〜全てを覚える〜俺のタスクアカデミア 作:モモンガ様を見守り隊
たまには明るい話をと思い書きました!
では、第8話どうぞ!
最初に彼、真根田達人に出会ったのは小学生のときでした。たつひと君とは、小学校の入学して初めての席で隣になり仲良くなりました。
初登校の帰りに同じ方向だったということで一緒に帰るも、まさかのお隣さんだということが判明しました。それから毎日一緒に登校や下校をして、たまに私がたつひと君の家に遊びに行ったり逆に家にたつひと君を連れてきたこともありましたね。
3年生になる頃、父と母の研究室を見学させてもらう機会がありそこで見た発明をしている人たちがとてもキラキラしてて、父に聞いたところ人を救う発明をしているらしく、それに彼らはみんな自分の発明品を我が子のように愛しているんだと教えてもらいました。
…私もこんな人たちみたいに誰かを救える発明ができる人になりたい!
それが齢9歳にして私が憧れたものだったのです。
研究者だった父も母も娘が自分たちと同じ道を進もうとすることを止めはしませんでした。きっとそれは、自分たちと同じく発明をするという大きな情熱を私の目に見たからなのでしょう。
…まぁ実際たくさん発明をしてみせるという気概は持っていたので両親の観察眼は鋭かったということなのですが…
そして私は親からのあついバックアップのおかげですぐにいろいろなベイビーを作ることができるようになりました。記念すべき初のベイビーは、もちろん、たつひと君に見せました。
そして私の(ベイビーの動作確認の)初体験をたつひと君にあげました。
その結果、たつひと君はベイビーの暴走により大爆発に巻き込まれちゃいましたけど…
…その後どうなったのかって?上半身裸になったたつひと君が怒りながら私にもっと安全なものを作れと言ってきたぐらいで済んみましたしね。多分ここからでしょう…たつひと君なら壊れない実験台だと思い始めたのは…
ある日、なんでそんなにたつひと君の身体が丈夫なのか聞いてみました。
するといつもより嬉しそうな顔をしながら自分の夢を語ってきたのを覚えています。
「俺はさ、憧れているんだ。」
「あこがれ?」
「そう憧れさ。ちっちゃな時から『タスクマスター』に憧れてたんだ。」
「タスクマスター?」
「そうタスクマスターだよ。タスクマスターはね、俺の夢なんだ。タスクマスターならきっとたくさんの人を救えるんだ。力のない人、声も出せないほど弱りきった人、部屋の隅で泣くしか出来ない人、そんな人達にも勇気を与えられる。画面の向こう側にいたあの人に憧れた自分のように希望を与えられるヒーローに俺はなりたくって身体を鍛えまくってるんだ。まぁ、その結果今みたいにお前の実験用モルモットみたいになってるんだがな!」
「そうなんだ…たつひとくんはもう自分のなりたいものを見つけてるんだね!」
「そ!そういうことなんだよ。…それでさ、今日は何しに来たんだ?」
「えっとね、今日はたつひとくんといっしょにね、ベイビーを作りたいの!」
「…つまり、俺に機械のいじり方を教えてくれるってことか?」
「そう!たつひとくんもできるようになったらいっしょにベイビーづくりができるから!」
そう、私はこの時、たつひと君にも私と同じようにできるようになってもらいたくて色々専門的なことを教えたんですよね…
ほんとにたつひと君は教えをスポンジのように吸収して私と同じくらいまですぐにできるようになったからこれが当たり前なんだと勘違いしてしまったりもしました。
おかげで、パワーローダー先生に会うまでこれが当たり前だと勘違いしっぱなしだったんですからね。全く、人騒がせな幼なじみですね。
そうして、小学5年生で私のように機械をいじれるようになったたつひと君と色々作りました。まず、蜘蛛の糸のように粘着力があり頑丈で人の体重ぐらい支えられる糸を出せるガジェットや私とたつひと君が5年もかけてやっと完成させた私たちのベイビー、その当時の最高傑作であるナノテクノロジー、きっとこれが私がしたかった人助けの第一歩なんだと思いました。
これがあれば、私たちのようにあまり戦い向きではない個性や無個性の人々もヴィランから身を守ることができるようになり、それにたつひと君の夢に一歩近づくようです。
このベイビーはどうやら現代では革命的な発明だったらしくこれによって現代のナノテクノロジーが加速するかもしれないようです。
父がこの発明の特許を取ってくれました。この取り分はたつひと君と半々にするようで向こうの親との交流もあったおかげかスムーズに行きました。その後、お互いよく頑張ったとパーティーなんかもしましたね。
このベイビーのおかげで私は受験生ながらも既に雄英に推薦で入学が決まりました。
ちなみに私はサポート科で、たつひと君は夢のためにヒーロー科に行くことになりました。…私としてはたつひと君とサポート科に行きたかったのですが…たつひと君の夢のためなら致し方のないことですね。そうして、たつひと君も雄英に主席で合格して晴れて2人とも入学しました。
私はサポート科としてすぐに研究室に連れていかれパワーローダー先生の元で色々な発明をしました。…やっぱりたつひと君とベイビーを作りたいな…そう思う日々を過ごしながらたつひと君のつけたリングに付いたカメラで集めた記録を見て破損部位もしくは不便な点をたつひと君が使うことで実践演習をしてもらい改善を重ねました。
…やっぱりたつひと君はカッコイイですね…ひとりで2人を相手取ったり、相手が可能な行動範囲をどんどん狭めて単調な動きにするなんてとても非戦闘員の私にはできませんね。
ですが、データとしては最高のサンプルです。この動きを最近私が作っているAIにトレースして誰でも同じような動きができるように改良する、それが私の夢の実現になると思いました。
…そして、その日は来ました。
いつものように発明をしながらたつひと君が何をしているのかリングのカメラから見ていると、USJに入るところが映されていました。すると、突然カメラから通信が途絶えました。
…これはおかしい、なぜなら私の作ったリングは、通信妨害程度ならば貫通するように作られていました。それが使えなくなるとすればそれはEMP攻撃でも食らい一時的にリングの通信機能が使用不可能にさせられているぐらいでないとおかしいのです。
そんな機能がUSJにあるのだろうか…
嫌な予感がして、パワーローダー先生に聞いてみたところそんな機能はUSJにはないそうだ。本格的に嫌な予感がした私は先生にその事をいい状況確認を急ぐよう伝えました。
その十分後にパワーローダー先生が急いでこちらに来て私たちにUSJにヴィランが来ていることを伝えました。
その瞬間私は生まれて初めて思考が真っ白になりました。本能がいえ、私の第六感が、嫌な予感がする!と訴えかけてくるのが分かりました。
とりあえず、終息したので落ち着くように言われましたが、拭え切れない不安感に私は手が動きませんでした。
心配になり戻ってきたA組のなかにたつひと君がいないか確認しに行きました。
随分と酷い惨状でした。担任の先生は重症を負い緑髪の子は血まみれでした。
そして、私はたつひと君を探し続けました。探して探して探して探して探して探して、最後には大声で「たつひと君はどこにいるのですか!?」と不安からA組の子に聞きました。その子はいえ、A組の子皆が暗い顔になりました。
…やめてください
「た、たつひと君は…」
…やめてください、
「たつひと君は、」
…やめてください、やめてください…
「たつひと君は、僕を庇って重症を負って、ヴィ、ヴィランに連れていかれました…」
「……う ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!!」
「お、おちついて!」そうその子は半狂乱になる私の肩を掴みながら冷静になるよう言った。
だが、そんな言葉が私に効くはずもなく「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ…」と壊れたテープのように言い続けた。
その様子に駆け付けた先生が私を気絶させ病院まで連れていった。
後日、USJに落っこちていたらしい、たつひと君の持っていたリングを私に返してくれた。
何もする気になれず、親が心配して仕事を休んでまでして見舞いに来てくれた。
そして、たつひと君の親も見舞いに来てくれた。たつひと君のお父さんとお母さんは目を腫らしながらも私に「達人ならきっと大丈夫だよ。あいつなら今頃ヴィランなんかやっつけてこっちに帰ってきてるはずさ…」と私を慰めてくれた。…本当は貴方たちの方が泣きたいだろうに私は抑えきれない感情にたつひと君のお母さんの腕の中で泣きわめいた。
3日経ってようやく落ち着いてきた私は退院して家に帰った。学校はどうなっているのか聞いてみると、どうやらあの事件のせいで対応に追われて休校にしたらしい。
…まぁそれが妥当だろう。この現状で学校なんてやってられないだろうし…
そんな事を考えながら、たつひと君の親から「明ちゃんが持ってて、きっとその方があいつも喜ぶから。」と渡されていたたつひと君のリングをいじろうと思い私とたつひと君しか知らないパスワードを入れてコンソールを開いたところ、見たことの無いデータが入っていることに気付いた。
…これは、たつひと君が後付けで入れたデータかな?
そう思いつつそれを開いてみると、突然モニターにたつひと君が映された。
「…たつひと君?」
「…もし仮にこれを、このデータを見ている者がいるとするならきっとそれは俺がもうこの世にいないということだろうな…」
もう聞けないと思っていた幼なじみの声を聞けて驚いた。しかし、驚きから立ち直りよく聞いてみるとこれはたつひと君の遺書だと気付いた。そんな事をしてる間にもモニターの先にいるたつひと君は喋り続ける。
「それに、このビデオを見ているのはきっと発目、お前だろ?…俺がこの世からどうやって死んでいったのかは今の俺には分からない。」
「それは事故かもしれない、それはヒーロー活動で起きたものかもしれない、それは病気によるものかもしれない、だが、たとえ俺がどんなに悲惨な死に方をしたとしてもひとつだけ言えることがある…それはな発目、お前と一緒に過ごせた日々に俺は幸福を感じていた。お前以外まともに交流を持たなかった俺だったが、お前と過ごせた日々は俺にとって最高に輝いたものだった。だから、俺はきっとどんな死に方をしても悔いはないだろう。」と本心からの言葉だと分かるように言ってきた。そしてたつひと君は一呼吸分あけて言い放った。
「だけどひとつだけ心残りがある。それはお前のことだ。これを見ているそっちの俺とお前の関係がどうなっているのかは今の俺には分からないが、きっと良好な関係のままだと信じている。自惚れでなければお前の中の俺は結構デカイ存在だと思っている。だからこそ、俺が居なくなったあとお前がどうなるのか心配だ。」
「俺は、お前には幸せになって欲しいと思ってるんだ。自分勝手かもしれん。でも親よりも長く隣にいたお前には出来れば笑っていて欲しい。だからお前は自分の"オリジン"を見失わないで欲しい。」と真剣な顔をしながら語りかけてきた。
まだ真剣な顔のままでいるのだと思っていたらいきなり破顔した。「頑張れよ、"明" お前ならきっとたくさんの人を救う発明ができるさ。自信がなくなったら思い出せ、"お前が俺を救ってくれた"ってことを」
「1人でできるかもわかんねぇ夢に向かって進んでた時、隣で支えてくれたのはお前だったんだからな?だから今度は俺がお前の支えになってやる。まぁ、死んでるだろうから支えられねぇかもだが、安心しろ、見えないかもしれんが俺はお前の隣に居てやる。どんな時でもな!だから安心して夢に向かって進め。明、きっとお前なら全世界の人でも救える発明家になれるさ。」
そう言ってビデオは終わった。
視界が歪む。喉から嗚咽がでる、頬には涙が伝う。もうきっと会えないだろう彼のことを思いながら、私はただ泣き続けた。
パンパンに腫れた瞼のままリビングにおりる。当然両親には心配されたが気にしなかった。私は出されていた夜ご飯を食べてすぐに私とたつひと君のラボにこもった。
…必ずやってみせるからね、たつひと君。私の発明で全世界の人を救って見せるよ!
そうしてラボの明かりは消えぬまま夜明けがやってくる…
人は生きてる間に出会いと別れを繰り返し生きてくもの、そういったものの果てにきっと生きてく意味があるんだと思います。
…深そうで深くない話をしました、作者です。今回は2話以降出番がなかった発目ちゃんを出しました!…というかこの回を書いててめちゃくちゃ体育祭やりたくなったので多分次も発目視点で体育祭に突入すると思います。よろ!