意味深ムーブTS転生者 作:げへかす
流石に今回でアビドスの話はお終いにしようと思います。
外見についてほぼ語っていませんが、語らない理由もほぼないのでここに記しておきます。
・側頭部から生えた羊のような渦を巻いた角。
・腰から伸びる蛇っぽい尻尾。直径3センチくらいの太さ。
・青っぽい長髪。
・長身(170くらい)でスレンダーな体型。
・胸は服の上から「ある」と分かるくらい。デカくはない。
ヘイローの形状は後書きにて。
瞼を開く、未来が
しかしそうか、そうなるのか。
思ったような結果ではなかったが、「揺らぎの結果」はおおむね俺の目論見はある程度達成できていた。
それを見た時に思わずガッツポーズをしてしまったのは仕方あるまい。ここ最近の一番の懸念であったのだから、それが解消されたとあればなおさらだ。
そして、その時視界に入った女の子の存在で、ふと我に返った。
俺の見る「揺らぎの結果」は、恐らく変えられない「決定した未来」だ。
「正史」からどれだけ引き離そうとしたとしても出来なかった「収束」のように、俺がそれを見てしまえば後から修正は不可能だった。
もしかすると、俺の「未来は変えられる」といった意識自体、間違っていたのかもしれない。
俺の持つ原作知識は正確に言うと、正しい未来や過去ではない。なにせそこに俺と言う存在は内包されていないからだ。いわば俺が持つ「未来視・過去視」は「揺らぎの結果」を除いて、「正史」の未来や過去を見ていたと言う訳ではなく「不確かな方向性」を見ていたのではないだろうか。
百合園セイア。
俺の未来視で得た「揺らぎの結果」に重なる形で映り込んだ、どう考えてもその場に存在しえない生徒。
もしかするとあの瞬間、俺はセイアが見るものに干渉していたのかもしれない。
セイアが見ているものは、俺が「揺らぎの結果」と呼んでいた今後絶対に起こる地続きの未来。俺が見ていたものは、原作知識に依存する世界の方向性で不確かな未来。「揺らぎの結果」は地続きの未来の方で、それ故にあの瞬間図らずもセイアに干渉してしまった。
そうなれば、より納得がいく。
原作知識こと「正史」の知識に関する未来視を除けば、俺の神秘はセイアの劣化コピーなのだろう。
「正史」とは元々の世界で、百合園セイアが見ていた収束の塊。
俺という存在がいる以上全く同じにはならないだろうし、生徒が絶望するのを黙って見ている気も毛頭ない。それでも「正史」であるセイアの見た夢として、限りなく「決定された未来」に近しいものなのかもしれない。
それ故にきっと、世界の方向性としてはかなり確実性が高かったのだろう。
百合園セイア様々だ。
「しまった……気持ちが乗りすぎた……」
とは言え、俺が今この現実で行っているのは反省文を書く作業。
カリカリとペンを動かす音、時計の針の音がリズムを刻むくらいで、未来視の可能性に百面相をしていた俺を助けてくれるようなものは存在しない。
思わず内心が漏れ出てしまった結果を消しゴムで消しながら、改めて反省文の内容を考える。
反省の大まかな内訳としては成果がなかったことが一番大きいか。トラブルを起こしたのは便利屋68側であるし、こちらの弾丸の消費は事務所に突入した子達の数発のみと上出来。おまけに事務所の爆破という事実は残るが人員への被害はほぼゼロ。
他に反省するならば単独行動をしたこと、巡回シフトをやや無理に弄ったこと、くらいだろうか。
前者は勢いに任せたというものもあるが、一応指名手配犯に頭を下げる風紀委員を誰かに見せるわけにもいかないので致し方ないだろう。巡回シフトも、恐らく正史通りにしておくと姿をくらましてしまうので、間違いなくアビドス付近に居るうちに接触を図りたかった俺としては仕方のないものだ。
とはいえ、規律を軽んじたのは事実な訳で。
「……そういえば、そろそろかな?」
ペンを置き懐からオペラグラスを取り出し、窓の外を眺める。
いつか使うと思って忍ばせていたオペラグラスだが、まさかこんな出歯亀目的で使用するとは思わなかった。しかしながら使い方としては合っているのでまあ良いだろう。
ついでに、待機させていた部下にも一応の連絡を入れておくことにする。
モモトークで先生からの応援要請が先ほど届いた。
俺自身はこのように一室で反省文を書き続ける謹慎中である身。応援要請に答えることは出来ないがヒナと話せるようにしておくと返し、現在仕事で席を外しているヒナの方にも「例の応援要請が来た」とだけ送信してある。
後は状況が動くのみだ。
ヒナに密談で明かした未来視の情報。
主に先生に関する情報をあらかじめヒナには伝えておきたかったので渡りに船ではあった。
ただ、分かりやすい能力の証明方法がないというのが、今まで人に明かしてこなかった理由の一つでもある。直近で起こりそうなことであり、かつ先生に関与する未来でちょうどこの応援要請の話をしていたからか、ヒナからも「本当だったようね」との返事を頂いた。
それで、例のシーンに繋がる。
俺は先生の着任と同時にゲヘナの風紀委員となったせいもあり、先生に関係する「正史」と同じような光景というものをあまりこの目で見ることはなかった。
せいぜいアコの暴走時に生徒を指揮する先生をちらりと見たくらいだ。
なので、あのシーンに非常に興味があったのだ、が。
「あ」
ヒナと一緒にイオリにも連絡しておけば、あのような変態的なすれ違いは起きなかったのかもしれない。
俺が風紀委員である以上そういう事が出来る立場であったことをすっかり失念していた。
まあ、俺がヒナに連絡をした結果先生をヒナが出迎えて、イオリが変なことを言う事もなく、先生が変なことをする事もなく、無事に終わってしまうのかもしれない。
それは、少し残念ではあるが。
「……まあ、いいか。って、あ」
より正確に言うと、その思慮はもう遅かった。
両者があまりにもスムーズに事を行った結果を見た。先生の生徒足ペロ事件、レンズ越しではあるがしかと見届けたぞ。
それにしても、先生と初めて会った時に確認したとはいえ、本当に生徒のこととなると躊躇はないらしい。やっていることが生徒の足を舐めると言う時点で、躊躇ってほしいものではあるのだが。
何て光景を見ていると同じく決定的瞬間の目撃者となり、顔を真っ赤にさせながらイオリを先生から引っぺがしたヒナに俺がこっそり出歯亀しているのがバレたようだ。裸眼であるのにはっきりと睨まれてたのをはっきりと感じた。
殺気というのはこういうものを言うのだろう。
キヴォトスの人間となり頑丈すぎて鈍感になりつつあった死への恐怖を久しぶりに感じたような気がする。
言い訳がわりに手を振ったが、モモトークでヒナから「謹慎延長」との連絡が来た。
「……これで、ホシノさんがお持ちの生徒としての全権利は、私の元に移譲されました。しかし、良かったのですか? 大切なお友達や先生に引き留められていたでしょう」
「大切なお友達、ねぇ。少し前まで、その友達を人質にしてたのはそっちでしょ」
「あくまでゼロではない可能性の話です。少し失礼…………はい、終わりましたよ。では、ホシノさん行きましょうか」
「……どこかの実験場とか、だったり?」
「メアさんの入れ知恵ですね。契約は完了していますし、この際私たちの――」
「“……ちょっと待った”」
「さあ、私と一緒に地獄の底までついてくる覚悟はできたかしら?」
「……くふふっ、アルちゃんならそういうと思ってた! じゃあ、いこっか!」
「地獄の底までお供します!」
「はぁ……。あれ、忘れ物だ……大将、ここに居た子って常連?」
「いや、見ない顔だったな」
「忘れ物にしては大きいわね、そのうち戻って来るんじゃない?」
「とりあえず中見てみようよ~! ……お、お金?」
「し、しかもこんな大金……あら、これはメモかしら?」
『便利屋68ならそう言うと思ってた。これは有効に活用してくれ』
「「「「…………」」」」
「他ならないヒフミさんですし、全てお任せします。細かいことは私の方で」
「わ、分かりました……」
「愛は巡り巡るもの……ヒフミさんがいつか私に愛をお返ししてくれる時を、楽しみにしていますね」
「あ、あぅ……」
「ふふっ。間違いなく「シャーレの先生」には借りを作っておいた方が良さそうですから……それに、あのゲヘナ学園一の変わり者と少しでも接点を持っておきたかった所ですし」
「もしかして、メアさん……ですか?」
「ええ、ヒフミさんはお知り合いでしたか?」
「以前、ブラッ……ごほん、……ぶら、ブラブラ歩いてるときに出会ったんです。何かと爆発に巻き込まれるらしく、不思議な髪型を……」
「か、髪型……?」
『アビドス自治区内の住人避難完了しました。主戦場でなるであろうアビドス高校の周辺にもう住人はいません!』
「よし、これで好きに動ける。PMCが相手となると相当厄介だしね。腕が鳴るよ」
「あ、あくまで意趣返しよ。意趣返し!」
「でも、向こうも相当な準備をしているみたいですからね~。応援を呼んでおいて正解でした」
『それにしても、カイザーPMCはあれほどの軍隊をどうしてアビドスの砂漠に……? メア先輩は何か知っていたんでしょうか』
「……ホシノ先輩以上に分からないことばかりだし、考えても仕方ないわよ」
「ん、メア先輩がやる事には大体意味がある。今回だって事前に動けた」
「そうだけどさぁ……」
「あの、忌々しい陰謀家がいたところだ! 可能な限り兵力を投入する!」
「……畏まりました。対デカグラマトン大隊はいかがいたしましょうか」
「それもだ! 奴のせいで新事業や新部署がいくつも駄目になった! あの陰謀家が居なくなったとて安心は出来ん、通る道全てに罠があると思え!」
「はっ」
「これでだ……! これで、やっと私の、私の計画が……!!」
先生がだいぶ早く黒服と接触し爆速でホシノの契約をなかったことにした結果、対策委員会側にまだ正当な自治権がある状態のなか、黒服から契約完了のことしか知らされていないPMC理事が施設破壊等の強硬手段に出ることになり、対策委員側もまあPMC理事をそこまで後腐れなくぶん殴れる(金利跳ね上げの意趣返し)かなって……。
PMC理事が恨みやら警戒やらで対策委員会だけで対処できそうもない数の兵力を投入しているので、各陣営に応援を呼んでいるということに。あと陰謀家って呼び始めたのは理事。
破綻してないかな……大丈夫かな……。
作中で明かせる気がしないので主人公の元ネタを。
・悪魔アモン
「ゴエティア」では序列7位の40個軍団の悪魔を配下に持つ侯爵。
「悪魔の偽王国」では、君主の中で最も強靭とされる。
口元から火を吐き、過去と未来を教え、人同士の不和や和解をもたらす。
(蛇のような尻尾、未来視過去視の能力、人を使ってやりくりする力、陰謀家と恐れられる力、頭が爆発する力、体の頑丈さはここから)
・アモン(アメン)神
古代エジプト神話の太陽神。元は大気の守護神であり豊穣神。
悪魔アモンの元ネタ説がある。
名前の意味は「隠れた者」を指し、豊穣の動物である雄ヒツジはアメン信仰を象徴する動物と言われる。
(名前、羊のような角、アビドス留学経験、守護の神秘がここから)
ほぼ100%Wikipedia情報なので正確ではないです。
ヘイローは、悪魔アモンのシジルとアモン角の羊を合わせた感じのデザインをイメージしています。
アビドス編の顛末はメアもきっとみんなから伝え聞くでしょうが、ここで一旦お終いです。もし続くなら、他者視点、掲示板回、話の続き、のどれかになるでしょう。
私の頭が弱々なので書けるか分からんですが。
お気に入り登録や感想、評価とても嬉しいです。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
もし続けられそうであれば、今後もよろしくお願いします。
(トリニティ陣営部分は続きを書く可能性が出てきたので戻しました)
シナリオ
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可能な限り本編通り
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ほどほどに逸脱OK
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滅茶苦茶にするべき