共鳴りとは──魂の振動(大嘘)   作:美味しいラムネ

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人外魔境新宿決戦、準備回なので短めです


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死滅回游→人外魔境新宿決戦


 

  

 

 『泳者による死滅回游への総則追加が行われました!〈総則〉13 死滅回游への参加を、2018年11月18日21時9分をもって打ち切る。〈総則〉14 夏油傑 伏黒恵 氷見汐梨を除く全泳者の死亡をもって死滅回游を終了する』

 

 「ついに終わらせるつもりだ、ってことだね」

 

 「シンプルになりましたね、もうごちゃごちゃと考えながら戦う必要はない」

 

 羂索と宿儺達を倒せば勝ち。無理難題だって?本当に?

 敵が人外なら、味方も人外。

 

 「五条悟(ゴジョセン)頼らなきゃいけない、ってのは悔しい。けど、私にとって。恵を助けるのが最優先だから...使えるものはなんだって使う」

 

 両面宿儺の絶死の斬撃。それを喰らった来栖は、即死していてもおかしくはなかった。生き残ったのは殆ど偶然だ。戦闘状態の緊張の中、だからこそ天使の干渉が間に合った。あの斬撃は確かに、『全ての術式を消滅させる』、その術式が貼り付けられた世界そのものを断ち切った。だが、不完全故に両断には至らず──髙羽の術式の影響もあったかもしれない──落下も式神が受け止めた。それ故に、極短時間の戦闘なら可能なレベルまで回復することはできた。

 

 何やら冥冥達と話している釘崎野薔薇を横目に、家入硝子は、タバコを吹かす。少し、昔を思い出すな。

 

 巨大な空薬莢を取り出したパンダの前で、「また徹夜か...」と頭を抱える禪院真依に、それに近寄る禪院真希。乙骨が仲裁に入ったところで、暴発した綿が溢れ出す。掃除が大変だぞ、アレ。

 東堂葵は、脹相の連れてきた血塗に弟認定をかまし、その脹相は虎杖悠仁と何やら話し込んでいる。

 内情を知らない術師がみれば、魑魅魍魎の集まりに見えるだろうな。

 ここにいる全ての術師。全員が、お前の帰りを待っている。

 

 「帰ってこい、五条悟。もう、うじゃうじゃいるぞ。お前の帰りを待っている化け物どもが」

 

 「五条さん。さて、出てきた時の彼はどんな顔をしているでしょうかね」

 

 「あぁ、七海か。夜蛾学長は?」

 

 「何轍目なんでしょうね、アレ」

 

 未だ上手く体を動かせないのか、ある式神使いの少年に押されて、車椅子に乗った状態の七海が近寄ってくる。

 流石は一級術師。1級術師としての活躍はもう無理かもしれないが、8割死んでるような状態からよく持ち直したよ、本当に。

 

 「あれ?というかお前らここで封印を解くつもりなのか?」

 

 天使のよく通る声に、術師達の視線が自然と集まる。

 

 「確かに人を迎えるにはここじゃ味気ないよな...少し飾り付けするか?」

 

 「お、いいな。じゃあ俺はパンダ型のぬいぐるみをば」

 

 髙羽の発言に悪ノリして、パンダが綿を使ってパンダのぬいぐるみを作り出す。

 

 「花御。花咲かせるのはどうかしら?」

 

 『主人、そういうことを言いたいわけではないのかと』

 

 「獄門疆の中がどうなっているかは未知数だ。彼は現代最強の術師なんだろう?もし錯乱しているようなことがあれば、ここでは対処するには狭すぎる」

 

 「「「「「「「あ、確かに」」」」」」」

 

 

 

 ♦︎♦︎♦︎

 

 埼玉県木呂子鉱山(呪術高専第四修練場)

 

 「いや、狗巻先輩。流石にヘルメットでなんとかはならなくないか!?」

 

 「しゃけしゃけ」

 

 安全第一の文字が書かれたヘルメットを被る狗巻が、パンダの方を指差す。そこにいたのは、亀の甲羅に籠るかのように、究極メカ丸にもにた装甲の中に隠れるパンダの姿だ。あれは逆にビビりすぎではないだろうか。

 

 「というか、そもそも私たち、雰囲気に流されて土嚢の裏に隠れてるけど。五条悟がガチで錯乱してたら無意味では?まぁ、その時は殴って起こすだけだけど」

 

 「あのー?もうそろそろいいですかねー?」

 

 「あ、いいわよー、来栖ー!」

 

 合図を受け、若干緊張した面持ちの来栖が、獄門疆・裏に術式を落とす。

 ──次の瞬間、そこからは獄門疆が消えていた。

 

 「...やっぱり五条悟、魔の者だったってこと!?」

 

 次の瞬間、世界が揺れた。地響きが起こり、その膨大な気配を感じた釘崎野薔薇は、ニヤリと笑う。

 

 「遅かったわね、五条悟...!」

 

 羂索のところへ飛んだのであろう五条悟。その気配が向かった先を睨む。ピースは全て揃った。さぁ、ここから反撃開始だ。平安の遺物達。現代の術師、舐めんじゃないわよ!

 

 

 

 ♦︎♦︎♦︎

 

 

 最新部は8000メートルの日本海溝。そのプレートの沈み込み帯に獄門疆は置いてきた。しかも、二重三重の結界を張り、さらにその上に天元の隠す結界を応用し、私と二人がかりで補強した多重無限回廊構造の結界に、内部には検知器としての呪霊も入れ、さらに念を入れて足止めに特化した奴も何体か入れた。

 

 「マジでどうなってんだよ君は」

 

 超然とした表情を浮かべる五条悟。つくづく化け物。本当、なんなんだろうね、彼。

 

 「どう?中は寛げたかな?」

 

 宿儺の現着までの数秒を稼ぐ。幸い、自分が格上だと思っている驕りはある。だから、数秒ぐらいなら会話してくれるだろう。と、思ったんだけどね。

 

 「もっと言葉を選んだ方がいいんじゃないか?今際の際だぞ」

 

 情け容赦は一切なし、全力の術式反転。

 いやぁ、本当に危ない。あとコンマ1秒遅ければ危なかった。殺されてやる気もないし、保険はあったけどそれごと削り取られそうな怖さがあった。

 

 「しばらく見ないうちに変わったね、恵」

 

 両面宿儺と会話を交わす五条悟を眺めながら、羂索は思考する。両面宿儺の完全復活は事実上不可能...両面宿儺。君に全部託す。それしか勝ち筋はない。

 

 「宿儺。彼と戦う前に私との約束を果たしてもらう」

 

 「...いいだろう」

 

 死闘の前に。済ませておかなければならないことは互いにある、というわけか。勝ち切る自信がないのは向こうも、という訳か。

 

 「...ったく、そこまで向こうに寄ってるわけか。あぁもう。教え子の気配もなんか変だし...」

 

 頭をボリボリと掻きながら、五条悟が提案する。

 

 「12/24でいいだろ。命日が二つあってもややこしいだろ」

 

 「...勝つ気かい?」

 

 さも、当然と言った顔で五条悟は言い放つ。

 

 「勝つさ」

 

 

 

 

 

 ♦︎♦︎♦︎

 

 

 「申し訳ありません。残る3本の回収はできず。罰は如何様にも受けます」

 

 裏梅が両面宿儺に指を差し出す。五条悟との戦いに備えての最後の準備、というわけだ。

 

 「良い。どうせ最後の一本は五条悟が持っている。それに、一本は高専により回収、もう一本は...羂索が使ったあと、どうせ釘崎野薔薇辺りが隠し持っているのだろう」

 

 いや...違うな。「繋がり」を作ったか。まぁ、()()()()()()()()()()()()()()微弱な繋がりはあった。それを強化した、と言ったところか。

 

 「羂索の持ってきた即身仏で一本分。万の指で0.5...いや、0.6本分はあるな」

 

 これで合わせて18.6本分。成る程...いや、丁度いい。主菜に副菜。デザートまで用意されたフルコース。この体で喰らい切れるか。

 

 「とはいえ、だ...まずは軽く食前の運動と行こうか」

 

 漏瑚。貴様との約束もあるしな。あれだけの実力差で傷をつけたのだ。約束は守ってやろう。呪いの王が邪悪に笑う。

 良い時代になったのだな。食いごたえのありそうな肉が、蛆のように沸いている。

 この国の内。この国の武士ども。この国の外。海の外の武士ども。

 何やら侵略の準備と、それに対する迎撃の準備を進めている、そんな気配があるが...折角だ。全て食ってやろう。小僧の記憶を頼りにするならば、非術師の技術も中々の物になっているようだ。呪力の関わらない存在には、まるで食指は動かん。だが、少しは楽しめるだろう。

 

 

 ──23区はほぼ壊滅。官房長官含めた総理代理全員が安否不明。

 ──政治的空白。それも文字通りの。米中露、どこも妙な動きをしている。

 

 事実、日本は存続の危機を内外に抱えていた。そして、「外から」の危機を一時的に無へ還したのは、皮肉にも呪いの王であった。

 その日、洋上に鉄の雨が降り注いだ。

 

 「本当、頼むからじっとしておいて欲しかったんだけどね」

 

 弾丸を通さない、特級呪霊の分厚い壁に包まれた羂索が苦笑いをする。宿儺が祓詞を紡ぎ、斬撃を放つ。

 洋上にて、弱りきった日本を食い荒らそうと、そして新エネルギーである呪力を確保する準備を行なっていたロシア。隙をついて長年の大望を果たそうとした中華人民共和国。第二陣を送り出そうとしていたアメリカ合衆国。日本近海で「あれ、これ1億呪霊以前に世界が滅ぶのでは?」という状況が醸し出されていた。無論、それに対応するために、日本の臨時政府も手を打ってはいた。

 

 その全ては数時間の間に消えた。「試し撃ちだ」と言わんばかりに斬撃が放たれる。どんな装甲も、空間ごと切り裂かれれば意味をなさない。

 

 「おい、なんだあの化け物は!」

 

 銃撃に適応し、爆撃に適応し、あらゆる現代兵器による干渉に適応した謎の化け物。そして、その適応を付与された式神たちが次々に船内へ侵入、数秒も経たないうちに船内から生の気配が消える。

 

 「調伏したてだ。試運転は必要だからな。練度も高い。武器の性能も高い。しかし、非術師であればこんなものか」

 

 ケヒヒ、と呪いの王が笑う。

 子供が壁に落書きをするような無邪気さで、思いついたアイデアを試してゆく。奴らの影響だ、次々とアイデアが浮かんでくる。浮かんでは消え、それを書き殴る相手が、人類の叡智の結晶、誇りであることは問題だが。

 62口径の速射砲の弾丸が、ことごとく包丁一本で落とされたかのような奇妙な感覚。こいつが人間?冗談じゃない。

 

 「クソ、日本人め。アニメを作るどころかついにアニメのキャラ現実に持ってきやがった!」

 

 羂索は、面倒くさそうな顔をしながらも少しだけ心を躍らせる。こんなショー、映画でも見れない。それに、だ。死に際に発生する呪力。九十九由基との戦いで掴んだ、呪霊玉の核心。それを応用すれば、貯蔵して一億呪霊の足しにすることも可能。いっそのこと、このまま本国まで攻め入って、全世界の人類の呪力を混ぜた呪霊にしてしまおうか。

 

 「おお、知っているぞ。ミサイル、だったか?空対地だの、艦対艦だの、詳しくは知らんが興味はある」

 

 何故か、両面宿儺のその体。それがまるで地獄の炎でも纏ってるように発熱していたからだろうか。数発の対艦ミサイルが命中したかに見えた。

 爆発もなければ炎上もない。まるで、一瞬で蒸発したかのようだ。

 

 「クソ、そもそも対個人に使うような兵器じゃねえんだよ船艦って!」

 

 「こんな時期に猛吹雪だと、クソッ!海が凍りつきやがった!」

 

 そろそろ〆るか。そんな宿儺の心中を察してか、裏梅が術式を解放する。海は荒れ狂い、世界は銀に閉ざされる。猛吹雪が吹き荒む。

 

 「ケヒヒッ...鏖殺だ」

 

 某国、核兵器の使用を決断。呪霊化現象の報告により永久凍結。

 

 「今の日本は人外魔境。地球を幾度滅ぼして余りある戦力が、これほど隠れていたとは...!」

 

 衛星写真に映る、赤く染まった海を見て、時の権力者たちは嘆く。我々が生きる現実、それは薄氷のように脆い物であったことを思い知らされたのだ。

 







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竈の詳細を考えると、
・対呪霊(と受肉体や式神)特化だからいままで使わなかった
・一撃必殺じゃないといけない縛りがある
・そもそも無下限を貫けない(領域があるからそれはなさそう)
・対個人特化だから集団戦になってからは使えなかった(じゃあ何故対五条に使わなかったってなる)
・やっぱ現状不明な縛りがある って感じで何も確信を持てないから、流石に詳細が出そうな本誌の次話が出てから続きを出そうと思います。つまり月曜日かな?

x始めました 美味しいラムネ(@goodramume) https://twitter.com/goodramume
作ったばかりなので運用方針とかは決めてません。まぁ、生存報告用です

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