休日に彼がうちの工房に訪れ、更には近所の子供たちの相手もあったその日の夜。
あたしはファッションに関してアドバイスをくれたジニアさんと、お礼がてらのビデオチャットをしていたのだけれど─────
「で?彼からの評価はどうだったの?」
「よかったわよ?おかげで助かったわ。感謝している」
「そっかー、そうだよねー。オトコノコはああいうの好きだもんねー」
「あたしはそういうコトは疎くて」
「それでそれで?どこまで行ったの?」
「なにを言ってるの?」
「キスぐらいはしたよね?それとも彼のほうがガマンできなくて最後までしちゃった?」
「な・に・を・言・っ・て・る・の・?」
「あっれー?あ、そっか草食系かー。じゃあ今度はガンライコウさんの方から誘っちゃいなよ!」
「さ、誘う・・・?本当に何を」
「簡単だよー、その服でちょっと前かがみになって胸元を見せたり、目の前でしゃがみこんでチラッと見せたらイチコロだって!大体ねー、オトコノコなんてのは・・・」
この人は本当に何を言っているのだろう。このあたしが彼のことを誘う???
こんな薄いカラダで男性をその気にさせろだなんて馬鹿馬鹿しいにも程がある。
そういうのはもっと大人っぽい子がやるものでしょう?
こんな発明しかないあたしが
あたしが 彼と
彼との仲が進展すれば、そのうちそういうこともするかも知れないのだと気付いた瞬間。あたしの発明家としてのアタマが一気にイメージを湧き立てる。
こんな時ばっかり高性能を発揮して次々と彼との情事を想像し、妄想として生み出してくれる。
発明の時はうんうん唸ってやっと欠片しか出さないクセに。
手汗がギュッと握ったスカートに染み込んでいく。確かにこの短さでは簡単に中が見えてしまう。
胸元だってこんなに内側まで見えてしまうのだと、今になって気付いた。ここに彼の視線が向けられる?
もしも、もしも彼に求められてしまったのなら─────
ジニアさんとの通話がいつ終わったのか、あれからどれぐらいの時間が経っていたのかも全くわからない。
あたしはイスに座ったまま、ただただ俯いて真っ赤になっていた。
人を好きになるって、こんなにも恥ずかしい思いをしなければならないのか。
あたしだって男女のことは知識としてあった。
でも自分が誰かとの行為を想像することなんて一度もなかった。けれど─────
「今日のあたしって・・・えっちだったのかしら・・・」
この調子で恋というものに耐えられるのだろうか、あたしは。