守れなかった剣は風元素で舞う   作:大鳥のランプ

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ようやくメインストーリーが進みます
4話目でメインストーリー進むとか話の構成下手すぎんか?

あ、サブタイトルですが踏氷渡海真君から頂きました
あのときのガイアは絶対に敵だと思ってた


客人となるか新たな嵐となるか

グオォォォォォォォォォォ!!!

 

龍が咆哮する。

すると、それと同時に複数の竜巻が現れた。

 

 

「なんなんだありゃ!」

 

「逃げろ!」

 

 

迫りくる竜巻。逃げ惑う人々。

 

「!」

その中に竜巻に飲まれかけてる者が2人いた。

 

ダダッ!!

素早く駆け出し両手を伸ばす。

 

「うわ!」

 

1人の腕を掴み後ろに引き、そのままもう1人の手を掴もうとするが...

 

「あぁ!」

 

伸ばした手は空をきり、その者は竜巻に飲まれ上空へ飛んでいってしまった。

 

「くっ!!」

救えなかった者を悔やみながら急いで竜巻から離れる。

 

十分に離れ、竜巻を警戒しながら腕を離して話しかける。

 

「すまなかった、君といた者を助けられなかった」

 

「ううん、ありがとうキムサッガッさん」

「それにあの子だけど、きっと大丈夫だと思う」

 

最近聞いた声が聞こえ気づく。

先ほど腕を掴んでいたのは...

「アンバー殿であったか」

「それより、大丈夫というのは?」

 

「さっきあの子に風の翼を渡したんだ」

 

「風の翼?」

 

「あの背中についてる羽のことだよ」

 

空にある人影に目を向けると確かに羽のようなものが見えた。

アンバーと出会った時に彼女が付けていたものと同じものに見える。

 

「あれを付けてれば空を滑空できるんだ」

「それでも、()()()にぶつかったら大怪我しちゃうだろうけど」

 

あの龍は風魔龍というのか。

そんなことより、彼女の言う通りあの巨体に衝突すれば軽い怪我では済まない。

 

そう思い荒ぶる龍を見ると...

 

「苦しんでいる...?」

 

「えっ?」

「ほんとだ!風魔龍がなんだか苦しんでる!」

 

よく見ると空を飛んでいる者が龍に向かってなにか発射しているように見える。

あれは風の翼によるものか?

否、直感だがどちらかと言えば元素の力のように感じる。

しかし発射されているものは炎には見えないが...

 

グギャァァァァァァァァァァ!!!

 

もう1度龍が咆哮した。

先程の経験から竜巻への警戒をさらに強くしたが...

 

そのまま龍は去り、竜巻は消えていった。

しかし、曇った天気や暴風は消えなかった。

 

とはいえ、竜巻が消えたことで警戒を解き一呼吸した。

アンバーを見ると明らかにそわそわしている。

 

「あの子もしかしたら怪我しちゃったかもしれない」

「心配だし、私ちょっと行ってくる」

 

ぶつかった様子はなかったが、彼女の言う通りだ。

もしかしたらどこかを怪我した可能性はある。

 

「私も行こう」

「元はと言えば私が助けそびれてこうなってしまったのだ」

「それに怪我をしてしまったのならば簡単な応急処置くらいはできる」

 

どこへ行こうとも殺し合いの毎日だったからな。

仲間の手当てや応急処置など数えきれないほどやってきた。

 

「わかったこっちだよ」

---------------------------------------------------------------------------

 

走るアンバーについていきながら風の翼で降りてくる人物を観察した。

 

白を基調とした服を着ている金髪の少女。

一見しただけでは怪我をしている様子はなさそうだ。

 

ひと安心したところで意識を再度前に向けた。

 

 

階段を上り、巨大な女神の像の前に来たタイミングで少女が其処に着地した。

 

「大丈夫?」

 

アンバーが彼女に駆け寄る。

 

着地の瞬間に違和感はなかった。

それに呼吸も安定している。

特に怪我などはなさそうだ。

 

ところで先程から右方向に気配を感じるな。

 

 

パチ...パチ...パチ...

「巨龍と戦えるほどの力を持っているとは...」

「我々の客人となるか...それとも新たな嵐となるか?」

 

何者だこの男?

風格からしてかなり剣術に長けているな...

 

「ガイア先輩!」

 

アンバーの先輩...ということは西風騎士か

 

「ちょうどよかった、3人とも一緒に...」

 

「待て、アンバー」

「見たことないヤツが2人いるんだが?」

 

「あっそうだった」

「こちらはガイア先輩、わたしたちの騎兵隊長なの」

 

騎兵隊長かそれならばあの風格にも納得がいく。

 

「この人は...えっと、遠くから来た蛍さん」

 

この少女は蛍と言うのか。

周りの様子を見るに彼女はモンド人ではないのだろう。

 

「事の経緯はこう...」

 

 

なるほど、兄と離れ離れになってしまい、風神を探しにモンドに来たのか。

風神というのは宗教的な存在かと思っていたが、まさか実在しているのか?

 

「で、この人は...」

 

「私から言おう」

 

「私はキムサッガッと申す」

「仲間たちと旅をしていたのだが、はぐれてしまってな」

「彼らを探すためにモンドに来たのだ」

 

「なるほど、2人ともモンドへようこそ」

「しかし、こんな最悪なタイミングで来るとはツイてないな」

「俺にも分かるぜ、親しいものと離れ離れになるツライ気持ちがな」

 

...嘘はついてないようだが、どこか胡散臭さが残るなこの男

 

「何で風神を探しているかや、あんたらがどこから来たのか知らないが...」

「誰にでも言いたくない秘密はある、あんたらもその口だろう」

「ははっ、だから聞かないでおいてやるぜ」

 

そう言うとガイアは蛍の方を向いた。

 

「とにかく、騎士団を代表して礼を言うよ」

 

「災いを放っておけなかっただけ」

なかなか正義感にあふれている少女だな。

都市でこういう人間は殆どいない。

 

「さっきの風魔龍との戦いで守られた市民は全員お前の活躍を目撃した」

「代理団長も()()()()に興味があるみたいでな」

「騎士団本部までどうかきてくれないか」

 

まぁあれだけの活躍をすれば騎士団本部に呼ばれるのも当然だろう。

...ん?()()()()

「待った、私も含まれているのか?」

 

「あぁそうだ」

「あんたに興味があるのはどちらかと言えば俺だがな」

 

「なぜだ?街を救ったのは彼女だ」

「私はただ彼女の活躍を見ていただけの冒険者だ」

 

「ほぉ?市民が逃げてる中、人を助けようと竜巻に突っ込むのが()()()()()()だって?」

 

...見られていたのか

「分かった、そういうことなら行くとしよう」

 

「よし、あんたはどうするんだ」

 

「私も行く、モンドの人たちを放っておけない」

 

「そうだな、困ってる人達がいるし助けてやろうぜ!」

「...なんだ?何でおまえらは驚いた顔してんだ?」

 

「ははっ、いやすまん」

「マスコットかと思ったらしゃべり始めたんでな」

 

「おい!オイラはマスコットじゃないぞ!パイモンだぞ!」

 

「すまなかった、パイモン殿」

 

「お前もかよ!」

---------------------------------------------------------------------------

 

ガイアとアンバーに案内される形で騎士団本部に行き、そのまま代理団長のいる部屋に入室した。

 

「代理団長様、連れてきたぞ。」

 

部屋に入ると背の高い女性が2人いた。

 

1人は紫を基調とした服と魔女のような帽子をかぶっている。

もう1人は白を基調とした服とその上に青いジャケットを羽織っている。

ガイアの視線から見るに、後者が代理団長だろう。

 

そのまま、ガイアが事の経緯を説明し始めた。

 

 

私と蛍の目的。

蛍が風魔龍を退けたこと。

そして私が二人を助けようとしていたこと。

 

「...と、ここまでの経緯はこんな感じだ」

 

ガイアが説明を終えると代理団長が口を開いた。

 

「なるほど」

「モンドへようこそ、風と共に訪れし旅人よ」

「私は代理団長のジン、こちらはリサ、騎士団の図書館司書だ」

 

「あら、人手不足を手伝いに来てくれたのかしら?」

「ただタイミングがあまり良くないわ...」

 

 

リサとジン曰く、風魔龍が目覚めたことで現在のモンドはあまり良くない状態だと言う。

よくわからないが、暴風の影響で元素の流れと地脈の循環がひどく絡まっているらしい。

 

しかし、今回風魔龍が攻めてきたことで逆に災いを終結するチャンスができたようだ。

どうやら風魔龍は放棄された「四風守護」の神殿に残った力で暴風を起こしたらしい。

つまり、神殿に向かいその力を消す必要があるということだ。

 

そして、この問題が解決すれば仲間の捜索などもしてくれると約束してくれた。

都市の経験からあまり約束はしたくないが...

今は使えるものは使った方が良い。

それに此処は都市とは違う、あまり心配せずとも良いだろう。

 

 

ジンがさらに言葉を続ける。

 

「私たちの目標は、放棄された4つの神殿のうち、この3つだ」

「3つだけの理由については...みんなも分かっていると思うが」

 

分からんな。

 

だが正直言ってそこまで重要な問題ではない。

特に質問をする必要もないだろう。

 

「みんな、時間は限られている」

「暴風が猛威を振るっている今、守るだけでは意味がない」

「この災害がさらなる拡大をする前に、神殿の遺跡に向かおう」

 

 

話が終わり次第、私は神殿の場所をジンに質問した。

「申し訳ないが、この地図に神殿の場所を教えてくれんか」

 

「わかった」

「こことここ...そしてここだ」

 

「感謝する」

 

「それはこちらのセリフだ」

「この作戦に参加してくれて感謝している」

 

「この問題が解決したら仲間たちの捜索をしてくれるのだろう?」

「仲間たちの捜索は広い方が良いからな」

 

「もちろんだ、約束しよう」

 

「それでは失礼する」

 

 

質問を終え、部屋から出ようとした時。

視線を感じた。

 

振り返ると蛍がこちらを見ていた。




キムサッガッ先生「べ、別にあんたのためじゃないんだからね!」

謎にツンデレみたいになってしまいましたが違います
互いに好意などありません


それでは、都市紹介のコーナーです

今回紹介するのは「裏路地」について
ちなみにこちらも1話目に出てきた単語

裏路地とは巣において翼が管理していない土地のこと
そのため翼の恩恵は受けられることはほとんどない
また巣にそれぞれの掟があるように、裏路地にも多種多様な掟がある

しかし、「裏路地の夜」という午前3時13分からの80分間の間はすべての掟が機能しなくなり、裏路地は無法地帯と化す(元から無法地帯のようなものだが、正直言ってずっとマシと言える)

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