相伝持ちの御三家当主達   作:スカイハーツ・D・キングダム

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第一話 神童と天才と鬼才①

 

なんてことはない

 

初めての御三家の会合(場所は五条家)に参加した3人の相伝達

 

それぞれの家の大人共は相伝を引き継いだ子ども達を引き合いに醜い言い合いをしてみせた

 

呪術界は実力や相伝を引き継いでいるかで自らの格付けや地位を示すことは昔から存在し、特に五条家は数百年間六眼持ちが生まれなかったことで相伝持ちが生まれても他の御三家からは欠陥相伝と馬鹿にされることもあった為六眼持ちの悟がいることで周りに今後は五条家が上に立つと遠回しに示す態度を見せる

 

こんな事をいう五条家だが、これでも腐敗具合が酷い呪術界御三家の中では割とマシな方ではある

 

例えば禪院家では

 

『禪院家に非ずんば呪術師に非ず 呪術師に非ずんば人に非ず』

 

などというどこか時代錯誤な所が当たり前のように染み付いた家 おまけに相伝を継がなければ 術式を持たなければ 女ならば落伍者の烙印を打たれ、家での立場も底辺

という完全に男尊女卑で術式至上主義な家となっている

 

腐り具合で言えば御三家随一と言えよう

 

一方の加茂家はというと、当たり前のように相伝や術式を持たずに生まれた者へのあたりの強さがあり、親である現当主から次期当主はと言われており、呪術界総監部とのつながりが強く、最も権威が強いのは加茂家だと言えよう

 

ちなみに五条家はというと六眼を持たなければ皆落ちこぼれであるため家の中での空気や腐敗具合は他よりかはマシである

だからこそ数百年ぶりに生まれた六眼持ちの悟をまるで神の如く崇め奉られ、悟の言葉は絶対となっている

 

そうして大人達の醜い言い争いを見ていた3人の少年達

 

その間も3人は互いを見合っていた

 

悟は持ち前の六眼でふたりを分析していた

六眼は自身の呪力コントロールの大幅な補助や見た相手の術式看破や呪力の流れに残穢、呪力量を見ることができる特異な能力が秘められていた

 

呪術に置いて、相手の術式の看破や呪力の流れを見れるというのは大きなアドバンテージを得ることになる為、対策が練りやすくなる

加え呪力コントロール技術が高ければ高いほど呪術を使う際の呪力ロスを最小限に収めることができる

 

悟の無下限呪術は無限を操る力を持つが、脳への負荷が大きく高い呪力コントロール技術が必要になる為、六眼と併用することで初めて使いこなすことができる

 

悟「(あのふたり…意図的に呪力を抑えてるが、多分呪力量は俺以上…相伝も引き継いでいる……それに周りの雑魚共(大人)よりも強いな)」

 

それが六眼を通してふたりを見た悟の感想だった

 

だがソレ以上に悟が感じていた物があった

 

悟「(けど…なに?……この感覚は…今まで一度も感じたことの無いナニかを感じる…)」

 

悟にとって、自分以外は皆等しく弱者でしか無い

そう感じてしまうほどに、悟の実力も天賦の才を持ち合わせていた

そんな悟が感じた違和感の謎

 

一方、その悟に評価されたふたりも各々の感想を抱いていた

 

星弦「(アレが数百年ぶりに誕生した六眼持ち…五条家の連中がこぞって祭り上げるだけあって、見てるだけでも感じてしまう…この潜在能力の高さ…本当に同年代か?それに、加茂家の方も…一見控えめで大した事ない風を装っているが、呪力抑えてるな…俺と同じだ。日頃から呪力を抑えることで実力や呪力量を悟られないようにしている。俺が言うのも何だが、中々の詐欺師だ)」

 

宗介「(ふむ…アレが六眼。数百年ぶりにこの世に顕現した特異な眼…生きているうちにお目にかかれるとは運が良い…彼が生まれたことで呪術師と呪霊のパワーバランスが崩壊したなんていうのも納得だ……そして、禪院星弦か……彼も五条悟に負けず劣らずの力を秘めているな…隠しているつもりだろうが、私と同じように…呪力を抑え込んでいる…)」

 

双方が互いを分析しあっていた

 

やがて大人共の醜い言い合いが用意された広間一杯を埋め尽くすほどの大音量となり

 

悟「(うっせ〜)」

 

星弦「(ハァ…ここでもウチの腐った空気と同じもん吸わなきゃなんねえのかよ)」

 

宗介「(実にやかましいね…私は将来この老害達のようにはならないようにしよう)」

 

3人の少年達はソレをうるさく感じていた

 

そして、互いの顔色を見て相手も自身と同じ想いにあることを察した3人は、こっそりと外へ出ていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悟は、自分の中の違和感を確かめたかった

 

だからこそ

 

悟「あのさ…」

 

星弦「うん?」

 

悟「早速で悪いけど…遊ばないか?」

 

庭に出た3人

 

悟が遊びに誘う

無論その遊びが子供がする物でなく

 

宗介「……いいね。私もちょうど遊びたかった所なんだ。十種影法術と無下限呪術と六眼の抱き合わせ。相手にとって不足はないよ」

 

星弦「ハハッ!それはいいな!」

 

呪術師同士の呪術のぶつかり合いだということを、3人は理解していた

 

片や違和感の謎を

 

片や己の力がどこまで届くかを確かめる為

 

そして片や好奇心と経験の為

 

各々は互いに向かい合った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星弦「ハアッ!」

 

宗介「フッ!」

 

悟「ッ!」

 

五条家の中庭にて、3人の少年は思い思いにぶつかっていた

 

全員が術式抜きの純粋な体術でやり合っており、子供同士とは思えない体術を披露しあい、大人の呪術師が入れないほどの応酬が繰り広げられる

 

ちなみに体術戦では星弦がふたりよりも頭一つ上を行っており、悟と宗介身を守ってばかりでいた

 

悟「くっ!やるなお前ら。体術だけでもウチの大人共より強えよ」

 

宗介「生憎術式だよりな戦いは好まなくてね。いざって時の為の予防策は持ってなければ」

 

星弦「意外だな。不可侵使えるから体術を疎かにしてるって思ったらそんなことなかったわ…てかいいのか?お前達が術式使わねえから俺も使わなかったが…そろそろ使わねえか?」

 

だいぶ身体を動かし、好戦的になってきた星弦

術式を開放しないかと聞く

 

悟「お前こそいいのか?使ったらお前達は俺に触れないと思うけど」

 

宗介「不可侵の無限…確かにそれをやられたら太刀打ちするのは現時点じゃ無理だね…」

 

星弦「だが完璧ではねえだろ?…お前が無限を使おうと、それを突破する方法はいくつかあるんでな…遠慮はいらん…かかってこい」

 

悟「ハハッ。言うねえ…なら遠慮なくいかせてもらうよ!」

 

悟はそう言うと指先に呪力を集中させたかと思えば

 

青い球体が出現し

 

悟「『術式順転 蒼』!!」

 

それをふたりに向け放つ

 

星弦/宗介「「!」」

 

瞬時に避けるふたり

 

蒼が通ったあとには削られた跡が残っている

 

宗介「…なるほど、今のが無限の収束 術式順転 蒼か」

 

悟「ああ、流石に相伝の術式は他の家でも知れ渡ってるか…って…どこいった?」

 

悟は、この場に居ない星弦の存在に気が付く

 

宗介「(むぅ…彼が避けるのを私は見ていない…だが当たった様子も見せなかった…ではどこ…ん?)」

 

そこで宗介はあるものに気が付く

 

その直後

 

悟「ウォッ!?」

 

突如なにもないところからナニかが放たれた

 

すぐに回避した悟だったが、その頬にはかすり傷が出来ていた

 

悟「…(なんだ?…斬られたのか?何に)…!」

 

星弦「流石だな…今のは当たるって思ったらギリギリで避けたか…」

 

その声とともに星弦が現れた

ただし、現れたのは悟の蒼が削り取った地面……に出来た不自然な影からだった

 

宗介「!(そうか、そういう事か!)君、自分の影に潜ってさっきの攻撃を避けたね」

 

星弦「ああ…無限の収束も流石に影まで吸い込むことは出来ないみたいだな」

 

悟「そんな避け方ありか!?」

 

星弦「これも術式の解釈の結果だ。それより、今度はこっちの番だ」

 

そう言いながら星弦が両手を使い影絵を作り出すと

 

星弦「『玉犬』」

 

星弦の影から2匹の犬の式神が飛び出した

 

悟/宗介「「!」」

 

ただしその姿は実物の犬ではなく、影が犬の形となって飛び出したのだ

 

宗介はそれを躱し

 

宗介「ッと、これが十種影法術の式神…だが聞いていた物と違うね」

 

悟は不可侵の無限を発動しガードをした

 

悟「こいつら、不完全に顕現させたな」

 

星弦「正解。十種影法術の式神は完全に破壊されれば二度と顕現出来ない。だから形を安定させないことで完全破壊を防ぎなおかつ効果範囲を広げるんだ(今のが無下限呪術による不可侵の守りか…並の呪術師…いや相当の実力者でも突破は難しい…)」

 

宗介「よく研究してるね。さっきの避け方といい、影からの攻撃といい、その式神の使い方といい、どれも私の知る十種影法術の使い方とは違うね」

 

星弦「そりゃあまあ、数え切れないくらい術式の使い道模索したからな。それよりお前!」

 

瞬間空から何かが降り注ぎそれを星弦は避け、悟は不可侵で防ぐ

 

星弦「サラッと俺達に攻撃する機会伺っていたな?(いつの間に仕掛けてたんだ?)」

 

宗介「ハハッ、やっぱり当たらないか…いい勘してるよ」

 

悟「…血の雨…いや、まるで弾丸だな」

 

悟は地面と己の頭上で止まっている血の塊に目をやる

 

降り注いだ血の塊は簡単に地面にめり込む威力があり、まともにくらえば人体を簡単に貫くのが見て取れた

 

宗介「私の赤血操術は、己の血と血が付着した物を操る…それだけの術式さ…君たちのような無限やら複数の能力持ちの式神を操る術式と比べたら、正直しょぼいよ」

 

悟「おいおい、それを加茂家の次期当主が言うか?」

 

宗介「自覚してるからね…だから今もこうして自分の術式の可能性を広げる為に日々研究している所だよ。……まあ真面目な話、今の私の術式では、君に攻撃を当てるのは不可能…まあだからといって降参する気はないけどね」

 

星弦「意外だな…言っちゃあなんだが、お前らって御三家特有の愉悦感に浸った高慢じゃねえんだな」

 

悟「おいその御三家全員が持つ持病みたくいうな!」

 

宗介「まあわからなくはないね…実際ウチはそういうのわりかしいるから」

 

星弦「ウチは特に酷えよ。ぶっちゃけ腐敗具合で言えば御三家随一だって思ってる」

 

悟「いやお前もお前で自分ちの事ひどく言うな次期当主が」

 

星弦/宗介「「だって本当の事だから」」

 

悟「…はぁ…わかるけどよ…もういいや、続きやろ続き」

 

宗介「じゃ遠慮なく」

 

と、ノーモーションで指先から小指サイズの血の弾丸が放つ宗介

 

それを影に逃げ込み回避する星弦と慌てて不可侵を発動する悟

 

悟「あっぶね…ノーモーションで攻撃してきやがって」

 

星弦「油断も隙もねえわ」

 

宗介「おっと、今のは当たるって思ったけど駄目だったか…でも君の不可侵…常時貼り続けている訳では無いみたいだね…」

 

悟「…気を抜いてたら自然と剥がれるんだよ…」

 

宗介「なら君の課題は不可侵を常時展開できるようにすることだね」

 

星弦「おい、会話しながら俺の方に攻撃してくんじゃねえよ。そっちがそのつもりなら!」

 

悟と会話しながら指を星弦に向け血の弾丸を飛ばす

 

星弦はそれを避けながら両手を合わせ宗介に向ける

 

宗介「その構えはまさか!」

 

星弦「『穿水(せんすい)』」

 

その瞬間星弦の両手から圧縮された水のレーザーが放たれた

 

宗介「!?」

 

宗介が驚いた顔を浮かべながらも地面を蹴り躱し屋敷の壁にしがみつく

 

宗介「…今のは」

 

星弦「『穿水』…元ネタは赤血操術の穿血だな」

 

宗介「やはりそうか…」

 

悟「いや待て…お前今やったのって…」

 

悟は六眼で今何をしたのか理解した

 

星弦「……十種影法術の式神の中に、満象っていう見た目ゾウの式神が居るんだが、その能力は鼻から水を放つって奴なんだよなあ…ちなみにさっきお前に飛ばした攻撃の正体だ」

 

宗介「!?まさか…君、式神の能力だけを顕現させたのかい?」

 

星弦「正解!俺の術式は式神の同時併用ができるのは2つまでなんだ…けど能力だけの顕現はその範囲には含まれないんだな」

 

宗介「…ほんと、応用の幅が利く術式だね…羨ましい限りだ…」

 

悟「てか水で代用できちまうなんて、赤血操術の立場なくね?」

 

星弦「おまっ…俺も気を使って言わないようにしてたってのに」

 

宗介「気にしないで…羨ましいとは言ったが…私は私のやり方でこの術式で戦い抜くと決めたからさ……とはいえ…正直今の私では手数や決定打で今のふたりには及ばない……やむを得ないか」

 

宗介はため息を吐きながら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

両手で印相を組む

 

星弦「おいおいおい…」

 

悟「マジか」

 

宗介「領域展開

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤界血道(せっかいけつどう)

 

 

 

 

その瞬間 宗介を中心に地面が赤い血で覆われ、ふたりを巻き込む

 

 






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