その血の物語に俺が7人目のスタンド使いとして俺ガイル   作:あいほん

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ラッシュが決まらねェよおおおお!!!



スペシャルズ②

ハイエロファントグリーンの触手が保健室を駆け巡る。

少しだけでも触れればエメラルドスプラッシュがこちらへ向かってくる。

SP4が盾になり攻撃を肩代わりしてくれるが体には切り傷や打撃を食らったような感じがする。

 

「ありがとう、SP4…!」

SP4「OKッ!」

 

空条承太郎、今回の戦闘では彼が決着をつけるべきだと思う。成長への秘訣は先ず勝つことだと思う。

だから今の俺はスマートにサポートに徹しよう。

 

「SP2ッ!触手を撃ち落としてくれ!」

SP2「アイヨ!」

 

SP2、その男は何処からともなく拳銃を取り出して張り巡らされる触手を撃ち抜いていく。何がすごいって飛んでくるエメラルドスプラッシュをもある程度撃ち落としてくれるから他のスペシャルズの防御が幾分か楽になってることなんだよね。

 

しかしダメージのフィードバックは確かにあるため浅めの切り傷が制服に走っていく。このままじゃあ制服がお釈迦になってしまうが何とかなるだろう。

 

「空条承太郎、道は開けたぞ、後は決めろ!」

 

「ッ!」

 

ハイエロファントグリーンの結界を強引に破った事で空条承太郎は敵スタンドに近付き古風な戦士のようなスタンドでその首を掴む。

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラッ!」

 

「ガハッ!ぐぅっ…」

 

首を掴んだその手を前後に思い切り振る。ベギャァ…ボキャア…といった嫌な音が鳴り、花京院典明は吐血する。

 

「エグイな…」

SP1「敵ノ急所ヲ狙ウノハ効果的ダ。パワーノアルアノスタンドダカラコソ出来ル芸当ダナ」

「長所を活かした戦法か…俺はお前達に無理ばっかりさせてるからこういう戦い方が出来ればもっと楽させてやれるのにな」

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!」

 

空条承太郎のラッシュをbgmに物思いにふける。スペシャルズ達には個性があり、それぞれの得意な戦い方がある。こういう戦い方が限定される状況だと力が出し切れないのは嫌な弱点だと思う。

 

「もっと…もっともっと強くなろうな」

 

「オラァッ!!!」

 

最後の拳がハイエロファントグリーンを打ち上げ学校の半分にヒビを入れる。てかさ、さっきから殴ってフィニッシュブロー入れなきゃ満足出来ないの?オーバーキル過ぎない?

 

「ぐはぁッ…」

 

ほれ見ろ、花京院が全身から血を吹き出して倒れたぞ。連れていくとか言ってたけど地獄までなの?ねぇ、どーして「やり過ぎちまった…」みたいな顔してんのさ。

 

「ある程度はタフで良かったな…これから益々凶暴になっていくのか」

 

「まぁ、DIOってのはこんな所まで刺客を送り込んでくるんだ。コイツが下っ端とは思えなんだ」

 

ジリリリリリ…と非常ベルが鳴る。避難訓練とかでしか聞いたこと無かったがまさか自分が起こす側になるとは想像すらしてなかった。スタンド使いになるということはこうして無関係の人を巻き込んでいく事だと思うと日常から非日常にシフトしてしまったんだと改めて実感する。1年前から今日までなんとか日常に引き戻せるように暗躍していたがこうも容易く変わってしまうとは…空条承太郎、やはり彼がこの現状を打破するキーマンとなるのか。

 

「なんだ!?ガス爆発か!?保健室の方からだ!」

「お前ら教室から出てくるな!」

 

「養護教諭と生徒はちょっと離れた廊下に置いてきた。止血程度ならしといたから発見も早くなって救急車でも呼んでくれる。逃げる時間稼ぎにはなるだろ」

「そうか…あとは任せるか。今日は学校をフケるぜ。コイツにはDIOについて色々喋ってもらわなくてはな…勿論、お前も来な。どうせここにいたらとっ捕まって何か言われるだけだろーよ」

「勿論そのつもりだ、ま、明日から夏休みだし…今日位サボってもバチなんざ当たらないだろ」

 

ふん、と鼻を鳴らして保健室の窓から出ていく。空条承太郎は花京院典明を抱えて歩き出し俺もそれに着いていく。今から向かうのは空条邸だ。

 

「知ってると思うが俺は空条承太郎、スタンドはスタープラチナ…さっきは助かったぜ」

「ご丁寧にどうも…俺は比企谷八幡、スタンドの名前はスペシャルズ。宜しく言っとく」

SP5「マスターハブキッチョダカラ仲良クシテヤッテナ」

「おめーは勝手に出てくんなよな!?」

「そんなスタンドもあるんだな…」

 

刹那視線を感じて静かに振り返る。教室の窓ではない…玄関とかではなく茂みでもない。屋上?と思い顔を上げると見られてる。いくつもの影がこちらを見ている。

 

「ッ!」

 

頭痛が起きて一瞬だけ顔を伏せる。もう一度見てみればその影は1つも残っていなかった。ざっと20程度はあったがそのどれにも敵意やそういった類の視線はなく、今まで経験したことの無く形容しがたい感情が感じ取れた。

 

「八幡、どうかしたのか?」

「いや、多分敵ではないと思う…」

「そうか、一応警戒だけはしとくか」

 

おう、と返して空条邸へと歩を進める。ていうか、承太郎さん?何ナチュラルに名前呼びにしてるの?別に嫌って訳じゃあないんだけどこう、陰キャボッチに名前呼びは抗体が出来てなくて最悪アレルギー反応を起こす場合があるから勘弁して欲しいなって。

 

「着いたぜ、ここが俺ん家だ」

「でっけぇ…」

「親父の趣味だからな…ったく、だだっ広いだけで不便ったらありゃしねぇ」

「それ言うの、俺だけにしとけよ?人によっちゃ刺されんぞ」

 

和風で古式の邸宅。雰囲気だけならヤクザとか住んでそうじゃん、ししおどしとか初めて見たよ?ヤベーよ、マジっべーよ。

しかしそんな和風の雰囲気は暫く敷地内を歩いているとある人物によって違和感を感じた。金髪の女性が洗濯物を干してたのだ。

 

「…外国人か?」

「お袋だ」

「え?あんたハーフだったの?」

「んだよ、文句あんのか?」

「いや?名前とかガッツリ日本人だからよ、ほら、空条アントニーとかじゃないのか…って思ってな?」

「ジョが入ってねー、やり直しだ」

「それ、こだわりなのね?」

 

承太郎の謎なこだわりを知って彼の母親の元へ向かう、血だらけで……いや通報されない?

声を掛けようと近付くと何を感じ取ったのか、室内にある承太郎の写真を見つめて興奮し始める。

 

「あっ…今承太郎ったら学校であたしのこと考えてる〜♡。今息子と心が通じ合った感覚があったわ〜♡」

 

チラリと承太郎を見ると帽子を深く被るように直して顔を伏せる。

ってか心通じてたらそんな芸当ができんの?俺も母ちゃんとか小町のこと考えてみよっと。

 

「考えてねーよ」

「きゃああああああああああ!」

 

無理もないだろう。息子が午前中のなんて事ない時間に急に帰ってきたら血だらけの人間と知らない男を連れて来てるのだから。

 

「じょ…承太郎!が 学校はどうしたの?そ…それに…その 人達は!血…血が滴っているわ…ま、まさか あ あなたがやったの?」

「てめーには関係ないことだ…俺は広い屋敷を探す。広い屋敷を探すのに苦労するぜ…茶室か?」

「え…ええ、アヴゥドゥルさんといると思うわ」

「おう…おい 八幡、花京院を連れて奥に来い。俺は先に行ってジジイにこの件を話してくる」

「あっ…ちょ…」

 

おい待てよ!と今後流行るであろうセリフを言う前にそそくさと茶室に向かう空条承太郎。ジジイ…と言ってたな…どうしよう…悪人みたいな目をしてて怪しいからと襲われたら…多分アヴゥドゥルって人もスタンド使いなんだろうな、どうしよう、このまま逃げてしまおうかな。次、10秒以内にししおどしが鳴ったら逃げてしまおう…。

 

「不安なの?」

「え…?」

「貴方がこれまでどんな辛い思いをしてきたか私なんかには分からないけど…承太郎もパパも貴方が思ってる程酷い人じゃあないわ、貴方の力になってくれると思うの」

 

コーン

 

「茶室…どこでしたっけ?」

「…奥の方に騒がしい部屋があると思うわ」

 

花京院を担いで指さされた方へと歩く。

 

「う…うぅ…」

「もう少しで着くからな…」

 

茶室に着き襖を開けると承太郎と話をしていた男二人が目に入る。やたら筋肉質で若々しさを感じる老けた男と黒い肌にやたらインパクトがヤバい髪型の男。この人が承太郎の祖父とそのお供のアヴゥドゥルって人なのだろう。見ただけで分かる、この人達はやり手だ。

 

「おお!話はさっき承太郎から聞いた、その少年を近くに横たわらせてくれ」

 

「うす…」

 

言われた通りに仰向けに横たわらせる。チラッとアヴゥドゥルさんの方を見る。この人は…スタンドを発言した日に夢で出てきた占い師にそっくりだ。忘れないように手帳にメモってたから覚えてる。

承太郎の祖父は一通り花京院の体を調べる。

 

「ダメだな こりゃあ 手遅れじゃ こいつはもう助からん あと数日のうちに死ぬ」

 

「そんな…」

「………」

「承太郎、そして八幡君、お前たちのせいではない。見ろ…この男がなぜDIOに忠誠を誓いお前を殺しに来たのか…?理由が…ここにあるッ!」

 

承太郎の祖父は花京院の前髪を上げるとそこには額にヒクヒクと動く芽のような肉片があった。

 

「なんだ?この動いているクモのような形をした肉片は?」

「寄生…してるみたいだな…」

「それはDIOの細胞からなる『肉の芽』その少年の脳にまで達している。このちっぽけな『肉の芽』は!少年の精神に影響を与えるよう脳に打ち込まれている!つまりこの肉の芽は“ある気持ち”を呼び起こすコントローラーなのじゃ!それは“カリスマ”!ヒトラーに従う兵隊のような“気持ち”!邪教の教祖に憧れる信者のような“気持ち”!この少年はDIOに憧れ忠誠を誓ったのじゃ!!DIOはカリスマによって支配してこの花京院という少年に我々を殺害するよう命令したのだ」

「洗脳ってやつか…」

「うむ まさにそうじゃ」

 

益々DIOって奴がとんでもない人物ってのを実感する。スタンド能力か何かは分からないがこの力は危険すぎる。もしかしたら日本中こういう『肉の芽』を埋め込まれた人物がいるかもしれないと考えるととても恐ろしい。

 

「手術で摘出しろ」

「この肉の芽は死なない、そして脳はデリケートだ。取り出す時にこいつが動いたら傷をつけてしまう」

 

「…JOJO…こんな事があった4ヶ月ほど前…私はエジプトの…カイロで…DIOに出会ったのだ。私の職業は占い師、ハンハリーリという市場に店を出しているその晩は…満月だった。奴は…私の店の2階への階段に静かに立っていた。心の中に忍び込んでくるような凍りつく眼差し、黄金色の頭髪、透き通るような白い肌、男とは思えないような妖しい色気。すでにジョースターさんと知り合いだったので話を聞いていた私はすぐに分かった。こいつが大西洋から甦ったDIOだと!奴を本当に恐ろしいと思ったのは その時だ。奴の話しかけてくる言葉はなんと心が…安らぐんだ…危険な甘さがあるんだ、だからこそ恐ろしい!!私は必至に逃げた 闘おうなととは考えはしなかった。まったく幸運だった、話を聞いていてDIOだと気付いたから一瞬早く窓から飛び出せたし私は迷路のようなスークに詳しかったからDIOの追走から逃げられた…でなければ私もこの少年のように『肉の芽』で仲間に引き込まれていただろう。スタンドを奴の為に使わせられていたろう…そして、この少年のように数年で脳を食い尽くされ死んでいたろうな」

 

「死んでいた?ちょいと待ちな、この花京院はまだ死んじゃあいねーぜ!」

 

アヴゥドゥルさんの話を遮る承太郎、そうだ、花京院は死んでいない。諦観するのは万策尽きてフィジカルもパッションも叶わない時だけなんだよ!

 

「俺のスタンドが引っこ抜いてやるッ!」

「承太郎!」

「じじい!俺に触るなよ…こいつの脳に傷を付けずに引っこ抜くからな。俺のスタンドは一瞬のうちに弾丸を掴むほど正確な動きをする」

「やめろッ!その肉の芽は生きているのだ!!なぜ奴の肉の芽の一部が額の外へ出ているのか分からんのか!優れた外科医にも摘出できないわけがそこにある!」

 

花京院の肉の芽を掴んだスタープラチナ、そのまま引き抜こうとするも『肉の芽』から触手が飛び出し花京院を抑える承太郎の手に突き刺さった。段々と引き抜くに連れて承太郎の腕から脳に向かってミミズのような盛り上がりは進んでいく。やはり脳に侵入しようとしているのだろう。

 

「き……さ……ま………」

「動くなよ花京院、しくじればテメーの脳はお陀仏だ」

 

触手は承太郎の顔まで這い上がってきた、後は時間との勝負だろう。にしても体の中を触手が這いずっているのに眉ひとつ動かさず機械以上の正確さで動いているのは凄まじいな。これがスタープラチナの能力…。

 

「うおおおおお!!」

 

花京院の頭から触手を抜いて自分の体に入ってきていたのも引き抜く。

 

波紋疾走(オーバードライヴ)!!」

 

手に纏った謎の閃光を込めた一撃を受けて『肉の芽』は消滅した。あの光は…スタンド能力なの、か?

 

「………な?なぜ お前は 自分の命の危険を冒してまで私を助けた?」

「さあな…そこんとこだが俺にもよう分からん」

 

カリスマなら承太郎にもあるのだろう。

俺はこの場面を指をくわえて見る事しか出来なかった悔しさと承太郎の中にある優しさになんとも言えない感情を覚えた。いかんいかん、きっとこの顔は緩んでいるのかもしれない。




こう考えると承太郎ってヤバいよねって事。
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