無気力ギャル神様の体を貰って楽しく暮らそうって話 作:匿名のTS好き
本編時系列では「無気力ギャル神様になったって話」と「~の身体で遊ぼうって話」の間の数ヶ月の空白期間を部分的に補完する内容です。
今後も本編に密接に絡まない補完的な話は番外で軽く書いていきます。
ともあれ世界とは奇妙奇天烈摩訶不思議である。
思えば何故ギャル美少女な容姿の神様と出会ったかとか、しかも身体を貰って新たな人生を歩むようになったかとか、考え出すとキリがない出来事が連続したせいで頭の中はゴチャついている。
そんなわけで脳内の整理、リフレッシュを兼ねてこの大西洋北部の無人の小島に流れ着いた。
まあ、何故そんなことになったのかは置いといて、とりあえず今はこの無人島で色々実験してみたいことがある。
そういうわけで俺は島内を一周してみることにした。
……だいたい徒歩で6時間程度。よく覚えてはいないけど、確か人の歩く速さは時速4kmぐらいと聞く。
つまり1時間で4km進むということだが、この速さで6時間かかるということは、単純計算で4×6で24kmがこの小島の周ということになる。
あくまで周を求めただけなので面積も求めればまた違うのだろうが、とりあえずこの島のだいたいの規模は分かった。
それなりに大きいようだが、やはり小島だ。
とはいえ土は鉄を含んでいるようで、なかなか硬い。
……そうだ、ゴーレム作ってみよう。
「えーと、土や鉄を操る能力は……あ、これかな?」
土砂や鉄分に分類されるものを操る超能力によって島の一部、俺の目の前の3m四方の地面がくりぬかれ、それが空中で躍る。
土や鉄がまるで粘土のようにグニグニと気味悪く曲がったり歪んだりしながら整形される様は圧巻で、たとえるなら怪獣が起き上がるのを見ているような、それを高解像度のCGで見せられているような感動を覚える。
……そうして30秒程の変形を経て、目の前には10m強の巨大なゴーレムがあった。
「よしよし、それじゃちょっと乗ってみよう」
ゴーレムの上に軽く飛び乗り、首の付け根部分にある明らかに人間が乗ることを想定してそうなコックピットのような部分……人間でたとえるとパーカーのフードみたいに開いた部分に乗り込み、神通力を通してみる。
神により放出される世界のどんな物質にもエネルギーにも変化していない純粋な神通力。
その大神秘を身体全体に行き渡らせたゆえか、満ちた神通力により動き出したゴーレムは、一切の重力の束縛を振り切ったかのような非常に軽い身のこなしで、地上を跳ねたりよく動いた。
「おおすげ……飛んだりできるかな」
背面に
なんかもう戦闘用のロボットって感じでゴーレム感はほとんどないけど、まあこんなもんでしょう。
「……んー、安定感はバツグンに良いけど、速度がいまいちかな」
揺れらしい揺れがほとんどなく、それこそ体感では満杯になるまで注いだビール入りジョッキが何十と載せられても溢さず運べるだろうと思える程度には安定感のある乗り心地であり、それは実に喜ばしいことだ。
ただ、どうにも遅い。
かれこれ30分程試験飛行したが、だいたい時速60kmぐらいのスピードしか出ない。
流石に乗用車並みのスピードしか出ないのもどうかと思ったし、何より今後俺の乗り物としても使うかもしれないものなので、俺より遅いのは微妙である。
なんせ音も光も追い越した正真正銘の『
神の叡智で宇宙の生命体について検索したら、どうやら秒速1億8000万光年……つまりこの世界の直径の約420万分の1に匹敵する距離を一秒で走破できる、地球生物から見れば化け物のような存在も居るようだが、そんな生命体ですらこの肉体からしてみれば体感で「ちょっと速い」である。
「こりゃもうちょい改善の余地がありそうだな……」
そう独りごちつつ、高速飛翔するゴーレムと途中から飽きて自力で飛行し始め空中を並走する俺は、大気圏を突き抜けて宇宙空間に到達する。
そうして何気なく地球の外へ脱した俺は、少し宇宙を遊泳しながら宇宙ステーションに捕捉されないよう注意を払いつつ地球に帰還した。
ちなみに地球は青かったし丸かった。
ガガーリン氏の気持ちが分かった気がした。