〜全てを覚える〜俺のタスクアカデミア   作:モモンガ様を見守り隊

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今回は久しぶりの達人視点です!
それでは、どうそ!


インゲニウムというヒーロー

 

…気になる。

何がってアイツら、雄英?のヤツらだ。何か、そう、俺の欠け落ちた何かを埋める気がする。もちろん気のせいかもしれないけど…

 

でも、気になる。そう思った時には黒霧にここに送ってくれるよう頼んでいた。

 

 

 

「…ッ!一体、なんなんだ」

 

気付けば氷が俺に迫ってきていた。

バレたか!そう思ったのも束の間、観客席から歓声が沸き上がった。

 

…俺に向けてじゃないのか

え、じゃあなんでこんな高さにまで攻撃仕掛けてくるわけ?ここ、ドームの開いた天井の上みたいなとこにいるのに、おかしくない?

 

「おーと、またもや轟の広範囲無差別凍結だ〜!!」

 

そうだとしてもここまで氷が来るのはやりすぎだろ…不器用なんかな?

 

「それを…避けた!避けたぞ!発目がなんと轟の猛攻を紙一重で避け続ける!」

 

 

氷を避けて会場を見てみる。

すると、そこには全身をアーマーで覆った人物と先程この惨状を引き起こしたであろう白と赤の髪の男が戦っていた。

 

男は動かず攻撃をし続け、アーマーの奴はそいつの周りを氷を避けながら縦横無尽に動き続ける。

 

…なんだあの動きは…最低限の動きで全ての攻撃を避けている。

 

あれだ、あれこそ俺の求める『タスクマスター』の動き…アレを模倣出来れば…

 

 

きっと、浮かれてしまったのだろう…生まれてから大した時間を過ごしていなかったが、そんな中で自分がこんなにも模倣したいと思った動きはこれが初めてだったのだ。

 

 

だからさ…仕方ないじゃん…

 

「…アァ!?何が仕方ねぇって!?クソが、いつも偉そうにするくせに独断でガキども見に行って、更にはそいつらとやり合ってきたダァ〜?ああ、クッソ!」と荒れながら首元を掻きむしる。

 

…ううむ、何も言えん…だが、あれだって一応お前のためなんだぜ?

 

「ガキに見つかって雄英の防衛を強化させんのがか?」

 

う…でも、あの動きをトレースできたのはデカかったぞ!

 

「ハァ!?テメェみたいな雑魚が少し使えるようになったからって意味ねぇだろうが!」

 

 

うぅ…だから謝ってんじゃん…

 

「まぁまぁ、死柄木、彼も反省してるようですし…」と黒霧が宥める。

 

 

「クソッ!ただでさえイライラしてんのによ〜ッ!」とさらに激しく首を掻く。

 

「お、おい…そんなに強く掻いてると、血、出ちまうぞ?」と弔の手首を掴む。

 

「触んじゃねぇッ!!」と手を振り払う。

 

「…すまねぇ、次から気をつける。」とだけ言い残しBARから出る。

 

 

特に行くとこなんてない…

だが、あのまま、あそこにいるのは居心地が悪すぎる。

 

外にある大きなスクリーンにデカデカと『雄英体育祭、乱入者によって急遽中止!!相次ぐ襲撃、雄英のセキュリティに高まる不信感!!』と書かれていた。

 

 

…雄英には申し訳ないことをしたな…まぁ、反省はしないが…

 

そんなことを考えながら歩いて、歩いて、ただひたすらに歩き続けた。

ああ、そうだった…

仮面を…付けなくっちゃ…

 

 

「…ッ!君は…か!?なぜこんなことを!」と言う諍いが聞こえた。

 

…なぜだか、行かなくてはという使命感に駆られる。

 

声のする裏路地を見てみると包帯を巻いた薄汚いヴィランと白いヒーローが向かい合っていた。

 

その姿は○○みたいだった。

そういえばインゲニウムが元ネタだったんだっけ?

 

…は?俺は何を言ってるんだ?

俺はいつこのヒーローを知ったんだ…?

 

喉に小骨が引っかかったような違和感が拭いきれない…なんだ、なんなんだ…

 

「お前らも…全て粛清対象だ…」

 

その声とともに戦闘が繰り広げられる。

と言っても、それは一方的な暴力でしか無かった。

 

明らかに手慣れたヴィランはアクロバティックな動きで白いヒーローを切りつけていく。

 

 

それでも諦めずに走り続ける。

しかし、突然、ヒーローが転んで動かなくなった。

 

「名声だの…金だの…お前らみたいなのがヒーローなわけないだろうが…ヒーローはただ一人、オールマイトだけだ。」

 

「俺を殺していいのは、彼だけだ。」そう言って刀を振りかぶる。

 

不味い…助けなくては!

そう思った時には既に身体は動いていた。まるで初めからそのつもりだったと言わんばかりのスピードだった。

 

とりあえず、助けるためにヴィランに蹴りかかる。

 

まぁ、そりゃ避けるわな…

 

「お前はなんだ…」

 

「さあな、お前に名乗る名などない…」

 

「…」

「…」

 

…カッコつけすぎたか?

 

一瞬の静寂の後、後ろからパトカーのサイレンが聞こえてくる。

 

「…チッ!仕方ない…別のヤツにするか…」とだけ言い残し逃げていった。

 

「…何言ってんだ、あいつ…」

 

「…君、助かったよ。すまないね、ヒーローを助けてくれて。俺は今、前が見えないが命の恩人であることに変わりは無い。なぁ、名前を教えてくれないか?」

 

「大したことじゃない…ただの気まぐれだ… 」と断りをいれる。

 

「…はは、ほんとに情けないね…助けなきゃ行けない市民にヒーローが助けられるなんて…」と自身を卑下する。

 

「いや、アレはどう見ても手練だっただろ。アレに勝つってなったら相当強くないと無理だろうしな。仕方ないだろ。」とフォローしておく。まぁ、実際、俺が戦っても、負けることはないだろうが手間取るだろうとは思うしな。

 

「それで…名前は教えてくれないのかい?」…チッ!有耶無耶にしようと思ってたのによ!

 

 

はぁ、まあいっか

 

「た…いや、タスクマスターだ。」

 

「タスクマスター?もしかして君、ヴィランテだったりするかい?」

 

「…ヴィランテ?いや、俺はただ本名を言いたくないだけだ。」と言いつつ、元々なぜ出歩いていたのか思い出し、ちょっと憂鬱になった。

 

「…はぁ、なんでこんなことしてんだ、俺…まぁいいか、じゃあなインゲニウム、次は…そうだな、サインでもくれ。」とだけ言い残し大通りに出る。

 

 

これ、弔にバレたら反省してないだろって怒るかな?

…だがまぁ、いいか…『助かった』か…

 

いい気分転換にはなったな…

 

 

 

 

 

さてと、まず、第一声はどうするか…

"ごめん"かな?いや、それよりも"次はしない"か?

 

うーん、いや、もういいか。これ以上悩んでてもしょうがねぇ!当たって砕けろだ!

 

 

そう思い、BARのドアノブを触れる。

 

中に入り、すぐに…

 

「弔!さっきは…」

 

「…クソがッ!あの野郎!せっかく傷が癒えてきたってのによッ!」と荒れていた。

 

出鼻がくじかれる思いとともに、まぁ、さっきよりマシかとも思い、

「あ〜、黒霧、何あったの?」と今の状況を知りたくて説明してくれそうな黒霧に聞く。

 

「実は…」

 

「はーん、それで2人ともやられてこんなことになってたんだ。ったく、俺を待っときゃいいものを…」

 

「ッ!てめぇ、どこ行ってたんだよ!お前がいなかったせいでこっちはこんなにボロボロなんだぞ!」と突っかかってくる。

 

 

「ちょっと気分転換に、そっちは随分と最悪な気分転換だったようだな。」

 

「てめぇ!殺すぞ!」

 

 

「落ち着けよ、それで?これからどうするつもりなんだ?頼みのステインは協力するどころか目をつけられたんだろ?」

 

「ああ、だからアイツを俺たちが利用してやる。ハハハ!大先輩の矜恃を叩きおってやる!」と楽しそうに言う。

 

「おいおい、大丈夫なのか?俺らの目的はヴィラン連合の拡大だろ?」

 

「ああ、アイツを使えばより広まる!」とおもちゃで遊ぶ子のようにこうなるだろうと、信じて疑わない顔をしている。

 

…はぁ、ほんとに大丈夫かな?

 

 

 

 

 

 

 

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