とある万華鏡の魔法少女   作:古明地こいしさん

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5 完全記憶能力

「んん...あれ...?」

 

目覚めると身体が物凄く痛かった。そうだ、私慣れないところで寝てたんだもんね

周りを見るとみんなもう起きていた

 

「おはよう、イリヤ」

 

「うん、おはようミユ...」

 

ミユに挨拶する。慣れてるはずなのに、慣れない気がしたのはきっと違う世界だからだろう

 

「そ、それにしてもお酒臭いよね...」

 

「それくらい我慢しなさいよ。泊めてもらってるんだから」

 

クロに注意されちゃった。まぁしょうがないよね

欠伸を噛み殺しながら伸びをする

 

「あれ?ルビー、何してるの?」

 

『インデックスさんにこの世界の魔術を聞いていました。概ね理解できたのでご報告を。まずこの世界の魔術は我々の世界の魔術とさほど変わりはありません。ですが根っこの部分が違います。我々の世界では魔術回路が無ければ魔術を使えないのに対してこちらは道具...礼装や手順、儀式にそったやり方さえすれば誰でもできるという恐ろしいものです。これは協会側は黙ってないでしょうね』

 

「そうなんだ...それって、この世界でだったらルビー無しでも私も魔術が使えるってこと?」

 

「イリヤは魔術回路ってのは無いの?」

 

『いえ、イリヤさんにはれっきとした魔術師です。魔術の家系で生まれ、育っているのでアイリさん方も魔術師ですから魔術回路はあります。もちろんクロさんにも同様のことが言えます』

 

...ミユは?と思ったけどあまり聞かないでおこう

 

「貴方たちもご飯いりますか?」

 

『あ、いえ、私達は食事を必要としませんので...というかステッキを生き物としてカウントする貴方の考えはいかがなものかと』

 

ルビーがご飯食べてるところ想像できないよ

それからコモエ先生が出してくれたご飯を食べ、先生は学校に行ってしまわれた

 

「それにしても連中、インデックスの頭の中の魔術本が目的とは...」

 

『うーむ...どうにも引っかかるんですよね』

 

「何が?」

 

『いいですか?イリヤさん。思い出してください。昨晩戦った人間モドキの言葉を』

 

「言葉?むむむ...」

 

何か言ってたっけ...

 

『ほら、魔術師ともあろうものが情に訴えてたじゃないですか』

 

あ、そっか。私を殺したくないって

 

「でもそれとルビーの引っかかる事って?」

 

『イリヤ様、10万3000冊の魔導書の知識を得られるなら魔術師ならどんな命を奪っても手に入れたがる...魔術師とはそういう存在なのです。ですがそうはしなかったという事は恐らく』

 

「別の目的があるって事ね。インデックス、心当たりは?」

 

「うーん、そう言われても分からないんだよ。私は目が覚めたら日本にいて、何も覚えてなかったから」

 

「それって記憶喪失ってやつ?あれ?でも記憶喪失なら魔導書の知識とか忘れるんじゃ」

 

『いえ、恐らくインデックスさんが失った記憶は思い出でしょう。インデックスさんは完全記憶能力の持ち主ですが、人間の脳というのは複雑なものなんです。簡単に説明するならばタンスですね。色んな引き出しに閉まってある1つの棚が消えてしまった』

 

「な、なるほど...」

 

わかりやすい、流石ルビー

 

「ねぇ、イリヤが昨日変わった姿、あの神秘的な力は一体なんだったの?」

 

「えーっと...ルビー、これって話して大丈夫なのかな?」

 

『ダメでしょうね。カードの詳細は魔術協会が分かってない状態。そんな中、我々3人はそれを行使できる。ホルマリン漬け確定ですよ?』

 

「でも私達の知識だけじゃ全て解決なんてできないわ、それにうち3枚、セイバー、ランサー、ライダーはバゼットが持ってる。私達はキャスター、アサシン、バーサーカー。そして私のアーチャーで実質使えるのはキャスターくらいよ」

 

強いやつだけ持ってかれてたの忘れてた!!?

 

「なぁ、そのカード?ってなんだ?セイバーやらランサーとか...」

 

『仕方ありませんね...突如我々の世界に現れた謎のカード。イリヤさん』

 

「あ、うん。はい」

 

「キャスター...魔術師って意味合いだね。他の名前を日本語に訳すとセイバーは剣士、アーチャーは弓兵、ランサーは槍兵...なるほど、大体分かったんだよ。イリヤが使ったのはキャスターで、ゴーレム、空間転移、雷撃魔術。これらで当てはまるのはギリシャ神話に相当するもの、そしてその中で有名所と言えばヘカテー辺り、それらで最も近しい人物は....」

 

『はい、インデックスさんの仰る通り、裏切りの魔女メディア。英雄ですがこれはどちらかというと反英雄ですね。そしてそんなものはこの世に存在するか危うい中、このカードはその存在をあるというものにしてたらしめている』

 

「おいおい...ギリシャ神話ってホントに神様の話になってんじゃねぇか...」

 

私達、そんな危ないのと戦ってたんだよね。よくよく考えたら危険所じゃ済まなかった話

現実逃避したいよ

 

『今晩にでも外に出向いて敵との交渉に望んだ方がよろしいかと。話は私とサファイアちゃんがします。皆さんよろしいですか?』

 

全員が頷き、そのまま夜を待つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ホントにここでいいの?というか人が」

 

「人払いの結界が張られてるね、これはルーン魔術...とうまが刻印を触れば解除できるけど」

 

「お膳立てしてくれてるんだ。わざわざ壊すような真似できねぇよ」

 

2人、闇夜に紛れて歩いてくる

赤髪の人と昨日戦った人

 

「外にこうして出てきたという事は彼女を差し出すと?」

 

「その前に話があるんだよ。頼むぞ」

 

『専門外なら黙っててもらって構いませんのに...では。まず我々は魔術師...そう捉えてますね?』

 

「ええ、昨日の戦い、あれは紛れもなく魔術師のものだった。そこの彼は違いますが、そこの少女3人はそうなんでしょう?」

 

『はい。我々のマスター達はそうですがまず我々にインデックスさんの持つ魔術本をどうこうするつもりはありません。したいところですが我々にはやるべき事があるので』

 

「...やるべき事...か。それは僕達も同じだ。彼女の記憶を消さないと彼女が死んでしまう」

 

『....は?』

 

えっ、記憶を消さないと死んじゃうってそんなもの...えっ

 

「ルビー?どういうこと?」

 

『それは10万3000冊を記憶した代償という事と認識して構いませんでしょうか?』

 

サファイア...

 

「いいや、彼女は完全記憶能力の持ち主だ。それは聞いてるだろう?そのせいで彼女は1年分の記憶しか持ち越せない」

 

『なーに言ってやがるんですかこのトンチンカンは?』

 

『はい。理解に苦しみますね』

 

「10万3000冊もの魔導書を記憶してるんだぞ!?それが、そこの...インデックスの寿命を『はいストーップ』...」

 

『ではここで生物の授業を開始したいと思いまーす!』

 

「「は?」」

 

『イリヤさん達にも再度説明しますが脳は極めて複雑です。少しの刺激で何が起きるか分からないほど、ですが覚える、忘れると繰り返す事で人間は脳のキャパシティ、容量をオーバーしないようコントロールしてると、あなたがたはお考えですね?』

 

「ああ、そうだ」

 

『これは根本的に間違いがあります。まず完全記憶能力者、それがインデックスさんだけだとお思いですか?もしそう考えてるのなら脳内お花畑もいい所ですよ?』

 

「どういう事ですか?」

 

『他に完全記憶能力者がいたとしましょう。ではその者の寿命を答えよ。

①10代前半

②20代まで

③30代まで

④他の人間と大差なく生きられる。どれだと思います?』

 

「まさか」

 

相手の動揺が見えた。なんか虐めてるみたいで気が引けるけど...

 

『はい。その通りです、記憶するに当たって重要なのは意味記憶、エピソード記憶の2つがあるという事。これらは重要なものと重要でないものを分けているのです。さしあたっては意味記憶は物の意味、インデックスさんの中にある魔導書も含め、生きる上での生活方法などです。そしてエピソード記憶はそのまんまの通り、思い出として記憶する棚です。イリヤさん達には説明しましたがタンスを思い浮かべてください。あの引き出し全部全部に入れていけるということです。タンスに無造作に入れるより物は分けていれますでしょう?衣類、工具など』

 

「では...インデックスの記憶を消す必要があるなんて」

 

『はい。全くのデタラメです。嘘、ブラフ、ハッタリ。騙すための口実ですね。大方インデックスの保護者さんか何かがインデックスさんの知識を悪用されないようにするため、彼女を縛ってたんでしょう』

 

「そん...な...」

 

「神裂!早く確認を取らなければ!」

 

「おいおい、お前ら、ここまで聞いて、お前達の親玉がはい嘘でした。消さなくても大丈夫です。なんて言うと思うのか?今まで騙し続けてた野郎が」

 

「っ」

 

なんだか呆気ない幕切れと言えばそれで終わるけど...

 

「まぁなんだ。これでアンタらもインデックスを傷つけずに済むんだ。満足じゃねぇのか?」

 

「良かったね、インデックスさん」

 

「うん。ありがとう、ルビー、みんなも!」

 

「私達は何もしてないのだけれど...ま、感謝されるのならいいわ、それよりもインデックスの記憶を消さないといけない理由、他に考えられるとしたら」

 

「...鎖...ううん、首輪?とにかく逃げられないようにするためにインデックスさんの運命(Fate)の鎖を断ち切らないと。それができるのは...」

 

ミユの言葉でみんながトウマさんを見る。トウマさんは全員を見たあと驚いて

 

「俺!?」

 

「貴様のふざけた右手しかないだろう。だが待ってくれ、こちらも少し調べたい、明日の夜零時、またここで落ち合う。インデックスの解放はそれからだ」

 

「...あぁ、分かった。みんなもそれでいいか?」

 

全員が頷く。そのまま解散となりコモエの家に戻ると...コモエに夜遊びするなと怒られた。理不尽だぁ...

クロのキス魔はどこまで?

  • イリヤだけ
  • イリヤと美遊まで
  • 科学組巻き込む(御坂組み)
  • 魔術組みだけで
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