10月中に出すとか言ってたらこの有り様ですよ
夢の終わりを眺めて、神父を愛でてたら11月になっちゃった
どうか絶対に私をお赦しにならないでください、神父様。
「申し訳ない、少し遅れてしまった」
「うぇぇえ!?ジン団長!?」
「もしかして、ディルックが誘った人って...!」
パイモンが驚愕した表情で代理団長とディルックを交互に見るのに対し、ディルックは物静かな表情で答えた。
「ジンのことだ」
「それと、ここにいるのは"ただのジン"だ、団長としてのジンではない」
「たとえ"栄誉騎士"と言う、名札を持っていてもそう簡単には接触できない人物だろう」
「意外だ」
ディルックが一通りの説明を終えると、入れ替わるかの様にジンが話し始めた。
「天空のライアーの話は聞いていたが、まさか君たちだったとは...」
「では大聖堂前で倒れていた守衛も君たちが?」
「否、それは違う」
私が言葉を発したと同時に、ウェンティを除いた全ての者の視線が私に移った。
「あれはあくまで私の独断で行った事であり、他の者達には関係のない事だ」
「もし、それについて何かしらの罰を下すのであれば、その対象は私のみにして欲しい」
私の返答を聞くと、ジンは一瞬安堵した様子を見せた。
「そうだったのか...正直に答えてくれて感謝する」
「それから、今の質問は私が集中するためのものであって、誰かに責任を負わせるためのものではないから安心してくれ」
「とは言っても、もし風魔龍の件が片付いたら一度団長室にきてくれないか?少しだけ聞きたい事がある」
「その程度で良いのならば、無論だ」
ジンとの問題は想定よりも円滑に進み、現時点ではあるが、かなり早く解決した。
...と思っていたその時。
「...どうして隠してたの?」
突然、蛍が口を開いた
「どういう意味だ?」
「そのままの意味だよ」
蛍の意図を探ろうと聞き返すも、返って来るのは単純な回答。
一先ず、私は向こうの質問に答える事にした。
「...あの場で伝えた所で只混乱を招くだけだと判断したからだ」
すると、今度はパイモンが口を開いた。
「なんでだよ、もしかしたらオイラ達にもできることがあったかもしれないだろ?」
「仮にそうであったとしても、もしそうなればパイモン殿達にも共犯の疑いが掛けられるだろう」
「私も其方らもその様な事は望んでいないはずだ」
「ゔ...確かに」
パイモンの方が落ち着いた所で、再度蛍へ向き直る。
「納得がいったか?蛍殿」
「...うん、キムサッガッさんがあの時隠した理由もその後にも言おうとしなかった理由は分かった」
「それでも、私達には言ってほしかった」
「...何故だ?」
「今はモンドを救おうとしてる仲間だから」
...蛍は真っ直ぐな眼差しで此方を見詰めていた。
「...仲間か」
きっと彼女は心の底から私を仲間だと認識していたのだろう。
...だが、
「...違うな、我々はただ利害が一致しただけの他者に過ぎん」
「それ以上の関係になる必要は皆無だ」
都市で過ごして来た私からすれば、仲間と言う言葉は約束の様に薄く、そして儚い言葉だった。
そんな言葉を軽々しく扱う彼女を見て私は憤ったのか、或いは何処か危機感を覚えたのだろう。
私は理性を失い、蛍を捲し立てた。
私の言葉を聞いた蛍は少し驚いた表情をした後、申し訳なさそうに俯き短く謝った。
「...ごめん」
その様子を見た私も冷静さを取り戻した。
「...否、謝る必要はない」
「私が人一倍懐疑的だった...只それだけだ」
...
少しの間、沈黙が流れ...
「...そろそろ本題に入ろうか」
「天空のライアーの奪還についてだ」
ディルックが話題を変えた。
「まず、天空のライアーを盗ったのはファデュイの仕業と見て間違いない」
「奴らはライアーを盗った後、ここから一番近い拠点に保管しているそうだ」
何処からその情報を...と言う問いは余計な警戒心を生むだけだろうな。
であれば...
「ファデュイの目的は?」
直ぐに代理団長であるジンが発言した。
「恐らく...風神が残した力を利用する事だろう」
「ファデュイは前々から風神眷属の力を利用しようとしていた」
「だが、彼らだけで風魔龍を倒すことは外交的にかなり厳しい」
ウェンティの方を一瞥する。
彼は考え込んでいるのか、珍しく静かに顔を下ろしていた。
「なるほど...風魔龍との戦闘で戦力や信用を失うよりは、風魔龍の騒動に乗じて風神の力を持つライアーを得る方が利点があると言う事か」
「もしファデュイの目的がジンの言った通りなら急いだ方がいい」
「最悪の場合...天空のライアーは僕たちの手が届かない所まで持っていかれるかもしれない」
「それなら早く行こうぜ!」
「これだけの人数がいれば、天空のライアーを取り返すのなんて楽勝だぞ」
パイモンが意気揚々と声を上げていると...
「いや、行くのは全員じゃない」
ディルックがそれを否定した。
どうやらディルック曰く、ジンは代理団長の立場故に同行する事が不可能だと言う。
また、ウェンティも戦闘能力が無いと言う理由で待機する事を選択した。
風神の力が利用されるのを忌避したのか...或いはジンとファデュイの目的について更なる議論を交わすためか...
...いずれにせよ、私の介入は不可能だと言う事だけは確かだった。
「ところで、パイモンは戦えるの?」
「オ、オイラは旅人の案内役だから別に戦えなくてもいいんだぞ!」
「...あったぞ!天空のライアーだ!」
そう言ってパイモンが指差した方向には、台座へ丁寧に乗せられた天空のライアーが置いてあった。
「さっさと取り返して、早く帰ろうぜ」
パイモンの気分が昂っている中、私は所々に違和感を感じていた。
...妙だ。
ここまで容易に事が進むものか?
思えば...此処には門番と名乗る者が複数いたが、そのほとんどが戦闘経験の浅い者だった。
その上、肝心なライアーが置かれた台座には守衛らしき者もいない。
モンドでは厳重な警備を必要とする代物をここまで手薄に保管するか?
何処か不審に思いながらも、一先ず台座の方へ足を運んだ。
そして蛍が手を伸ばし、天空のライアーに触れようとした瞬間。
ガタン!
突然、上から鉄格子が降りて台座を囲った。
同時に背後から声が聞こえた。
「ネズミ、どこから湧いてきた」
振り返ると、黒を基調としたローブを着ているのに加え、直角に曲がった奇抜な短剣を持った者がそこに立っている。
フードを深く被っているため顔は良く見えないが、声から判断しても男と見て間違いないだろう。
「このようなこと、"シニョーラ"様が許さないぞ」
シニョーラ...
道中でディルックが言っていた"執行官"と呼ばれる幹部の一人か。
「この私が、代わりに片付けてやろう」
直後、男の周りから薄い炎が上がり、それと同時に男は姿を消した。
「消えた...!?」
「全員、奇襲に備えろ!」
「もし攻撃を受けてたら、怯まずに反撃しろ!」
...耳を澄ませる。
無論、ディルックの声を聞くためではない。
...
...
フ...
!
「そこか」
ハ...
何もない空間へ歩き出す。
「待て、どこへ 」
「静かに」
一歩
ハ...
一歩
ハ
一歩
ハァ
一歩
「ハァ...!」
確信し、刀を抜く。
「くっ!」
ガキィン!!
素早く抜かれた刀は鈍い金属音を鳴らし、空中で停止した。
直後、私の攻撃を防いだ男の姿が露わとなった。
「なぜ分かった!?姿は完全に隠していたはずだ!」
想定外だったのか、目前の男は息を切らし明らかに焦りを表していた。
対して、私は正常な呼吸を維持したまま刀を振るい続けた。
キィン!ガキィン!ギリリリ...!
タタッ!
鳴り響く金属音と同時に背後で微かに2つの足音が響いた。
恐らく、ディルックと蛍によるものだ。
バッ!
すると、男は急いで距離を取った。
姿を消す事で体勢の立て直しを図ったのだろう。
だが...
「させん」
前方へ踏み込み、刀を振るう。
ギィン!
「くっ...!」
だがそれを見過ごす程、私は甘くない。
そして...
「この...!食らえ!」
シャッ!
追い詰められた男は遂に自分から攻撃を仕掛けた。
その攻撃を予測していた私は最小限の動きで避け...
スバン!!
「...は?」
ボト
その腕を即座に切り落とした。
夢が終わるとどうなる?
知らんのか
それでも夢は続いていく(n番煎じ)
そしてここでは毎度恒例の都市紹介のコーナーについて語られる
今回は「都市災害ランク」について
都市ではフィクサーだけでなく、起こった出来事や事件に対してもランク付けを行う。
そのランクは下から、都市怪談<都市伝説<都市疾病<都市悪夢<都市の星という順となっている。
また、このランクは危険度ではなく「その出来事・事件の解決にかかる費用」を基準に付けられている。
実際に、都市の星となったねじれは数体いるのに対して、ねじれ現象自体は都市悪夢に位置付けられている。
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