しかも、フィリップシンクレアに妖精イシュメール、赤い靴ロージャまで実装されるとは!
その上、ギフトが92種類追加されるとは!
こーれは最高のゴールデンウィークになりそうですね
ウェンティがどう盗むかを問うと、2人の表情が露骨に歪んだ。
彼はそれに気づいた上で、更に言葉を続ける。
「さぁ、話して」
「好きなだけ話すことこそ、自由ってものだろう?」
「...泥棒にはなりたくない」
「借りられないなら盗むなんて、何考えてんだよ!」
「あはは、2人共、それはダメだよ」
「真面目に言うとさ、ボクより蛍の方が向いてるんだよね」
「同感だな」
「仮に、盗難行為が発覚してしまっても、蛍殿ならば誤魔化せる可能性がある」
「ちょ、ちょっと待ってくれ」
「もしかして、おまえも盗むつもりなのか?」
「速やかに天空のライアーを手に入れるには、盗むのが手っ取り早いだろう?」
「無論、それ相応のリスクはあるがな」
「ちなみに、ここの守衛は昼になると見周りにくるから、盗るなら今の内だよ」
ウェンティがそう言うと、蛍は少し悩んだ末に承諾した。
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蛍とパイモンが盗みを行なっている間、私とウェンティは万が一に備え、外で待機する事になった。
月は雲に覆われており、周囲には灯りもないため、外は闇夜に包まれていた。
「それにしても、意外だったな」~♪
ウェンティは短めの石柵へ腰を掛けながら、ライアーを弾いていた。
「...」
「まさか君が盗みを働くことに積極的だったとはね」
「もしかして、ボクが言う前から考えてた?」
「...」
「おやおや、無視かい?寂しいなぁ~」♪♪
「そういえば、ボクちょっと行きたいところがあってね」
「構わん、行ってくるといい」
「おっ!いいのかい?」
許可された事に対してか、返答された事に対してか、ウェンティは少々大袈裟な反応をした。
「万が一、蛍殿が守衛に追われていても、この暗さならば私1人でも十分だろう」
「それに先程から呼吸が乱れている」
♪
「如何なる時であれ、身体の調子を整える事は重要だ」
一瞬、少年の身が震え、ライアーを弾く手が止まった。
それでも、声色に変化は感じられない様子で、悠々と話し続けた。
「いつから気づいていたの?」
「つい先程其処
「なるほど、さっき黙ってたのはボクの呼吸の音を聞いていたんだね」
ウェンティは石柵から降り、ライアーを仕舞った。
「それじゃあ、ボクはお言葉に甘えてちょっと休ませてもらおうかな」
「あっそれと、あの2人にはエンジェルズシェアに集合って伝えといてくれるかい?」
「承知した」
「それじゃあ、風神の導きがあらんことを」
その時、一際強い風が吹き、一瞬視界が笠によって遮られた。
視界が開けた時、詩人は消え、静かな闇夜と私だけが其処に残った。
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暫くすると...
「まずい!気づかれた!」
2人が差し迫った様子で大聖堂を飛び出した。
残念な事に、万が一が起こってしまった事は誰が見ても明白だった。
「此処は私に任せろ」
「2人はエンジェルズシェアへ向かえ、其処で集合だ」
私は端的に伝え、蛍に一瞥する。
蛍は頷き、再度走り出し、パイモンも其れに同行した所で、数人の足音と人声が聞こえ始めた。
笠を外し、懐に仕舞う。
「いたぞ!あそこだ!」
呼吸を整えつつ、彼女達を追わせない様に立ち塞がった。
「悪いが、先には行かせられん」
「何者だ!あいつらの仲間か!?」
守衛の数は3人...否、微かだが、まだ足音が聞こえる。
正確な人数は不明だが、一度に大勢を相手にするのは望ましくはない。
ならば...先手必勝だ。
刀に手を掛け、中央の守衛に接近する。
「!?」
守衛達は驚きながらも剣を抜こうと腰に手を伸ばすが、もう遅い。
シャッ!
「かっ...」
刀を抜くと同時に峰打ちし、1人気絶。
残り2人
ドカッ!
「ぐふっ!」
剣を抜こうとする手を掴み、胴へ蹴りを入れ、もう1人気絶。
残り1人
「く、来るな!」
キィン!
乱雑に振るわれる剣を刀で弾き
ガッ!
「うっ!ぐうぅぅ...」
ドサッ...
手で首を締め上げ、脱力した所で離す。
都市ならば殺したが、此処での殺しは間違いなく悪手、気絶に留めておくのが吉だろう。
一段落したのも束の間、直ぐに大聖堂より増援が現れた。
「おい!お前ら!...貴様、何をした!」
そして、倒れた守衛を見るや否や、剣を手に取り、激昂した表情で此方を睨んだ。
「其方らと同じく、只為すべきをしたまでだ」
今度は4人か...だが、蛍達を追える者は全員片付いた。
その上、足音も聞こえないのであれば、これ以上の増援が来る事もないだろう。
となれば、彼らまで相手にせず、逃げの一手でも構わんのだが...問題がある。
エンジェルズシェアの位置が不明なのだ。
本来であれば、蛍達に同行し向かう想定だったのだが...
彼女達と別行動になってしまった以上、自分でどうにかしなければならん。
「この野郎!」
仕方がない、出来る事ならしたくはなかったが...
振り降される剣を刀で受ける振りをし、横に避ける。
ガキィン!
感情に任せた剣は止まる事なくそのまま地面に衝突。
その衝撃より、守衛の身体は硬直し
ドッ!
その隙に頸動脈へ手刀を当てられ、気絶した。
「...っ!」
「気を付けろ!攻めるなら一斉にだ!」
残りの守衛は目の前の出来事に怖気づきながらも、警戒を強めた。
こうなった以上、この者達を無力化した後、エンジェルズシェアに向かうとしよう。
このまま逃亡するという手もあるが...目的地が不明な上、街の構造も知らないとなると得策とは言い難い。
その様な事を考えていると、守衛が声を荒げた。
「囲め囲め!絶対に逃がすな!」
その声を聞き、他の守衛は私の周りに移動した。
囲まれたか...だが先程と違い、個々が離れた。
ならば、各個撃破と行こう。
ダッ!
呼吸を整え、何もない空間に向かい走り出す。
「待て!」
ダダッ!
守衛達も走り出した所で、私は間近の者に方向転換、急接近した。
「なっ 」
ドッ!
「がっ...」
守衛が慌てて剣を構えるも、その隙に峰打ちが入った。
そして、気絶した守衛を掴み...
ブンッ!
他の守衛へ投擲した。
「は?うおっ!」
想定外の行動に守衛は反応出来ず、体制を崩し大聖堂にもたれ掛かった。
「おい!」
「余所見か?」
「ゔっ!」
もう1人の守衛が振り返った隙に一撃入れ気絶させる。
その後、まだ意識のある守衛に接近。
「ひっ...!」
体制を整えようとする守衛の頭を狙い、技を繰り出す。
ドス!
...刀を抜き、鞘に仕舞う。
殺気に当てられたせいか、或いは死を感じたのか、守衛は泡を吹きながら気絶し、その場にへたり込んだ。
一方で私は、漸く静寂を得られたものの、大聖堂の壁に穴が出来てしまった事により内心穏やかではなかった。
こればかりは私の仕業である事が発覚しない事を祈ろう。
何はともあれ、全員を無力化した。
早速エンジェルズシェアに向かうとしよう。
幸い、街はそれ程広くはない故、30分も経たずに辿り着けるだろう。
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大体20分が経った頃だろうか。
1つ分かった事がある。
西風騎士はたとえ夜間であろうとも、街の警備を怠らない様だ。
本来であれば、都市との相違点やその勤勉さに感動したが、今の状況では正直煩わしさを感じる。
もし、彼らの前でエンジェルズシェアに入店してしまえば、私だけでなく蛍達にも被害が及ぶ可能性がある。
私の失態で周囲が被害を被るなど...その様な事は2度とあってはならん。
つまり、彼らに気づかれずにエンジェルズシェアに入店しなくてはならないのだが...
!
歩みを止め、壁から覗き込む。
此処にも居るとは...
この様に行く先々に彼らがおり、入店は疎かまだ目的地の発見すらも出来ていない状態だ。
仕方ない、再度戻り...
ゾッ !
突然、背筋から気配が 否、この感覚は...敵意!
回転しつつ刀を抜き、背後からの攻撃を受ける。
ギィィン!
ズザザッ!
想定外の襲撃故か想像以上の衝撃を受け、後退りする。
相手を目視するも、その姿は影によって見えず、判明したのは武器が片手剣であると言う事のみだった。
気付かなかった、いつの間に接近を...!
「何者だ!」
先程見ていた騎士も此方に気付いたか。
これで、戦況は2対1...それも、1人は中々の
だが、あまり時間をかける訳にもいかん。
なるべく迅速に2人の無力化を...
呼吸を整えようと息を吸う。
その時だった。
「先程、西風大聖堂前で負傷した兵士を何人か見た」
つい最近聞いた声が耳を通った。
そして、雲の隙間から漏れた月明かりが
其処には、今最も遭遇してはならない人物が...
「君の仕業だな?」
...ジン代理団長が、剣を構えていた。
都市紹介のコーナー(ネタ切れしてきた)
今回は「フィクサー(チュノックン)と事務所」について
フィクサーとは、依頼さえあれば猫探しから殺人、戦争代理など何でも行う便利屋のようなもの
フィクサーにはハナ協会によって付与される階級があり、9級から1級、その更に上には特色という称号を持つ化け物もいる
事務所とは、ほとんどのフィクサーが所属している場所であり、基本的にフィクサーが依頼を受ける時には、事務所を通す場合がほとんである。
そして、フィクサーと事務所は都市にごまんとあるため、新しい事務所が増えることもその事務所が消えることもなんら不思議なことではない
また、優秀なフィクサーであれば、協会や翼に所属することができ、事務所に所属するフィクサーよりもよっぽど幸福であると言えるだろう(白目)
※S社において、フィクサーはチュノックンと呼ばれることが多い(追跡を得意とするS社のフィクサーの呼称という可能性もある)
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