守れなかった剣は風元素で舞う   作:大鳥のランプ

14 / 14
誤字・脱字報告ありがとうございます。
倫理と論理を間違えるとかまじで馬鹿ですね
以後気を付けます

ほんっっっっとうにお待たせしました
ずっと前から手を付けてなくて、今日手を付けたらそのままの勢いで書いてしまいました
リンバスの感想としては、ホンル章最高!巳グレエッチ!ムリグレかっこよ!夜錐グレかっこよ...ンエ゙ッ゙ヂ!!!
以上です。本編どぞ


郷に行っても故郷を思う

流石は代理団長の肩書きを授かったと言うべきか、ジンの捜索に関する能力には目を見張るものがあった。

彼女は「人が近寄らない」と言う条件からいくつかの候補地を挙げ、我々はそれを基に捜索を開始した。

その結果、結晶は順調に集まり、後に残る候補地は一ヶ所となった。

 

彼女曰く、探し物をするコツは探そうとしない事にあると言っていたが...

そう言えるのは恐らく、彼女の長年の経験と鋭い勘があるからだろう。

 

「此処は...ヒルチャールの集落か?」

 

ジンが目を付けた最後の候補地は、あの依頼よりも大規模なヒルチャールの集落だった。

そこに点在するヒルチャールは数こそ少ないが、あの時の個体とは武器や容姿が明らかに異なっていた。

 

「そうだ、ここはモンド城と離れている上に日食族と呼ばれるヒルチャールがいて、ほとんど人が近寄らない場所だ」

「その上、ここのヒルチャールは通常の個体と違い、元素を扱える個体や体格の大きい個体もいる」

 

「確かに...でかい斧を持ったやつや変な仮面をつけてるやつもいるな」

 

「ヒルチャールはみんな変な仮面をつけてない?」

 

「他のやつと違うって意味だぞ!」

 

「それを言うなら...」

 

パイモンをからかう蛍を横目に、私はジンとの会話を続けた。

「つまり...捜索を開始するのは奴らを始末してからと言う事か」

 

「あぁ、だが制圧する上で一体だけ注意してほしい奴がいる」

 

そう言うとジンは、ヒルチャールの中でも一際異質な個体に視線を向けた。

 

「あの白いフードみたいなのを被ったやつか?」

 

パイモンの言う様にその個体は白色の服装を身に着けており、手には杖のような物を握っていた。

 

「そうだ、奴はアビスの魔術師といい、元素を高度に操って攻撃をしてくる」

 

「ヒルチャールじゃないの?」

 

「あぁヒルチャールの中でも元素を扱える個体はいるが、それとは比べ物にならないと思った方が良いだろう」

「報告された事例では、元素を圧縮させたバリアやワープを扱えると聞く」

「全員、注意して戦闘に臨め」

 

「「了解」」

 


戦闘を開始して数分後、私たちは順調に拠点を制圧していた。

 

ヒルチャールの陣形は、基本的に近接兵と狙撃兵で構成されている。

中には元素を扱えるヒルチャールもいて、元素反応を狙ってくることも少なくない。

 

とはいえ、実際に攻撃を食らうことはほとんどない。

その理由は、構成に対してヒルチャール達には連携する能力が全くと言っていいほど無いからだ。

近接兵は目の前の敵を倒そうと暴れまわり、狙撃兵はタイミングを合わせることなく撃ってくる。

その上、狙撃兵は一度矢を撃つと次の発射までに時間ができるから、その間にどちらかを倒せれば簡単に陣形は崩れるのだ。

 

この調子なら、すぐに終わりそう...

 

そう思った瞬間、横から叫び声が聞こえた。

 

「蛍っ!」

 

直後、私の体は押し飛ばされ、さっきまでの位置には大きめの氷柱が落ちた。

その衝撃で生まれた土埃と霧の中には見慣れた笠も存在していた。

 

「キムサッガッ!」

 

唯一その特徴的な帽子を被る者の名前を呼ぶとすぐに返事が返ってきた。

 

「問題ない」

 

素早く彼の背中に立ち、守るように構える。

 

「ごめん、油断してた」

 

「否、今のは私の落ち度だ」

「ジン殿の言ったバリアに阻まれ、あの魔術師の詠唱の阻止に失敗した」

 

土埃がはらわれ、戦闘が再開する。

 

「恐らく、あのバリアを物理的に破壊することはほぼ不可能なのだろう」

 

「じゃあ、元素を使って破壊するのかも」

 

激しい攻防の中でも、私たちは会話を続けた。

 

「私も同感だ、だか私は元素を扱えん」

 

「私の風元素でも厳しいと思う」

「多分あのバリアを構成してるのは氷元素だから拡散するだけの風元素だと効果が薄い」

 

「では、最も効果的な元素は...」

 

「「炎元素」」

 

2人で解決の糸口を口に出すも、その答えはさらに新しい問題を生み出した。

 

「だがジン殿も蛍殿と同様、風元素を扱う」

「アンバー殿...あるいはディルック殿であれば扱えるが...」

 

その時、あるものが視界に入った。

 

「キムサッガッ...これはどう?」

 

「これは...」

 


ククク...やはり情報通り、あいつらは俺のシールドを破壊する術を持っていないようだな。

それなら、俺は安全圏からチクチクと攻撃して疲弊しきったところで殺してやろう...!

 

ザザザッ!

 

なんだぁ?あの笠を被ったやつ。

あんだけ斬ってといて、まだ無駄だって気づいてないのか?

 

ザザザッ!

 

真正面からの突進...

どうやら本当に気づいてないらしい。

こりゃ本物の馬鹿だな。

 

こいつの相手をしながら、油断してるやつを殺そうと思ったがやっぱやめだ。

この鬱陶しいやつを最初に片付けてやるとしよう。

 

さぁ来い、斬りつけた瞬間に俺の氷柱で腹を貫いてやる!

 

バキィン!

 

!?

な、なんだ!シールドが急に削れた!?

何故!?

 

こいつ、持ってるのが刀じゃない!

松明だと!?

そんなもの一体どこから...

 

そうか!あのヒルチャール共の焚き火!

あれを使ったのか!

 

いや、ひとまず氷柱で腹を貫く!

握ってるのが刀じゃないなら、これは防げないだろう!

この距離なら避けることも不可能!

 

「喰らえ!」

 

ガギィン!

 

は?

何が起こった?

防がれたのか?

そんな馬鹿な!こいつは刀を…

刀を握ってやがる!

あの一瞬で抜いたのか!?

嘘だろ!?

 

片手は刀、もう片手は松明...

氷柱が防がれるんじゃあ、俺に勝ち目はない!

まずい、松明がくる!

 

シュン!

パン!

 

間一髪ワープで避けれたか...!

そんでもってあいつに勝てないなら、この小娘からだ!

庇われてたこいつなら、すぐに殺れる!

 

「旋風の剣!」

 

ビュゥゥウン!

 

「うおっ!」

 

...なんだ?ただの風元素による渦巻きか?

やっぱりこっちはすぐに殺れそうだ...!

そのまま馬鹿みたいに風を吹かしてやがれ、すぐに楽にしてやる!

 

ボフ

 

なんだ?今なにか渦巻きの中に...?

 

ゴォォォ...

 

!?

炎元素の拡散!?

何故いきなり元素反応が!?

 

まさか...!さっき入ったもの!

あいつの持ってた...

 

バキン!

 

まずい!シールドが!

 

ゴゥ!!

 

バリィィィン!!!

 

「がッ...!アぁ...」

 

ドシャ

 

に、逃げなければ...

幸いあの小娘の風のおかげであいつらから距離は離れた。

退避の詠唱くらいなら...

 

「.a...e..」

ドン!

 

「グェ!」

 

「逃がさんぞ」

「涙の結晶のありか、そしてここで何をしていたのか」

「諸々吐いて貰おうか」

 

「西風騎士団...代理団長...!」

 

「いい作戦だった、蛍殿」

「あれほど元素が拡散するとは...風元素も侮れんな」

 

「正直思いつきだったけど、上手くいってよかったよ」

 

「お前ら2人のコンボ、最高にかっこよかったぞ!」

「キムサッガッの読み通り、ほんとに旅人の方に逃げてきたしな!」

 

そこまで読まれて...

 

「そして、これにて完全に詰みのようだ」

 

「ッ!」

 

「ヒルチャールも全滅したし、あなたを助けてくれる人は誰もいないよ」

 

「有用な情報を話せば、命だけでも助かるやもしれんぞ?」

 

「はっ...誰が...お前らなんかに...」

「それに...お前ら西風騎士団が...殺害なんてこと...」

 

「1つ思い違いをしてるようだな」

「私は西風騎士団の者ではない、全くの部外者だ」

 

「ハッ...だから殺せるって?」

「そんな脅し...」

 

「脅しだと思うか?」

「この眼を見ても」

 

...クソ、こいつ本物の眼だ。

人を殺すことになんの躊躇いもない目をしてやがる。

 

話せば助かるか...

いや、それが嘘だろうと本当だろうと...

 

...

 

「...そうか、それが貴様の答えなのであれば」

「良かろう」

 

チャキ...

 

あぁ、殿下どうか貴方様がこの世界を...

 


今、私の前には力なく項を垂れた者がいる。

私は知っている、こうなった者はもはや何をしようとも情報を吐きしないことを。

故に、生かすことに意味はない。

情報が漏洩する危険は排除しなくてはならない。

 

「...そうか、それが貴様の答えなのであれば」

「良かろう」

 

チャキ...

 

「ま...!」

 

刀に手を添え、抜刀した

 

 

 

...その刹那、私の腕は2つの手に抑えられた。

 

「待って」「待て」「待て待て待て!」

 

「...なんのつもりだ?」

 

「それはこっちのセリフだ!本当に殺すつもりだったのか!?」

 

「無論だ、ここで消さなくては涙の結晶を集めているという情報が敵に漏れることになる」

「ジン殿、そなたが動いているという情報もだ」

「それは外交上問題があるのではないか?」

 

「いや、こいつはアビスの魔術師だ」

「ファデュイとは別の組織の上、外交も行ってないから問題はない」

「そして、どのような情報が漏れる危険性があろうとも殺すことは容認できない」

 

「愚行だな」

「情報が漏れることは相手に対策を与えるのと同じことだ」

「そのような心持ちで国を守れると本気で信じているのか?」

 

「守れるよ」

 

蛍が力強い声で私に言った

 

「...その根拠は?」

 

「そうじゃなきゃ、トワリンを支配しようとしないから」

「西風騎士団やモンドの人たちが弱かったら、はじめからモンド城を狙うでしょ?」

 

「一理あるな」

「だが、トワリンが支配されたら?」

 

「そんなことはさせない」

「そうなる前に私たちがトワリンを解放する」

 

「そして、その情報を守るために此奴を殺すことは許容できないと言うのか」

「その情報を得て、彼らが解放を阻止する行動を取るとしても?」

 

「そう」

 

「やはり愚かだと言わざるを得んな」

「その考えは矛盾してるのではないか?」

 

「...正直、そいつの事は私にもどうだっていい」

 

「えっそんな」

 

カチャ...

 

「ヒィ!」

 

「お前は黙ってろ!」

 

「...では何故止めた?」

 

「...キムサッガッが、これ以上誰かを殺しちゃいけないと思ったから」

 

...

 

「は...?」

「何を言って...」

 

「きっと貴方はこれまで沢山の人を殺してきたんだと思う」

「もちろん、それは必要なことで決して無意味な殺人ではなかった」

 

...

 

「...でも、貴方は壊れた人間じゃない」

「まだ普通になれると思うんだ」

 

普通?

 

「それでも...このまま殺し続けたら、戻れなくなってしまう」

「壊れて、殺すことに喜びや快楽を感じるようになってしまう」

 

戻れなくなる?

 

「だから殺すのはもうやめて」

「私はまだ貴方に生きてほしいから」

 

...否、これは嘘だ

そんなわけはない

 

 

普通になれるなぞ

戻れるなぞ

...俺が、生きてもいいなんぞ

 

 

これは全て、彼女にとって都合の良い嘘だ

巧妙で狡猾な騙すための嘘だ

そう、思わなくては...

 

「.......r...」

 

蚊の羽音よりも小さい声を私の耳が掴んだ。

彼女たちの腕を振り切り、その首に向かって素早く抜刀する。

 

...が、あと一歩のところであの魔術師の姿は消えた。

 

「くっ...!」

 

「...やられたな」

 

「全く聞こえなかった...」

 

恐らく、私達が口論を始めた時から逃げられる瞬間を見計らっていたのだろう。

そして、私の気が動転したことに気づき、小声で詠唱を開始。

私の聴力でも辛うじて聞こえた程度の声...普通であればまず気づかないだろう。

そうして見事に私たちから逃げたのだ。

 

「あ、あの〜えっと...」

 

「...急ぐぞ、情報が漏れた以上、彼らが対策を講じるよりも早くトワリンを解放しなくてはならない」

「ジン殿、結晶の在り処に目星は?」

 

「あぁ、大体ついてる」

「これ見よがしに置いてある、あの宝箱だろう」

 

「よし、ではそれすぐに回収し、エンジェルシェアへ直行」

「ライアーを修復後、次の行動をウェンティ殿に仰ごう」

 

「キ、キムサッガッ...」

 

...少し静止した後、私はパイモンに振り返った。

 

「そ、その...怒ってはいない、のか?」

 

「...あぁ、そのような行動は只時間を浪費するのみに過ぎない」

「今は一刻も早く、この国を救うことが先決だ」

「そうだろう?蛍殿」

 

私がそう問うと、蛍は濁りのない真っ直ぐな瞳で

「うん」

と言った。




さて、またしてもギスギスしてきましたが、そろそろ修復していきます
とはいえ、蛍は割と修復できてるし、ジンはそんな崩壊してない...よね?
ちゃんと描写できてるよね?

そんなわけなんで、次はディルックです
パイモンはね〜なんだかんだ言って「まだ怖いけど、味方でいてくれるのは分かる」くらいのラインのつもりで書きました

とはいえ、読み返したときに違和感を感じることは多々あると思うので細かいところは後々修正すると思います
とりあえず、またサボる前に世に出します

次はいつになるかな〜まぁ気長にお待ちください
それじゃあ!

誤字・脱字よろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。