大変申し訳ございません。今回は大変短いです。
起首雷同の触りだけです
花御はいつまでも帰ってこなかった。
「死んだ、と考えていいだろうね。総監部にも、高専生が中心となって特級呪霊を祓ったという報告が上がっている」
真人が空に手を翳しながら、ビーチチェアの上で寝転がる。
「あー、そっか。花御、死んじゃったかー。高専生、間違いなくアイツらだろうね」
宿儺の器。我ながら良い性能に育ったものだと夏油傑の形をしたナニカはほくそ笑む。
同世代の中でも突出した三人。十種影法術の使い手の男に、芻霊呪法の使い手の女。
──伏黒恵に、釘崎野薔薇。
十種影法術。あれは歩く核爆弾だ。今頭を悩ませている六眼と無下限の抱き合わせは、過去に一度魔虚羅と相打っている。まぁ、あれと五条悟を比べるべきか、という問題はあるが。
あれを調伏できれば良い札になるかと過去に考えたことはあったが、この体を捨てるほどのメリットはない。
──とはいえ、彼が順当に成長していけば。いつかアレが調伏される可能性は僅かではあるがあるね。
それと後は。
──釘崎野薔薇。あの体...スペアにいいかもしれないな。
芻霊呪法は、あそこまで発展性のある術式ではなかったはずだ。古臭い、カビの生えた発展性に乏しい過去の遺物。
それが、どうだ。
二人がかりでの領域、呪霊操術の再現。
機械仕掛けの鼠と、無能な働き蟻が漏らす情報は、本命までの暇つぶしに丁度いい。
──恐らく、彼女は真人の式神を確保しているはずだね。万が一に真人が祓われた場合は...彼女の体を奪って、式神から術式を抽出すればいい。
彼女はブラフとして言ったであろう、うずまきの再現。
確かに、芻霊呪法だけでは無理だろう。ただし、呪霊操術と組み合わせれば可能。
──何重にも保険は掛けているが、それを破られた時のためにもスペアがあるに越したことはない。それに、五条悟の生徒の体であると言うのもいい。
あぁ、やはり呪術師と言うものは、いつの時代も面白いな。
花御の訃報を聞き、漏瑚はふ、と目を細める。
「...儂らは、体が朽ち果てようと、魂は再び廻り、巡り合う。」
浜辺で揺れる花を、そっと撫でる。
「後は任せろ、花御。百年後の荒野で笑うのは儂らである必要は無い...だが...」
その頭を噴火させることなく、静かに怒りが脳内で渦巻く。
噴火しようとする力を必死に抑えつけているように。
「花御よ。安らかに眠れ。
アイツらは、儂が全員殺す」
「もし、五条悟が邪魔だてするというなら、五条悟もだ」
宿儺の器たる虎杖悠仁を除き、全員殺す。虎杖悠仁は、その前で仲間を殺して絶望させてから宿儺へと変容させる。
低い声で唸るように言い放つ。
「俺の分もとっておいてよ?漏瑚。それに、五条悟相手はキツいんじゃない?」
ぎゅ、と漏瑚は拳を握りしめる。
「キツくても、やるのだ。...策はある」
大地への畏れ。大地があり、その上に自然があり、海があり、人がいる。故に、我こそが最強である。
あぁ、今の彼は宿儺の指、何本分だろうか?
それを考えるのは、無粋だね。夏油の顔をしたナニカは微笑む。
「大地への畏れ。その中でも山が主要構成要素となっている儂だが...山への恐怖とは何も溶岩だけではない。それに気づいた。...お前こそあの二人は天敵だが、いけるか?」
「当然だよ漏瑚!」
「人間ってのはさぁ、面白いよね!流石は俺を産んだだけのことはある!魂を分裂させて擬似的な不死の実現!あぁ!着眼点はイイねぇ!」
「でもさぁ、大きさが減ったら意味ないじゃん!」
真人の体が分裂する。
漏瑚は、目を見開く。間違いなく、どちらも本体だ。
「時間はかかるが、無為転変による魂の修復と増殖。10/31までには、2.5個分ぐらいには増やせてるんじゃないかなぁ!」
両手を広げ、天から祝福を授かったかのように舞う。
光に照らされた真人の体の周りには、変容したヒトが、翼のように、天使の輪のように舞っていた。
「ま、君たちの出番の前に、まずは
あぁ、素晴らしい。真人はどこまで育ってくれるだろうか。
♦︎♦︎♦︎
「「お、お疲れ様です!卒業ぶりですね、伏黒さん!!」」
今明かされる衝撃の真実。なんと恵は中学時代、学校のドンだった!
いや、何も不思議な事じゃないわね。
「流石ね、恵」
「何した、オマエ中学で何した。いや待て、アイツらに聞いた方が早いな。」
「おい、お前ら恵に何された」
私が恵の背中を誇らしげに叩くと、悠仁は恵の頬をつねる。
気まずげに顔を逸らそうとする恵の顔をホールドする。こっちを見ろ!伏黒恵ぃ!
「俺ら...っていうかこの辺の半グレ、不良その他諸々伏黒さんにボコられてますから」
同様の条件下での、複数名の呪霊による刺殺事件。
その真相解明及び原因呪霊の討伐のために駆り出された私たち。
関係者を追ううちに、まさか恵の母校に辿り着くなんてね...この前悠仁の母校にも依頼で行ったし、そういう時期なのかしらね?私の故郷?一応あの糞婆がいるから大丈夫だろ。
「成る程。心霊スポット。そういや、俺の時も心霊スポットのトンネルでみっけたっけな」
「大蜘蛛の奴か。まぁアレは少し特殊だけどな。住処違ったし」
そんなことを考えているうちに、悠仁たちが校務員さんから話を聞き出し、近所の心霊スポットの八十八橋へ向かうことになった。
心霊スポット...暇な時に回ると、うようよ呪霊がいて、式神の補充に便利なのよね。パトロールにもなるし。
「そういえば、呪霊って食べるとゲロで絞った雑巾を丸呑みしてるみたいな味がして、しかも負のエネルギーなんてものでできてるから、蝿頭のカケラですら1週間はお腹壊すのよ?知ってた?」
「釘崎はなんで試そうとしたんだよ...」
「後学の為?」
♦︎
不味い、不味いわね。
恵の同級生の姉が、呪霊による呪殺の対象になっていることが判明した。
...しかも、恵の姉も。
ごく稀に恵から聞く話から推察するに、あいつ、シスコンとかそう言う言葉では表せないレベルで姉のことを大切に思ってるわよ。
「ねぇ恵。なんで伊地知さんに電話してんの?」
「津美紀の姉ちゃん無事だったか?」
いつも以上に険しい顔で、恵が電話をしていた。余裕が無い。それもそうね。...私だって、ふみちゃんや沙織ちゃんが呪霊に襲われたって聞いたら、居てもたってもいられなくなる筈。恵はその何百倍も不安な筈だ。
え、恵や悠仁が呪霊に襲われたらって?返り討ちにするでしょ。そうじゃなけりゃ、刺し違えても殺すだけよ。
「...伊地知さんには、津美紀の護衛を頼もうとした。手は空いてないみたいだったが。虎杖、津美紀は無事だった」
「良かった...とは、いかねえな」
恵は、何かを言おうとして逡巡し、何度か口を開こうとしては止め、そしてようやく話し出す。
「なぁ、釘崎。虎杖」
「皆まで言うな、恵。勿論。ダチだろ?私ら」
「さ、行くか!」
俺が何か言う前に、釘崎と虎杖は、当たり前だと言わんばかりに袖を捲り、八十八橋の方向へ歩き出す。
「依頼の危険度は大きく吊り上がった。それでも、か」
口角が上がりそうになるのを抑えながら、そう呟く。
「?何言ってんの恵。今までの依頼思い出してみなさいよ。」
少年院の呪霊。二級二人と新人に特級相当。
里桜高校での対真人戦。特級2体、余裕で特級案件。
依頼では無いが、交流会での花御戦。余裕で特級案件。
他にも、二級だと思ったら一級案件。三級だと思ったら一級。釘崎の式神を見るだけで思い出される。「大丈夫大丈夫、恵ならいけるって!」「悠仁なら余裕でしょ」「行け、釘崎」と言う五条先生の顔。
それを頭の中で蹴り飛ばしつつ──こいつ、脳内ですら無下限使ってきやがった──頷く。
「冷静になって考えると、俺たちって本当になんで生き残ってるのか不思議だよな」
「本当。特別手当で懐が潤うわね」
「なぁ」
「「何?」」
ありがとう。と、口にした
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五条悟の誕生により、世界の均衡が変わったように
小石ではあるが、世界に投げ込まれたそれは波紋となり、
近くの存在へと波及する。それが敵であれ味方であれ。
賛否両論なようなのでアンケートです。五条悟が釘崎だけ苗字呼びなのは
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あり
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なし