。
『くくく…、興味深い巡り合わせだな…』
「ほんとにな。梅雄さんを抑えるの面倒だったんだぞ」
『梅雄…、西澤 梅雄のことか。なるほど、なるほど…。道理で私に付かんわけだ。
アイツもつくづく気に食わん男だ。改心の力を持つ存在を子飼いにしてるとは』
どうやら勘違いされたらしい。
ジョーカーは顔を歪め、冷たい声で咎めた。
「あの人は自分の腕一本でのし上がった人だ。
強く生きるために大事なことを教えてくれた人だ。お前みたいな小物と同じにするな」
『ふんっ。世界経済の51%を担うなどという偉業、普通の人間には為せん。私のような手を使ったと見るのが自然…』
獅童が言い終わるより先。
揺らめく炎が二つのペルソナを形造り、天へと昇る。
アザトホースにウボ=サスラ。
幾度となく理不尽を打破してきたその影を前に、ナビが叫んだ。
「あぶないっ!!!!」
瞬間。世界が崩れる。
ダルマ、天井が大きく削られ、赤黒い空の光が降り注ぐ。
破壊跡にいたのは、ファイナルガードで守られた怪盗団と、その衝撃を人型の残骸を纏うことで耐えた獅童のみ。
勢いで最大火力を放った蓮は仮面を戻し、獅童を睨めた。
「いけないな。お前との問答はストレスが溜まる」
『それはこちらのセリフだ!!』
めぎっ、と獅童の筋肉が隆起し、スーツが弾け飛ぶ。
そこにあったのは、一眼見ただけで世代が分かりそうな全身のギプス。
赤黒いオーラを纏い、構えを取る獅童を前に皆が体勢を整える。
『邪魔者は消す、今まで通りな…!』
獅童が吠え、強化された肉体が放つ『血祭り』の凶刃が怪盗団を切り裂く。
行き過ぎた傲慢が力へと変わっているのだろう。
各属性の魔法、さらには物理攻撃の嵐が怪盗団を飲み込んでいく。
「ぐぅううっ…!?」
「ち、近づけん…!」
皆が猛攻に怯む最中、一つの影が嵐の中を突っ込んでいく。
飛び込んだのは、ソルジャー。
彼は仮面を『二つ』燃やし、赤黒い空に向けて叫ぶ。
「見苦しいぞ…!とっとと退けェッ!!」
叫び、対立する二柱の神を顕現する。
クトゥグアとニャルラトホテプ。
土塊と炎の濁流が巻き起こり、獅童を飲み込んでいく。
「『ラストダンス』!!」
ソルジャーが告げ、爆炎が大地を捲る。
残るは、ギプスが弾け飛んだ獅童。
解放された筋肉を盛り上げ、その釣り上がった瞳を怪盗団に向ける。
『ぬ、ぐぅううう…っ!!』
「チェックが近いようだな。……ん?」
刹那。ぶわり、と獅童の周囲を衝撃波が駆け巡る。
怪盗団の面々が吹き飛ばされ、吹き上がる炎がリングを形作る。
残されたのは、ジョーカーとクロウ。
獅童はゆらゆらと立ち上がり、天に向かって吼えた。
『この国は私が支配する!!
こんな路傍の小石に躓くわけにはいかんのだ!!』
支配欲を撒き散らし、ソレが固まったかのような拳が天より迫る。
2人は背中合わせに立つと、その仮面を燃やした。
「仇為せ、真・ルシファー…!!」
「判じよ、サタン・
『死ねェェエエエっ!!!!!』
獅童が叫び、顕現した二柱に拳を落とす。
が。その拳は二柱の掌に触れただけで崩れ、世界へと消えた。
『なっ…!?』
「「失せろ」」
たんっ、と二つの銃声が響く。
刹那。光芒が視界を埋め尽くした。
明智吾郎/クロウ…視野の狭さを叩き直されたので、本作ではワイルド。対応するベルベットルームの住人は、ハム子が居ないために手が空いていたテオドア。バルルとのコープを満たしたことにより「サタン・
雨宮蓮/ジョーカー…明智と幾度となく「最後に殴るのは俺だ」と論争を重ねた結果、2人がかりのミックスレイドでとどめを刺すことになった。組み合わせ的にはハルマゲドンと同じだが、その威力は段違い。
怪盗団の皆さん…怪獣が暴れた現場に居合わせたみたいな気持ちになった。これがポンポン飛ぶ理不尽戦が控えてると気を引き締める。