個性『氷結人間』   作:龍角散ガム

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第5話

 

「これだけ覚えとけ。()()は・・・いずれ貴様をも超えるヒーローにする。そうするべく・・・・・・つくった仔だ」

 

「・・・・・・何を・・・」

 

「今は下らん反抗期だが、必ず超えるぞ・・・超えさせる・・・!!」

 

雄英体育祭は第二種目が終了し、昼休憩の時間となっていた。

生徒や観客が休憩を取る中、競技場の一角でNo.2ヒーローのエンデヴァーがNo.1ヒーローのオールマイトへと宣戦布告をしていた。

 

超高温の炎を連続して使用すると、身体に熱がこもり身体機能が低下してしまう。

この弱点により自分はオールマイトを越えることができない。

 

自分が超えられないならば、超えられる子供を作れば良い。

そう考え、氷の個性を持つ「氷叢冷」と結婚。

そこで生まれた4人の子供のうち見事炎と氷両方の個性を持って生まれたのが「轟焦凍」だった。

 

オールマイトを越える。

だだそれだけのために家族をぞんざいに扱い、家庭を崩壊させていた。

 

だが、エンデヴァーはそれでも構わなかった。

辛酸を舐めさせられることから解放されるならば。

今度はお前が苦汁をなめる番なのだと。

 

狂気じみたエンデヴァーに呑まれたオールマイトは彼をただ見送ることしか出来なかった。

 

「まだそんな下らねェ事を考えてるのか・・・」

 

「ッ!!!!!!」

 

怒気を含んだ声に反応し、エンデヴァーは体から炎を溢れ出しながら振り返る。

 

「己の野望のためだけに家族を振り回す。相変わらずのようだな、轟炎司・・・」

 

「クザンッ!!!!」

 

サングラス越しでもわかる程鋭い視線で睨みつけるクザンの体からは冷気が溢れ出していた。

 

「冷姉や冬美、夏雄に続いて焦凍か・・・少しは改心したかと思ったが全くだな」

 

「黙れ・・・」

 

「自分が行った非行を認めず、家族から逃げ、エゴを押し付ける」

 

「黙れ・・・ッ」

 

「その結果どうなったのか忘れたのか?自身の息子()()を・・・」

 

 

 

 

 

「黙れッ!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

通路内がエンデヴァーの炎によって包まれる。

通路の手すりは熱によって溶け始め、熱波が通路中を駆け巡る。

クザンもそれに対抗するように冷気を放つ。

熱気と冷気がぶつかり蒸発する音が通路に鳴り響く。

 

「あの子の名前を出すな!!」

 

「いつまでそうやって逃げてる気だ轟炎司ッ!!」

 

互いの個性がぶつかり合う。

炎と氷による衝撃に堪えながらオールマイトは2人を止めに入る。

 

「落ち着きたまえ2人ともッ!!これ以上争ったら甚大な被害が出るぞッ!!」

 

しかし、オールマイトの制止を聞かず個性をぶつけ合う2人。

 

無限に感じさせるような時間の中、先に個性を解除したのはクザンだった。それに続くようにエンデヴァーも自身の炎を収める。

個性を解除した後も2人はお互いに圧を放っていた。

そして、「チッ・・・」と舌を鳴らし通路の奥へとエンデヴァーは進んでいく。

 

「無駄な時間を過ごした・・・」

 

彼の感情を表すように炎を燃やしながら去っていくエンデヴァーを睨みながらクザンはオールマイトに向き直る。

 

「・・・お騒がせしました」

 

「い、いや・・・いいんだよ。それより、君は・・・って待ちたまえ!!君も行ってしまうのかい!?!?」

 

「癇に障る気配を感じたから見に来ただけですから」

 

「お、おい!?まだ君にUSJでのお礼を言っていない・・・ってもう居ないし!!」

 

「マジかよ」と驚くオールマイトだったが、ふと正気に戻り炎と氷でボロボロになった通路を見渡す。

 

「ちょっと待ってくれ・・・これはどうするんだい!?もしかして、私がなんとかしなきゃいけないパターンのやつかい!?!?」

 

Holy Shitとオールマイトは頭を抱え膝から崩れ落ちた。

同時刻に別の通路で緑谷と焦凍はお互いに宣戦布告をしていたが、このエンデヴァーとクザンの衝突を知る由は無かった。

 

 

 

***

 

 

『続きましてはこいつらだ!!優秀なのに拭いきれないその地味さは何だ!ヒーロー科瀬呂範太対2位・1位と強すぎるよ君!同じくヒーロー科轟焦凍!』

 

昼休憩が終わり、最終種目である1対1のガチバトルが開始していた。

1回戦では『洗脳』の個性を持つ心操人使と緑谷が対決。戦闘開始直後に緑谷が洗脳されてしまうも、自らの指を暴発させ洗脳を解除。

心操を場外に押し出し緑谷の勝利となった。

 

そして現在、第2回戦の瀬呂範太と轟焦凍の対決が始まろうとしていた。

 

『ではSTART!!』

 

「まァー勝てる気はしねーんだけど・・・つっても負ける気もねー!!!」

 

開始とともに個性の『テープ』で轟を巻き付ける。

 

『これは場外狙いの早技(ふいうち)!!この選択は最善じゃねぇか!?正直やっちまえ瀬呂ーー!!』

 

贔屓気味の実況通り、テープで拘束された轟は場外に引き摺り出される。

だが、轟は先ほどの出来事を思い出していた。

 

『いつまでも子供じみた反抗はやめろ!!個性を持て余して醜態を晒すなッ!!』

 

うるせぇ・・・!!

 

『オールマイトを越えるという義務があるッ!!お前は兄さんらとは違う!!』

 

黙れ・・・ッ!!

 

『お前は最高傑作なんだぞッ!!!!』

 

てめェはそれしか言えねぇのかッ!!

パキパキと轟の半身が氷を纏い始める。

そして・・・

 

「悪ィな・・・ッ!!」

 

ドゴーン!!

 

轟音が会場内に鳴り響く。

 

会場の天井を越える程の巨大な氷塊が瀬呂を巻き込んだ。

氷はステージの半分を凍らせ、観客席に大きな影を生む。

目の前に突如現れた氷に驚き言葉を失う観客達。

氷によって生まれた冷気が会場を包み込み、風の音だけが鳴り響く。

 

『瀬呂くん、動けるかしら?』

 

氷は審判台をも巻き込んでいたが、出来上がった氷の上で脚を組み冷気によってより妖艶となったミッドナイトが瀬呂に問いかける。

 

「動けるハズないでしょ・・・痛えぇ・・・」

 

『瀬呂くん行動不能!!』

 

「すまねぇ・・・やりすぎた」

 

自然とどんまいコールが鳴り響く中、轟は左手で氷を溶かしていく。

 

緑谷はその姿が何故かひどく悲しく見えるのだった。




日刊ランキング5位!?!?

マ!?!?

本当にありがとうございます!!!
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