完璧で究極のチョコ職人は、大海賊時代でチョコを売り始めます   作:ちいさな魔女

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アイとチョコレート工場のはじまり:その5

ショコラータはアイに言われた通り、タキオンの部屋の前にやって来た。すると、部屋の中から薬の匂いが漂って来た。

 

タキオン『入り給え』

 

ノックしようとしたショコラータだが、部屋の主から早くも承諾を得た。扉を開けて、ショコラータは中に入る。

 

ショコラータ「どうも。アイのお姉さん………えっ!?なにこれ!?」

 

ショコラータは部屋の中が変わっている事に驚いた。

 

其処は、無数のフラスコや試験管、リトマス紙、多数の医学の本といった、正に実験室と言っても過言ではない部屋が広がっていた。ショコラータの知る部屋とは完全に異なっていた。

 

そして部屋の中心には、部屋を改造した張本人が試験管の中の液体を揺らしていた。緑色に輝く液体だ。アイが持っていたお菓子の材料の液体に似ている。

 

タキオン「やあ、いらっしゃい。どうやら顔色が良いようだねぇ。アイのお菓子、食べたのかい?」

 

ショコラータ「うん、食べたよ。そしたら頭の中に沢山考えが浮かんできた」

 

タキオン「だろうねぇ。私もアイのひとすじの光を食べたら、色んな薬のアイディアが浮かんできたんだ。アイの腕は本物だろう?」

 

タキオンは薬の実験をしていた。

 

ショコラータ「うん。タキオンだっけ?タキオンはお医者さんなの?」

 

タキオン「正確には薬剤師だがね。まあ医術の心得はドラム王国で習った事がある。今はアイ専門の医者を務めてるよ。将来はアイの店で、店員達の体調管理を担う医者になるつもりだよ」

 

タキオンは試験管をセットに設置した後、フラスコの中で少しずつ溜まる薬を見つめる。

 

タキオン「この部屋は汚かったから、私が改造したのさ。スクラビットとブリーチャーの企みを、逆に利用してやるのさ」

 

ショコラータ「怪しいお医者さんかな?」

 

タキオン「まあ、契約書は仕事中に改めて読ませてもらったさ。私はサインしてないが、アイが私の名前を書いた後に泊まったせいで契約したと見なされた。全く理不尽な能力だねぇ。でもまあ、抜け穴はあるさ。要はスクラビットの目を掻い潜って君が私かアイを外に出せば良い」

 

ショコラータ「それは無理だよ。スクラビットさんはハゲタカのように目を光らせて見張ってる。でも………確かかなり気が緩んでた時があったよ」

 

タキオン「ほう?」

 

ショコラータは話を続けた。

 

ショコラータ「前に貴族が道を訪ねに此処へ来た時、スクラビットさん気が緩んでた。やたら色気振りまいてて、気持ち悪かったよ」

 

ショコラータがげんなりとした顔をした。それほどまでに不快だったのだろう。

 

タキオン「成る程ねぇ。だがまあ、やりようはあるさ。紙と鉛筆を用意してくれ。良い手がある」

 

ショコラータ「何するの?」

 

タキオン「プランAだ。私の考えはプランBに取っておくよ」

 

そして、ショコラータが持って来た紙と鉛筆を使い、タキオンは絵を描いていく。その紙に描いたのは、髪型が整ったブリーチャーの絵だった。

 

ショコラータ「プランBは何?」

 

タキオン「……もしスクラビットにバレた時、外部からのスパイが現れた時の為の、保険だよ。最も、既に仕掛けさせて貰ったがね」

 

――――――――――――――――――――――――

 

スイートガレリアの大宮殿。グルメガレリアを収める王の間。その玉座には、一人の少年が座っていた。王冠を被り、マントを羽織るその少年の周りには無数の兵士達が立っており、玉座の周りには、フィクルグルーバー、プロドノーズ、そしてスラグワースが立っていた。

 

彼等の目の前には、平伏している初老の男性が怯えていた。

 

少年王「貴様はスイートガレリアでチョコを配った!許可なくチョコを配った罰として投獄する!」

 

少年王が命令すると、兵士達が男性に掴みかかる。

 

少年王「スラグワース。此れで良いのだな?」

 

スラグワース「ええっ、勿論です王様」

 

フィクルグルーバー「この男は………その……アレだ。まあ、あの………思い出すだけで吐きそうだ……ウォエッ」

 

プロドノーズ「早く連れてくのだ」

 

少年王は彼等の言葉を疑う事無く従う。どうやら少年は王ではあるものの、スラグワース達に操られてるような形で、スイートガレリアは統治されていた。

 

男性「王様ッ!!貴方様は騙されているのです!!今スイートガレリアは、貧困に苦しむ民達で溢れかえり、飢えに苦しむ民達が増えつつあります!!どうか、民の言葉に耳を傾けてくたさい!!」

 

フィクルグルーバー「ウプッ………ウボッ……は、吐きそうだ!」

 

プロドノーズ「早く連れてくのだ!フィクルグルーバーが今にも吐きそうなのだ!」

 

フィクルグルーバーは、貧乏人達の話を聞くだけで吐き気を催していた。今にも嘔吐しそうな程に苦しんでいる。

 

少年王「おいスラグワース。ああ言っているが?」

 

スラグワース「いやぁ、あの男は頭がおかしいのです。耳を傾けてはなりませんぞ」

 

スラグワースが少年王に告げる。

 

少年王「うむ!お前達の言う通りやもしれぬ!」

 

男性「」

 

男性は深く絶望した。

 

こうして男性は連れ去られて行く。その時に彼はスラグワース達を睨みながら、心の中で願った。

 

男性(誰か……頼む!!この悪魔達を、誰か倒してくれぇ!!このスイートガレリアが、本来の甘くて幸せな国に、戻してくれぇ!!!)

 

男性は兵士達に連れ去られた後、入れ替わる形で一人の海兵が入って来た。アイから儲けたお金を回収した小太り大佐であった。

 

大佐「王様!スラグワースさん!お邪魔致します!」

 

スラグワース「では王様。そろそろ就寝時間です。ボンボ、案内しなさい」

 

少年王「うむ!スラグワース、後を頼んだぞ!」

 

ボンボ「では王様、こちらへ」

 

スラグワースの秘書が少年王を案内する。

 

少年王が玉座の間を出た後、大佐が3人の元へ近付いてきた。

 

大佐「やあどうも。報酬を頂きに参りました」

 

スラグワース「どうぞ」

 

スラグワースが手を叩く。すると、執事がトレイに乗せたチョコ入りのプレゼントボックスを大佐に渡す。

 

大佐「どうも。いやーやっぱり此れが無くては。最高だ」

 

大佐はチョコ入りの箱を受け取る。手のひらサイズでポケットに収まるボックスをポケットに仕舞うと、その場を去ろうとした。

 

スラグワース「なあ大佐。それを持っと欲しくないかい?」

 

大佐「えっ?ま、まあそれはそうですが……」

 

スラグワース「ならば条件がある。あのウォンカという女、スイートガレリアから追い出すだけでは足りない気がするのだ。其処で君には、ウォンカに我々からのメッセージを伝えて欲しいのだ。あの女のチョコ作りの腕は、かのビッグ・マム海賊団すらも上回るかもしれん」

 

フィクルグルーバー「それ程に美味いチョコを作れる癖に、たったの100ベリーで売っていた。あれでは誰でも買えてしまう。本来我々のような裕福な者達にのみ食べる事が許されているチョコを含めたお菓子を、一気に下げてしまう。そうなれば………ほら………あの………あの、奴等だ!」

 

大佐「貧乏人?」

 

フィクルグルーバー「うぉえっ!!やめろ!!吐き気がする事を言うな!!」

 

プロドノーズ「コイツはその言葉が吐き気がする程嫌なのだ」

 

大佐「おっと失礼」

 

スラグワース「まあ要するに、ウォンカに此れ以上この島でお菓子を作らないよう伝えて欲しい。もしまたお菓子を作れば、痛い目に遭わせてやるとな」

 

大佐「い、いやぁ……仮にも私はこのスイートガレリア所属の海軍大佐です………皆さんのライバルをやたら脅して回る訳には………」

 

大佐はその場を去ろうとした。

 

スラグワース「流石は海軍大佐。でも自分に問い掛けて」

 

スラグワースは椅子を叩き、大佐を誘う。大佐はスラグワースの元に歩み寄り、スラグワースの叩いた椅子に座る。

 

執事が判子を押して、取り引き完了の文字を契約書に描く。

 

スラグワース『甘いの好き?』

 

大佐『ええっ、まあ……』

 

スラグワース『よだれが出ちゃうでしょう?』

 

すると、トロミのあるチョコの入ったグラスを手にしたフィクルグルーバーが大佐の前のテーブルに座り、足を組んだ。

 

フィクルグルーバー『甘いの沢山欲しいでしょう?』

 

大佐『勿論♥』

 

フィクルグルーバー『ほぉら食べちゃえ我慢せず〜♪』

 

フィクルグルーバーがスプーンに掬ったチョコを大佐に伸ばす。大佐はフィクルグルーバーのスプーンに乗るチョコを食べた。

 

プロドノーズ『我慢したら苦しいだけでしょう?』

 

そして、3人に周りを囲まれた大佐。大佐は3人からの誘惑に、目が泳ぎ始めた。

 

スラ、フィク、プロ『『『もっとチョコをたらふく食べたいでしょう?』』』

 

スラグワース『さあ、100個のチョコどうぞ♪』

 

しかし、大佐は目が泳ぎながらも断った。

 

大佐『申し訳ありませんが、断る!』

 

大佐は立ち上がり、スラグワース達の元を向きながら去り始めた。

 

大佐『お菓子は控えると妻に約束したのです。舞踏会があるんで、痩せていかないと……アハハ……』

 

大佐が扉を開けて玉座の間を出ようとした。その時だった。

 

フィク&プロ『『でも我慢したくないでしょう?』』

 

二人が大佐の前に回り込み、それぞれ別々の柱から出てきた。

 

大佐『まあね。出来ればチョコに溺れたい位だ〜』

 

スラグワース『それは実に素晴らしい事だ』

 

大佐『ですねぇ〜』

 

スラグワース『スイーツだけ食べて生きた〜い♥』

 

大佐は徐々に落ち着きが保てなくなりつつあった。

 

スラ&プロ&フィク『『『太ってたって大丈夫!ウエストなんて誰も見やしないさ〜!』』』

 

スラグワース『さあさあ………足りないなら……1000個のチョコはどうだい?』

 

執事『ヒュ~』

 

執事が山のように積まれたお菓子入りの箱の山を見せた。香るチョコを含めた甘い香り。スラグワースが手を差し出すと、大佐は手を伸ばしかけた。

 

大佐『こんなにチョコが………』

 

スラグワース『食べたい?』

 

大佐『うっ』

 

プロドノーズ『我慢ダメ♪』

 

大佐『ほっ』

 

フィクルグルーバー『食べ放題〜♪』

 

大佐『駄目だぁ!!』

 

大佐は去ろうとするが、スラグワース達は止まらない。音楽がより壮大になり、執事が舞台のライトを照らす。

 

スラグワース『行くぞ!最後のトドメだ!』

 

3人はその手にポンポンを持った。

 

スラ&プロ&フィク『『『甘いの好きでしょう?食べたい?』』』

 

大佐「いやぁ……」

 

スラ&プロ&フィク『『『チョコ愛してるでしょう?』』』

 

大佐「まあそうですが………」

 

スラ&プロ&フィク『『『甘いの食べて生きたい!そうでしょう?』』』

 

大佐「まあ正直」

 

スラ&プロ&フィク『『『食べましょう♥ほぉらほぉらほぉらほぉらほぉらほぉらほぉらほぉら♥』』』

 

3人と肩を組み合って、共に踊り出す大佐。

 

執事がレバーを引くと、紙吹雪が降り始めた。

 

スラ&プロ&フィク『『『奥さんの言葉も気にせず、食べれば良いさ!』』』

 

フィクルグルーバー『素晴らしい仕立て屋が腹を隠してくれるさ』

 

フィクルグルーバーが渡した名刺には、腹を極限まで絞られた太った男の絵が描いてある。大佐はそれを見て喜びのあまり笑ってしまうが、すぐに残った理性で否定した。

 

うわべだけの否定を。

 

大佐『だ、断固断……る』

 

スラグワース『5000箱なら?』

 

大佐『乗った♥』

 

スラグワースの執事が台車に乗せた5000箱のチョコの山積みに、大佐は誘惑に負けた。元々彼等と取引してチョコを貰ってたのだ。我慢して何になる?もっともっとチョコが食べたいのだ。彼等はチョコをくれる。

 

ウォンカに警告しよう。

 

スラグワースと大佐は握手を交わす。大佐はスラグワースの握力に「グオォ……」と苦痛の声を漏らした。

 

アイとタキオンの知らない所で、黒い計画が動いていたのだった。




政治に関しては完全ド素人です。また歌詞を考えました。

《甘いの好き?/Do you like sweets?》
『甘いの好き?』
『ええっ、まあ……』
『よだれが出ちゃうでしょう?』
『甘いの沢山欲しいでしょ?』
『勿論♥』
『ほぉら食べちゃえ我慢せず〜』
『我慢したら苦しいだけでしょう?』
『『『もっとチョコをたらふく食べたいでしょう?』』』
『さあ、100個のチョコどうぞ』
『申し訳ありませんが、断る!』
『お菓子は控えると妻に約束したのです。舞踏会があるんで、痩せていかないと……アハハ……』
『『でも我慢したくないでしょう?』』
『まあね。出来ればチョコに溺れたい位だ〜』
『それは実に素晴らしい事だ』
『ですねぇ〜』
『スイーツだけ食べて生きた〜い♥』
『『『太ってたって大丈夫!ウエストなんて誰も見やしないさ〜!』』』
『さあさあさあ!足りないなら……1000個のチョコはどうだい?』
『こんなにチョコが………』
『食べたい?』
『うっ』
『我慢ダメ♪』
『ほっ』
『食べ放題〜♪』
『駄目だぁ!!』
『行くぞ!最後のトドメだ!』
『『『甘いの好きでしょう?食べたい?』』』
『『『チョコ愛してるでしょう?』』』
『『『甘いの食べて生きたい!そうでしょう?』』』
『『『食べましょう♥ほぉらほぉらほぉらほぉらほぉらほぉらほぉらほぉら♥』』』
『『『奥さんの言葉も気にせず、食べれば良いさ!』』』
『素晴らしい仕立て屋が腹を隠してくれるさ』
『だ、断固断……る』
『5000箱なら?』
『乗った♥』

オリジナルで作りました。
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