守れなかった剣は風元素で舞う   作:大鳥のランプ

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悩みましたが、モンド城に連れていくことにしました。

ちなみに旅人ですが、まだアンバーと出会ってません
多分今頃はパイモンを釣り上げてるんじゃないかな?
旅人と先生の出会いはもう少しお待ち下さい


自由の国モンド

異世界に来た...全く考えなかったわけではないが、余りに現実離れしすぎて無意識にその可能性を捨てていた。

まさか、図書館は位置だけでなく異世界にすら転送することができるのか?

 

...信じがたいが、その可能性はある。

現に私は...少なくとも都市とは違う世界に来ている。

 

「お兄さん?」

 

もしかすると、剣契の仲間も生きていて合流できるかもしれない。

 

「お兄さーん?」

 

否、この世界とはまた別の世界に...

 

「おーい!」

 

ハッとして、声のした方を向く。すると先程炎の矢を放った少女が心配そうな顔をしていた。

 

「だ、大丈夫?もしかしてヒルチャールが怖かったりした?なんか、苦しそうに唸ってたけど...」

 

どうやら深く考えすぎて声が出ていたらしい。

 

「いや、そういうわけではない。ただ考え事をしていただけだ」

 

「なーんだ!そうだったのね!」

少女はホッとした様子で胸をなでおろした。

 

「ところで、先程の赤い光と炎は?」

 

「えっ?お兄さん、神の目のことを知らないの?」

 

「神の目?」

 

「これのことだよ」

 

そう言って少女は、腰につけていた装飾品?を見せた。

 

これが神の目...赤いガラス玉のように見えるな。

よく見ると炎のような模様も見える。

 

「これを付けていると、元素の力を使えるんだよ」

 

「元素と言うのは先程の炎のことか」

 

「そうそう」

 

都市にも身に付けるだけで力が使える装備などがあった。

それと似たようなものだろう。

 

「付けるだけで炎を扱えるようになるとは...これほど便利なものとなると、相当値が張るのだろう」

 

「神の目はお金とかで手に入るものじゃなくて、『神に認められた者が神の視線を受けて手に入る』って言われてるんだよ。」

「それに元素の力は手に入れた()()()()()使()()()()の。だから売買とかも成立しないんだよね」

 

まるで特異点だな。

ただ特異点と違うのは本人しか使えないことと人の技術ではないことか。

 

「あっ!これ言うの忘れてた!

騎士団ガイドに書いてあったのに!」

 

突然、少女が声を上げた。

 

「モンドへようこそ!身知らず尊敬できる旅人さん!

ご身分と目的の説明をお願いします!

そうすると西風騎士団があなたの安全を確保します!」

 

なるほど、不審者等を発見したときのセリフなのだろう。

身分と目的か...

 

「私はキムサッガッと申す。目的は仲間と合流することだ」

 

ひとまずこれを目的に動くとしよう。

果たしてこの世界に仲間がいるのかもわからんが...

 

「キムサッガッさんね。私は偵察騎士のアンバー よろしく!」

 

「アンバー殿か、色々教えていただき誠に感謝する」

 

「いいの!いいの!気にしないで!」

「それより、仲間を探してるならモンド城に行ってみたら?」

 

「モンド城とはあそこのことか?」

池の中心にある街の方を向く。

 

「そうそう!あそこ!」

 

確かに情報は多ければ多いほどいい。

まだこの世界のことも分からないことだらけだ。

「では、行ってみることにしよう」

 

「じゃあ案内するよ!」

 

「いいのか?」

 

「うん、これも西風騎士の役目だから!」

 

そうか、よく考えれば身元のわからぬ者から目を離すわけにはいかない。

「ではよろしく頼む」

 

「はーい!こっちだよ!」

 

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アンバーに案内されながらしばらく歩き、モンド城の城門をくぐった。

 

「到着!モンド城にようこそ!」

「モンド城には、風神を信仰するための大聖堂やモンドで一番有名なお酒が飲めるエンジェルズシェアがあるんだ!」

 

「街の紹介もして貰えるとは、随分世話になってしまった。感謝する、アンバー殿」

 

「気にしないで、これが西風騎士の役目だから」

「じゃあ私はそろそろ行くね!風神のご加護があらんことを!」

 

「あぁ、また」

 

いい娘だったな、最初に出会ったのが彼女でよかった。

 

さて、ここからどうしようか。

目的ができたのはいいが情報が少なすぎる。

情報を求めに酒場に行くのも良いかもしれんが...

 

正直言って、今は酒を飲みたい気分ではない。

それに酒を飲もうにも、金を持ってな...

 

重大なことに気づいた。そうだ。

私は()()()()()()()()()()()()()()

 

まずいな...此処が都市のように金が重要な世界なのだとしたら。

否、そうでなくとも金は持っておいた方がいいだろう。

 

それから身分だ、身分がない人間はあまり快く思われないだろう。しかし、これらのことに時間をかけるのも...

 

これからのことに悩んでいると、若い男が近づいてきた。

 

そこの君!冒険者協会に興味はないかい?」

 

突然、声をかけられる。

 

「見れば分かる!その刀に体格!素晴らしい剣術を扱うのだろう!」

 

「剣術に自信はあるが...冒険者協会とはなんだ?」

 

「何!?冒険者協会を知らないのかい!?」

「冒険者協会とは冒険者に仕事や冒険の依頼を提供している組織のことだ」

「君みたいな体力や戦闘に自信がある人は冒険者に向いているぞ」

「もし冒険の話を聞きたいなら、冒険協会本部にいるサイリュス部長を訪ねてみてくれ!」

「素晴らしい冒険話がたくさん聞けるぞ!」

 

すごい剣幕で話してくるな...

 

冒険譚を聞くつもりはないが...冒険者になるのは良いかもしれない。

仲間を探すため、1箇所に留まるつもりは端からない。

それに都市でもチュノックン*1という似たようなものがあった。

私自身がなったことはないが、全く知らないものよりはマシだろう。

 

さらに言えば金も身分も手に入る。

ここまで自分に得がある話もない。

 

...しかし、ここまで得があるのは少々怪しい感じもする。

都市ならば、このような話に乗って騙されることもよくある。

もう少し話を聞いてみるとしよう。

 

...と思ったが先程の男はすでにいなくなっており、別の者に話しかけていた。

恐らく、冒険者協会に勧誘しているのだろう。

 

仕方ない、サイリュスという男を訪ねてみるとするか。

*1
S社でのフィクサーの呼称(諸説あり)




今更だけど、この小説読んでる人って多分ほとんどが原神から来た人だよな?

本編でも原神関連は説明してるけど、都市については全く説明してないし

そんなわけで、これから後書きでは都市について説明していきます(これ1話目からやるべきだったな)

今回は「都市と外郭」について説明しよう

都市というのは、キムサッガッ先生がいた元の世界では比較的安全とされてる場所のこと
外郭と比べて基本長生きできるし、人によっては安定した生活も送れる
しかし、人か死ぬのは当たり前であり、犠牲という名の虐殺は毎日行われている

外郭とは都市の外のことであり、そこには怪物がいると言われている
外郭にいる人間は怪物に怯えており、都市以上にあっさりと死んでしまう

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