...はい、お久しぶりです
なんか、イベントに合わせて投稿する人みたいになってない?
この調子だと次の投稿、7章が来る10月になるんだけど...
少なくとも、8・9月にもう一話は投稿したいなぁ(淡い願望)
バタン...
外の様子を確認するために一足早く出たが...人がほとんど居ないな。
日がまだ塀を越えてない所も見るに、今は早朝と言った所か...
そうなると、夜まで随分時間が空いた。
今すべき事は特に無いが、厄介事を避けるためにモンド城からは離れて置きたい。
資金集めも兼ねて冒険者協会へ立ち寄るとしよう。
ギィ...
「あれ?キムサッガッ、まだいたんだな」
「すぐ店から出ていったからもういないと思ってぞ」
音のした方向へ振り返ると、パイモンと蛍が酒場から出て来た。
「少し外の状況を確認したくてな」
「昨日の騒動が原因で、街の警備が厳重になったかと思ったが些か杞憂だった様だ」
「確かに、天空のライアーが盗られたのに思ったより静かだな...」
「まだ朝早いから?」
「それもあるかもしれんが、騎士団本部が未だに判断を下せていないと言う可能性もある」
窃盗のみならともかく、騎士団にまで被害が出たのだからな。
「どちらにせよ、私はこの間に発つとしよう」
「2人も厄介事に巻き込まれぬ様、用心はしておけ」
「オイラ達なら大丈夫だぞ!なんたってこいつはモンドを救った栄誉騎士だからな!」
それは寧ろ、逆に怪しまれると思うが...
...否、どちらかと言えば昨日の騒動で目立ったのは私の方だろう。
そう考えれば、体格差からしても彼女らが怪しまれる可能性は低い...と、考える事としよう。
「...それでもあらゆる事に対処出来る様、用心はしておくに越した事はないだろう」
「分かった、そっちも気を付けて」
「あぁ、ではまた後程」
「おう!またなー!」
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「...さて...どうしたものか」
少し前...私は蛍達と別れた後、予定通り冒険者協会へ向かい、魔物の討伐依頼を受注した。
キャサリン曰く、今回の討伐対象は「英雄の象徴」と呼ばれる巨木付近で発見された様で、私は準備が出来次第直ぐに其処へ向かった。
「英雄の象徴」と呼ばれる巨木はかなり大きく、モンド城からも一目で分かる程だった故、目的地までの道のりでは時間を余り浪費する事はなかった。
しかし、「英雄の象徴」に辿り着いた所で問題は発生した。
討伐対象と思われる魔物が何処にも居ないのだ。
「英雄の象徴」の位置を履き違えたかとも思ったが、他にそれらしき巨木も見当たらずに今に至った。
冒険者協会が虚偽の情報を提示した...と言う事は流石に無いだろう。
私が何らかの不利益を被ったとしても、協会側に得があるとは思えん。
...そういえば、前回ヒルチャール討伐を討伐した時には、周辺に柵や見張り台が設置されていた。
だが今回は幾ら辺りを見回してもヒルチャールは疎か、その様な人工物らしきものも全く見当たらない。
もしやすると、今回の討伐対象はヒルチャールとは異なり、活動拠点を転々と移動するのか?
仮にそうだとすれば、もはや私が介入する事はほぼ不可能だ。
とはいえ、今から他の依頼を受注しにモンド城に戻った所で、それはただ本末転倒に陥るだけだ。
...仕方が無い、約束の時間まで少し散策するとしよう。
只、魔物が此処へ戻ってくる可能性も考慮し、移動するのはこの周辺だけに留めるとしよう。
...そして、これが「英雄の象徴」か。
遠くから眺めても大きかったが、近くで見ればより一層大きく感じるな。
ザァ...ザァ…
視界を閉じ、耳を澄ませる。
ザァ...ザァ…
心が落ち着くな...
今思えば、身体を休ませる事は多々あったが、心を休ませる事は殆どなかった。
何処へ行っても浮浪者と言う身分だった以上、都市で私達を受け入れてくれる場所は何処にもなかったからだ。
唯一、「あの方」を除いて。
しかし...
.........
この様な時に思考するのは余り宜しくないな...
これでは心を休ませた意味がまるで無い。
...所で、
「何か用か?ウェンティ殿」
目を開き、隣を見る
「少し詩の創作でもしようと思ってね」
「君に用があったわけじゃないから安心して」
相変わらず飄々とした雰囲気の彼は、更に「英雄の象徴」に近づいた。
詩の創作の言ったが本当なのか?
嘘を言った様子はないが、人間の尺度で神を推し量るのは悪手だろう。
私の事を監視してる可能性も十分にある。
「そう言う君はどうしてここにいるんだい?」
私が訝しんでいると、今度はウェンティが振り返り此方へ問いて来た。
「魔物の討伐依頼で来たのだが、それらしき魔物が居なくてな」
「少々立ち往生をしていた所だ」
「あーその魔物って、もしかしてあれの事?」
そう言ってウェンティが指を指した先には、鎧のような鱗と渦巻く風に覆われた緑の球体が居た。
「...」
「ほらほら、早くしないと逃げちゃうかもよ」
...溜息を吐きつつ、呼吸を整える。
"抜剣"の構えを取り、相手と向き合う。
.........
.........
!
音にならない呻き声が開戦の合図を告げ、私は対象に向かい跳躍する。
直後に"抜剣"を繰り出し、相手に一撃を入れた。
キィン!
やはり硬いな、鱗を避けつつ斬れば更に入るか?
ザザッ
着地した後、間髪入れずにもう一度跳躍し、今度は"刺法"を繰り出す。
ドス!
刀は球体へ刺さり、一呼吸置いて傷を広げる様に刀を横へ引き抜いた。
ズバン!
すると魔物は先程よりも多くの苦痛を受けたのか、更に上昇した。
予想通り、あの球体が魔物の核と見て良さそうだ。
スタッ
だが私の身体強化では、あの高さには届かん。
一度様子見を...
ビュオォォ!
!
突然、私と相手を囲む様に風の壁が現れた。
相手が核を露出している事からも向こうの仕業と見て間違いないだろう。
しかし、狙いは何だ?
風壁を維持するだけでも精一杯なのか、此方へ襲い掛かる様子は無い。
これだけならば、向こうが力尽きた後に叩けば良
カン!
なるほど、これが狙いか。
風壁によって生じた上昇気流で小石を巻き上げ、それを用いて相手へ攻撃を行う、と言った所か。
そして、その上昇気流は
風の翼を広げ、地面を蹴る。
此方も利用できる様だな。
バサッ!
上昇気流により舞い上がり、私は相手の高所を取った。
自暴自棄になり、元素のコントロールが出来てないのか分からんが、これを利用しない手はない。
一呼吸置いて、風の翼を仕舞う。
そして露出した核へ...最大威力の斬撃で斬る!
ズダンッ‼︎
カチン、コン
刀を鞘にしまうと同時に軽めな落下音が鳴った。
振り返ると、魔物の核が鱗と共に徐々に消滅していた。
「お見事だったね」
消えゆく身体へ一礼し、ウェンティの方へ向き直る。
「そろそろ言っても良いのではないか?」
「あれは何だ?なぜウェンティ殿と共に現れたのだ?」
「まぁまぁ、落ち着いて」
「ただの吟遊詩人があんな魔物のことを知ってると思うかい?」
相変わらずの返答に、再度溜息を吐く。
「...便利な決まり文句だな」
「もしボクが分かることがあるなら...風向きが大きく変わり始めているってことだけだろうね」
「さっき魔物もトワリンも、その風向きの影響を受けているんだ」
「風向きか...」
...
「...1つ、質問がある」
「風神はどのようにしてこの
「...風神"バルバトス"は、七神の中で最弱の神と言われている程に信仰が薄い神なんだ」
「なぜなら、彼はモンドの政治に全く関わらなかった上に、他の神と違って国民を支配することもしなかったのさ」
「つまり、風神は国民をほぼ野放しにしていたと?」
「それにも関わらず、モンドには"自由の国"と呼ばれる程の治安と体制が出来上がったのか?」
「もちろん、モンドにも多くの衝突があったよ」
「時には貴族が支配していた時代もあったからね」
「それでも君の言うような今のモンドがあるのは、モンドの人々がボクらの思うよりもずっと強い力を持っていたからなんだろうね」
「...なぜ、風神は国民を野放しに出来たのだ?」
「それはきっと...風神がモンドの人々を信じていたからじゃないかな?」
「...そうか」
やはり私は彼らを縛っていたのかも知れないな...
真に自由を与えるのならば...無理矢理にでも彼らを離させるべきだったではないか...?
もっと彼らを信じるべきだったのでは...?
渦巻く思考に堕ちていると、鋭く優しい声が耳に触れた。
「ところで、ボクからも君に聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「あぁ...構わん」
声色を変化させる事なく返す。
「どうして魔物に礼をするんだい?」
「西風騎士や冒険者、それ以外にも色々な人を見てきたけどそんなことをする人は1人もいなかったよ」
「...昔、囲碁と言う遊びを頻繁に行っていた時期があった」
「その時に付いた癖の様なものだ」
「へぇ~そんな理由だったんだ」
「...意外だな、それがウェンティ殿の聞きたい事か?」
「そうかな?割と普通だと思うけどなぁ」
「それに...君が何処から来て何者であったとしても、モンドの人々は君を受け入れてくれるんじゃないかな」
「もちろん君が天空のライアーを盗むみたいな大事件とかを起こさなければね」
「...ふっ、肝に深く銘じて置こう」
「それから...感謝する」
「今は、他のやるべき事に目を向けるとしよう」
「あっ、それならちょっとでいいからお酒を奢ってくれない?」
「今月はちょっと厳しくて...ね?」
「一杯だけならば此方が金を出そう」
「いいの!?」
「あぁ、構わん」
現状金が余りないとはいえ、一杯のみであればそこまで値も張らないだろう...
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全く...してやられた。
まさか、最も高価な酒を注文されるとは...
金を出すと言った後にあれ程喜んだと言う事はそれなりの理由があった訳だ...
おかげで一杯のみとはいえ、依頼報酬を含めたモラまでも吹き飛んでしまった。
...とはいえウェンティ殿が居なければ、恐らくモンド城に入る事すらもままならなかった故、それも含めた御礼...と思う事としよう。
そして、そんな当の本人はと言えば...
「いや~今日は最高の日だ!」
「なんたって、エンジェルズシェアの最上級品"蒲公英の微風"を飲めたんだから!」
...と、この様に絶好調の頂点に居るかの如く騒いでおり、コップを磨くディルックの額には皺が浮かび上がっていた。
「えっと~ディルックの旦那ぁ...」
「なんだい?」
「もう全員集まったんだし、そろそろ天空のライアーを取り返しに行ってもいいんじゃないかなぁ?なんて...」
「あぁ、そういえば言ってなかったね」
「実は僕もこの計画に誘った人が一人いてね」
「悪いが、その人が来るまでもう少し待ってくれないか?」
「そ、そうだったんだな!」
「それと、僕の呼び方はディルックで構わない」
「まぁ好きに呼んでくれてもいい」
「わ、分かったぜ!」
ディルックに怯えるパイモンとその様子を楽しむウェンティを横目に、ディルックの言うもう一人の協力者を予想する。
少なくともディルックは、西風騎士の騎兵隊長であるガイアと関係を持っている。
つまり、可能性が高いのは騎士団関係者の誰か...
ガイア...アンバー...それ以外の西風騎士...
或いは...
ギィ...
「申し訳ない、少し遅れてしまった」
「うぇぇえ!?ジン団長!?」
...不思議な事に悪い予想は良く当たる様だ。
因みに、ねじれやE.G.O.発現するシーンはある程度考えてあるので、よほどの事がない限り失踪はないと思います
え?説得力がない?
はい...すんません。
都市紹介のコーナー
今回は本編に少し出てきた「身体強化」について
都市には、身体を強化することが出来る技術が複数ある。
単純な改造や高価な義体、また刺青を入れることで強化することもできる。
その他にも、服や装飾品など着飾るだけで効果を発揮するものもある。
しかし、これらの力を得るためには、莫大な金を払う必要がある。
その上、中には性能を偽って、金をだまし取ろうとする連中も当然いるため、契約をする相手は慎重に選ばなければならない。
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